9 / 28
9
しおりを挟む
王都の社交界は、今、ある一つの話題で持ちきりだった。
王侯貴族が集うサロン、『白百合の園』。
そこでは、着飾った令嬢たちが、目の前に置かれたガラスの器に熱い視線を注いでいた。
「まあ! なんて美しいの!」
「見て、この透明度! 向こう側が透けて見えるわ!」
「そして、この真紅の果実……まるでルビーのようだわ!」
彼女たちが絶賛しているのは、宝石でもドレスでもない。
ただの『氷』と『イチゴ』だ。
しかし、それは計算し尽くされた演出(ブランディング)によって、至高の嗜好品へと昇華されていた。
『辺境伯領産・シルバー・クリスタル・アイス ~北の森の宝石(フローズン・ベリー)を添えて~』
「皆様、こちらの商品は一日限定五十食となっております」
カフェの給仕が恭しく告げると、令嬢たちの目の色が肉食獣のように変わった。
「わたくしに一つ頂戴!」
「いいえ、わたくしが先よ!」
「お父様の権力を使って買い占めますわ!」
「お値段は、一皿で銀貨五枚となります」
「「「安いですわ!!」」」
通常のかき氷の十倍近い価格だが、彼女たちの金銭感覚は麻痺していた。
「冷たくて、甘酸っぱくて……初恋の味がしますわ!」
「この氷、口の中でスッと溶けるの。雑味が一切ないわ!」
「これを食べていないなんて、社交界の恥ですわね」
空前の大ブーム。
その波は、瞬く間に王都中を席巻していった。
***
一方、王城。
クラーク王太子の執務室(という名のゴミ溜め予備軍)にも、その噂は届いていた。
「……なぁ、ミーナ」
クラークはげっそりと痩せた頬をさすりながら、ソファでふて腐れているミーナに声をかけた。
「なんだか、街で『すごいスイーツ』が流行ってるらしいんだ。食べたくないか?」
ミーナは新しいドレスが買えずに不機嫌だったが、スイーツと聞いてピクリと反応した。
「スイーツ? 美味しいんですか?」
「ああ。『北の宝石』って呼ばれてるらしい。これを食べれば、君の機嫌も直るかなと思って」
「……殿下がどうしてもって言うなら、食べてあげてもいいですけどぉ」
「よし、分かった! 買ってこよう!」
クラークは久しぶりに頼もしい笑顔を見せ、財布を持って街へと飛び出した。
しかし。
一時間後。彼は王室御用達のカフェの前で呆然と立ち尽くしていた。
「う、売り切れ……だと……?」
「申し訳ございません、殿下。開店と同時に完売いたしました」
店主が申し訳なさそうに、しかし内心では「来るのが遅いんだよ」という顔で頭を下げる。
「そ、そんな……。王太子の権限でなんとかならないか!?」
「無理でございます。先ほど、宰相閣下も並んでおられましたが、買えずに帰られました」
「宰相まで!?」
クラークは項垂れた。
ふと、店の入り口に貼られたポスターが目に入った。
『製造・販売元:ホワイト・フロンティア商会』
『代表代行:E・B』
「……E・B?」
どこかで聞いたようなイニシャルだ。
さらに、ポスターの隅には見覚えのあるキャッチコピーが書かれていた。
『その一口に、最高の費用対効果(コストパフォーマンス)を』
「……っ!!」
クラークの背筋に悪寒が走った。
この味気ない、夢のない、しかし説得力のある文言。
そして『北』というキーワード。
「まさか……エーミールか!? あの女が、これを売っているのか!?」
クラークは震える手で財布の中身を確認した。
残金、銀貨三枚。
流行りのスイーツ一皿すら買えない。
「くそっ……! なんでだ! なんであの女ばかり成功するんだ!」
彼は地団駄を踏んだが、誰も同情する者はいなかった。
***
そして、辺境伯領・白銀砦。
ここには、王都とは別の種類の『熱狂』が渦巻いていた。
「――発表します」
食堂に集められた騎士団員たちの前で、私は一枚の羊皮紙を高々と掲げた。
「第一回、王都への氷販売事業。その最終決算が出ました」
ゴクリ。
騎士たちが固唾を飲んで見守る。
ガストン団長などは、祈るように手を組んでいる。
「売上高、金貨五百枚。経費を差し引いた純利益は……金貨三百五十枚です」
「「「うおおおおおお!!!」」」
食堂が揺れた。
歓喜の雄叫びが爆発する。
「すげぇ! 氷が金になったぞ!」
「俺たちが切った氷が、金貨三百五十枚!?」
「静粛に!」
私がパンと手を叩くと、一瞬で静まり返った。訓練の賜物だ。
「この利益は、事前の契約通り、皆さんに還元されます。……運び入れなさい!」
