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「条件次第では、前向きに検討させていただきますわ」
私の答えに、ギルバート辺境伯は喉を鳴らして笑った。
「いい返事だ。だが、まずは目の前の清算が先だな?」
「ええ、その通りです。未回収の債権を残したまま転職するのは、私の流儀に反しますから」
私はくるりと踵を返し、再びクラーク殿下へと向き直った。
殿下はまだ、現実を受け入れられない顔でパクパクと口を動かしている。
「へ、辺境伯……叔父上……本気なのか? こんな可愛げのない女を庇うなんて」
「庇っているわけではない。取引の話をしているのだ。――それで、クラーク。お前は彼女の請求に応じるのか、否か」
ギルバート様の低い声が響くと、殿下はビクリと肩を震わせた。
この国の武力を統括する『氷の辺境伯』に睨まれて、平気でいられる人間は少ない。
ましてや、温室育ちの王太子殿下には荷が重すぎるだろう。
「だ、だからといって! こんな法外な金額、払えるわけがないだろう!」
殿下は私の突きつけた請求書を指差して喚いた。
「なんだこの『精神的摩耗費』というのは! 『貴重な青春時代の損失補填』とは!」
「文字通りの意味です」
私は懐から、愛用の『魔導計算機』を取り出した。
魔石を動力源とし、複雑な桁数も一瞬で弾き出す最新鋭の魔道具だ。
一般的には軍事用弾道計算に使われるものだが、私はこれを会計処理用に改造している。
「では、内訳をご説明しましょう」
タタンッ、と軽快な音を立てて、私はキーを叩いた。
「まず、殿下が私の婚約者となったのは十年前。当時、私は八歳でした。それからの十年間、私は他の殿方との交流を一切断ち、王太子妃教育に専念してきました。この『機会損失』は甚大です」
「き、機会損失だと……?」
「ええ。もし私がフリーであれば、もっと条件の良い、例えば隣国の石油王や、宝石商の御曹司と結婚できていた可能性があります。その可能性を十年間独占したのですから、その分のオプション料は発生して然るべきでしょう」
「愛を金で計るな!」
「愛の話はしておりません。契約の拘束力の話をしています」
私は冷淡に言い返し、さらにキーを叩く。
タタタンッ!
「次に、公務代行報酬。殿下は『書類を見るだけで頭痛がする』と言って、決裁権限を私に丸投げしていましたね? 過去五年間の記録によれば、私が処理した書類は計一万五千件。これを宰相クラスの時給で換算しますと――」
魔導計算機がジーーッと音を立て、空中に光の数字を投影した。
その桁数を見て、周囲の貴族たちが「ひぇっ」と息を呑む。
「……国家予算の〇・〇三パーセントに相当します」
「ぼったくりだ!」
「正規料金です。むしろ、深夜残業や休日出勤の割増をオマケしているだけ感謝していただきたいですね」
私は一歩、殿下に詰め寄った。
「それとも、殿下。これらが全て『公務』ではなく、私の『ボランティア』だったと仰るおつもりですか? 王族が、一公爵令嬢の無償労働を強いていたと、そう公式に認めるのですか?」
「うっ……そ、それは……」
「もしそうなら、労働基準局ならぬ、国王陛下に直接ご報告させていただきますが」
「ち、父上には言うな!」
クラーク殿下の顔色が青ざめる。
国王陛下は厳格な方だ。殿下が仕事をサボって私に押し付けていたことがバレれば、廃嫡どころの騒ぎでは済まないだろう。
「では、お支払いいただけますね?」
「し、しかし……私の個人資産には限りがある! こんな大金、すぐには用意できん!」
「ご安心ください。分割払いも利子付きで承ります。もしくは――」
私はチラリと、殿下の腰元や指先を見た。
「その剣、飾りですよね? ミスリルの装飾付きで市場価格は金貨五百枚ほど。その指輪も最高級のルビー。それから、王都郊外にお持ちの別荘も、最近使っていらっしゃらないとか」
「き、貴様……私の身包みを剥ぐ気か!?」
「資産の現金化(リキデーション)をご提案しているだけです」
私が淡々と資産価値を査定していると、後ろで見ていたギルバート様が、堪えきれないように吹き出した。
「くくっ……容赦がないな。クラーク、諦めて払ったらどうだ? 彼女を敵に回すと、国庫まで差し押さえられそうだぞ」
「お、叔父上まで……!」
「それに、お前が払わないと言うなら、私が彼女の債権を買い取ってもいい。その場合、お前の借金の取り立て役は、この私になるわけだが」
ギルバート様は、ニヤリと凶悪な笑みを浮かべた。
その笑顔は、獲物を前にした肉食獣そのものだ。
クラーク殿下は「ひいっ」と悲鳴を上げた。
『氷の辺境伯』に借金を背負う恐怖。
それは、死刑宣告にも等しい。
「わ、分かった! 払う! 払えばいいんだろう!」
殿下は涙目で叫ぶと、震える手で私の差し出した羽ペンをひったくった。
「クソッ……こんな女、こっちから願い下げだ! 金でもなんでも持って行け!」
ガリガリと羊皮紙が破れそうな筆圧で、サインが書き込まれる。
契約成立。
私は素早く書類を回収し、インクが乾いているかを確認してから、丁寧にファイルへと収めた。
「毎度ありがとうございます。入金期限は一週間後となっておりますので、お忘れなきよう」
「ふんっ! さっさと失せろ!」
殿下は捨て台詞を吐いて、ミーナ嬢の方へ逃げ込んだ。
ミーナ嬢は、何が起きたのかよく分かっていない様子で、きょとんとしている。
「あのぉ、殿下……お金、なくなっちゃったんですか?」
「だ、大丈夫だミーナ! 愛さえあれば、お金なんて……たぶん……なんとかなる!」
「ええー……私、新しいドレス欲しかったのにぃ」
不満げなミーナ嬢の声を聞き流し、私は満足感に浸った。
これで自由の身。
しかも、莫大な退職金付きだ。
「見事な手腕だ」
感心したような声と共に、ギルバート様が拍手を送ってきた。
「ありがとうございます。これにて、王都での未練は綺麗さっぱりなくなりました」
「そうか。では、先ほどの『商談』の続きといこうか」
ギルバート様は、私の手元の計算機を興味深そうに見つめた。
「我が領地は、北の果てにある極寒の地だ。魔物は多いし、娯楽は少ない。王都のような華やかな生活は望めないぞ」
「存じております」
「だが、仕事はある。山のようにある。俺の部下たちは腕っぷしは強いが、頭を使うのが苦手でな。領地の財政はどんぶり勘定、補給計画は穴だらけだ」
それは、私の整理整頓欲を大いに刺激する言葉だった。
どんぶり勘定の財政。
穴だらけの計画。
想像するだけで、腕が鳴る。全てを最適化し、黒字転換させたいという衝動が湧き上がってくる。
「……待遇は?」
私は単刀直入に尋ねた。
「衣食住は保証する。給与は王宮での三倍を出そう。成果次第ではボーナスも弾む」
「三倍!」
私の目が輝いた。
王宮の給与も悪くはなかったが、三倍となれば話は別だ。
しかも、あの無能な元婚約者の尻拭いというストレス業務から解放されるのだ。
「それに」
ギルバート様は少しだけ声を潜め、私の耳元で囁いた。
「俺の屋敷には、珍しい魔道具のコレクションがある。君のその計算機のような、古代の遺物もな」
「!」
私の弱点を、完璧に把握されている。
私はゴクリと喉を鳴らした。
この男、できる。
ただの武人ではない。交渉のカードの切り方を熟知している。
私は計算機をポケットにしまうと、姿勢を正して彼に向き直った。
そして、スカートの裾をつまみ、恭しく一礼した。
「――商談成立(ディール)です、閣下。私の頭脳と実務能力、貴方様に提供いたしましょう」
「ハハッ、そうこなくては!」
ギルバート様は愉快そうに笑うと、私の手を取り、その甲に口付けを落とした。
「歓迎するぞ、エーミール。君が来てくれれば、俺の領地は最強になる」
「ええ、必ずや利益を出してみせますわ」
こうして、会場中の貴族たちが呆気に取られる中、私は新たな雇用主の手を取り、エスコートされて広間を後にした。
背後からは、まだクラーク殿下の「ああ、私の別荘がぁ……」という嘆き声が聞こえていたが、もはや私の知ったことではない。
私は新たな職場、辺境伯領への期待に胸を膨らませていた。
そこにはきっと、やりがいのある仕事と、適正な対価が待っているはずなのだから。
