助太刀異世界

浅見一

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助太刀異世界1

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カチカチカチカチ、ジリジリジリ!
僕は目覚ましの音で目を覚ました。

「は~!!よく寝た!さて」

僕は顔を洗い、家を出る、皆さんは日課と言うものはありますか?毎日これを欠かさずする、これをやらないと気分が悪いなど、様々な理由で日課があると思います。

僕、海藤アツキの日課は、まず毎朝お風呂掃除から始まります!と言っても皆さんが思うお風呂掃除ではありません、分かりやすく言うと温泉の浴槽掃除です、僕の家はここ、温泉、泉の湯の二階にあります。

でもなぜ掃除をしてるかって?それは毎朝掃除をすれば家賃は払わなくて済むからです!
ゴシゴシゴシ、僕がいつも通り掃除をしていると、
ガラガラガラ!扉が開き

「おはようございます!アツキさん」
 
この人がいずみさん、歳は14歳で可愛らしい笑顔が売りだ、驚きなのがこの人がここ、温泉の泉の湯の女将なのだ!

「おはようございます!いずみさん」
「毎朝ありがとうございます!おかげで私も楽になりましたよ~」
「いえ、家賃只にしてもらってるのでこのくらい当たり前ですよ!」
「ありがとうございます、では私は仕事に戻りますね!」
そう言っていずみさんは風呂場から出ていった

僕は残りの掃除をし、二階に戻るがまだ朝ごはんは食べない、僕にはまだやるべき事がある、それは木刀で素振りをするのだ、

僕の両親は小さい時に辻斬りに斬られて死んだらしい、らしいと言うのは記憶にないからだ、後で親戚に教えてもらったのだが、その話によると、夜3人で外に食べに行った帰りに辻斬りにあったのだ、両親が斬られたのに僕だけのなぜが一切斬られていなかったらしい、それどころか、その場に両親以外にも死体があったらしい、おそらく辻斬りの死体だったそうだ、誰かが僕を助け、辻斬りを殺したのだ、分かるのは結局これだけだ、

僕はそんな話を聞き、人を助ける事に憧れた、結果的に辿り着いたのは侍だった!僕は侍になるべく、毎日こうして素振りをしているのだ、

素振りを終えた僕は朝ごはんを食べ、外に出掛ける、仕事探しだ!服を着替え家を出て階段を下りる、すると泉の湯の入り口で何やら怒鳴り声が聞こえる、

「おいコラ!温泉なのに入れてくれねーとはどうゆう事だ!」
「すみません!営業時間外なので、準備も何も出来てないんです」

どうやら3人組の男達が温泉に入れろと文句を言ってるらしい、当然朝はやっていないので、いずみさんが対応している

「こっちはよ、昨日から飲んでて体中ベタベタなんだよ!風呂入ってサッパリしたいんだよ!温泉は良いとしてシャワーくらいいいだろ?」
「すみません、お客様のような酔っぱらいは入れることも出来ません」

相変わらず、いずみさんは見た目に反して強気だなぁ~

いずみの胸ぐら掴み、ぶちギレる男達

「あんま調子乗るなよ!チビ人間が」
「チビ、チビ、チビ人間ですって……」

あのバカ共が!!!いずみさんにそれは禁句だろーが!そう、いずみさんにチビやロリッ子など、見た目をバカにするような事を言うと大変な事になるのだ、

いずみが男の腕を掴み

「手を離して下さい」
「離さなかったら、どうなんだよ?」
「手を、手を離しなさい!」

怖えーー!!なんて殺気だ!こっから見ててもチビりそうだ、それにあの目付き、完全に人を殺そうとしてる目じゃーか!逃げて、早く土下座していずみさんから逃げて!

男はビビったのかいずみから手を離す、すると

「調子乗るんじゃねー!クソガキが!」

なんと!いずみに殴りかかったのだ

「ガキですって、」

いずみはパンチを避け銃剣を顔に向け、バン!マジで撃ったのだ、血を流しながら一人の男が倒れていく、

「死、死んでる、お、お前頭おかしいんじゃねーか?」
「ん?何か言いました?」
「いえ、何でもありません」

そう、いずみさんは銃剣使いのプロなのだ、銃剣とは長い銃の先端に剣があり、剣としても使えて銃としても使える物だ!なんでそんな物を極めたのか、前に本人に聞いた事がある、

「あのいずみさん、なんで銃剣なんか極めたんですか?」
「銃剣にはこだわりはありません、たまたまテレビで重い棒を持ち、動く事で体感なとが強くなり痩せるって言ってたんで、押し入れに父の形見の銃剣があったので、それでやってたら今に至りました」

そう、そんなふざけた理由で、誰も手に終えない力を手に入れてしまったのだ、それに父の形見をダイエットに使うって、さすがだぁ~、

そんな事を考えている内に警察が来た、

ヤバイんじゃないのいずみさん、この状況どっから見てもいずみさんが撃ち殺してるとしか見えないんですけど、ん?ってもう銃剣隠したんかい!

いずみの銃剣は折り畳めるので普段は背中に隠している、駆け寄ってきた警察にいずみが説明をする

「お疲れ様です」
「あのー、何があったんですか?」
「いきなり悲鳴が聞こえたので外に出たらこの二人が銃でこの男の人を撃ってました」

ガッツリぱちこいた!そんな理由通る訳ないだろ!それにその二人が本当の事言ったら

「あの、その男殺したの、」
「ん?何か言いました?」

いや、目で殺してる!なにあの目、言ったら殺すぞの目をしてるよいずみさん!

「いえ、何でもありません、僕達がやりました」

決着ついたー!僕は朝からとんでもないものを見せられた。

さて、気を取り直して仕事探しに出掛けよう!
いくら家賃が只でも食費に電気代ガス代など、お金はたくさん掛かるから稼げる仕事をやりたい

「なんか良い仕事ないかな~」

僕は電柱や壁に貼られた求人広告を見る、今はどこも不景気で時給が安すぎる、

「時給300円なんてバカにしてるだろ、やっぱないかー、今時給料が良い仕事なんて」

僕は今日もダメかと諦め、自宅方面に歩こうとした時、僕の目に一枚の求人が写った、

「月100万も夢じゃない!?なんだこれ!」

その求人広告に書かれていたのは、
新規に二人募集、歩合制により月100万も夢じゃない!仕事内容は面接時に説明!面接希望の人は○月○日○時に競馬場に集合、

いや、これ、ブラックじゃねーか!説明浅すぎでしょ、金額しか表示してないんだけど、
ん~、悩むな~、普通にヤバイ仕事なんだろうけど、給料がな~、

悩んだ挙げく僕の答えは

遅いな~、集合時間過ぎてるのに、それに競馬場に集合ってどんな面接だよ、

待っていると競馬場の中から一人の男が出て来て話し掛けてきた

「悪いな、待たせちまって、競馬で遊んでたら時間忘れててさ、面接の人だよな?」
「はい!」
「歩きながら話すからついてこい!」

僕は腰に刀を差した男についていく、

「お前名前何て言うの?」
「海藤アツキって言います」
「今時カタカタって」

笑いだす男に僕は名前を聞き返した

「俺は坂本竜真」
「いや、あんたも人の事言えねーじゃん!」

「まぁいいや、仕事内容を先に言うぜ、しっかり聞いとけよ?」

この偉そうな男と一緒に働くのか~、

竜真はアツキ説明をしだした

「簡単に言うとな、昔、人類はこの世界で変なリングを4つ見つけたんだよ、それでそのリングを調べると他の世界に行けることが判明したんだ!」

他の世界?一体何の事だろーか?さっぱり分からない

「しかし人類はそのリングを使えなかった、そこで、そのリングをコピーし、使えるリングを作った」
竜真は説明を続ける
「そのリングを使い、異世界に行った、そこで気付いた事があった、リングはどうもこの世界にしか無いらしく、他の世界にはリングはなく、こっちの世界には来れない事が分かった、それで人類はこの世界にしかリングが無いのなら、他の世界を助けよと言う神のお告げではないかと考えた」

段々話が見えてきた、

「人類はリングを量産し、兵士に配り、様々な異世界に派遣して異世界を救う事を決めた、それが今に繋がり、俺達の仕事って訳だ」

僕は言葉が出なかった、僕の知らない事がこんなにたくさんあったなんて

「つ、つまりリングを使って様々な異世界の人々を危機から救うって事ですか?」
「そうそう!だから今から登録に行くぞ!」

登録?何の登録?

