転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

ユリアと通信 3

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 なにそれ、どういうこと!?


{私たちも何が起きたのか咄嗟には理解出来ませんでした。魔物を操る者が気が狂ったかのように突如叫び出し、苦しみ出したと思ったら、額に埋め込まれていた魔石のようなもの…これもカッターマンティスと同様、小さいながらも正体不明の漆黒の魔石でした。これにヒビが入り、割れて砕け散ったのです。そして、その者は塵となり、跡形もなく消えました。}


〈適合しなかったんだろうね。あれは人の身には余るものだから。適合しなければ、その身が滅びるだろうからね。その男は、額に剥き出しになっていたみたいだし、とってつけた見せかけの力だったんだろうね。この際だから言うと、逆にあのヤヤってやつは適合者だよ。その漆黒の魔石…いいや正しくは人の場合は魔核になるのかな?魔物の場合はもとより魔石があるからそれを変質させればいい。だけど人の場合、魔石が体内にあるわけもないから、新たに取り入れる必要がある。上手く適合すれば、人外並みの力を享受することができ、非適合者は狂人と化すか、次第に魔核の力に身を滅ぼされるかしかないんだ。〉


 スノウは念話でそばにいる私たちに伝える。めっちゃヤバい代物だよ!こわっ!


 スノウの言葉を受けて代表してニールが応える。


「その漆黒の魔石とやらをどうにか回収できますか?」


{すでに回収済みです。魔物を操る者が消えた事でカッターマンティスたちの統制力も落ち、敵は自分たちが不利になったと気づき、撤退していきました。カッターマンティスの妨害でみすみす撤退を許してしまいましたがキャワルンズは捕縛済みですので、これから色々と聞き出す予定ではあります。が、おそらく利用されただけで重要な情報は期待できそうもありません…他の一部捕縛した残党たちもあまり期待できませんが。}


「まぁ、あの頭が弱く花畑でいっぱいの阿婆擦れ…んん"っ!頭にお花が咲いた女性たちですからね。そうそう期待はしていませんよ。キャワルンズとその他捕縛者を連れて一度地上へ戻って下さい。深追いは危険ですので、なさらないで下さい。」


 ニールさん?言い直しても言ってること変わらないよ。それどころか頭にお花が咲いたって…ぷぷっ!確かに赤青黄の花を咲かせてそうだけど!ヤバい想像したら笑いが止まらないよ(笑)

 ユリアさんもツボに入ったのか微かに笑った気配がした。そして一時帰還を了解すると、通信石からの反応は消え、通信は切れた。









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 この頃、一気に寒くなってきましたね!夏から冬に一直線。秋は何処へ?というほど短いですね。皆さま、風邪引かないようにお気をつけてお過ごし下さい(о´∀`о)と言ってる私自身が風邪気味です笑笑
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