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『辺境伯領・大感謝祭 兼 結婚披露宴(エキスポ)』の当日。
白銀砦は、建国以来の賑わいを見せていた。
「いらっしゃいませー! 引き出物のカタログはこちらです!」
「新作『魔獣毛皮のコート』、限定百着! 今ならエーミール様とお揃いのモデルです!」
「『筋肉騎士団』による演武ショー、まもなく開演! チケットは残りわずか!」
中庭には色とりどりのテント(出展ブース)が並び、王都からやってきた貴族や豪商たちが、目を血走らせて買い物をしている。
「素晴らしい……。開始一時間で、目標売上の五〇パーセントを達成しました」
控室の窓からその光景を見下ろし、私は純白のウェディングドレス姿で頷いた。
「君なぁ……花嫁が電卓を片手にガッツポーズをするな」
タキシード姿のギルバート様が、呆れ顔で私の手から電卓を取り上げた。
「ですが閣下、見てください。あの『ご祝儀箱』の列を。入場料代わりにお一人様・金貨十枚以上をお願いしましたが、誰も文句を言っていません」
「文句を言えるわけがない。兄上(国王)が先頭に並んで払ったんだぞ」
そう、国王陛下は私のプランを面白がり、自ら広告塔になってくれたのだ。
おかげで、他の貴族たちも財布の紐を緩めざるを得ない状況(空気)が出来上がっている。
「さあ、行こうか。主役の登場だ」
ギルバート様が手を差し伸べる。
私はその手を取り、改めて彼の姿を見た。
「……閣下」
「ん?」
「本日の資産価値(ビジュアル)、最高値を更新していますね。惚れ直しました」
「……ありがとう。君も、世界一綺麗だ」
私たちは微笑み合い、熱気渦巻く会場へと足を踏み出した。
***
一方その頃。
王都からさらに北へ数百キロ。
万年雪に閉ざされた『魔石鉱山』。
カンッ、カンッ、カンッ……。
冷たい風が吹き荒れる中、ツルハシが岩を叩く音だけが響いていた。
「はぁ……はぁ……重い……」
薄汚れた作業着を着て、泥だらけになった男――かつての王太子、クラークは、よろめきながら手押し車を押していた。
中には、採掘されたばかりの魔石が積まれている。
「おい新入り! 手が止まってるぞ! 今日のノルマ終わらねぇと飯抜きだぞ!」
現場監督の怒号が飛ぶ。
「は、はいっ! すみません!」
クラークは慌てて足を動かした。
かつてなら「無礼者!」と怒鳴り返していただろうが、今の彼にそんな気力はない。
ここに来て一ヶ月。
「働かざる者食うべからず」という現実を、身を以て叩き込まれたからだ。
「……うぅ、爪が割れたぁ……」
隣では、同じくボロボロの作業着を着たミーナが、泣きながら石を運んでいる。
「こんなの嫌ぁ……ドレス着たい……お菓子食べたい……」
「泣くなミーナ。泣いても腹は減るだけだ」
クラークは力なく励ました。
休憩の鐘が鳴る。
二人は泥の上に座り込み、配給された弁当を開いた。
中身は、硬い黒パンと、薄いスープ。そして――茹でたジャガイモが一個。
「……また芋か」
クラークはジャガイモを手に取った。
王家の宝物庫で、自分が床に叩きつけたあの芋と同じ種類だ。
「……『国を救った輝き』、だったか」
彼は泥のついた手で、皮ごと芋を齧った。
ボソボソとして、味気ない。
でも、空腹の胃袋には、どんな宮廷料理よりも染み渡った。
「……美味いな」
涙が一雫、芋の上に落ちた。
「おい、見たかこれ」
先輩の鉱夫が、古新聞をクラークに投げてよこした。
弁当の包み紙に使われていたものだ。
『号外! 辺境伯ご成婚! 空前の大ブーム!』
一面には、幸せそうに微笑むギルバートとエーミールの写真。
そして、華やかな結婚式(エキスポ)の様子が掲載されていた。
「へぇー、すげぇ美人な奥さんだな。しかも商売上手で、国を救った英雄だってよ」
鉱夫たちが噂する。
クラークは、その写真を食い入るように見つめた。
写真の中のエーミールは、自分が知っている「冷徹な事務人形」ではなかった。
ギルバートを見上げる瞳は優しく、愛に満ちている。
そして何より、彼女自身が宝石のように輝いていた。
「……ああ。知ってるよ」
クラークはポツリと呟いた。
「彼女は……僕が捨てた、最高の宝物だったんだ」
後悔しても、もう遅い。
彼が手放した「有能な右腕」は、今やもっと相応しい人の元で、その才能を花開かせている。
「……私も、バカだったなぁ」
横から覗き込んだミーナも、鼻をすすった。
「エーミール様、綺麗……。私なんかより、ずっとお姫様みたい」
「違いない」
二人は顔を見合わせ、力なく笑った。
そこには、かつての傲慢さはなく、ただ労働の疲れと、少しばかりの憑き物が落ちたような穏やかさがあった。
