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王城の喧騒を背に、私たちはギルバート様の紋章が入った漆黒の馬車に揺られていた。
車内は広々としており、座席のクッションは最高級のベルベット製。
足元にはふかふかの絨毯が敷かれ、小さな魔石ランプが暖かな光を灯している。
まさに、貴族の優雅さを凝縮したような空間だ。
しかし、そこで行われている会話は、優雅さとは程遠いものだった。
「――第5条、休暇について。週休二日制の完全導入、および有給休暇の付与を希望します」
「ほう」
「第6条、危険手当について。辺境は魔物の出没地域ですので、生命の危機に関わる業務が発生した場合は、基本給の五〇パーセントを上乗せしていただきます」
「ふむ」
「第7条、福利厚生。私の肌に合う最高級の紅茶葉と、おやつ(糖分)の常時支給を求めます。脳の回転を維持するためです」
私は手帳に走り書きしたメモを読み上げながら、対面に座るギルバート様を真っ直ぐに見据えた。
ギルバート様は頬杖をつき、楽しそうに目を細めている。
「……君は、俺が誰だか分かって言っているのか?」
低い、地を這うような声。
戦場で数多の敵を葬ってきたという『氷の辺境伯』の威圧感だ。
普通の令嬢なら、この視線を向けられただけで震え上がり、言葉を失うだろう。
だが、私は怯まなかった。
「存じ上げております。ギルバート・フォン・ライオット辺境伯閣下。我が国の北の盾であり、王弟殿下。そして何より――」
私はニッコリと微笑んだ。
「私の『優良なクライアント様』です」
「クライアント?」
「ええ。対価を支払ってくださる雇用主は、私にとって神にも等しい存在。神に対して、より良い成果物(アウトプット)を提供するための環境整備を提案するのは、受注側の義務ですわ」
私の言葉を聞いた瞬間。
ギルバート様は目を見開き、そしてまたしても肩を震わせた。
「くっ、くくく……! 神、か。俺を神と呼んだ人間は初めてだ」
「お支払いが滞らなければ、ですが」
「面白い。実に面白いぞ、エーミール! 王都の貴族どもは皆、俺を『冷酷な殺戮マシーン』だの『氷の彫像』だのと恐れるというのに」
彼は腹を抱えて笑った後、スッと真顔に戻った。
その瞳には、先ほどまでのふざけた色はなく、鋭い知性の光が宿っていた。
「いいだろう。その条件、すべて呑んでやる」
「即決ですか。賢明なご判断です」
「ただし、俺からも条件がある」
ギルバート様は長い足を組み替え、身を乗り出した。
顔が近い。整った顔立ちが目の前に迫り、男性特有のムスクの香りが漂う。
「俺の領地は、君が思っている以上に酷いぞ? 前任の文官は三日で逃げ出した。帳簿は紛失、倉庫は空っぽ、部下は筋肉ダルマばかりで、数字の『1』と『7』の区別もつかない奴らがゴロゴロしている」
「……想像以上ですね」
「それでも、逃げ出さないと誓えるか?」
試すような視線。
これは、私の覚悟を問うているのだ。
単なる金目当ての腰掛け令嬢か、それとも本物の実務家か。
私は溜息を一つついて、呆れたように肩をすくめた。
「閣下。私を誰だと思っておいでですか?」
「ん?」
「私は十年間、あのお花畑王太子(クラーク殿下)の尻拭いをしてきた女ですよ? 『1』と『7』の区別がつかない? 結構なことです。殿下なんて、公文書に自分の名前の綴りを間違えてサインしたことがあるんですよ?」
「ぶっ……」
「それに比べれば、筋肉ダルマの方々は可愛らしいものです。少なくとも、彼らには『悪気』がないでしょうから。教育すれば伸びる余地(ポテンシャル)があります」
私は断言した。
無能な上司に仕える苦労に比べれば、素直な部下を育てる苦労など、娯楽の一種だ。
「……ははっ、違いねぇ!」
ギルバート様は膝を叩いて快哉を叫んだ。
「気に入った! ああ、本当に君をスカウトして正解だった。クラークの奴、とんでもない逸材を手放しやがったな」
