7 / 7
7
しおりを挟む
王妃の死は、あっという間に広まった。
国民はみな嘆いた。貴族の半分は、嘆いたが、半分は笑った。
邪魔者は死んだ。残ったのはハーレムしか興味のないアホな国王だ。
最高で、笑いが止まらない。
嘆いた者たちは、真っ青になっていた。
これからの王国の行く末が危ぶまれた。
お葬式は大々的に行われた。ただの王妃ではなかったから、規模は大きくなった。
祭壇には、土葬前にお別れを告げるため、王妃の遺体が美しい柩に入れられている。
笑いを噛み殺している者と涙を耐えている者が王妃に別れを告げにやって来た。
サリアン騎士団長は、緊張していた。タイミングがすべてだ。
「フィー様との未来のために」
早すぎても遅すぎても、ふたりの未来はやって来ない。サリアンはまだ夢を見ているようだった。
ずっと慕っていたが、叶う恋ではないとあきらめていた。
それが、もうすぐ叶うのだ。身分を捨てることなど、どうでもいい。
セラフィーヌの提案通り、冒険者になるのも楽しみだ。
お別れの時間も、儀式も終わった。
ついにセラフィーヌは土葬される。
サリアンは準備万端で、待機していた。
厳かな儀式の一環で、土葬も終わった。
意外だったのは、国王陛下が泣いていたことだった。セラフィーヌに報告したら、何と言うだろう。
サリアンは、そっと土を掘り出した。
セラフィーヌの柩はすぐに見つかった。肉体労働に強いサリアンには簡単なことだったが、やはり、ホッとした。
柩から出して、柩を元のように埋めた。
セラフィーヌを抱き上げて、解毒剤を飲ませた。
「うっ」
セラフィーヌはすぐに反応した。
速効性の毒と解毒剤なのだ。
「フィー」
サリアンはセラフィーヌを抱き抱えて、移動を始めた。
今日中になるべく遠くに行きたい。
馬車もひそかに用意している。
御者はいない。サリアンがやる。
なるべく人目につきたくない。
平民の街に着けば、王妃の顔も騎士団長の顔も知らないだろうが、王都ではわからない。
「フィー、大丈夫か?」
「うん。早く移動して、自由になりたい」
「もうすぐだ」
追手がいないか確認しながら、ふたりは逃げた。
無事に目指していた街に着いたのは夕方だった。
「あー、サリ。最高の気分だわ」
「もっともっと最高な人生になるぞ」
セラフィーヌの笑顔は輝いた。
セラフィーヌの新しい人生は
始まったばかりだ。
了
国民はみな嘆いた。貴族の半分は、嘆いたが、半分は笑った。
邪魔者は死んだ。残ったのはハーレムしか興味のないアホな国王だ。
最高で、笑いが止まらない。
嘆いた者たちは、真っ青になっていた。
これからの王国の行く末が危ぶまれた。
お葬式は大々的に行われた。ただの王妃ではなかったから、規模は大きくなった。
祭壇には、土葬前にお別れを告げるため、王妃の遺体が美しい柩に入れられている。
笑いを噛み殺している者と涙を耐えている者が王妃に別れを告げにやって来た。
サリアン騎士団長は、緊張していた。タイミングがすべてだ。
「フィー様との未来のために」
早すぎても遅すぎても、ふたりの未来はやって来ない。サリアンはまだ夢を見ているようだった。
ずっと慕っていたが、叶う恋ではないとあきらめていた。
それが、もうすぐ叶うのだ。身分を捨てることなど、どうでもいい。
セラフィーヌの提案通り、冒険者になるのも楽しみだ。
お別れの時間も、儀式も終わった。
ついにセラフィーヌは土葬される。
サリアンは準備万端で、待機していた。
厳かな儀式の一環で、土葬も終わった。
意外だったのは、国王陛下が泣いていたことだった。セラフィーヌに報告したら、何と言うだろう。
サリアンは、そっと土を掘り出した。
セラフィーヌの柩はすぐに見つかった。肉体労働に強いサリアンには簡単なことだったが、やはり、ホッとした。
柩から出して、柩を元のように埋めた。
セラフィーヌを抱き上げて、解毒剤を飲ませた。
「うっ」
セラフィーヌはすぐに反応した。
速効性の毒と解毒剤なのだ。
「フィー」
サリアンはセラフィーヌを抱き抱えて、移動を始めた。
今日中になるべく遠くに行きたい。
馬車もひそかに用意している。
御者はいない。サリアンがやる。
なるべく人目につきたくない。
平民の街に着けば、王妃の顔も騎士団長の顔も知らないだろうが、王都ではわからない。
「フィー、大丈夫か?」
「うん。早く移動して、自由になりたい」
「もうすぐだ」
追手がいないか確認しながら、ふたりは逃げた。
無事に目指していた街に着いたのは夕方だった。
「あー、サリ。最高の気分だわ」
「もっともっと最高な人生になるぞ」
セラフィーヌの笑顔は輝いた。
セラフィーヌの新しい人生は
始まったばかりだ。
了
1,447
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
誰からも必要とされていないから出て行ったのに、どうして皆追いかけてくるんですか?
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢ミリーシャは、自身が誰からも必要とされていないことを悟った。
故に彼女は、家から出て行くことを決めた。新天地にて、ミリーシャは改めて人生をやり直そうと考えたのである。
しかし彼女の周囲の人々が、それを許さなかった。ミリーシャは気付いていなかったのだ。自身の存在の大きさを。
一年後に離婚すると言われてから三年が経ちましたが、まだその気配はありません。
木山楽斗
恋愛
「君とは一年後に離婚するつもりだ」
結婚して早々、私は夫であるマグナスからそんなことを告げられた。
彼曰く、これは親に言われて仕方なくした結婚であり、義理を果たした後は自由な独り身に戻りたいらしい。
身勝手な要求ではあったが、その気持ちが理解できない訳ではなかった。私もまた、親に言われて結婚したからだ。
こうして私は、一年間の期限付きで夫婦生活を送ることになった。
マグナスは紳士的な人物であり、最初に言ってきた要求以外は良き夫であった。故に私は、それなりに楽しい生活を送ることができた。
「もう少し様子を見たいと思っている。流石に一年では両親も納得しそうにない」
一年が経った後、マグナスはそんなことを言ってきた。
それに関しては、私も納得した。彼の言う通り、流石に離婚までが早すぎると思ったからだ。
それから一年後も、マグナスは離婚の話をしなかった。まだ様子を見たいということなのだろう。
夫がいつ離婚を切り出してくるのか、そんなことを思いながら私は日々を過ごしている。今の所、その気配はまったくないのだが。
大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。
妻を蔑ろにしていた結果。
下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。
主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。
小説家になろう様でも投稿しています。
事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
「私が愛するのは王妃のみだ、君を愛することはない」私だって会ったばかりの人を愛したりしませんけど。
下菊みこと
恋愛
このヒロイン、実は…結構逞しい性格を持ち合わせている。
レティシアは貧乏な男爵家の長女。実家の男爵家に少しでも貢献するために、国王陛下の側妃となる。しかし国王陛下は王妃殿下を溺愛しており、レティシアに失礼な態度をとってきた!レティシアはそれに対して、一言言い返す。それに対する国王陛下の反応は?
小説家になろう様でも投稿しています。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる