10 / 28
10
しおりを挟む
辺境伯領に遅い春の足音が近づき始めたある日。
白銀砦の執務室に、一通の手紙が届いた。
封蝋には王家の紋章。差出人はクラーク王太子。
通常なら、家宝として額縁に飾るレベルの代物だが、私の扱いは違った。
「ガストン団長」
「はっ!」
「この手紙、開封して中身を確認してください。私は触りたくないので」
「えっ、俺っすか!? 王族の手紙っすよ!?」
「万が一、毒や呪い、あるいは『バカが伝染するウイルス』が付着していたら困りますから。貴方の筋肉なら弾き返せるでしょう」
「扱いが雑!!」
ガストン団長は恐る恐るペーパーナイフで封を切った。
中から出てきたのは、高級な羊皮紙が一枚。
「よ、読みますね……。『親愛なるエーミールへ』」
「ストップ。冒頭から虚偽記載です。読み飛ばして要件だけ」
「へ、へい……えーっと……『最近、王都で流行っている氷菓子、あれは君の仕業だな? 相変わらず小賢しい商売をしているようだが、その才覚に免じて許してやろう』」
「……」
私のこめかみに青筋が一本浮かんだ。
「『実は今、執務が少し立て込んでいる。ミーナは可愛いが、実務は苦手のようだ。やはり君のような事務人形(ロボット)が必要だと再認識した』」
「事務人形……」
近くで聞いていたギルバート様の目が、スッと細められた。室温が三度下がる。
「『よって、直ちに王都へ帰還し、僕の補佐に戻ることを命じる。今なら特別に、側室の地位を用意してやってもいい。感謝して戻ってこい』……以上です」
読み終えたガストン団長が、信じられないものを見る目で羊皮紙を見た。
「あの……エーミール様。これ、本気で書いてるんすか?」
「残念ながら、本気のようです」
私は深い溜息をついた。
予想はしていたが、ここまで現状認識能力が欠如しているとは。
彼はまだ、自分が「選ぶ立場」にいると思っているのだ。
「どうする? エーミール」
ギルバート様が低い声で尋ねてきた。
その手は剣の柄にかかっており、殺気が漏れ出ている。
「俺が王都へ行って、あの愚か者の目を覚まさせてやろうか? 物理的に」
「いえ、交通費の無駄です、閣下」
私は冷静に手を振った。
「それに、こんな寝言にいちいち反応していては、こちらの業務が滞ります。……ガストン団長、筆とインクを」
「へい! 返事を書くんすね?」
「ええ。きっちりと『条件提示』をして差し上げます」
私は羊皮紙を広げ、サラサラとペンを走らせた。
ものの三分で書き上げる。
「できました。送り返しておいてください」
「え、もう? なんて書いたんすか?」
ガストン団長が手元を覗き込む。
『拝啓 クラーク王太子殿下
再雇用(リクルート)のご提案、拝読いたしました。
王都への帰還および業務復帰についてですが、以下の条件を受諾いただける場合のみ、前向きに検討させていただきます。
1. 基本給与:現在の辺境伯領での年俸の五百倍(国家予算の約一割に相当)。
2. 労働環境:週休四日、一日三時間労働。残業禁止。
3. 福利厚生:王宮内に私専用の温泉施設の建設。
4. その他:殿下の半径五メートル以内への接近禁止。指示は全て書面で行うこと。
5. **慰謝料の追加**:今回の上から目線な手紙に対する精神的苦痛への賠償金、金貨一千枚。
以上の条件が満たされない場合、本件は不採用とさせていただきます。
なお、再度の勧誘は迷惑行為とみなし、着信拒否(手紙の焼却処分)とさせていただきます。
敬具
エーミール・フォン・バレット』
「……」
執務室に沈黙が流れた。
「え、えぐい……」
ガストン団長が引いている。
「これ、実質的な『お断り』ですよね?」
「いいえ? 正当な対価を提示しただけです。私の現在の市場価値(マーケットバリュー)と、殿下の元で働く精神的ストレス(リスク)を天秤にかければ、これくらいが妥当です」
私はニッコリと笑った。
ギルバート様が、プッと吹き出し、やがて大笑いした。
「はっはっは! 最高だ! 国家予算の一割とはな! これを見たら、あいつ泡を吹いて倒れるぞ!」
「倒れていただいた方が、国の為かもしれませんわ」
「違いない。……だが、安心したよ」
ギルバート様は笑い収めると、私を優しく見つめた。
「君が『戻る』と言ったらどうしようかと、少しヒヤヒヤしていたんだ」
「まさか。あんなブラック職場に戻る趣味はありません」
私は即答した。