僕が不思議そうな顔をしていると竜真さんが

「登録って行ったら、登録だろ!リングを貰うには色々登録しないと貰えないんだよ、リングは、着けた人間が使えるから寝てる間に盗られたりしたら大変だろ?だから身元とかを書類に書くんだよ」

僕は納得した、

それに今の話を聞いて気付いた事があった、

「竜真さん、その指に着けてるのって、」

竜真さんの指にはリングが着いていた

「あ~、これがリングだよ、俺達は転移リングって呼んでる」

転移リング、これを着けて異世界に行って人助けをするんだ、

そんな話をしているうちに目的地に着いたらしい

「よーし到着!」

竜真はクルりとアツキの方を向き、手を広げ

「ようこそ、コノハ横丁へ!!」

「な、なんじゃこりゃー!!」

僕はついつい叫んでしまった

そこはビルの地下なのに広過ぎる空間だった、おまけに人が多過ぎる

「凄い!!こんなに広いんですね」
「そりゃそうだろ、この地下空間は東京ドーム2つ分くらいの広さがあるからな」
「東京ドーム2つ!!!」
「それにここには病院や武器屋など様々な店が揃ってるからな、ここで異世界に行く準備をすればいい」

僕は元気よく、はい!と返事をした、男としてこうゆう場所はテンションが上がる

「そういえば、コノハ横丁って言ってましたよね?なんでコノハなんですか?」
「それはこの地下空間を真上から見ると木葉の形をしているからなんだ、今から見に行くか?」
「え?木葉の形をしてる所を見れるんですか?」
「あそこに鉄塔があるの見えるか?」

竜真さんが指差す方向に鉄塔があるのが見える

「あの鉄塔の一階がギルドだから、そこからエレベーターですぐだぜ」
「なら見たいです!」
「よし!着いて来い!」

そう言う竜真さんに着いて行く

「ここがギルドだ!」

扉が開き、中へ入って行く二人

「よっ!」

竜真が受付の人に挨拶をした

「あら竜真さん、お疲れ様です~」
「新人登録出来るか?」
「はい大丈夫ですよ、その方ですか?」

そう言い僕の方を見る

「初めまして、海藤アツキです!」
「初めまして海藤さん、私はコノハ横丁を仕切っています、お菊と申します、これからどうぞ宜しくお願い致します」

僕をお辞儀をして、宜しくお願いしますと言った、

するとお菊さんは書類とペンを出し

「ここに名前と住所だけ書いてください」

僕が書類を書いていると、竜真さんが

「俺、お前が説明とか聞いてる間に、武器買ってきてやるよ」
「え?!買ってくれるんですか?」
「もちろんだぜ、俺を誰だと思ってるんだ?あの竜真さんだぞ?」
「いや、あのとか言われても知らないんですけど」
「ったく、真剣でいいか?銃とか使わねーだろ?」

そっか、銃とかもあるんだ、まぁでも竜真さんも刀しか持ってないし、僕も銃なんか使えないから、刀でいいか!

「はい、お願いします!」

竜真さんはギルドを出ていった。

僕を書類を書き終え、お菊さんに渡す

「ありがとうございます!今海藤さんの転移リングを制作中ですのでお待ち下さい」
「制作?そんなすぐに作れるんですか?」

異世界に行けるようなリングをそんなにすぐ作れちゃっていいのかよ

「はい、すぐ作れますよ?竜真さんに聞いたかも知れませんが、昔見つかった4つの使用出来ないリングのデータがあるので、それを使ってコピー出来るんですよ」
「コピーって、進んでますねこの世界は」
「しかし、その原型の4つのリングはある時無くなってしまったみたいで、今でも行方不明なんですよ、でもデータは残っているので、こうして私達まで受け継がれてきました」