合図と共に、厨房の扉が開いた。
そこから運ばれてきたのは、山盛りの『肉』だった。
牛、豚、羊、鶏。ありとあらゆる肉が、焼かれ、煮込まれ、山のように積まれている。
「本日の夕食は、肉の食べ放題(バイキング)です。さらに、一人当たり金貨二枚の特別ボーナスを支給します」
その瞬間。
食堂から音が消えた。
あまりの衝撃に、騎士たちの脳処理が追いついていないのだ。
そして、次の瞬間。
「う、うぅぅ……」
ガストン団長が、両手で顔を覆って泣き崩れた。
「だ、団長!?」
「夢じゃねぇよな……? 俺の皿に、肉が乗ってる……しかも、ステーキだ……」
「現実です。さあ、食べてください。冷めると味が落ちます(資産価値が下がります)」
「エーミール様ぁぁぁ!!」
ガストン団長は、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔で、私に向かって敬礼した。
「一生ついていきます! あんたは俺たちの女神だ! 肉の女神だ!!」
「肉の女神は不名誉な二つ名ですが、まあいいでしょう」
「いただきます!!」
「「「いただきます!!!」」」
そこからは、阿鼻叫喚の宴となった。
猛獣のように肉に食らいつく騎士たち。
「美味い! 美味すぎる!」
「これが歩合制の味か!」
「ボキやってよかった! 物理やってよかった!」
彼らは涙を流しながら、肉と共に「労働の喜び」を噛み締めていた。
その様子を、少し離れた席でギルバート様と眺める。
「……凄い光景だな。地獄の釜の蓋が開いたようだ」
「いいえ、これは『経済の循環』です」
私は冷静にスープを口に運んだ。
「彼らが稼ぎ、彼らが消費し、商人が潤う。この砦の経済圏が回り始めた証拠です」
「君には敵わないな」
ギルバート様は優しく笑い、自分の皿から一番上等なローストビーフを私の皿に移した。
「え?」
「君への配当だ。一番の功労者は君だろう」
「ですが、これは閣下の分で……」
「俺はいい。君が美味しそうに食べているのを見るのが、今の俺の『利益』だ」
キザなセリフだ。
計算機なら「意味不明なデータ」として弾くところだが、今の私の心臓は、それを「好意的な入力」として受理してしまったらしい。
胸の奥が、温かくなる。
「……では、ありがたく頂戴します。その代わり」
私は自分の皿の付け合わせのニンジンを、ギルバート様の皿に移した。
「野菜も食べてください。栄養バランスが崩れますから」
「うっ……俺はニンジンが苦手なんだが」
「却下です。健康管理も補佐官の仕事ですので」
「厳しいな、我が補佐官殿は」
ギルバート様は苦虫を噛み潰したような顔をしたが、それでも大人しくニンジンを口に運んだ。
その横顔を見ながら、私は思った。
この人のためなら、もう少し頑張ってもいいかもしれない。
王都の氷ブームは、あくまで第一歩。
私の頭の中には、次の事業計画(プロジェクト)――『温泉リゾート開発』と『魔獣素材のブランド化』の青写真が、既に描かれ始めていた。
「(……クラーク殿下。貴方が手放した『悪役令嬢』は、辺境でこんなにも楽しくやっていますわよ)」
私は肉を頬張りながら、遠い王都に向けて勝利の笑みを浮かべた。
だが、この時の私はまだ知らなかった。
王都の氷ブームがきっかけとなり、王家が――そしてあの国王陛下が、本格的に動き出そうとしていることを。
王侯貴族が集うサロン、『白百合の園』。
そこでは、着飾った令嬢たちが、目の前に置かれたガラスの器に熱い視線を注いでいた。
「まあ! なんて美しいの!」
「見て、この透明度! 向こう側が透けて見えるわ!」
「そして、この真紅の果実……まるでルビーのようだわ!」
彼女たちが絶賛しているのは、宝石でもドレスでもない。
ただの『氷』と『イチゴ』だ。
しかし、それは計算し尽くされた演出(ブランディング)によって、至高の嗜好品へと昇華されていた。
『辺境伯領産・シルバー・クリスタル・アイス ~北の森の宝石(フローズン・ベリー)を添えて~』
「皆様、こちらの商品は一日限定五十食となっております」
カフェの給仕が恭しく告げると、令嬢たちの目の色が肉食獣のように変わった。
「わたくしに一つ頂戴!」
「いいえ、わたくしが先よ!」
「お父様の権力を使って買い占めますわ!」
「お値段は、一皿で銀貨五枚となります」
「「「安いですわ!!」」」