「ええ、殿下の最大の損失(ロス)ですわ」
「よかろう。契約成立だ。王都を発つのは明後日。準備は間に合うか?」
「一日あれば十分です。実家に帰って、引越しの荷造りと、両親への説明を済ませておきます」
「両親への説明、か。公爵家の一人娘が辺境へ行くとなれば、揉めるのではないか?」
ギルバート様が少し心配そうに眉を寄せた。
確かに、普通の箱入り娘なら大反対されるだろう。
「泥棒猫に婚約者を奪われ、傷心の旅に出る」という建前なら同情されるかもしれないが、「辺境へ出稼ぎに行く」となれば話は別だ。
だが、私は余裕の笑みを浮かべた。
「ご心配なく。うちの両親も、私に似て『合理的』な思考の持ち主ですので」
「……嫌な予感がするな」
「ふふっ。到着しましたわ」
話している間に、馬車が減速し、バレット公爵邸の正門前に停止した。
御者が扉を開ける。
私は荷物をまとめ、ギルバート様に向き直った。
「では、閣下。明後日の朝、お迎えをお待ちしております」
「ああ。楽しみにしているぞ、私の新しい『右腕』殿」
「最高の結果(リザルト)でお応えしますわ、ボス」
私は優雅にカーテシーをし、馬車を降りた。
夜風が心地よい。
背後で馬車が走り去る音を聞きながら、私は大きく伸びをした。
「さて、と」
私は公爵邸の重厚な扉を見上げた。
時刻は二十二時を回っている。
通常なら皆、寝静まっている時間だが、屋敷の中からは煌々と明かりが漏れていた。
どうやら、夜会の騒ぎは既に伝わっているらしい。
「お父様、お母様。ただいま戻りました」
私が玄関ホールに入ると、そこには使用人たちが整列し、その奥に父と母が腕組みをして待ち構えていた。
父、公爵ライナー・フォン・バレット。
母、公爵夫人エリザベス。
二人とも、眼鏡の奥の瞳を鋭く光らせている。
「エーミール!」
父が低い声で私の名を呼んだ。
「王城からの早馬で聞いたぞ。クラーク殿下と婚約破棄になったそうだな」
「はい、お父様」
「しかも、大勢の貴族の前で、殿下に慰謝料を請求したとか」
「はい、お母様」
「……それで?」
父が詰め寄ってくる。
怒られるだろうか。
王家の顔に泥を塗ったと、勘当されるだろうか。
私は懐から、先ほど殿下にサインさせた書類の写しを取り出し、二人の前に差し出した。
「こちらが、獲得した慰謝料の総額と、今後私が辺境伯領で受け取る予定の年俸額です」
父と母は、書類をひったくるように受け取り、食い入るように数字を見つめた。
沈黙が流れる。
一秒。
二秒。
三秒。
「「…………」」
そして、二人は同時に顔を上げ、満面の笑みを浮かべた。
「でかした!!」
「素晴らしいわ、エーミール! さすが我が娘!」
父は私の肩をバンバンと叩き、母は私を抱きしめた。
「あの無能な王太子との縁が切れて清々したと思っていたが、まさかこれほどの『手切れ金』をふんだくってくるとは!」
「辺境伯領での給与三倍!? 素晴らしい条件ね! 王太子のタダ働きなんて、最初からさせるべきじゃなかったのよ!」
「早速、祝いの宴だ! おい、執事! 秘蔵のワインを開けろ!」
「シェフを叩き起こして! 赤飯も炊いてちょうだい!」
屋敷中が一瞬でお祭り騒ぎになった。
そう、バレット公爵家は、代々「商魂たくましい」家系なのだ。
感情論よりも実利を取る。それが我が家の家訓である。
「お父様、お母様。明日一日で荷造りを済ませて、明後日には発ちます」
「うむ! 辺境は寒かろう。最高級の毛皮を持っていけ!」
「向こうでの事業計画はあるの? お父様のコネで物流ルートを確保しておきましょうか?」
「ありがとうございます。助かりますわ」
私は家族の愛(と打算)に包まれながら、自室へと向かった。
ベッドに飛び込み、天井を見上げる。
(さようなら、クラーク殿下。さようなら、退屈な王都)
これからは、自分の能力を正当に評価してくれる場所で、思いっきり働ける。