「そうだったんですね、4つのリングが今でも行方不明ってどこにあるんでしょうね?」
「さぁ~どこにあるかは神様しか知らないんじゃないですか?」

そんな話をしていると、お菊さんが立ち上がり、裏に行った、どうやら転移リングが完成したらしい

表に戻ってきたお菊さんの手の上にはリングが乗っていた、おそらくこれが、転移リングだと思った

「海藤さん、これが転移リングになります、これを好きな指に着けて下さい」

僕は転移リングを受け取り、左手の人差し指に着けた

「おーー!なんか、カッコいいっすね!」

何故だか久しぶりに中二心をくすぐられた

「あーそうだ、海藤さん!一つ言い忘れてた事がありました」

そう言うお菊さんの話を聞くと、何やらルールがあるらしく、異世界に行った際に、異世界の住人に僕達が他の世界から来たことはバレてはいけないらしい、設定として、どの世界でも僕らは冒険者と名乗らなければいけないらしい、

冒険者か、悪くない

「以上説明は終わりになります!気をつけて帰って下さいね!」

やっと僕の仕事が決まった!ちょっと変わった仕事だけど、僕は頑張ろうと心に決めた。

そういえば竜真さんが帰ってこない、仕方がないのでギルドで待ってる事にした

数十分後

「うーす!遅くなって悪りー、ほらこれ!」

竜真さんが僕に刀を渡してきた

「おーー!これが僕の剣!」

僕は自分の剣をキラキラした目で見ていた

「よし!装備も揃ったし、登録も終わったみたいだから、ここの鉄塔上るぞ!」

ギルドの中にある展望台エレベーターに二人で乗り、展望台を目指す、物凄い速さで上がっていくエレベーター、ほんの数十秒で到着したみたいだ。

扉が開いた、そこは一面に広がった白くて真っ平らな広場だった、

「どうだ?悪くないだろ、この場所は」
「はい、なんかこの世じゃないみたいです」

この場所は全面真っ白であり、円形の形をしているのだ、さらに真ん中にある噴水が、また雰囲気を醸し出している。

「まぁこの場所もいいが、ここから見る景色が一番だぜ!」

そう言う竜真さんと共に端っこの方へ歩いて行く、驚きなのが、ここはフェンスなどの落下防止アイテムがないのだ、仮に足を滑らせて落ちてしまったら間違えなく死ぬ高さだ。

僕と竜真さんは下を覗きこんだ、

「わぁ~~~~~~!!!」

その木の葉の様な形をした町は広く、天井は暗いのに建物一つ一つが光を放ち、賑わっている、町全体が生き物の様に生き生きしており、とても地下の町とは思えない!空が無いのに人々は上を向き生きている、なんて綺麗な町なんだろうと、僕は思ってしまった。

「この町があるから生きていける、そう何度思ったか、ここで働いてる奴らはな、俺も含め行く場所がねーんだ、そんな連中が集まって出来た町だ、町ってのは、町があるから人が集まるんじゃねー、人が集まるから町や国になるんだよ、俺はそう思ってるがな、その言葉を俺はここへ来る度に思い出す」

竜真さんの話を僕は真剣に聞く

「町があるから人が集まるじゃなくて、人が集まるから町になる…か、確かにそうかも知れませんね!」

僕は納得してしまった

「だから俺は人の集まる場所を壊す奴らが許せねー、だからここで働いてんだ、色んな世界の色んな町や村、様々な人との出会い、すべての記憶が今の俺を形作ってる、この身を犠牲にしても、守り続けないきゃいけねーんだ、それが俺に与えられた罰だ」

竜真さんが言っている罰とは、なんの事か分からなかったが、今の僕にそれを聞く度胸がない、でもいつか竜真さんの過去とか色々聞きたいって思う

すると竜真さんが下を覗き込む僕の背中に手を当てた、誰かに背中を触られると言うのは、なにか落ち着く、

ん?なんか、僕の背中を触る竜真さんの手が、僕を押している気がする

「あの、竜真さん?何やってるんですか?絶対押さないで下さいね?」
「大丈夫大丈夫、分かってるって、ここはお前に譲ってやるからさ、芸人の力見せてこいよ!」
「何も分かってねーじゃねーか!!ヤバイですってこの高さは!芸人のノリでやる高さじゃないですよ!落ちたら間違えなく明日の新聞の一面ですって!」

アツキと竜馬さんが揉めていると、エレベーターの到着の音が鳴ったが、二人は気づかなかった

「ちょっと、貴方達何やってるのよ?」

「え?」

僕と竜真さんは、後ろからの声に驚き振り返る、するとそこには腰に刀を差した侍が居た、

「えっとーー、」

僕が言葉に詰まっていると、竜真さんが

「税金泥棒が何の用だよ?」

税金泥棒?

「貴方は相変わらず口が悪いわね、一回死んであの世で心を綺麗にしてもらった方がいいんじゃないの?」
「そんな理由で死ねるか!」
「まぁまぁ二人ともその辺で」

竜真さんと一人の女性がめっちゃメンチ切りあってる、どんだけこの男は嫌われてんだ、

「で、今回俺達がここに来たのは、旦那に新しい仲間が出来たって言うから見に来たんすよ、今まで旦那の仲間はロクな奴が居なかったすっからね、詐欺師に殺し屋、しまいには危険指定動物のガルルすら仲間にしようとしてましたからね」

いや、竜真さん、どんだけ友達居ないですか!詐欺師と殺し屋なんて完全に契約的な奴でしょ!おまけに何だよ危険指定動物ガルルってそんなヤバそうな動物聞いたこともねーよ、この人どんだけ危ない橋渡ってんだよ

「まぁ~今回はしっかりとした仲間を見つけられたそうで何よりっす」
「でさー結局おたくら何の用?新聞?家要らないよ?」
「な訳ないでしょ?ホントバカなの?竜真はどんだけバカなの?新聞なんか誰が売りに来るのよ、あたし達はセールスを」

ボコ!

「それも違うわ、バカが」
「痛ったーい、ったく何するのよ!」
「このバカはほっといて、簡潔に言うと自己紹介をしにたのよ」

僕と竜真さんは二人で口を合わせ

「自己紹介?」

と言った

「そ、自己紹介、私達は今回初登場だし、そこの彼とも初めてだから、ちょうど良いかなって思って」
「あーそうゆう事なんですね、わざわざありがとうございます」

僕が礼を言うと、一人の男が前へ出て

「じゃーまず俺からっす、新撰組二番隊隊長!永倉真二(ながくら、しんじ)、よろしくっす!」
「次は私です、私は…私は……地球人です!」
「知っとるわ!!」

思わず竜真さんと一緒に突っ込んでしまった

「どこの国の自己紹介?完全にドラゴン◯◯◯の自己紹介だろそれ!ドラゴン◯◯◯の世界だったら分かるよ?あの世界は野菜人だの、破壊神だのたくさんの種族がいるもんな、でもここは地球人しか居ないからやめてくれるか?その自己紹介!」
「そうっすよ!名前言うだけて良いんすよ!難しく考えないでください」
「じゃ、じゃあー改めまして、一番隊隊長の沖田一星(おきた、いちか)です、皆さんよろしくです」

一星は基本的に表情が読みにくい少女である

「次はこのあたしかしら!待ってました、よってらっしゃい見てらっしゃい!世界一美しいこのあたしの自己紹介よ!」

その女性は自信満々に両手を広げ

「あたしはプリンセス、アリス!」

ボコ!すかさずゲンコツをする竜真

「てめー、アツキに何パチこいてんだ!何がプリンセスだよ、何がアリスだよ、お前の頭の中が不思議の国だろ!!!!」
「皆さ、あたしの頭叩きすぎじゃない?バカになりそうなんですけど」
「お前の頭はもう、叩くしか修復手段がねーんだよ」
「そうっすよ!しっかり自己紹介してください」
「まったく、しょうがないわねー、あたしは新撰組副長、土方月菜(ひじかた、つきな)!は仮の名前、本当の名は」

終わり!!と皆に言われた月菜だった

「最後は私ね、私は新撰組局長、近藤日咲(こんどう、ひより)、よろしくね」
 
新撰組の自己紹介を聞いた僕は、自分の自己紹介をし、これにて自己紹介会を終わりにした、すると竜真さんが

「税金泥棒達の自己紹介なんぞ、聞きたくないっつうの、アツキこいつら新撰組はな~、俺らと給料の貰い方が違くてさ、俺らはクエストを受け達成すると報酬が出る、たが新撰組はギルドから安定した給料が毎月入り、働こうがサボろうが、同じ給料が入るんだよ」
「人聞きの悪い事言わないでくれる?しっかり働いてるわよ、貴方と違って、現に今だって、自己紹介がてら事情聴取に来たんだから」

え?事情聴取?

