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【骨肉】
しおりを挟む当主の葬儀が終り…家督争いは織田家でも当然起きた。
奇行を繰り返す信長に危機感を覚えた津々木蔵人と柴田勝家が信行側に加担して戦闘になったが信長が信行側を制して当主を継承した。
信長に謀反を企てた信行達は当然死罪になるはずだが、信長は実母の土田御前に泣き付かれる。
「信長様どうかこの母の願いを叶えて下さい…信行は私の命令で動いただけもし責めるならこの母を殺して下さい… でも信行は…あの子はどうか許して下さい」
「母ねぇ…その意味分かってる、何か私に母親らしい事でもした?ましてや私を殺して信行を当主にしようとしたクセに…よくもまぁーそんな事が言えたものねぇ 」
「確かに私は貴方を嫌い遠ざけました…母親らしい事もしないで…でも、貴方が産まれた時どんなに喜んだ事か…
信じては貰えないかも知れませんが…
でも…許されない母親だった信長様の言う通りです…だから…
私の命で償います!!
だから…だから、どうか信行は許して下さい…貴方の母親の最後の願いを…どうか…どうか叶えて下さい!私の命と引き替えで!」
信長に会いに来る前から泣き通しの御前、今も泣きながら懇願し続けている。
信長の心にはもう肉親への情は無い在るのは我のみ…そうさせたのは他でもない両親である。
父親はすでに信長が直接では無いが殺している。母親もはなから許す気はないが、ただ殺すのでは無く苦しめて殺すつもりだ。
「そうね…そこまで言うなら全員生かしてあげても良いわよ」
全員生かすと言う信長の言葉に耳を疑い一瞬驚愕の表情を浮かべる御前。
… 嘘だ!絶対に嘘だ!!全員生かす…もはやこの男は我が子では無い…いや、人である事も疑わしい魔物…慈悲など無い…どう言うつもりだ!?私の命だけで何とか凌ごうと思っていたが…
出方を見るしかないか …
「貴方の願いを叶えてあげる…そう私の母の願いだから… これからは私の母として、私達と生きてもらう…
私の屋形で………」
信長の屋形は別名 魍魎の屋形と呼ばれ城下町の外れに作られた信長の私邸…厳重に警備されてるが、傾奇者達の女装部屋に男装部屋 プレイルームは勿論、側室の住む大奥の役目も果たしている、しかも側室はほとんど重臣達の愛人なので屋形にはいつも複数の人間が出入りしている。
そのため朝だろうと昼だろうと呻き声や喘ぎ声が聞こえる如何わしい屋形だ。
「信長様の屋形で母として…」
… 母親をやり直せとでも言うのか?しかもあの如何わしい信長の屋形で暮らす…信行に会わせないつもりか、何を企んでる …
「まことの母親を見せて貰おうか」
「…あっありがとうございます…貴方を産んだ頃に戻り良き母親に生まれ変わります」
御前は、信長の本心は見抜けないが信長の手に掛かる前に寝首をかくつもりでいた。
… あの屋形は欲望の吹き溜まり、貴女にぴったりの場所フフッ…信行が恋しくなる頃には御対面させてあげるけど……どんな事したら感動の再会になるかしら…
楽しみだわ…
そうねぇ…
まずは…
勝家に働いてもらおう…
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