ここには、私の能力を認め、対等に扱ってくれるボスがいる。
筋肉質だが素直な部下たちがいる。
そして何より、手付かずの資源(ビジネスチャンス)が山ほどある。
「さて、手紙の処理は終わりです。次の仕事にかかりましょう」
私は地図を広げた。
「次はここです。砦の裏山にある火山地帯」
「そこがどうした?」
「先日の調査で、この付近から硫黄の匂いがすることが確認されました。つまり――『温泉』が湧いています」
「温泉?」
「はい。ただのお湯ではありません。疲労回復、筋肉痛の緩和、美肌効果。これらを謳い文句にすれば、新たな観光資源になります」
私は目を輝かせた。
「夏は避暑と氷、冬は温泉とスキー。これで通年型のリゾート地が完成します。騎士たちの筋肉疲労も癒せますし、一石三鳥です!」
「……君の頭の中は、本当に金儲けと効率化しかないんだな」
ギルバート様は呆れたように、しかし愛おしそうに言った。
「いいだろう。温泉開発、許可する。俺も一肌脱ごう」
「ありがとうございます! では早速、現地調査へ――」
私が立ち上がろうとした時。
「待て。一つ条件がある」
「条件?」
ギルバート様が、私の手を取った。
「開発が成功したら、一番風呂は俺と君が入る。……混浴でな」
「は?」
私の思考回路がフリーズした。
こんよく。
混浴。
一緒に、お風呂に……?
「な、ななな、何を仰っているのですか!? 不健全です! 破廉恥です! 公序良俗に反します!」
「おや、ビジネスパートナーとしての親睦を深めるだけだぞ? 効率的だろう?」
「そ、そういう問題ではありません!」
顔が一気に沸騰する。温泉より先に私が茹で上がりそうだ。
「却下です! 絶対にお断りです!」
「交渉決裂か。残念だな。じゃあ、背中を流すだけでも?」
「ダメです!!」
からかうように笑うギルバート様と、真っ赤になって抗議する私。
ガストン団長たちは「あーあ、またやってるよ」「爆発しろ」という顔で見守っていた。
***
数日後、王都。
私の送った『請求書(返信)』を受け取ったクラーク王太子は、予想通り、白目を剥いて卒倒したという。
「こ、国家予算の一割だとぉぉぉ!? ふざけるなあああ!!」
執務室に響く絶叫。
しかし、私が戻る気がないことは、これで明確に伝わったはずだ。
「エーミール……許さん……! 僕をコケにして……!」
クラークはギリギリと歯を食いしばった。
「金か……結局は金なのか……! なら、目にもの見せてやる!」
彼の歪んだプライドは、最悪の方向へと暴走しようとしていた。
「ミーナ! ミーナを呼べ! あの女の弱点を探るんだ!」
「えぇ~? 私、寒いの嫌ですよぉ」
「新しいドレスを買ってやる! 宝石もだ! だから行け! 北へ行って、あの女の悪事を暴いてくるんだ!」
「ホント!? 宝石!? 行く行くー!」
こうして。
私の平和な辺境ライフ(兼ビジネス無双)を脅かすべく、第二の刺客――お花畑ヒロイン・ミーナが送り込まれることが決定したのだった。
だが、私はまだ知らない。
彼女が、私の想定をはるかに下回る『無能さ』で、逆に辺境の騎士たちを混乱の渦に叩き込むことになる未来を。
白銀砦の執務室に、一通の手紙が届いた。
封蝋には王家の紋章。差出人はクラーク王太子。
通常なら、家宝として額縁に飾るレベルの代物だが、私の扱いは違った。
「ガストン団長」
「はっ!」
「この手紙、開封して中身を確認してください。私は触りたくないので」
「えっ、俺っすか!? 王族の手紙っすよ!?」
「万が一、毒や呪い、あるいは『バカが伝染するウイルス』が付着していたら困りますから。貴方の筋肉なら弾き返せるでしょう」
「扱いが雑!!」
ガストン団長は恐る恐るペーパーナイフで封を切った。
中から出てきたのは、高級な羊皮紙が一枚。
「よ、読みますね……。『親愛なるエーミールへ』」
「ストップ。冒頭から虚偽記載です。読み飛ばして要件だけ」
「へ、へい……えーっと……『最近、王都で流行っている氷菓子、あれは君の仕業だな? 相変わらず小賢しい商売をしているようだが、その才覚に免じて許してやろう』」
「……」
私のこめかみに青筋が一本浮かんだ。
「『実は今、執務が少し立て込んでいる。ミーナは可愛いが、実務は苦手のようだ。やはり君のような事務人形(ロボット)が必要だと再認識した』」
「事務人形……」
近くで聞いていたギルバート様の目が、スッと細められた。室温が三度下がる。
