転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

別行動開始

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「では、攻撃隊の指揮をエリックさんからバンさんに引き継ぎ、私とバンさんで攻撃隊を率います。ですので、ご心配は無用です。エリックさんはあれこれ考えずにティアさんだけに集中して下さい。私たちがエリックさんの分まで引き受けますので、無事にティアさんを必ず連れ帰ってきて下さい。……頼みましたよ?」


 鋭い眼差しにエリックは息を呑み、大きく頷いた。


「ああ、約束する。必ずティアを連れ帰る。ティアのことはまかせろ。だから、この後の事は任せたニールさん。」


「ええ。…………スノウさん、ティアさんさえ無事であれば、どれだけエリックさんたちが傷を負っても構いませんので上手く有効利用して下さいね。」


〈うん、わかったよ!〉



「「おいおいおーい!?」」



 エリックとビスはニールの言い草に思わず声を出して待ったをかける。それを知らんぷりして話を続けるニール。


「ビスさんもエリックさんと行動して下さいね?貴重な戦力を割くのですから闇雲に動かれては困りますし、いざという時にエリックさんを止めるストッパーになって貰わねばなりません。スノウさんにエリックさん、そしてビスさんという過剰戦力であれば多少の敵と交戦しても対処可能でしょう。」


「りょ、了解しました。」


 押され気味のビスである。


「エリックさんたちも忘れずに通信石を持って行って下さいね。それからこちらも一緒に持って行って下さい。」


 そう言ってニールはカバンを手渡した。


「これは?」


「回復薬です。解毒薬も数種類入っています。ティアさんが白魔法に長けているのは承知していますが、ティアさんに不測の事態があった時のために持って行った方がいいでしょう。」


〈そうだね。いくら白魔法が使えてもティアに意識がなければティアが魔法を使うことはできないし。〉


「なんでも入ってそうなアイテムボックスもティアが起きてなきゃ取り出しできないもんな。」


 エリックはカバンをスノウに背負わせた。


〈ちょっ、何するんだよ!〉


「ん?いいじゃないか。似合っているぞスノウ。」


〈似合う似合わないの問題じゃなーい!〉


「無駄口叩いてないで行きなさい。」


「「〈ヒィィ!!はいっ!〉」」


 バチバチと雷を身体すれすれに放たれたエリック、ビス、スノウは元気な返事をするとティアとアルベルタを救いに駆け出すのだった。その後ろ姿をみてニールは呟く。



「どうか無事でいて下さいティアさん…」






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