【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

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セラフィーヌの逃亡計画は、まず、白い結婚による離縁から始まる。
陛下は王妃の存在など忘れているだろうけど、手続きは必要だ。その後は、ハーレムから王妃を選んでもいいし、別の陛下好みの高位貴族の女性でもいい。
まあそのあたりは知ったことではない。

離縁した後のことも心配してない。
実家に頼るつもりはない。
セラフィーヌは、冒険者になるつもりだ。強くはないけれど、弱くはない。セラフィーヌは魔法が使えた。魔力量は普通だと思う。魔法属性は、火魔法だ。
攻撃には向いている。
それに薬草の知識があった。
王妃だから、毒にも詳しいが、ついでに薬草についても学んだのだ。
このことは自分を褒めてやりたい。
王妃として必須の毒だけではなく毒消しについても学んだことは。

下級冒険者になって、薬草採取の仕事をして、生計を立てたい。危ない仕事はできないが、小さな魔獣なら戦える。
そんな想像をしていたら、
「王妃様、軍事について騎士団長が相談したいと。いかがなされますか?」
家臣から話しかけられた。

「もちろん、お話するわ。通して」
騎士団長は女性が苦手らしい。セラフィーヌを無視して軍事について勝手に話を進めるなんてことはしないが、話していて目が合ったことはない。なんとなくだが、騎士団長はセラフィーヌを意識している気がする。うっすらと思うだけで、確証はないが。
それに女性全般が苦手なだけかもしれない。

「サリアン騎士団長、用事は何かしら?」
騎士団長はやはり、王妃から目を逸らしたまま、今日の用件を話し始めた。
騎士団の士気が著しく下がっていること。
活躍の場がないため、不要論さえ出ている現在。
ゆえに、武術大会の開催許可がほしいと
騎士団長にしては珍しく提案付きだった。
セラフィーヌは、許可を出した。
「騎士のやる気は大事です。許可します。」
騎士団長はそれで下がった。一度たりとも目が合わなかった。
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