「『よって、直ちに王都へ帰還し、僕の補佐に戻ることを命じる。今なら特別に、側室の地位を用意してやってもいい。感謝して戻ってこい』……以上です」
読み終えたガストン団長が、信じられないものを見る目で羊皮紙を見た。
「あの……エーミール様。これ、本気で書いてるんすか?」
「残念ながら、本気のようです」
私は深い溜息をついた。
予想はしていたが、ここまで現状認識能力が欠如しているとは。
彼はまだ、自分が「選ぶ立場」にいると思っているのだ。
「どうする? エーミール」
ギルバート様が低い声で尋ねてきた。
その手は剣の柄にかかっており、殺気が漏れ出ている。
「俺が王都へ行って、あの愚か者の目を覚まさせてやろうか? 物理的に」
「いえ、交通費の無駄です、閣下」
私は冷静に手を振った。
「それに、こんな寝言にいちいち反応していては、こちらの業務が滞ります。……ガストン団長、筆とインクを」
「へい! 返事を書くんすね?」
「ええ。きっちりと『条件提示』をして差し上げます」
私は羊皮紙を広げ、サラサラとペンを走らせた。
ものの三分で書き上げる。
「できました。送り返しておいてください」
「え、もう? なんて書いたんすか?」
ガストン団長が手元を覗き込む。
『拝啓 クラーク王太子殿下
再雇用(リクルート)のご提案、拝読いたしました。
王都への帰還および業務復帰についてですが、以下の条件を受諾いただける場合のみ、前向きに検討させていただきます。
1. 基本給与:現在の辺境伯領での年俸の五百倍(国家予算の約一割に相当)。
2. 労働環境:週休四日、一日三時間労働。残業禁止。
3. 福利厚生:王宮内に私専用の温泉施設の建設。
4. その他:殿下の半径五メートル以内への接近禁止。指示は全て書面で行うこと。
5. **慰謝料の追加**:今回の上から目線な手紙に対する精神的苦痛への賠償金、金貨一千枚。
以上の条件が満たされない場合、本件は不採用とさせていただきます。
なお、再度の勧誘は迷惑行為とみなし、着信拒否(手紙の焼却処分)とさせていただきます。
敬具
エーミール・フォン・バレット』
「……」
執務室に沈黙が流れた。
「え、えぐい……」
ガストン団長が引いている。
「これ、実質的な『お断り』ですよね?」
「いいえ? 正当な対価を提示しただけです。私の現在の市場価値(マーケットバリュー)と、殿下の元で働く精神的ストレス(リスク)を天秤にかければ、これくらいが妥当です」
私はニッコリと笑った。
ギルバート様が、プッと吹き出し、やがて大笑いした。
「はっはっは! 最高だ! 国家予算の一割とはな! これを見たら、あいつ泡を吹いて倒れるぞ!」
「倒れていただいた方が、国の為かもしれませんわ」
「違いない。……だが、安心したよ」
ギルバート様は笑い収めると、私を優しく見つめた。
「君が『戻る』と言ったらどうしようかと、少しヒヤヒヤしていたんだ」
「まさか。あんなブラック職場に戻る趣味はありません」
私は即答した。
ここには、私の能力を認め、対等に扱ってくれるボスがいる。
筋肉質だが素直な部下たちがいる。
そして何より、手付かずの資源(ビジネスチャンス)が山ほどある。
「さて、手紙の処理は終わりです。次の仕事にかかりましょう」
私は地図を広げた。
「次はここです。砦の裏山にある火山地帯」
「そこがどうした?」
「先日の調査で、この付近から硫黄の匂いがすることが確認されました。つまり――『温泉』が湧いています」
「温泉?」
「はい。ただのお湯ではありません。疲労回復、筋肉痛の緩和、美肌効果。これらを謳い文句にすれば、新たな観光資源になります」
私は目を輝かせた。
「夏は避暑と氷、冬は温泉とスキー。これで通年型のリゾート地が完成します。騎士たちの筋肉疲労も癒せますし、一石三鳥です!」
「……君の頭の中は、本当に金儲けと効率化しかないんだな」
ギルバート様は呆れたように、しかし愛おしそうに言った。
「いいだろう。温泉開発、許可する。俺も一肌脱ごう」
「ありがとうございます! では早速、現地調査へ――」
私が立ち上がろうとした時。
「待て。一つ条件がある」
「条件?」
ギルバート様が、私の手を取った。
「開発が成功したら、一番風呂は俺と君が入る。……混浴でな」
「は?」
私の思考回路がフリーズした。
こんよく。
混浴。
一緒に、お風呂に……?
「な、ななな、何を仰っているのですか!? 不健全です! 破廉恥です! 公序良俗に反します!」
「おや、ビジネスパートナーとしての親睦を深めるだけだぞ? 効率的だろう?」
「そ、そういう問題ではありません!」
顔が一気に沸騰する。温泉より先に私が茹で上がりそうだ。
「却下です! 絶対にお断りです!」
「交渉決裂か。残念だな。じゃあ、背中を流すだけでも?」
「ダメです!!」
からかうように笑うギルバート様と、真っ赤になって抗議する私。
ガストン団長たちは「あーあ、またやってるよ」「爆発しろ」という顔で見守っていた。
***
数日後、王都。
私の送った『請求書(返信)』を受け取ったクラーク王太子は、予想通り、白目を剥いて卒倒したという。
「こ、国家予算の一割だとぉぉぉ!? ふざけるなあああ!!」
執務室に響く絶叫。
しかし、私が戻る気がないことは、これで明確に伝わったはずだ。
「エーミール……許さん……! 僕をコケにして……!」
クラークはギリギリと歯を食いしばった。
「金か……結局は金なのか……! なら、目にもの見せてやる!」
彼の歪んだプライドは、最悪の方向へと暴走しようとしていた。
「ミーナ! ミーナを呼べ! あの女の弱点を探るんだ!」
「えぇ~? 私、寒いの嫌ですよぉ」
「新しいドレスを買ってやる! 宝石もだ! だから行け! 北へ行って、あの女の悪事を暴いてくるんだ!」
「ホント!? 宝石!? 行く行くー!」
こうして。
私の平和な辺境ライフ(兼ビジネス無双)を脅かすべく、第二の刺客――お花畑ヒロイン・ミーナが送り込まれることが決定したのだった。
だが、私はまだ知らない。
彼女が、私の想定をはるかに下回る『無能さ』で、逆に辺境の騎士たちを混乱の渦に叩き込むことになる未来を。
10
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜
みおな
恋愛
王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。
「お前との婚約を破棄する!!」
私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。
だって、私は何ひとつ困らない。
困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。
婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。
パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
心配するな、俺の本命は別にいる——冷酷王太子と籠の花嫁
柴田はつみ
恋愛
王国の公爵令嬢セレーネは、家を守るために王太子レオニスとの政略結婚を命じられる。
婚約の儀の日、彼が告げた冷酷な一言——「心配するな。俺の好きな人は別にいる」。
その言葉はセレーネの心を深く傷つけ、王宮での新たな生活は噂と誤解に満ちていく。
好きな人が別にいるはずの彼が、なぜか自分にだけ独占欲を見せる。
嫉妬、疑念、陰謀が渦巻くなかで明らかになる「真実」。
契約から始まった婚約は、やがて運命を変える愛の物語へと変わっていく——。
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
謹んで、婚約破棄をお受けいたします。
パリパリかぷちーの
恋愛
きつい目つきと素直でない性格から『悪役令嬢』と噂される公爵令嬢マーブル。彼女は、王太子ジュリアンの婚約者であったが、王子の新たな恋人である男爵令嬢クララの策略により、夜会の場で大勢の貴族たちの前で婚約を破棄されてしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる