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「――単刀直入に言おう。ギルバート、お前が王太子になれ」
断罪劇から数時間後。
私たちは王城の奥にある、国王陛下の私室に招かれていた。
美味しい紅茶とケーキが振る舞われ、和やかなムードかと思いきや、陛下がいきなり爆弾を投下してきた。
「兄上。冗談は顔だけにしてください」
ギルバート様が即座に拒否反応を示す。
「俺は辺境の武人です。政治の駆け引きなど御免だ。それに、俺には守るべき領地と、可愛い部下たちがいます」
「だが、クラークはあの有様だ。廃嫡は免れん。他に継承権を持つ者は、弟であるお前しかいないのだ」
国王陛下は疲れた顔でこめかみを揉んだ。
「頼む。国のために、老骨に鞭打つ兄を助けると思って」
情に訴える作戦だ。
普通の貴族なら、国王に頭を下げられれば恐縮して受けるだろう。王位など、喉から手が出るほど欲しい地位なのだから。
だが。
カタカタカタ……ッ!
静かな部屋に、高速で電卓を叩く音が響いた。
「……エーミール嬢?」
陛下が怪訝な顔をする。
私は叩き出した数値をメモに書き写し、スッと手を挙げた。
「異議あり、です。陛下」
「異議? 王位継承にか?」
「はい。ギルバート様が王太子になるということは、必然的にそのパートナーである私が『王太子妃』、ゆくゆくは『王妃』になるということですよね?」
「うむ。そうなるな。光栄なことだろう?」
「いいえ。計算してみましたが、完全に『赤字(マイナス)』です」
私はメモを陛下の前に突き出した。
「ご覧ください。王妃の業務内容と、それに対する報酬のバランスシートです」
「ば、ばらんすしーと……?」
「まず業務内容。国賓の接待、慈善事業、夜会の主催、派閥調整、世継ぎの生産、その他雑務。……これらは三百六十五日、二十四時間体制で求められます。プライベートはありません」
私はペン先で机を叩いた。
「これに対する報酬は? 名誉? 歴史に名が残る? そんなものではお腹は膨れません。公費から出る予算も、ドレスや外交費に消え、手元に残る自由な資産は微々たるもの。……結論から言えば、王妃とは『世界一のブラック企業の中間管理職』です」
「ブ、ブラック……?」
「労働基準法があれば、即刻是正勧告が入るレベルです。私は辺境伯領での『週休四日・高額報酬・残業なし』の生活を愛しておりますので、転職する気は毛頭ございません」
シーン……。
国王陛下が口をポカンと開けて固まった。
王妃の座を「ブラック企業の管理職」と断じ、拒否した令嬢など、建国以来初めてだろう。
ギルバート様が、腹を抱えて笑い出した。
「はっはっは! 聞いたか兄上! 彼女にとって王妃の座は、辺境の暮らし以下の価値しかないそうだ!」
「笑い事ではないぞ、ギルバート! では、誰が国を継ぐのだ! このままでは王家が断絶する!」
陛下が悲痛な声を上げる。
確かに、国のトップが不在となれば、他国に付け入る隙を与える。それは巡り巡って、私の商売(辺境の安定)にも悪影響を及ぼすリスクがある。
「……仕方ありませんね」
私は溜息をつき、新たな提案書(プランB)を取り出した。
「陛下。王位を継ぐのはお断りですが、国の経営再建をお手伝いすることは可能です」
「経営再建?」
「はい。クラーク殿下が散らかした不始末の処理、および腐敗した官僚組織の大掃除。これを私が請け負います」
私はニヤリと笑った。
「ただし、身分はあくまで『外部コンサルタント』として。期間は一年。報酬は成果報酬型で、国家歳入の五パーセントを頂きます」
「ご、五パーセント!? 国家予算の!?」
「高いですか? ですが、私が介入すれば、無駄な経費を二割は削減してみせます。差し引きで国庫はプラスになりますよ?」
陛下はゴクリと喉を鳴らした。
目の前の令嬢は、悪魔か、それとも救世主か。
しかし、先ほどの断罪劇で見せた手腕は本物だ。
「……分かった。契約しよう。ただし、ギルバート、お前も手伝え。摂政として、次期国王が決まるまでの繋ぎをしろ」
「やれやれ。期間限定なら仕方ないか」
ギルバート様も渋々頷いた。
「ありがとうございます。では、契約成立です」
私は素早く契約書を作成し、二人にサインさせた。
これで、私は「王妃」という面倒な肩書きを背負うことなく、国の実権(と金)を握ることに成功したわけだ。
「エーミール。君は本当に転んでもタダでは起きないな」