私の答えに、ギルバート辺境伯は喉を鳴らして笑った。
「いい返事だ。だが、まずは目の前の清算が先だな?」
「ええ、その通りです。未回収の債権を残したまま転職するのは、私の流儀に反しますから」
私はくるりと踵を返し、再びクラーク殿下へと向き直った。
殿下はまだ、現実を受け入れられない顔でパクパクと口を動かしている。
「へ、辺境伯……叔父上……本気なのか? こんな可愛げのない女を庇うなんて」
「庇っているわけではない。取引の話をしているのだ。――それで、クラーク。お前は彼女の請求に応じるのか、否か」
ギルバート様の低い声が響くと、殿下はビクリと肩を震わせた。
この国の武力を統括する『氷の辺境伯』に睨まれて、平気でいられる人間は少ない。
ましてや、温室育ちの王太子殿下には荷が重すぎるだろう。
「だ、だからといって! こんな法外な金額、払えるわけがないだろう!」
殿下は私の突きつけた請求書を指差して喚いた。
「なんだこの『精神的摩耗費』というのは! 『貴重な青春時代の損失補填』とは!」
「文字通りの意味です」
私は懐から、愛用の『魔導計算機』を取り出した。
魔石を動力源とし、複雑な桁数も一瞬で弾き出す最新鋭の魔道具だ。
一般的には軍事用弾道計算に使われるものだが、私はこれを会計処理用に改造している。
「では、内訳をご説明しましょう」
タタンッ、と軽快な音を立てて、私はキーを叩いた。
「まず、殿下が私の婚約者となったのは十年前。当時、私は八歳でした。それからの十年間、私は他の殿方との交流を一切断ち、王太子妃教育に専念してきました。この『機会損失』は甚大です」
「き、機会損失だと……?」
「ええ。もし私がフリーであれば、もっと条件の良い、例えば隣国の石油王や、宝石商の御曹司と結婚できていた可能性があります。その可能性を十年間独占したのですから、その分のオプション料は発生して然るべきでしょう」
「愛を金で計るな!」
「愛の話はしておりません。契約の拘束力の話をしています」
私は冷淡に言い返し、さらにキーを叩く。
タタタンッ!
「次に、公務代行報酬。殿下は『書類を見るだけで頭痛がする』と言って、決裁権限を私に丸投げしていましたね? 過去五年間の記録によれば、私が処理した書類は計一万五千件。これを宰相クラスの時給で換算しますと――」
魔導計算機がジーーッと音を立て、空中に光の数字を投影した。
その桁数を見て、周囲の貴族たちが「ひぇっ」と息を呑む。
「……国家予算の〇・〇三パーセントに相当します」
「ぼったくりだ!」
「正規料金です。むしろ、深夜残業や休日出勤の割増をオマケしているだけ感謝していただきたいですね」
私は一歩、殿下に詰め寄った。
「それとも、殿下。これらが全て『公務』ではなく、私の『ボランティア』だったと仰るおつもりですか? 王族が、一公爵令嬢の無償労働を強いていたと、そう公式に認めるのですか?」
「うっ……そ、それは……」
「もしそうなら、労働基準局ならぬ、国王陛下に直接ご報告させていただきますが」
「ち、父上には言うな!」
クラーク殿下の顔色が青ざめる。
国王陛下は厳格な方だ。殿下が仕事をサボって私に押し付けていたことがバレれば、廃嫡どころの騒ぎでは済まないだろう。
「では、お支払いいただけますね?」
「し、しかし……私の個人資産には限りがある! こんな大金、すぐには用意できん!」
「ご安心ください。分割払いも利子付きで承ります。もしくは――」
私はチラリと、殿下の腰元や指先を見た。
「その剣、飾りですよね? ミスリルの装飾付きで市場価格は金貨五百枚ほど。その指輪も最高級のルビー。それから、王都郊外にお持ちの別荘も、最近使っていらっしゃらないとか」
「き、貴様……私の身包みを剥ぐ気か!?」
「資産の現金化(リキデーション)をご提案しているだけです」
私が淡々と資産価値を査定していると、後ろで見ていたギルバート様が、堪えきれないように吹き出した。
「くくっ……容赦がないな。クラーク、諦めて払ったらどうだ? 彼女を敵に回すと、国庫まで差し押さえられそうだぞ」
「お、叔父上まで……!」
「それに、お前が払わないと言うなら、私が彼女の債権を買い取ってもいい。その場合、お前の借金の取り立て役は、この私になるわけだが」
ギルバート様は、ニヤリと凶悪な笑みを浮かべた。
その笑顔は、獲物を前にした肉食獣そのものだ。
クラーク殿下は「ひいっ」と悲鳴を上げた。
『氷の辺境伯』に借金を背負う恐怖。
それは、死刑宣告にも等しい。
「わ、分かった! 払う! 払えばいいんだろう!」
殿下は涙目で叫ぶと、震える手で私の差し出した羽ペンをひったくった。
「クソッ……こんな女、こっちから願い下げだ! 金でもなんでも持って行け!」
ガリガリと羊皮紙が破れそうな筆圧で、サインが書き込まれる。
契約成立。
私は素早く書類を回収し、インクが乾いているかを確認してから、丁寧にファイルへと収めた。
「毎度ありがとうございます。入金期限は一週間後となっておりますので、お忘れなきよう」
「ふんっ! さっさと失せろ!」
殿下は捨て台詞を吐いて、ミーナ嬢の方へ逃げ込んだ。
ミーナ嬢は、何が起きたのかよく分かっていない様子で、きょとんとしている。
「あのぉ、殿下……お金、なくなっちゃったんですか?」
「だ、大丈夫だミーナ! 愛さえあれば、お金なんて……たぶん……なんとかなる!」
「ええー……私、新しいドレス欲しかったのにぃ」
不満げなミーナ嬢の声を聞き流し、私は満足感に浸った。
これで自由の身。
しかも、莫大な退職金付きだ。
「見事な手腕だ」
感心したような声と共に、ギルバート様が拍手を送ってきた。
「ありがとうございます。これにて、王都での未練は綺麗さっぱりなくなりました」
「そうか。では、先ほどの『商談』の続きといこうか」
ギルバート様は、私の手元の計算機を興味深そうに見つめた。
「我が領地は、北の果てにある極寒の地だ。魔物は多いし、娯楽は少ない。王都のような華やかな生活は望めないぞ」
「存じております」
「だが、仕事はある。山のようにある。俺の部下たちは腕っぷしは強いが、頭を使うのが苦手でな。領地の財政はどんぶり勘定、補給計画は穴だらけだ」
それは、私の整理整頓欲を大いに刺激する言葉だった。
どんぶり勘定の財政。
穴だらけの計画。
想像するだけで、腕が鳴る。全てを最適化し、黒字転換させたいという衝動が湧き上がってくる。
「……待遇は?」
私は単刀直入に尋ねた。
「衣食住は保証する。給与は王宮での三倍を出そう。成果次第ではボーナスも弾む」
「三倍!」
私の目が輝いた。
王宮の給与も悪くはなかったが、三倍となれば話は別だ。
しかも、あの無能な元婚約者の尻拭いというストレス業務から解放されるのだ。
「それに」
ギルバート様は少しだけ声を潜め、私の耳元で囁いた。
「俺の屋敷には、珍しい魔道具のコレクションがある。君のその計算機のような、古代の遺物もな」
「!」
私の弱点を、完璧に把握されている。
私はゴクリと喉を鳴らした。
この男、できる。
ただの武人ではない。交渉のカードの切り方を熟知している。
私は計算機をポケットにしまうと、姿勢を正して彼に向き直った。
そして、スカートの裾をつまみ、恭しく一礼した。
「――商談成立(ディール)です、閣下。私の頭脳と実務能力、貴方様に提供いたしましょう」
「ハハッ、そうこなくては!」
ギルバート様は愉快そうに笑うと、私の手を取り、その甲に口付けを落とした。
「歓迎するぞ、エーミール。君が来てくれれば、俺の領地は最強になる」
「ええ、必ずや利益を出してみせますわ」
こうして、会場中の貴族たちが呆気に取られる中、私は新たな雇用主の手を取り、エスコートされて広間を後にした。
背後からは、まだクラーク殿下の「ああ、私の別荘がぁ……」という嘆き声が聞こえていたが、もはや私の知ったことではない。
私は新たな職場、辺境伯領への期待に胸を膨らませていた。
そこにはきっと、やりがいのある仕事と、適正な対価が待っているはずなのだから。
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