通常のかき氷の十倍近い価格だが、彼女たちの金銭感覚は麻痺していた。
「冷たくて、甘酸っぱくて……初恋の味がしますわ!」
「この氷、口の中でスッと溶けるの。雑味が一切ないわ!」
「これを食べていないなんて、社交界の恥ですわね」
空前の大ブーム。
その波は、瞬く間に王都中を席巻していった。
***
一方、王城。
クラーク王太子の執務室(という名のゴミ溜め予備軍)にも、その噂は届いていた。
「……なぁ、ミーナ」
クラークはげっそりと痩せた頬をさすりながら、ソファでふて腐れているミーナに声をかけた。
「なんだか、街で『すごいスイーツ』が流行ってるらしいんだ。食べたくないか?」
ミーナは新しいドレスが買えずに不機嫌だったが、スイーツと聞いてピクリと反応した。
「スイーツ? 美味しいんですか?」
「ああ。『北の宝石』って呼ばれてるらしい。これを食べれば、君の機嫌も直るかなと思って」
「……殿下がどうしてもって言うなら、食べてあげてもいいですけどぉ」
「よし、分かった! 買ってこよう!」
クラークは久しぶりに頼もしい笑顔を見せ、財布を持って街へと飛び出した。
しかし。
一時間後。彼は王室御用達のカフェの前で呆然と立ち尽くしていた。
「う、売り切れ……だと……?」
「申し訳ございません、殿下。開店と同時に完売いたしました」
店主が申し訳なさそうに、しかし内心では「来るのが遅いんだよ」という顔で頭を下げる。
「そ、そんな……。王太子の権限でなんとかならないか!?」
「無理でございます。先ほど、宰相閣下も並んでおられましたが、買えずに帰られました」
「宰相まで!?」
クラークは項垂れた。
ふと、店の入り口に貼られたポスターが目に入った。
『製造・販売元:ホワイト・フロンティア商会』
『代表代行:E・B』
「……E・B?」
どこかで聞いたようなイニシャルだ。
さらに、ポスターの隅には見覚えのあるキャッチコピーが書かれていた。
『その一口に、最高の費用対効果(コストパフォーマンス)を』
「……っ!!」
クラークの背筋に悪寒が走った。
この味気ない、夢のない、しかし説得力のある文言。
そして『北』というキーワード。
「まさか……エーミールか!? あの女が、これを売っているのか!?」
クラークは震える手で財布の中身を確認した。
残金、銀貨三枚。
流行りのスイーツ一皿すら買えない。
「くそっ……! なんでだ! なんであの女ばかり成功するんだ!」
彼は地団駄を踏んだが、誰も同情する者はいなかった。
***
そして、辺境伯領・白銀砦。
ここには、王都とは別の種類の『熱狂』が渦巻いていた。
「――発表します」
食堂に集められた騎士団員たちの前で、私は一枚の羊皮紙を高々と掲げた。
「第一回、王都への氷販売事業。その最終決算が出ました」
ゴクリ。
騎士たちが固唾を飲んで見守る。
ガストン団長などは、祈るように手を組んでいる。
「売上高、金貨五百枚。経費を差し引いた純利益は……金貨三百五十枚です」
「「「うおおおおおお!!!」」」
食堂が揺れた。
歓喜の雄叫びが爆発する。
「すげぇ! 氷が金になったぞ!」
「俺たちが切った氷が、金貨三百五十枚!?」
「静粛に!」
私がパンと手を叩くと、一瞬で静まり返った。訓練の賜物だ。
「この利益は、事前の契約通り、皆さんに還元されます。……運び入れなさい!」
合図と共に、厨房の扉が開いた。
そこから運ばれてきたのは、山盛りの『肉』だった。
牛、豚、羊、鶏。ありとあらゆる肉が、焼かれ、煮込まれ、山のように積まれている。
「本日の夕食は、肉の食べ放題(バイキング)です。さらに、一人当たり金貨二枚の特別ボーナスを支給します」
その瞬間。
食堂から音が消えた。
あまりの衝撃に、騎士たちの脳処理が追いついていないのだ。
そして、次の瞬間。
「う、うぅぅ……」
ガストン団長が、両手で顔を覆って泣き崩れた。
「だ、団長!?」
「夢じゃねぇよな……? 俺の皿に、肉が乗ってる……しかも、ステーキだ……」
「現実です。さあ、食べてください。冷めると味が落ちます(資産価値が下がります)」
「エーミール様ぁぁぁ!!」
ガストン団長は、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔で、私に向かって敬礼した。
「一生ついていきます! あんたは俺たちの女神だ! 肉の女神だ!!」
