混成魔獣は牙を剥く

をずわるど

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第一章

第四話 【覚醒?】

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僕は、旅をしながら魔法や剣術など、いろいろ教えて貰っていた。


「ライ君。回復魔法はですね、なんかこう…ぐぅ~って感じて。ぱぁ~ってやります!!」

『どうしよう…レイラお姉ちゃんが、ここまで人に対して教えるのが……ヘタクソだと思わなかった。』

「どうですか?分かりましたか?」

「………ああ、うん!!もちろんだよ。」


屈託のない笑顔で言われると、何だかとても、申し訳なくなってきた。


『これは、自力で頑張ろう。』


そう心に誓うライであった。


「ライ。攻撃魔法が使えるようになる為にはだな、まずは自分の身体の中の魔力を感じるのが大事なんだよ。じゃあ少し身体中に魔力を流してごらん。」

「……………………ど、どうやるの?」

「?………全くできない訳では無いだろ?日用魔法も少し出来るじゃないか。」

「うん…とね、その時はちょっと力を入れると出来るんだけど………身体中には…できないみたい。」

「………成程。」


ビリーは少し考えるとライの元へ来た。


「ライ。じゃあ僕が軽く君の身体に魔力を流してあげよう。」


そう言うと、ビリーはライの手を取り。魔力を流しだした。


「!?……これが魔力?…ありがとう!!メガネ兄!!」

「いえいえ。これくらいどうってことないですよ。」

「よし!!……じゃあやってみよう。」

「うん!!」


ライが自分の身体に魔力を流しだした。
少し時間がたったあと安定したようだった。

するとビリーが。


「じゃあだんだん、魔力を強めて行こう。」

「………はい!!」


ライが魔力をあげた瞬間身体に異変が起きた。
ライの身体を黒い稲妻が覆ったのである。

すると急に、空から黒い雷が降り注いできた。


「何事だい!?」

「なんだ!?」


バルトとルーシィが異変を感じ駆けつけてきた。


「ライ君……もしかして……。」

『混成魔獣 【戦闘モード】』


レイラがそう呟いた時。あの時の青年が現れた。
しかし、その様子は少し落ち着いていた。


「レイラ姉さん……………どうなってます?」

『あれ?レイラ?待て待て、いつものライ君は私をレイラと言っていたはず……。』

「ライ……あんたなのかい?」

「ライ!!身体はどこも痛くないのか!?」

「…はい。は至って普通ですよ?も、も…そんなに慌てて大丈夫ですか?」

『ん?ライが今アタシのことをと?』

『む?ライのやつ、オレのことと?』

『『、はどこへ!?』』

「ライ?大丈夫なのか?」

「メガネ兄さん?は全然大丈夫ですよ?」

『メガネ兄!?いつから!?』

「俺は大丈夫ですよ?」

『『『『!?』』』』


一同は唖然する。ライが自分で制御が出来るという事に。

すると突然青年ライが黒い霧に包まれた。

霧が晴れた時にそこに居たのはいつものライだった。


………………………………

…………………

………

──────────────────────

「……………成程、魔力を強め過ぎるとあの姿へなると。」

「だけどよ?ライのやつ別人みたいな言葉遣いだったよな?」

「馬鹿言え、ライが成長したからアタシ達への言葉遣いが変わったんだろ?」

「それにしても、成長し過ぎじゃないですかぁ?ライ君まだ10~12歳くらいじゃないですか。」

「ということは……先程の姿は18~19歳くらいでしょうか?そう考えたら妥当でしょう。」


彼らがそんなことを考えていたら。


「ねぇみんな。もうすぐ日が暮れちゃうよ?」


とライが言い出した。


「そうだねぇ。そろそろ野宿の準備でもするかい?」

「ああ、もう歩くのは危ない。そうするとしよう。」


そんなことを言いながらその日の夜は過ぎていった。




───────────────────────


次の日


「そう言えば、僕たちはどこに向かって歩いてるの?」

「ああ、街へ向かっているんだよ。」

「その街はね〈ボークディート〉っていうの。」

「そこにはね、僕らが通っているギルドがあるんだよ。」

「ホントはクエストの途中だったけどね。……まさか《ドラゴン》に会うとはね。」

「それとね《ライ》お前が家族になったからだよ。」

「だからね、ギルドに報告しに行くんだよ。もちろんアンタの正体は隠すから…安心しな!!」


そう言い、みんなが優しく笑ってくれた。


「それとライ。アンタの前髪どうにか出来ないかい?左目はしょうが無いとして、せめて右目は出さないか?」

「出してもいいけど…止めるものがないよ?」

「それなら………私のヘアピンをあげる!!」


そう言うと、レイラがライの前髪を分けて止めた。左目がしっかりと隠れるように。


「これでよし!!」

「レイラお姉ちゃん!!ありがとう!!」

「あとは服だな………。」

「どうして?お父さん。」

「このまま生活するには、ライの服はボロボロすぎるんだよ。」

「それじゃあ。街で買い揃えたらどうでしょう!!というか僕も新しい眼鏡が欲しいので………。」

「まあ大丈夫だよ。街には必ず寄るからね。」


そうして彼らは〈ボークディート〉へと足を進めるのであった。
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