転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

パッチーナ攻防戦 9

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♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
~防衛隊~


「シャイン!!!そ、空が!!!」


「えぇ!あなたに言われなくても嫌でも視界に入っているわよ!!」


 シャインとテルボーは空を見上げ焦燥に駆られる。

 そして、、、パッチーナを覆う魔法陣が発動するのに気づき周囲へ命令を即座に放つ。


「「総員、退避っ!!!!!」」


 シャインとテルボーの判断は速かった。発動された魔法陣から何が起きるのか、、、決して良いことではないことは言わずもがなである。案の定、発動された魔法陣からは荊が地上へと降り掛かり、見境なく攻撃が始まった。人も魔物も建物も、無差別に鋭く貫き、絡みとっていく荊。空へ打ち上げた防衛隊の退避命令の信号弾。それを見た防衛隊各小隊も打ち上げ、退避命令がパッチーナに広まっていく。


 そして、、、テルボーにはこの魔法が誰のものか、予想がついてしまった。


「あのバカ野郎…」


 そこにあるのは怒りか困惑か。その浮かべる表情には様々な感情が見え隠れしている。


 シャインとテルボーは近くの防衛隊の各小隊を集め、身を守りながら駆ける。


「避難所へ向かうわ!」


 パッチーナ全域を襲う魔法に、戦い守る術を持たない者たちが大勢いる避難所は悲惨な状況に陥っていることだろう。いくら防衛隊や領主直属の者たちが護衛として傍にいるとはいえ、全ては防ぎようはない。被害は如何程か。













 テルボーたちは空からの攻撃を避けながら領主の留まる避難所へとたどり着いた。避難所を前に立ち止まるテルボーたち。



「……どうなっている?」



「あっ!テルボー殿!それにシャインさん、防衛隊の皆さん、こちらへ急いで!!」


 こちらに気づいた領主が慌てて声を掛けてきた。








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