日咲さんは話続ける

「実はさっき、下の路地で大富豪の息子のカダルが襲撃されたのよ」
「襲撃?そんな事件があったんですか?」
「そう、カダルはここ、コノハ横丁で刀を買いたいらしく、この町にやって来たの、それで私達新撰組に護衛任務が与えられた、私は、一番隊隊長の一星と隊士5人にこの任務を任せた、でもこの子が…」

一星さんの方を見る日咲さん、何かあったんだろうか?

「しょうがないじゃないですか、いくら護衛中だとしても、目の前でお菓子の処分セールやってたら、誰だってダイブしますよ」
「ダイブするのは貴方だけでしょ?」
「は?お菓子セールなんてやってたの?どうしてあたしを呼ばないのよ一星!」

日咲さんがやれやれとした顔をしている、この人も大変だなーって僕は思ってしまった

「それでどうなったんですか?」
「この子がお菓子にダイブしている間に何者かが、隊士5人とカダルを襲って、全員気絶させられてたみたい、天下の新撰組の隊士を五人も倒すなんて、中々の相手だわ」
「そんな事が!犯人の狙いはなんなんですか?」

僕が立て続けに質問をする

「狙いは恐らく、カダルの刀だと思うわ!」
「刀?」
「犯行現場からカダルの刀だけが無くなってたらしいの、と言うのも、その刀コノハ横丁の武器屋で一番高い刀らしいの、恐らくコノハ横丁の武器屋で刀を買ったカダルはその帰り道で何者かに襲われたと思うのよ」

まったくこの町は、物騒過ぎないか?買った瞬間奪われるなんて、買って貰ったゲームを帰り道に落として壊すくらいヤバイぞ

「それでこれが奪われた刀の写真なんだけど、見覚えない?」

そう言いながら、僕と竜真さんに刀の写真見せてくれる日咲さん、僕らはその写真を見て、冷や汗が止まらなくなった、

なぜならその刀を見たことがあるからだ、いや、厳密に言うと、現在進行形で、僕の鞘の中に入っている

「りゅ、りゅ、りゅりゅりゅりゅ、竜真さん」

僕の口を手で押さえてきた竜真さん、そして

「すいませーん、その刀見覚えあるかないか、アツキと話し合うので」

そう言い、僕と竜真さん新撰組の皆さんと距離を取った

「竜真さん!僕が持ってる刀なんですが…、完全に竜真さんやりましたよね?完全に竜真さんが犯人ですよね?どうするんですか?!」
「仕方ないだろ、たまたま、高そうな刀持ってる奴が居たから、奪い取った」
「そんな理由通る訳ないじゃないですか!」
「通る訳ないって言っても仕方ねーだろ!とりあえず、あいつらはまだ気付いてないらしい、だからアツキ!男の剣は抜いても良いけど、絶ってーその剣だけは抜くなよ?」
「分かってます!この刀だけは抜きません」
「よし!行くぞ」

僕達二人は覚悟を決め、新撰組の所へ近づくのであった

「あー、待たせちまって悪りーな」
「それは大丈夫だけど、心当たりはあったかしら?」

竜真さんは首を左右に振りまくり

「ちっとも!見たことも触ったこともねーよ、な!アツキ!」
「そ、そうですね、そんな高い刀、僕達には縁もゆかりもありませんよ」
「そ、悪かったわね、時間取らせて」
「全然全然!暇だから、気にすんな」
「でも犯人もバカよねー!カダルを襲うなんて、犯人は打ち首獄門よね日咲!」

月菜が日咲に聞く

「そうね、それは逃れないわね」

首打ち獄門!!!

僕と竜真さんは全身の震えを抑え、我慢していた

「さて、事情聴取も終わったから下りるわよ」

新撰組はエレベーターに乗った

一星が日咲の裾をちょんちょんと引っ張り

「日咲、あの人達は来ないんですか?」

アツキ達の方を指差す一星、アツキ達は震えるあまり、周りが見えなくなっていた

「竜とアツキ!何やってるの?早く下りるわよ?」

その声に気が付いた僕達は

「はい!ただいま!」

と言いながらエレベーターに駆け込んだ。











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