そう思うと、遠足前の子供のようにワクワクして、眠気が吹き飛んでしまうのだった。
車内は広々としており、座席のクッションは最高級のベルベット製。
足元にはふかふかの絨毯が敷かれ、小さな魔石ランプが暖かな光を灯している。
まさに、貴族の優雅さを凝縮したような空間だ。
しかし、そこで行われている会話は、優雅さとは程遠いものだった。
「――第5条、休暇について。週休二日制の完全導入、および有給休暇の付与を希望します」
「ほう」
「第6条、危険手当について。辺境は魔物の出没地域ですので、生命の危機に関わる業務が発生した場合は、基本給の五〇パーセントを上乗せしていただきます」
「ふむ」
「第7条、福利厚生。私の肌に合う最高級の紅茶葉と、おやつ(糖分)の常時支給を求めます。脳の回転を維持するためです」
私は手帳に走り書きしたメモを読み上げながら、対面に座るギルバート様を真っ直ぐに見据えた。
ギルバート様は頬杖をつき、楽しそうに目を細めている。
「……君は、俺が誰だか分かって言っているのか?」
低い、地を這うような声。
戦場で数多の敵を葬ってきたという『氷の辺境伯』の威圧感だ。
普通の令嬢なら、この視線を向けられただけで震え上がり、言葉を失うだろう。
だが、私は怯まなかった。
「存じ上げております。ギルバート・フォン・ライオット辺境伯閣下。我が国の北の盾であり、王弟殿下。そして何より――」
私はニッコリと微笑んだ。
「私の『優良なクライアント様』です」
「クライアント?」
「ええ。対価を支払ってくださる雇用主は、私にとって神にも等しい存在。神に対して、より良い成果物(アウトプット)を提供するための環境整備を提案するのは、受注側の義務ですわ」
私の言葉を聞いた瞬間。
ギルバート様は目を見開き、そしてまたしても肩を震わせた。
「くっ、くくく……! 神、か。俺を神と呼んだ人間は初めてだ」
「お支払いが滞らなければ、ですが」
「面白い。実に面白いぞ、エーミール! 王都の貴族どもは皆、俺を『冷酷な殺戮マシーン』だの『氷の彫像』だのと恐れるというのに」
彼は腹を抱えて笑った後、スッと真顔に戻った。
その瞳には、先ほどまでのふざけた色はなく、鋭い知性の光が宿っていた。
「いいだろう。その条件、すべて呑んでやる」
「即決ですか。賢明なご判断です」
「ただし、俺からも条件がある」
ギルバート様は長い足を組み替え、身を乗り出した。
顔が近い。整った顔立ちが目の前に迫り、男性特有のムスクの香りが漂う。
「俺の領地は、君が思っている以上に酷いぞ? 前任の文官は三日で逃げ出した。帳簿は紛失、倉庫は空っぽ、部下は筋肉ダルマばかりで、数字の『1』と『7』の区別もつかない奴らがゴロゴロしている」
「……想像以上ですね」
「それでも、逃げ出さないと誓えるか?」
試すような視線。
これは、私の覚悟を問うているのだ。
単なる金目当ての腰掛け令嬢か、それとも本物の実務家か。
私は溜息を一つついて、呆れたように肩をすくめた。
「閣下。私を誰だと思っておいでですか?」
「ん?」
「私は十年間、あのお花畑王太子(クラーク殿下)の尻拭いをしてきた女ですよ? 『1』と『7』の区別がつかない? 結構なことです。殿下なんて、公文書に自分の名前の綴りを間違えてサインしたことがあるんですよ?」
「ぶっ……」
「それに比べれば、筋肉ダルマの方々は可愛らしいものです。少なくとも、彼らには『悪気』がないでしょうから。教育すれば伸びる余地(ポテンシャル)があります」
私は断言した。
無能な上司に仕える苦労に比べれば、素直な部下を育てる苦労など、娯楽の一種だ。
「……ははっ、違いねぇ!」
ギルバート様は膝を叩いて快哉を叫んだ。
「気に入った! ああ、本当に君をスカウトして正解だった。クラークの奴、とんでもない逸材を手放しやがったな」
「ええ、殿下の最大の損失(ロス)ですわ」
「よかろう。契約成立だ。王都を発つのは明後日。準備は間に合うか?」
