【完結】私ですか?ええ、愛されていません

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第一話

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スリスタは、妹のマイナがうらやましかった。スリスタが持ってないものをすべて持っているからだ。お誕生日会もプレゼントもマイナだけのものだった。スリスタは一度もお祝いしてもらったことがない。勉強を頑張っても、良いことをしても、頭を撫でてもらえなかった。マイナは、「なんて可愛いの!」と毎日頭を撫でてもらっている。スリスタがうらやましくて見ていると、母は怒る。
「覗き見なんて気持ち悪い」
母の機嫌が悪い時は平手打ちされることもあった。スリスタは考えた。
(自分は、愛されない子どもなんだ。そういう子どももいるんだ)
スリスタは7歳になったばかりだが、そう結論を出すと、悲しかったが、あきらめがついた。もっと大きくなったら、愛して愛される人を探せばいい、たまたま家族に愛されなかっただけだ。きっとそういう子どもは自分だけではない。そう思うことにした。

衣食住のすべてが、マイナと平等かというと、そうではなかった。持っているドレスの数は同じだが、フリルやレースがいっぱいついたマイナの服と何の飾りもないスリスタの服。ほぼ毎日、マイナの好きな食べ物がテーブルに上ることだとか、細かいことを言えば、キリがない。スリスタは大人になって自分で用意すればいいんだと、いろいろなことをあきらめた。幸い教育は平等に受けることができた。先生は家族の顔を窺って、マイナばかりをほめたが、教えることは平等だった。スリスタは未来のために、必死に学んだ。どの科目が必要なのかわからないから、どれも手を抜くことができなかった。

その日は、運が悪かったとしか言いようがない。先生はうっかり家族の前で、スリスタをほめた。家族の視線にスリスタは震えた。
「マイナの引き立て役として失格だ」
「子爵令嬢の私生児を引き取って育てた恩を忘れるなんて」
家族会議が始まった。父母と執事と侍女長が、集まって話し始めた。スリスタは生きた心地がしなかった。自分が、子爵令嬢の私生児と言われたのがショックだった。自分は血がつながってないから、愛されなかったのだと納得したが、実の母には捨てられてしまったのだろうか?私生児とは何だろう?お父さんは誰なんだろう。疑問がたくさんあった。
「スリスタ、こちらに来い」
父の厳しい言葉にスリスタは覚悟した。家族会議をしていた執務室に入る。
「お前を北の修道院にやることにした」
北の修道院。厳しくて若くして亡くなる令嬢が多い修道院だった。
「わかりました」
7歳のスリスタには自力で生きて行く力がない。決定に従うしかなかったのだ。

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