ギルバート様が呆れつつも、嬉しそうに私の髪を撫でる。
「当然です。転んだら、その場の土を持って帰って売るのが商人です」
***
こうして、私たちの王都滞在は延長された。
翌日から、王城は阿鼻叫喚の地獄と化した。
「――はい、そこの部署! お茶を飲んでいる暇があったら書類を整理してください! 非生産的です!」
「この予算申請、却下です! 宴会費を経費で落とすなと何度言えば分かりますか!」
「ゼファー伯爵と癒着していた職員は、全員リストラ対象です! 退職金はありません!」
私が鞭(指示棒)を振るうたびに、腐敗した貴族や文官たちが悲鳴を上げて逃げ惑う。
その背後には、ギルバート様率いる「筋肉監査部隊(呼び寄せた辺境騎士団)」が控えており、抵抗する者は物理的に排除される。
「ひぃぃ! 悪魔だ! 悪魔の監査だ!」
「クラーク殿下の方がまだマシだったぁぁ!」
彼らの悲鳴は、私にとっては心地よいBGMだった。
そんな日々が続き、一ヶ月後。
王城の業務効率は劇的に改善され、横領されていた資金が戻り、国庫は潤った。
「……凄いな」
国王陛下は、積み上がった金貨の山と、スリム化された組織図を見て絶句した。
「たった一ヶ月で、十年分の赤字を解消するとは……。エーミール嬢、やはり君、王妃にならないか? 給料は弾むぞ?」
「お断りします」
私は即答した。
「そろそろ辺境の温泉が恋しい頃ですので。契約期間終了後、速やかに帰還させていただきます」
「そ、そうか……残念だ」
陛下は本気で残念そうだった。
そして、その夜。
仕事を終えた私たちは、王城のバルコニーで夜風に当たっていた。
眼下には、平和な王都の夜景が広がっている。
「……片付いたな」
ギルバート様が、ワイングラスを片手に呟く。
「ええ。これで安心して辺境に戻れます」
「エーミール」
「はい?」
ギルバート様が、グラスを置いて私に向き直った。
その瞳は、王都の夜景よりも深く、私を吸い込むように見つめている。
「王妃の座は断られたが……辺境伯夫人の座なら、どうだ?」
「……え?」
「俺は、君と一生『契約』していたい。ビジネスパートナーとしてだけでなく、人生の伴侶として」
彼は私の手を取り、その甲に口付けた。
「君の計算高いところも、守銭奴なところも、冷徹に見えて実は情に厚いところも。……すべて愛している」
直球すぎるプロポーズ。
計算外の事象ではない。いつか来ると思っていた。
でも、実際に言われると、心拍数が異常値を叩き出す。
私は深呼吸をして、震える声を抑え込んだ。
「……条件があります」
「なんだ? 言ってみろ」
「家計の管理権は全て私が握ります。無駄遣いは許しません」
「承知した」
「お小遣い制になりますよ?」
「望むところだ」
「それから……たまには、計算なしで甘やかしてください」
私が小声で付け加えると、ギルバート様は目を見開き、そして破顔した。
「ああ。毎日、窒息するほど甘やかしてやる」
彼は私を抱き寄せ、唇を重ねた。
王都の夜空の下。
星々が見守る中での口付けは、どんな高級なスイーツよりも甘く、そしてプライスレスな価値があるものだった。
「(……まあ、この『契約』なら、生涯収支は黒字間違いなしですわね)」
私は彼の胸の中で、幸せな計算結果に満足して目を閉じた。
***
こうして、悪役令嬢エーミールの王都での戦いは幕を閉じた。
だが、物語はまだ終わらない。
廃嫡されたクラーク殿下と、国外追放になったはずのミーナ。
彼らが最後にとんでもない「置き土産」を残していたことが、帰還直前の私たちを襲うことになる。
それは――『王家の隠し財産』を巡る、最後のドタバタ劇の幕開けだった。
断罪劇から数時間後。
私たちは王城の奥にある、国王陛下の私室に招かれていた。
美味しい紅茶とケーキが振る舞われ、和やかなムードかと思いきや、陛下がいきなり爆弾を投下してきた。
「兄上。冗談は顔だけにしてください」
ギルバート様が即座に拒否反応を示す。
「俺は辺境の武人です。政治の駆け引きなど御免だ。それに、俺には守るべき領地と、可愛い部下たちがいます」
「だが、クラークはあの有様だ。廃嫡は免れん。他に継承権を持つ者は、弟であるお前しかいないのだ」
国王陛下は疲れた顔でこめかみを揉んだ。
「頼む。国のために、老骨に鞭打つ兄を助けると思って」
情に訴える作戦だ。
普通の貴族なら、国王に頭を下げられれば恐縮して受けるだろう。王位など、喉から手が出るほど欲しい地位なのだから。
だが。
カタカタカタ……ッ!
静かな部屋に、高速で電卓を叩く音が響いた。
「……エーミール嬢?」
陛下が怪訝な顔をする。
私は叩き出した数値をメモに書き写し、スッと手を挙げた。
「異議あり、です。陛下」
「異議? 王位継承にか?」
「はい。ギルバート様が王太子になるということは、必然的にそのパートナーである私が『王太子妃』、ゆくゆくは『王妃』になるということですよね?」
「うむ。そうなるな。光栄なことだろう?」
「いいえ。計算してみましたが、完全に『赤字(マイナス)』です」
私はメモを陛下の前に突き出した。
「ご覧ください。王妃の業務内容と、それに対する報酬のバランスシートです」
「ば、ばらんすしーと……?」
「まず業務内容。国賓の接待、慈善事業、夜会の主催、派閥調整、世継ぎの生産、その他雑務。……これらは三百六十五日、二十四時間体制で求められます。プライベートはありません」
私はペン先で机を叩いた。
「これに対する報酬は? 名誉? 歴史に名が残る? そんなものではお腹は膨れません。公費から出る予算も、ドレスや外交費に消え、手元に残る自由な資産は微々たるもの。……結論から言えば、王妃とは『世界一のブラック企業の中間管理職』です」
「ブ、ブラック……?」
「労働基準法があれば、即刻是正勧告が入るレベルです。私は辺境伯領での『週休四日・高額報酬・残業なし』の生活を愛しておりますので、転職する気は毛頭ございません」
シーン……。
国王陛下が口をポカンと開けて固まった。
王妃の座を「ブラック企業の管理職」と断じ、拒否した令嬢など、建国以来初めてだろう。
ギルバート様が、腹を抱えて笑い出した。
「はっはっは! 聞いたか兄上! 彼女にとって王妃の座は、辺境の暮らし以下の価値しかないそうだ!」
「笑い事ではないぞ、ギルバート! では、誰が国を継ぐのだ! このままでは王家が断絶する!」
陛下が悲痛な声を上げる。
確かに、国のトップが不在となれば、他国に付け入る隙を与える。それは巡り巡って、私の商売(辺境の安定)にも悪影響を及ぼすリスクがある。
「……仕方ありませんね」
私は溜息をつき、新たな提案書(プランB)を取り出した。
「陛下。王位を継ぐのはお断りですが、国の経営再建をお手伝いすることは可能です」
「経営再建?」
「はい。クラーク殿下が散らかした不始末の処理、および腐敗した官僚組織の大掃除。これを私が請け負います」
私はニヤリと笑った。
「ただし、身分はあくまで『外部コンサルタント』として。期間は一年。報酬は成果報酬型で、国家歳入の五パーセントを頂きます」
「ご、五パーセント!? 国家予算の!?」
「高いですか? ですが、私が介入すれば、無駄な経費を二割は削減してみせます。差し引きで国庫はプラスになりますよ?」
陛下はゴクリと喉を鳴らした。
目の前の令嬢は、悪魔か、それとも救世主か。
しかし、先ほどの断罪劇で見せた手腕は本物だ。
「……分かった。契約しよう。ただし、ギルバート、お前も手伝え。摂政として、次期国王が決まるまでの繋ぎをしろ」
「やれやれ。期間限定なら仕方ないか」
ギルバート様も渋々頷いた。
「ありがとうございます。では、契約成立です」
私は素早く契約書を作成し、二人にサインさせた。
これで、私は「王妃」という面倒な肩書きを背負うことなく、国の実権(と金)を握ることに成功したわけだ。
「エーミール。君は本当に転んでもタダでは起きないな」
ギルバート様が呆れつつも、嬉しそうに私の髪を撫でる。
「当然です。転んだら、その場の土を持って帰って売るのが商人です」
***
こうして、私たちの王都滞在は延長された。
