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第三話
その日アリサは商会の仕事で、馬車で長時間移動する予定だった。
だが、面会相手から、アリサが時間になっても現れないと連絡が来た。
鳥を使っての手紙のやりとりだから、
実際にアリサの消息が絶えたのは少し前のことだ。
子爵家の少ない護衛の中から、馬車についていくように命じたのだが、
「大丈夫よ、お父様。御者と私だけで」
この通りにしてしまったことを後悔したが、道順に沿って探すしかない。
崖の下に子爵家の馬車を見つけたときは
子爵は真っ青になった。だが、アリサの姿はなかった。
御者は気絶していて、たいした怪我もしていなかったが、アリサがどこに行ったかはわからなかった。
その時アリサは、大変なことになっていた。
「まず、怪我の手当てを頼む」
リュエルが慌てた声で横抱きにしたアリサを公爵邸に連れ帰っていた。
子爵家より高度な治療が受けられると思ったのだ。アリサの怪我はかなり深く、できれば治癒魔法も使いたかったのだ。
慌てていて、アリサの家に連絡することを失念してしまったのも仕方ない。
リュエルがアリサの馬車を見つけたのは偶然だった。
アリサは意識がないままだ。
一通りの治療が終わると、怪我は治癒され、あとは目覚めるのを待つことになった。そこでやっと、バーグマン家に連絡を入れた。
「すぐ迎えに行きます」
と返答されたが、まだ様子を見たかったリュエルは意識が戻ってから連絡すると伝えた。
「アリサ様が目を覚まされました」
リュエルは急いでアリサのいる部屋に向かった。
「痛いとこはないかい?」
リュエルの質問に、アリサは少し考えて答えた。
「痛いところはありません。でも、私は誰ですか?あなたは?全然思い出せなくて」
リュエルはびっくりした。
「君はバーグマン子爵家のアリサだ。
私はリュエル・イルマン。
しばらくここですごそうか。君の実家にはすぐ連絡をする」
アリサは頼りない表情でリュエルを見上げた。瞳がうるうるとして、涙が盛り上がっている。
「大丈夫だよ。心配ない。お医者さんも呼ぶからね」
リュエルは庇護欲がじわじわと体を蝕むのを感じた。
いつものアリサ令嬢も気に入っていたが
またちがう魅力を感じてしまった。
そして、不自然な馬車落下のことを調べるよう指令を出した。
人為的な細工がされている可能性が高かったからだ。
アリサの命を狙うのは、婚約者のミゲルの可能性が高いが、まさかと思う。
事故死させる必要はないからだ。
アリサはいつもとちがって、
なんだ可愛い。いつもも密かに気に入っていたが、ギャップがあって、
どちらも可愛い。
___
この次から、甘々の予定ですが、
どうなることやら
だが、面会相手から、アリサが時間になっても現れないと連絡が来た。
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リュエルはびっくりした。
「君はバーグマン子爵家のアリサだ。
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事故死させる必要はないからだ。
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