「肉の女神は不名誉な二つ名ですが、まあいいでしょう」
「いただきます!!」
「「「いただきます!!!」」」
そこからは、阿鼻叫喚の宴となった。
猛獣のように肉に食らいつく騎士たち。
「美味い! 美味すぎる!」
「これが歩合制の味か!」
「ボキやってよかった! 物理やってよかった!」
彼らは涙を流しながら、肉と共に「労働の喜び」を噛み締めていた。
その様子を、少し離れた席でギルバート様と眺める。
「……凄い光景だな。地獄の釜の蓋が開いたようだ」
「いいえ、これは『経済の循環』です」
私は冷静にスープを口に運んだ。
「彼らが稼ぎ、彼らが消費し、商人が潤う。この砦の経済圏が回り始めた証拠です」
「君には敵わないな」
ギルバート様は優しく笑い、自分の皿から一番上等なローストビーフを私の皿に移した。
「え?」
「君への配当だ。一番の功労者は君だろう」
「ですが、これは閣下の分で……」
「俺はいい。君が美味しそうに食べているのを見るのが、今の俺の『利益』だ」
キザなセリフだ。
計算機なら「意味不明なデータ」として弾くところだが、今の私の心臓は、それを「好意的な入力」として受理してしまったらしい。
胸の奥が、温かくなる。
「……では、ありがたく頂戴します。その代わり」
私は自分の皿の付け合わせのニンジンを、ギルバート様の皿に移した。
「野菜も食べてください。栄養バランスが崩れますから」
「うっ……俺はニンジンが苦手なんだが」
「却下です。健康管理も補佐官の仕事ですので」
「厳しいな、我が補佐官殿は」
ギルバート様は苦虫を噛み潰したような顔をしたが、それでも大人しくニンジンを口に運んだ。
その横顔を見ながら、私は思った。
この人のためなら、もう少し頑張ってもいいかもしれない。
王都の氷ブームは、あくまで第一歩。
私の頭の中には、次の事業計画(プロジェクト)――『温泉リゾート開発』と『魔獣素材のブランド化』の青写真が、既に描かれ始めていた。
「(……クラーク殿下。貴方が手放した『悪役令嬢』は、辺境でこんなにも楽しくやっていますわよ)」
私は肉を頬張りながら、遠い王都に向けて勝利の笑みを浮かべた。
だが、この時の私はまだ知らなかった。
王都の氷ブームがきっかけとなり、王家が――そしてあの国王陛下が、本格的に動き出そうとしていることを。
10
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜
みおな
恋愛
王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。
「お前との婚約を破棄する!!」
私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。
だって、私は何ひとつ困らない。
困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。
婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。
パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
心配するな、俺の本命は別にいる——冷酷王太子と籠の花嫁
柴田はつみ
恋愛
王国の公爵令嬢セレーネは、家を守るために王太子レオニスとの政略結婚を命じられる。
婚約の儀の日、彼が告げた冷酷な一言——「心配するな。俺の好きな人は別にいる」。
その言葉はセレーネの心を深く傷つけ、王宮での新たな生活は噂と誤解に満ちていく。
好きな人が別にいるはずの彼が、なぜか自分にだけ独占欲を見せる。
嫉妬、疑念、陰謀が渦巻くなかで明らかになる「真実」。
契約から始まった婚約は、やがて運命を変える愛の物語へと変わっていく——。
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
謹んで、婚約破棄をお受けいたします。
パリパリかぷちーの
恋愛
きつい目つきと素直でない性格から『悪役令嬢』と噂される公爵令嬢マーブル。彼女は、王太子ジュリアンの婚約者であったが、王子の新たな恋人である男爵令嬢クララの策略により、夜会の場で大勢の貴族たちの前で婚約を破棄されてしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる