【完結】21距離をおきたいと言れたので、隣国に逃げたけど、、、

距離

「少し距離をおきたい」

婚約者のレイト王子がわたし、私、アオイに言った。

レイト王子の隣には、私の妹のカオリがいる。


「妹との関係が悪いようだな。そう聞いている。」

「そうですか。」

「そうよ。お姉様はわたしを虐めるのよ。毎日たたかれ、罵られ、、大変なのよ。」

婚約者のレイト王子とカオリは私の前から去っていった。私は、二人の背中をみながら、
罵るのではなく、注意をしただけ、
姉として、叩いたことなんて一度もない。

カオリは、私のものを全て奪っていく。


「お姉様のドレス素敵だわ。綺麗よね。」と言い、私のドレスを奪っていく。
アクセサリーも。私が気に入っているものを奪っていく。
両親も妹を咎めることはしない。
「姉なんだから、、、」
「カオリのが似合っているから、あげればいい。」

「自分でドレスを買えばいいよね？」
「お姉様のがよく見えるのですもの。わたしのドレスをあげましょうか？」

「結構よ。あなたのドレスは、わたしには似合わないわ。」
とお断りする。そのことは両親も咎めないけど、、、



「お姉様、そのお肉ください。」

「え？これは私のよ。」

「お母さん。お姉ちゃんがくれない。」

「お姉ちゃんだから、、あげなさい。」という母。

「私は、まだ食べていません。」

「妹にあげなさい」という父。

「なぜ私なんですか？
今日は、あげますけど、今度からお父様、お母様があげてくださいね！
カオリの親なんだから。」


「私たちは大人だから、食べないといけないのよ」

大人だから食べないといけない？
成長中の私は？

「そうですか。成長中の私があげたらいいのですね。」

「そうよ。お姉ちゃんがくれたらいいのよ。私は今から成長するもの。」


執事は、びっくりしていた。
アオイ様が不憫で、、、
レイト王子と結婚したらそんな理不尽なことはならない。と考えていた。



しかし、この頃、
レイト様が、我が家に来てくれた時、なぜか妹まで一緒にいることが多い。

レイト様は、妹とも交流しないといけないからというが、妹と話すことが多かった。



カオリは、レイト様にもらった入学祝いのアクセサリーも欲しがった。
「お姉様。綺麗。私もほしい。」


「これは、あげれません。」
流石にこれは、守った。

父も、
「カオリ。それはダメだ。入学祝いの王子からの贈り物は、アオイのものだ。
国王だけでなく、貴族みんなが知ってることだ。
それをカオリがつけるのは良くない。」とは言ってくれた。


でも、妹が入学したときに、
レイト様は、同じものを妹に贈った。

「姉妹お揃いで持つのもいいね。」

ショックだった。私だけにくれると思っていたから。
レイト様は、そんな私の表情にも気がついてくれなかった。

カオリは喜んでいた。


その後、2人は、肩を寄せ合い仲良くしているところをよくみた。

「レイ。妹と肩を並べて過ごされるのはいかがなものでしょうか？」
問いただすと。

「君の妹だろ？真実の愛なんだから、気にしなくていい。」
と私に向けた瞳は冷たかった。

生涯、君だけを愛すると言ったあの瞳はもう見れないのね。

学園でも、わがままだった妹は、王子のお気に入りになり、みんなからチヤホヤされることになった。


「ユリ。相談があるの。」

「なに？」

「王子が妹と仲良いの。」

「でも姉妹なんだから仕方ないんじゃない？
アオイも心が狭いよね？
それぐらい許したらいいんじゃない？」

と少し冷たい。



「ユリ。今日、一緒に遊びに行かない？」

「ごめんね。あなたの妹と居る方が楽しいから、あなたとはもう遊ばないわ。
これからは親友って思わないでね。」

「え？ユリ、、」


「私はもうあなたの親友でもないわ。話しかけてこないで。」

「、、、、、」

私の親友でさえ、私より妹と一緒にいるようになった。




妹が、レイト王子の正妃になることや私が妹を虐めていると噂をされているので、クラスメイトも私と距離を置いていた。

学園でも、私は、1人ぼっちになった。


家でも
父と母は、妹ばかりで、使用人のほとんどが、妹の味方だった。
どこに居ても、安らげなかった。



そのうちに婚約破棄はされるわね。

婚約破棄をし、妹に変わるだけなんだから、私はもう居なくていいわね。


もうアオイは、耐えることができなかった。
親友に裏切られ、婚約者に裏切られ、
親からも愛されず、誰も味方がいないところで生活するには、限界が来ていた。

誰もわたしを知らないところに行きたい。