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「――緊急事態です! 幽閉塔から、クラーク元王太子とミーナが脱走しました!」
翌朝。
王城の執務室で、私が『王家不要資産売却リスト』を作成していた時、近衛騎士が血相を変えて飛び込んできた。
「脱走? あの厳重な塔からですか?」
「は、はい! 見張りの兵士が、ミーナの『上目遣い・ウルウル攻撃』にやられて、鍵を開けてしまったようで……」
「……人選ミス(ヒューマンエラー)ですね。見張りには、女性に免疫のない若手ではなく、枯れたベテランか、あるいはガストン団長のような『筋肉しか愛せない者』を配置すべきでした」
私は淡々と分析し、ペンを置いた。
隣で剣の手入れをしていたギルバート様が、呆れ顔で立ち上がる。
「やれやれ。最後まで迷惑な奴らだ。すぐに追っ手を――」
「待ってください、閣下」
私は地図を広げた。
「無計画な彼らが、着の身着のまま外へ逃げるとは思えません。逃亡資金が必要です」
「金か。だが、クラークの口座は全て凍結したぞ?」
「ええ。ですから、彼らが狙うとしたら『現金化できそうな現物資産』がある場所……すなわち」
私は地図上の一点を指差した。
「王城の地下最深部。『王家の宝物庫』です」
***
私の予測は(当然ながら)的中していた。
地下宝物庫の前まで来ると、扉の鍵が魔法で無理やりこじ開けられた形跡があった。
「ビンゴですね」
「行くぞ。鉢合わせたら斬り捨てる」
「生け捕りでお願いします。彼らには労働力としての価値がまだ残っていますから」
私たちが中へ踏み込むと、広大な空間の奥で、二つの影がゴソゴソと動いていた。
「あった! これだ! 伝説の秘宝『建国の輝き』!」
クラークの声だ。
彼は祭壇の上に置かれた、厳重に封印された箱を抱きしめていた。
「すごいわ殿下! それを売れば、隣国で豪遊生活ができるわね!」
ミーナが目を輝かせている。
「ああ! この国とはおさらばだ! 僕をコケにしたエーミールや叔父上を見返してやる!」
二人が盛り上がっているところへ、私は背後から声をかけた。
「――お楽しみのところ恐縮ですが、その箱、持ち出し厳禁ですよ」
「ひっ!?」
二人が飛び上がって振り返る。
「エ、エーミール!? 叔父上!?」
「な、なんでここが分かったのよ!?」
「貴方たちの思考回路など、計算機を使うまでもなく読めます」
私は冷ややかな目で見下ろした。
「観念なさい。逃げ場はありません」
ギルバート様が剣の鯉口を切る。
シャリッ……という金属音が、石造りの部屋に響く。
クラークは顔を引きつらせ、箱を盾にするように構えた。
「く、来るな! 近寄ると、この『建国の輝き』を床に叩きつけるぞ!」
「人質ならぬ、物質(モノジチ)ですか。浅ましい」
「うるさい! 伝説によれば、この箱には『国を買えるほどの富』が入っているんだ! これを壊されたくなかったら、僕たちを逃がせ!」
「そうだそうだ! 馬車と、あと当面の生活費として金貨一万枚を用意しなさい!」
ミーナも便乗して叫ぶ。
ギルバート様が、チラリと私を見た。
「どうする、エーミール。国宝となれば、無下に扱うと兄上(国王)が悲しむか?」
「……閣下。ご存知ありませんか?」
私は溜息をついた。
「その『建国の輝き』の中身について」
「ん? いや、俺も見たことはない。代々の王と王太子にしか口伝されない秘中の秘だろう?」
「ええ。ですが、私は元王太子の執務を全て代行していましたから」
私はクラークを憐れむような目で見つめた。
「当然、宝物庫の管理台帳(インベントリ)も把握しております」
「は?」
クラークがキョトンとする。
「ど、どういうことだ? これはすごい宝石じゃないのか?」
