【完結】21距離をおきたいと言れたので、隣国に逃げたけど、、、

華蓮

文字の大きさ
22 / 29

ユリ

しおりを挟む
レイから、「一度ユリと会ってくれないか?俺が頼んでしまったから、ユリとの付き合いが無くなったわけで、申し訳なくて、、、」と言われたから、私は会うことにしたけど、気が重い。

ユリに会わないといけない。会いたいと思わない自分がいる。

ユリのことを親友だと思っていたのに、妹と仲良くなった。それだけなら許せる。でも、それだけじゃない。
それを確かめるために、会うことにした。

街のカフェの一室を借りることにした。

私がついた頃には、まだユリはいなかった。
普通、先に待ってるものよね?
と思いつつ、ミルクティーを頼み、本を読みながら、待っていた。
約束の時間の10分遅れでやってきた。

流石に謝罪じゃなかったわけ?と思ってしまう。

すでに、目に涙をためてるんだけど?
もしかして、目薬を使ってる?

「アオイ。ごめんなさい。私はレイトに頼まれたからと言って、アオイを裏切ってしまって、、、、あなたの妹と仲が良いフリをしてたの、、、」

でもその姿に、何も思わなかった。
なんだろ、、、響かない。

「ユリ。大丈夫よ。」というと、

「ありがとう。そー言ってもらえてよかった。」
ケロッとした。
すぐに笑顔に戻った。さっきまで泣いていたのに?やっぱり目薬だね。

「アオイ。今から出かけない?久しぶりに出かけようよ。昔みたいに、、、
レイトは来ていないの?よかったら3人で遊ぼうよ。」

レイト?やっぱり確定ね。


「ユリ。ごめんね。しばらく会えないの。私がここにいなかった分、学び直さないいけないの。また、時間ができたら連絡するね。」悲しそうに返事をしてたら、、

「そうなんだ。少しでも無理なの?」

「うん。ごめんね。このあとも授業があるから、」

ユリは私に聞こえないように舌打ちした。
もちろん私が聞こえているとは、思ってもいなかったけど、私には聞こえた。


「もう気にしないでね。
私のことは、大丈夫だから。」
言い切った。

「アオイ?」

「ん?」

「アオイ、変わった?」 

「そう?変わらないよ。何も。
今日は、来てくれてありがとう。」

と言って、別れた。

そうユリは、レイのことが好きだったのね。私の前でレイトと呼ぶ?
私を遠ざけたかったのよね。それなら、理屈があう。


アオイとユリの友人の絆は戻らなかった。

ユリは許してくれたと思っていたけど、アオイは許せなかった。
ずっと親友だと思ってきたけど、違ったんだとおもった。でも、別に、それで構わないと思う自分がいた。

隣国に行き、いろんな人と出会い、学んだことがある。
本当に慕う人の瞳が、違うことがわかった。
隣国に行ってよかったと思っている。

私と会いたいより、レイトといたいのね。よくわかったわ。


「レイ。すこし話があるの。私の言うことを信じるか?信じないかは?あなたが決めて。」

「どうしたんだ?」

「あのね。ユリとは、もう友達にも戻れないわ」

「ごめん。俺のせいだな。」

「違うの。ユリはあなたのことが好きだったのよ。だから、私が邪魔だったの。」

「え?」

「私がいない間どうだった?よく話をしなかった?私を心配してたけど、最後には自分の話をしなかった?」

「そーいえば、、」

「今日、会って謝ってくれたのよ。でも、わたしの心に響かなかったの。
私が許したら、ケロッとしてた。多分目薬を使ったと思うわ。
私が、妃教育があるから、遊べないといったら、舌打ちをしたの。」

「え?」

「待ち合わせ時間に10分遅れてきて、部屋に入った時には、目には涙。」

「え?」

「レイ狙いなのよ。まぁ信じるか信じないかは、あなたが考えて、、」

「アオイ、、ごめん。おれが、気がついていたら、、こんなことには、、」

「?」

「アオイを信じるから。いや。俺はアオイだけがいてくれたらいい。お前を離したくない。」

「待って、、、落ち着いて、、」

「別に別れないよ。ただ、私も、あなたをとられたくないから、もうユリとあうつもりはないの。」

「アオイ。」

抱きしめてくれた。強く。
「レイ。好き。」

「俺も離したくない。もう二度とあんな思いはしたくない。話をしてくれてありがとう。嬉しい。」



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢のひとりごと

鬼ヶ咲あちたん
ファンタジー
城下町へ視察にいった王太子シメオンは、食堂の看板娘コレットがひたむきに働く姿に目を奪われる。それ以来、事あるごとに婚約者である公爵令嬢ロザリーを貶すようになった。「君はもっとコレットを見習ったほうがいい」そんな日々にうんざりしたロザリーのひとりごと。

真面目な王子様と私の話

谷絵 ちぐり
恋愛
 婚約者として王子と顔合わせをした時に自分が小説の世界に転生したと気づいたエレーナ。  小説の中での自分の役どころは、婚約解消されてしまう台詞がたった一言の令嬢だった。  真面目で堅物と評される王子に小説通り婚約解消されることを信じて可もなく不可もなくな関係をエレーナは築こうとするが…。 ※Rシーンはあっさりです。 ※別サイトにも掲載しています。

愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました

蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。 そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。 どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。 離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない! 夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー ※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。 ※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

冷酷王子と逃げたいのに逃げられなかった婚約者

月下 雪華
恋愛
我が国の第2王子ヴァサン・ジェミレアスは「氷の冷酷王子」と呼ばれている。彼はその渾名の通り誰に対しても無反応で、冷たかった。それは、彼の婚約者であるカトリーヌ・ブローニュにでさえ同じであった。そんな彼の前に現れた常識のない女に心を乱したカトリーヌは婚約者の席から逃げる事を思いつく。だが、それを阻止したのはカトリーヌに何も思っていなさそうなヴァサンで…… 誰に対しても冷たい反応を取る王子とそんな彼がずっと好きになれない令嬢の話

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!

ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」 それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。 挙げ句の果てに、 「用が済んだなら早く帰れっ!」 と追い返されてしまいました。 そして夜、屋敷に戻って来た夫は─── ✻ゆるふわ設定です。 気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。

ワケあってこっそり歩いていた王宮で愛妾にされました。

しゃーりん
恋愛
ルーチェは夫を亡くして実家に戻り、気持ち的に肩身の狭い思いをしていた。 そこに、王宮から仕事を依頼したいと言われ、実家から出られるのであればと安易に引き受けてしまった。 王宮を訪れたルーチェに指示された仕事とは、第二王子殿下の閨教育だった。 断りきれず、ルーチェは一度限りという条件で了承することになった。 閨教育の夜、第二王子殿下のもとへ向かう途中のルーチェを連れ去ったのは王太子殿下で…… ルーチェを逃がさないように愛妾にした王太子殿下のお話です。

処理中です...