「さあ、休憩終わりだ! 働け!」
「はい!」
クラークは新聞を畳み、ポケットにしまった。
そしてツルハシを握り直した。
もう二度と、あの華やかな場所には戻れない。
でも、ここで罪を償い、自分の力で生きていく。
それが、エーミールが最後に彼に与えた「教育(レッスン)」だったのだから。
***
場所は戻って、白銀砦。
結婚式はクライマックスを迎えていた。
「――では、新郎新婦、誓いの言葉を」
神父(今回は本物の神父を雇った)が告げる。
ギルバート様が、私の手を取った。
「エーミール。俺は、君を生涯愛し、守り抜くことを誓う。……たとえ君が、俺を『投資物件』と呼ぼうともな」
会場から笑いが起きる。
「……ふふ。私も誓います、ギルバート様」
私はマイク(拡声魔道具)を握り、会場中の顧客たちに向けて宣言した。
「私は、貴方という『優良物件』を生涯かけてメンテナンスし、その価値を最大化し続けることを誓います。……返品・交換は一切受け付けませんわ」
「ははっ、望むところだ!」
ギルバート様が私を引き寄せ、ベールを上げる。
「さあ、キスだ。……これは無料(タダ)だよな?」
「いいえ」
私は悪戯っぽく微笑んだ。
「これには、『私の心』という、プライスレスな対価が発生します」
「……高くつくな」
「覚悟してくださいませ」
唇が重なる。
その瞬間、会場から割れんばかりの拍手と歓声が上がった。
と同時に。
ドォォォン!!
ガストン団長の合図で、背後から大量の祝砲(と、宣伝用のチラシ)が打ち上げられた。
キラキラと舞う紙吹雪の中で、私たちは皆に祝福されながら、幸せを噛み締めていた。
「(……ああ、計算機が壊れそうです)」
胸の高鳴りが止まらない。
こんなに非合理的で、生産性がなくて、でも最高に幸せな瞬間。
元王太子のことも、王都のことも、もうどうでもいい。
今の私には、この人と、この騒がしい仲間たちがいれば、それで十分だ。
「エーミール、愛してる」
「私もです、ギルバート様。……計算できないくらい、大好きです」
こうして、私たちの結婚式――辺境史上最大の『商戦』は、大盛況のうちに幕を閉じた。
だが、これで物語が終わるわけではない。
結婚はゴールではなく、新たな『共同経営(生活)』のスタートなのだから。
そして数年後。
私たちの間に生まれた子供たちが、さらにこの領地を(主に金銭面で)最強にしていくことになるのだが――それはまた、未来の話である。
白銀砦は、建国以来の賑わいを見せていた。
「いらっしゃいませー! 引き出物のカタログはこちらです!」
「新作『魔獣毛皮のコート』、限定百着! 今ならエーミール様とお揃いのモデルです!」
「『筋肉騎士団』による演武ショー、まもなく開演! チケットは残りわずか!」
中庭には色とりどりのテント(出展ブース)が並び、王都からやってきた貴族や豪商たちが、目を血走らせて買い物をしている。
「素晴らしい……。開始一時間で、目標売上の五〇パーセントを達成しました」
控室の窓からその光景を見下ろし、私は純白のウェディングドレス姿で頷いた。
「君なぁ……花嫁が電卓を片手にガッツポーズをするな」
タキシード姿のギルバート様が、呆れ顔で私の手から電卓を取り上げた。
「ですが閣下、見てください。あの『ご祝儀箱』の列を。入場料代わりにお一人様・金貨十枚以上をお願いしましたが、誰も文句を言っていません」
「文句を言えるわけがない。兄上(国王)が先頭に並んで払ったんだぞ」
そう、国王陛下は私のプランを面白がり、自ら広告塔になってくれたのだ。
おかげで、他の貴族たちも財布の紐を緩めざるを得ない状況(空気)が出来上がっている。
「さあ、行こうか。主役の登場だ」
ギルバート様が手を差し伸べる。
私はその手を取り、改めて彼の姿を見た。
「……閣下」
「ん?」
「本日の資産価値(ビジュアル)、最高値を更新していますね。惚れ直しました」
「……ありがとう。君も、世界一綺麗だ」
私たちは微笑み合い、熱気渦巻く会場へと足を踏み出した。
***
一方その頃。
王都からさらに北へ数百キロ。
万年雪に閉ざされた『魔石鉱山』。
カンッ、カンッ、カンッ……。
冷たい風が吹き荒れる中、ツルハシが岩を叩く音だけが響いていた。
「はぁ……はぁ……重い……」
薄汚れた作業着を着て、泥だらけになった男――かつての王太子、クラークは、よろめきながら手押し車を押していた。
中には、採掘されたばかりの魔石が積まれている。
「おい新入り! 手が止まってるぞ! 今日のノルマ終わらねぇと飯抜きだぞ!」
現場監督の怒号が飛ぶ。
「は、はいっ! すみません!」
クラークは慌てて足を動かした。