「開けてみれば分かりますよ。どうぞ、御自身の手で」
私が手を差し向けると、クラークは疑心暗鬼になりながらも、震える手で箱の封印を解いた。
「み、見てろよ! 目が潰れるほどの輝きが出てくるはずだ……!」
ゴクリ。
ミーナも固唾を飲む。
パカッ。
箱の蓋が開いた。
そこに入っていたのは――。
「…………はい?」
クラークの間抜けな声が響いた。
箱の中に鎮座していたのは、宝石でも黄金でもない。
しなびた、茶色い、泥のついた物体。
どう見ても、ただの『芋(ジャガイモ)』だった。
「な、なんだこれ……? ゴミ……?」
クラークが恐る恐るつまみ上げる。
「正解は『初代国王が愛したジャガイモ(の種芋)』です」
私は解説した。
「建国当初、この国は大飢饉に襲われました。その時、国民を餓死から救ったのが、痩せた土地でも育つこのジャガイモだったのです。初代様は感謝を込めて、これを『国を救った輝き』として後世に残した……感動的なエピソード(史実)ですわ」
「はぁぁぁ!?」
クラークが絶叫した。
「い、芋ぉ!? 国宝が芋ぉ!?」
「歴史的価値はプライスレスですが、市場価格(マーケットプライス)は銅貨一枚以下ですね。しかも数百年経っていますから、発芽するかどうかも怪しい。まさに『資産価値ゼロ』です」
「ふざけるなあああ!!」
クラークはジャガイモを床に叩きつけた。
グシャッ。
哀れな国宝が潰れる音がした。
「ああ、器物破損ですね。弁償していただきますよ」
「嫌だぁぁ! 宝石じゃないなら意味ないじゃない! 私の豪遊生活返してよぉ!」
ミーナがジタバタと暴れる。
「騙したな! エーミール、貴様がすり替えたんだろう!」
「被害妄想もそこまでいくと立派です。……さあ、終わりです」
私が合図をすると、ギルバート様が一瞬で間合いを詰めた。
「がっ!?」
峰打ち。
クラークは白目を剥いて崩れ落ちた。
「きゃぁぁ!?」
ミーナも、駆けつけた近衛兵たちに取り押さえられた。
「離して! 私はヒロインなのよ! こんな扱い間違ってる!」
「黙れ。王城侵入および国宝損壊の罪だ」
兵士たちが冷たく言い放つ。
騒動は、あっけなく幕を下ろした。
潰れたジャガイモを見つめながら、私はやれやれと首を振った。
「『富』とは、先人が残した現物ではなく、それを生み出す『知恵』のことだと、彼らは最後まで理解できなかったようですね」
「彼らに理解できるのは、これからの『労働の尊さ』だけだろうな」
ギルバート様が、気絶したクラークを見下ろして言った。
「陛下とも相談したが……こいつらの処分が決まったぞ」
「ほう? やはり処刑ですか?」
「いや、それでは一瞬で終わってしまう。生産性がない」
ギルバート様は、私譲りの悪い笑顔を浮かべた。
「北の最果てにある『魔石鉱山』。あそこは万年人手不足だ。……死ぬまで働いてもらおう」
「鉱山送りですか。素晴らしい」
私は手を叩いた。
「あそこなら、衣食住は保証されますし(監獄ですが)、働けば働くほど国の利益になります。彼らのような『不良債権』を『優良労働力』に変える……最高のリサイクル(再利用)ですね!」
「うむ。君の教えの通りだ」
引きずられていくクラークとミーナの後ろ姿を見送りながら、私たちは顔を見合わせて笑った。
これで、本当に憂いはなくなった。
「さて、閣下」
私は伸びをした。
「邪魔者も片付きましたし、そろそろ帰りましょうか。私たちの『家』へ」
「ああ。帰ろう、エーミール」
私たちは宝物庫を後にした。
王都でのコンサル業務、そして元婚約者との決着。
すべてを完璧な黒字で終えた私は、晴れやかな気分で、愛する辺境への帰路につくのだった。
――だが、辺境では私の帰りを待ちわびる騎士たちが、とんでもない『歓迎準備』をして暴走していることを、私はまだ知らなかった。
翌朝。
王城の執務室で、私が『王家不要資産売却リスト』を作成していた時、近衛騎士が血相を変えて飛び込んできた。
「脱走? あの厳重な塔からですか?」
「は、はい! 見張りの兵士が、ミーナの『上目遣い・ウルウル攻撃』にやられて、鍵を開けてしまったようで……」
「……人選ミス(ヒューマンエラー)ですね。見張りには、女性に免疫のない若手ではなく、枯れたベテランか、あるいはガストン団長のような『筋肉しか愛せない者』を配置すべきでした」
私は淡々と分析し、ペンを置いた。
隣で剣の手入れをしていたギルバート様が、呆れ顔で立ち上がる。
「やれやれ。最後まで迷惑な奴らだ。すぐに追っ手を――」
「待ってください、閣下」
私は地図を広げた。
「無計画な彼らが、着の身着のまま外へ逃げるとは思えません。逃亡資金が必要です」
「金か。だが、クラークの口座は全て凍結したぞ?」
「ええ。ですから、彼らが狙うとしたら『現金化できそうな現物資産』がある場所……すなわち」
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「王城の地下最深部。『王家の宝物庫』です」
***
私の予測は(当然ながら)的中していた。
地下宝物庫の前まで来ると、扉の鍵が魔法で無理やりこじ開けられた形跡があった。
「ビンゴですね」
「行くぞ。鉢合わせたら斬り捨てる」
「生け捕りでお願いします。彼らには労働力としての価値がまだ残っていますから」
私たちが中へ踏み込むと、広大な空間の奥で、二つの影がゴソゴソと動いていた。
「あった! これだ! 伝説の秘宝『建国の輝き』!」
クラークの声だ。
彼は祭壇の上に置かれた、厳重に封印された箱を抱きしめていた。
「すごいわ殿下! それを売れば、隣国で豪遊生活ができるわね!」
ミーナが目を輝かせている。
「ああ! この国とはおさらばだ! 僕をコケにしたエーミールや叔父上を見返してやる!」
二人が盛り上がっているところへ、私は背後から声をかけた。
「――お楽しみのところ恐縮ですが、その箱、持ち出し厳禁ですよ」
「ひっ!?」
二人が飛び上がって振り返る。
「エ、エーミール!? 叔父上!?」
「な、なんでここが分かったのよ!?」
「貴方たちの思考回路など、計算機を使うまでもなく読めます」
私は冷ややかな目で見下ろした。
「観念なさい。逃げ場はありません」
ギルバート様が剣の鯉口を切る。
シャリッ……という金属音が、石造りの部屋に響く。
クラークは顔を引きつらせ、箱を盾にするように構えた。
「く、来るな! 近寄ると、この『建国の輝き』を床に叩きつけるぞ!」
「人質ならぬ、物質(モノジチ)ですか。浅ましい」
「うるさい! 伝説によれば、この箱には『国を買えるほどの富』が入っているんだ! これを壊されたくなかったら、僕たちを逃がせ!」
「そうだそうだ! 馬車と、あと当面の生活費として金貨一万枚を用意しなさい!」
ミーナも便乗して叫ぶ。
ギルバート様が、チラリと私を見た。
「どうする、エーミール。国宝となれば、無下に扱うと兄上(国王)が悲しむか?」
「……閣下。ご存知ありませんか?」
私は溜息をついた。
「その『建国の輝き』の中身について」
「ん? いや、俺も見たことはない。代々の王と王太子にしか口伝されない秘中の秘だろう?」
「ええ。ですが、私は元王太子の執務を全て代行していましたから」
私はクラークを憐れむような目で見つめた。
「当然、宝物庫の管理台帳(インベントリ)も把握しております」
「は?」
クラークがキョトンとする。
「ど、どういうことだ? これはすごい宝石じゃないのか?」
「開けてみれば分かりますよ。どうぞ、御自身の手で」
私が手を差し向けると、クラークは疑心暗鬼になりながらも、震える手で箱の封印を解いた。
「み、見てろよ! 目が潰れるほどの輝きが出てくるはずだ……!」
ゴクリ。
ミーナも固唾を飲む。
パカッ。
箱の蓋が開いた。
そこに入っていたのは――。
「…………はい?」
クラークの間抜けな声が響いた。
箱の中に鎮座していたのは、宝石でも黄金でもない。
しなびた、茶色い、泥のついた物体。
どう見ても、ただの『芋(ジャガイモ)』だった。
「な、なんだこれ……? ゴミ……?」
クラークが恐る恐るつまみ上げる。
「正解は『初代国王が愛したジャガイモ(の種芋)』です」
私は解説した。
「建国当初、この国は大飢饉に襲われました。その時、国民を餓死から救ったのが、痩せた土地でも育つこのジャガイモだったのです。初代様は感謝を込めて、これを『国を救った輝き』として後世に残した……感動的なエピソード(史実)ですわ」
「はぁぁぁ!?」
クラークが絶叫した。
「い、芋ぉ!? 国宝が芋ぉ!?」
「歴史的価値はプライスレスですが、市場価格(マーケットプライス)は銅貨一枚以下ですね。しかも数百年経っていますから、発芽するかどうかも怪しい。まさに『資産価値ゼロ』です」
「ふざけるなあああ!!」
クラークはジャガイモを床に叩きつけた。
グシャッ。
哀れな国宝が潰れる音がした。
「ああ、器物破損ですね。弁償していただきますよ」
「嫌だぁぁ! 宝石じゃないなら意味ないじゃない! 私の豪遊生活返してよぉ!」
ミーナがジタバタと暴れる。
「騙したな! エーミール、貴様がすり替えたんだろう!」
「被害妄想もそこまでいくと立派です。……さあ、終わりです」
私が合図をすると、ギルバート様が一瞬で間合いを詰めた。
「がっ!?」
峰打ち。
クラークは白目を剥いて崩れ落ちた。
「きゃぁぁ!?」
ミーナも、駆けつけた近衛兵たちに取り押さえられた。
「離して! 私はヒロインなのよ! こんな扱い間違ってる!」
「黙れ。王城侵入および国宝損壊の罪だ」
兵士たちが冷たく言い放つ。
騒動は、あっけなく幕を下ろした。
潰れたジャガイモを見つめながら、私はやれやれと首を振った。
「『富』とは、先人が残した現物ではなく、それを生み出す『知恵』のことだと、彼らは最後まで理解できなかったようですね」
「彼らに理解できるのは、これからの『労働の尊さ』だけだろうな」
ギルバート様が、気絶したクラークを見下ろして言った。
「陛下とも相談したが……こいつらの処分が決まったぞ」
「ほう? やはり処刑ですか?」
「いや、それでは一瞬で終わってしまう。生産性がない」
ギルバート様は、私譲りの悪い笑顔を浮かべた。
「北の最果てにある『魔石鉱山』。あそこは万年人手不足だ。……死ぬまで働いてもらおう」
「鉱山送りですか。素晴らしい」
私は手を叩いた。
「あそこなら、衣食住は保証されますし(監獄ですが)、働けば働くほど国の利益になります。彼らのような『不良債権』を『優良労働力』に変える……最高のリサイクル(再利用)ですね!」
「うむ。君の教えの通りだ」
引きずられていくクラークとミーナの後ろ姿を見送りながら、私たちは顔を見合わせて笑った。
これで、本当に憂いはなくなった。
「さて、閣下」
私は伸びをした。
「邪魔者も片付きましたし、そろそろ帰りましょうか。私たちの『家』へ」
「ああ。帰ろう、エーミール」
私たちは宝物庫を後にした。
王都でのコンサル業務、そして元婚約者との決着。
すべてを完璧な黒字で終えた私は、晴れやかな気分で、愛する辺境への帰路につくのだった。
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