翌日から、王城は阿鼻叫喚の地獄と化した。
「――はい、そこの部署! お茶を飲んでいる暇があったら書類を整理してください! 非生産的です!」
「この予算申請、却下です! 宴会費を経費で落とすなと何度言えば分かりますか!」
「ゼファー伯爵と癒着していた職員は、全員リストラ対象です! 退職金はありません!」
私が鞭(指示棒)を振るうたびに、腐敗した貴族や文官たちが悲鳴を上げて逃げ惑う。
その背後には、ギルバート様率いる「筋肉監査部隊(呼び寄せた辺境騎士団)」が控えており、抵抗する者は物理的に排除される。
「ひぃぃ! 悪魔だ! 悪魔の監査だ!」
「クラーク殿下の方がまだマシだったぁぁ!」
彼らの悲鳴は、私にとっては心地よいBGMだった。
そんな日々が続き、一ヶ月後。
王城の業務効率は劇的に改善され、横領されていた資金が戻り、国庫は潤った。
「……凄いな」
国王陛下は、積み上がった金貨の山と、スリム化された組織図を見て絶句した。
「たった一ヶ月で、十年分の赤字を解消するとは……。エーミール嬢、やはり君、王妃にならないか? 給料は弾むぞ?」
「お断りします」
私は即答した。
「そろそろ辺境の温泉が恋しい頃ですので。契約期間終了後、速やかに帰還させていただきます」
「そ、そうか……残念だ」
陛下は本気で残念そうだった。
そして、その夜。
仕事を終えた私たちは、王城のバルコニーで夜風に当たっていた。
眼下には、平和な王都の夜景が広がっている。
「……片付いたな」
ギルバート様が、ワイングラスを片手に呟く。
「ええ。これで安心して辺境に戻れます」
「エーミール」
「はい?」
ギルバート様が、グラスを置いて私に向き直った。
その瞳は、王都の夜景よりも深く、私を吸い込むように見つめている。
「王妃の座は断られたが……辺境伯夫人の座なら、どうだ?」
「……え?」
「俺は、君と一生『契約』していたい。ビジネスパートナーとしてだけでなく、人生の伴侶として」
彼は私の手を取り、その甲に口付けた。
「君の計算高いところも、守銭奴なところも、冷徹に見えて実は情に厚いところも。……すべて愛している」
直球すぎるプロポーズ。
計算外の事象ではない。いつか来ると思っていた。
でも、実際に言われると、心拍数が異常値を叩き出す。
私は深呼吸をして、震える声を抑え込んだ。
「……条件があります」
「なんだ? 言ってみろ」
「家計の管理権は全て私が握ります。無駄遣いは許しません」
「承知した」
「お小遣い制になりますよ?」
「望むところだ」
「それから……たまには、計算なしで甘やかしてください」
私が小声で付け加えると、ギルバート様は目を見開き、そして破顔した。
「ああ。毎日、窒息するほど甘やかしてやる」
彼は私を抱き寄せ、唇を重ねた。
王都の夜空の下。
星々が見守る中での口付けは、どんな高級なスイーツよりも甘く、そしてプライスレスな価値があるものだった。
「(……まあ、この『契約』なら、生涯収支は黒字間違いなしですわね)」
私は彼の胸の中で、幸せな計算結果に満足して目を閉じた。
***
こうして、悪役令嬢エーミールの王都での戦いは幕を閉じた。
だが、物語はまだ終わらない。
廃嫡されたクラーク殿下と、国外追放になったはずのミーナ。
彼らが最後にとんでもない「置き土産」を残していたことが、帰還直前の私たちを襲うことになる。
それは――『王家の隠し財産』を巡る、最後のドタバタ劇の幕開けだった。
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