「一日あれば十分です。実家に帰って、引越しの荷造りと、両親への説明を済ませておきます」
「両親への説明、か。公爵家の一人娘が辺境へ行くとなれば、揉めるのではないか?」
ギルバート様が少し心配そうに眉を寄せた。
確かに、普通の箱入り娘なら大反対されるだろう。
「泥棒猫に婚約者を奪われ、傷心の旅に出る」という建前なら同情されるかもしれないが、「辺境へ出稼ぎに行く」となれば話は別だ。
だが、私は余裕の笑みを浮かべた。
「ご心配なく。うちの両親も、私に似て『合理的』な思考の持ち主ですので」
「……嫌な予感がするな」
「ふふっ。到着しましたわ」
話している間に、馬車が減速し、バレット公爵邸の正門前に停止した。
御者が扉を開ける。
私は荷物をまとめ、ギルバート様に向き直った。
「では、閣下。明後日の朝、お迎えをお待ちしております」
「ああ。楽しみにしているぞ、私の新しい『右腕』殿」
「最高の結果(リザルト)でお応えしますわ、ボス」
私は優雅にカーテシーをし、馬車を降りた。
夜風が心地よい。
背後で馬車が走り去る音を聞きながら、私は大きく伸びをした。
「さて、と」
私は公爵邸の重厚な扉を見上げた。
時刻は二十二時を回っている。
通常なら皆、寝静まっている時間だが、屋敷の中からは煌々と明かりが漏れていた。
どうやら、夜会の騒ぎは既に伝わっているらしい。
「お父様、お母様。ただいま戻りました」
私が玄関ホールに入ると、そこには使用人たちが整列し、その奥に父と母が腕組みをして待ち構えていた。
父、公爵ライナー・フォン・バレット。
母、公爵夫人エリザベス。
二人とも、眼鏡の奥の瞳を鋭く光らせている。
「エーミール!」
父が低い声で私の名を呼んだ。
「王城からの早馬で聞いたぞ。クラーク殿下と婚約破棄になったそうだな」
「はい、お父様」
「しかも、大勢の貴族の前で、殿下に慰謝料を請求したとか」
「はい、お母様」
「……それで?」
父が詰め寄ってくる。
怒られるだろうか。
王家の顔に泥を塗ったと、勘当されるだろうか。
私は懐から、先ほど殿下にサインさせた書類の写しを取り出し、二人の前に差し出した。
「こちらが、獲得した慰謝料の総額と、今後私が辺境伯領で受け取る予定の年俸額です」
父と母は、書類をひったくるように受け取り、食い入るように数字を見つめた。
沈黙が流れる。
一秒。
二秒。
三秒。
「「…………」」
そして、二人は同時に顔を上げ、満面の笑みを浮かべた。
「でかした!!」
「素晴らしいわ、エーミール! さすが我が娘!」
父は私の肩をバンバンと叩き、母は私を抱きしめた。
「あの無能な王太子との縁が切れて清々したと思っていたが、まさかこれほどの『手切れ金』をふんだくってくるとは!」
「辺境伯領での給与三倍!? 素晴らしい条件ね! 王太子のタダ働きなんて、最初からさせるべきじゃなかったのよ!」
「早速、祝いの宴だ! おい、執事! 秘蔵のワインを開けろ!」
「シェフを叩き起こして! 赤飯も炊いてちょうだい!」
屋敷中が一瞬でお祭り騒ぎになった。
そう、バレット公爵家は、代々「商魂たくましい」家系なのだ。
感情論よりも実利を取る。それが我が家の家訓である。
「お父様、お母様。明日一日で荷造りを済ませて、明後日には発ちます」
「うむ! 辺境は寒かろう。最高級の毛皮を持っていけ!」
「向こうでの事業計画はあるの? お父様のコネで物流ルートを確保しておきましょうか?」
「ありがとうございます。助かりますわ」
私は家族の愛(と打算)に包まれながら、自室へと向かった。
ベッドに飛び込み、天井を見上げる。
(さようなら、クラーク殿下。さようなら、退屈な王都)
これからは、自分の能力を正当に評価してくれる場所で、思いっきり働ける。
そう思うと、遠足前の子供のようにワクワクして、眠気が吹き飛んでしまうのだった。
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