【完結】深く青く消えゆく

ここ

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2.レオは

レオは家に帰って自分の部屋でぐるぐる歩き回っていた。
「ミッシェルが女の子だったなんて」
ミッシェルの前では、平静を保っていたが、実際は大混乱していたのだ。前から可愛いとは思っていた。守ってやらなきゃとも思っていた。でも、それは仲良しの男友達だからであって、まさか、みんなが言うように女の子みたい、じゃなくて、実際に女の子だったなんて。レオはミッシェルが大好きだ。今ももちろんそうだ。でも、ミッシェルが女の子ならば、なんだか、アワアワと気持ちが落ち着かない。
「まさか、女の子だったなんて」

ミッシェルはたしかに非力だ。だが、魔法がすごい。攻撃の魔法も防御の魔法も強いから、実際の戦闘中は連携することはあっても、守ってあげなきゃなんて思わない。背中を預けられる仲間なのだ。女の子だからってそこは何も変わらない。ただ、戦闘中以外、訓練以外の自由時間にもつるんでいることが多い。だからなのか?ミッシェルは、レオが知らなかったことをむしろ驚いていた。

「だって騎士を目指す女性は少ないし、あんな華奢じゃないし」
レオはますます混乱した。明日普通にミッシェルと話せるだろうか?なんだか心配になる。ミッシェルはいつも通りだったから、特に隠してたわけじゃないみたいだった。ミッシェルの父親のせいだろうか?ミッシェルは騎士より魔法使いになりたいと言っていた事がある。魔法使いの方が女性の数が多い。
「明日は絶対いつも通りに!」
レオは必死で誓いを立てた。

「よぅ、レオ」
ミッシェルは、いつものように勤務にやって来て、挨拶してくる。レオもなんだか気が抜けて、いつも通りに返事をした。
「ミッシェル、おはよう」
「あ、これ、助かった」
昨日の上着だ。洗濯してくれている。ほのかな石鹸の香りがする。ミッシェルもこんな香りの服を着ているな、と余計なことを考えてしまった。あれ?レオはいつも通りに話せなくなってしまう。
「レオ、秘密じゃないんだから、そんなに考えるなよ」
「だって」
「しょうがないんだよ、父さんがどうしても息子を騎士にしたいんだって」
「ミッシェル」

ミッシェルは困ったなって顔をした。レオは慌てる。
「わかってるよ、なんだってミッシェルはミッシェルだ」
「うん」
そう頷いたミッシェルは、レオに手を伸ばした。レオは思わず目を閉じた。
「ほら、糸くず」
ミッシェルの笑いを含んだ声にレオは少し落ち着いてきた。
「ありがとう、ミッシェル」
「うん」
「ミッシェルが隠してないなら、それはそれでいいけど、困ったときは相談して」
「ああ、もちろん。頼りにしてるよ」

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