かつてなら「無礼者!」と怒鳴り返していただろうが、今の彼にそんな気力はない。
ここに来て一ヶ月。
「働かざる者食うべからず」という現実を、身を以て叩き込まれたからだ。
「……うぅ、爪が割れたぁ……」
隣では、同じくボロボロの作業着を着たミーナが、泣きながら石を運んでいる。
「こんなの嫌ぁ……ドレス着たい……お菓子食べたい……」
「泣くなミーナ。泣いても腹は減るだけだ」
クラークは力なく励ました。
休憩の鐘が鳴る。
二人は泥の上に座り込み、配給された弁当を開いた。
中身は、硬い黒パンと、薄いスープ。そして――茹でたジャガイモが一個。
「……また芋か」
クラークはジャガイモを手に取った。
王家の宝物庫で、自分が床に叩きつけたあの芋と同じ種類だ。
「……『国を救った輝き』、だったか」
彼は泥のついた手で、皮ごと芋を齧った。
ボソボソとして、味気ない。
でも、空腹の胃袋には、どんな宮廷料理よりも染み渡った。
「……美味いな」
涙が一雫、芋の上に落ちた。
「おい、見たかこれ」
先輩の鉱夫が、古新聞をクラークに投げてよこした。
弁当の包み紙に使われていたものだ。
『号外! 辺境伯ご成婚! 空前の大ブーム!』
一面には、幸せそうに微笑むギルバートとエーミールの写真。
そして、華やかな結婚式(エキスポ)の様子が掲載されていた。
「へぇー、すげぇ美人な奥さんだな。しかも商売上手で、国を救った英雄だってよ」
鉱夫たちが噂する。
クラークは、その写真を食い入るように見つめた。
写真の中のエーミールは、自分が知っている「冷徹な事務人形」ではなかった。
ギルバートを見上げる瞳は優しく、愛に満ちている。
そして何より、彼女自身が宝石のように輝いていた。
「……ああ。知ってるよ」
クラークはポツリと呟いた。
「彼女は……僕が捨てた、最高の宝物だったんだ」
後悔しても、もう遅い。
彼が手放した「有能な右腕」は、今やもっと相応しい人の元で、その才能を花開かせている。
「……私も、バカだったなぁ」
横から覗き込んだミーナも、鼻をすすった。
「エーミール様、綺麗……。私なんかより、ずっとお姫様みたい」
「違いない」
二人は顔を見合わせ、力なく笑った。
そこには、かつての傲慢さはなく、ただ労働の疲れと、少しばかりの憑き物が落ちたような穏やかさがあった。
「さあ、休憩終わりだ! 働け!」
「はい!」
クラークは新聞を畳み、ポケットにしまった。
そしてツルハシを握り直した。
もう二度と、あの華やかな場所には戻れない。
でも、ここで罪を償い、自分の力で生きていく。
それが、エーミールが最後に彼に与えた「教育(レッスン)」だったのだから。
***
場所は戻って、白銀砦。
結婚式はクライマックスを迎えていた。
「――では、新郎新婦、誓いの言葉を」
神父(今回は本物の神父を雇った)が告げる。
ギルバート様が、私の手を取った。
「エーミール。俺は、君を生涯愛し、守り抜くことを誓う。……たとえ君が、俺を『投資物件』と呼ぼうともな」
会場から笑いが起きる。
「……ふふ。私も誓います、ギルバート様」
私はマイク(拡声魔道具)を握り、会場中の顧客たちに向けて宣言した。
「私は、貴方という『優良物件』を生涯かけてメンテナンスし、その価値を最大化し続けることを誓います。……返品・交換は一切受け付けませんわ」
「ははっ、望むところだ!」
ギルバート様が私を引き寄せ、ベールを上げる。
「さあ、キスだ。……これは無料(タダ)だよな?」
「いいえ」
私は悪戯っぽく微笑んだ。
「これには、『私の心』という、プライスレスな対価が発生します」
「……高くつくな」
「覚悟してくださいませ」
唇が重なる。
その瞬間、会場から割れんばかりの拍手と歓声が上がった。
と同時に。
ドォォォン!!
ガストン団長の合図で、背後から大量の祝砲(と、宣伝用のチラシ)が打ち上げられた。
キラキラと舞う紙吹雪の中で、私たちは皆に祝福されながら、幸せを噛み締めていた。
「(……ああ、計算機が壊れそうです)」
胸の高鳴りが止まらない。
こんなに非合理的で、生産性がなくて、でも最高に幸せな瞬間。
元王太子のことも、王都のことも、もうどうでもいい。
今の私には、この人と、この騒がしい仲間たちがいれば、それで十分だ。
「エーミール、愛してる」
「私もです、ギルバート様。……計算できないくらい、大好きです」
こうして、私たちの結婚式――辺境史上最大の『商戦』は、大盛況のうちに幕を閉じた。
だが、これで物語が終わるわけではない。
結婚はゴールではなく、新たな『共同経営(生活)』のスタートなのだから。
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