34封印した恋心

華蓮

文字の大きさ
16 / 20

皇后陛下

しおりを挟む
皇帝陛下と皇后陛下の登場の時間になった。


いつも綺麗な皇后陛下。
アリーナは、皇后陛下と友人であった。
化粧品を開発して、それを使ってもらっている。
皇后陛下は、敏感肌で、良い化粧品がないと聞いていたので、私が発明したのだ。


私は、純粋に良いものを作りたかった。
いや。サライズと別れて私は、仕事に没頭したかったから、挑戦したのもあった。

皇后陛下に心配された。

「なぜそんな夢中になれるの?私のためだけじゃないよね?何かに取り憑かれてるみたいに、、、ご飯も食べている?食べていないでしょう。」

私は心配されたくないから誤魔化した。

「皇后陛下のためです。皇后陛下が、喜んでくれる姿を見たくて、、、」

「教えて。」

皇后陛下には嘘がつけなかった。



「皇后陛下のために化粧品を作りたいのが第一です。
私の化粧品で、女の方が喜んでくれるなら嬉しい。それは変わりません。
食事は、味がしないのです。何を食べても何も感じない。
生きるために摂るだけです。
夢中になるというより、何かをしていないとだめなんです。限界まで疲れさせないと夜が眠れない。」


「原因は?」


「私には恋人がいたのです。大事だった人です。でも、私が裏切ったの。
彼のお祖父様に別れを言われ、断ったら、家を潰すと、家族を守りたかったから、彼を裏切った。でもその家族は、私を他人に売った。私が全部悪いのです。」


皇后陛下は、何も言わずに抱きしめくれた。
私がサライズ以外に泣ける場所だった。

サライズがいない時間皇后陛下には、助けてもらった。

食事も気にしてくれて、届けてくれた。

「味がしなくてもいい。体に良いものを食べなさい」
私のことを受け入れてくれて、否定せずに応援してくれる。
皇后陛下は、他人にも厳しい人であるから、普通声なんてかけない。
よほど哀れだったのだろう、、、

サライズもいない。家族にも捨てられ、婚約者のウーズリは、私を貶し、浮気をする。
誰も信用できないところ皇后陛下だけは、私を気にかけてくれた。
私が今まで生きてこれたのは、皇后陛下のおかげである。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

最強魔術師の歪んだ初恋

恋愛
伯爵家の養子であるアリスは親戚のおじさまが大好きだ。 けれどアリスに妹が産まれ、アリスは虐げれるようになる。そのまま成長したアリスは、男爵家のおじさんの元に嫁ぐことになるが、初夜で破瓜の血が流れず……?

こんな婚約者は貴女にあげる

如月圭
恋愛
アルカは十八才のローゼン伯爵家の長女として、この世に生を受ける。婚約者のステファン様は自分には興味がないらしい。妹のアメリアには、興味があるようだ。双子のはずなのにどうしてこんなに差があるのか、誰か教えて欲しい……。 初めての投稿なので温かい目で見てくださると幸いです。

この別れは、きっと。

はるきりょう
恋愛
瑛士の背中を見ていられることが、どれほど幸せだったのか、きっと瑛士は知らないままだ。 ※小説家になろうサイト様にも掲載しています。

すれ違う心 解ける氷

柴田はつみ
恋愛
幼い頃の優しさを失い、無口で冷徹となった御曹司とその冷たい態度に心を閉ざした許嫁の複雑な関係の物語

初恋の結末

夕鈴
恋愛
幼い頃から婚約していたアリストアとエドウィン。アリストアは最愛の婚約者と深い絆で結ばれ同じ道を歩くと信じていた。アリストアの描く未来が崩れ……。それぞれの初恋の結末を描く物語。

甘い束縛

はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。 ※小説家なろうサイト様にも載せています。

好きだった人 〜二度目の恋は本物か〜

ぐう
恋愛
アンジェラ編 幼い頃から大好だった。彼も優しく会いに来てくれていたけれど… 彼が選んだのは噂の王女様だった。 初恋とさよならしたアンジェラ、失恋したはずがいつのまにか… ミラ編 婚約者とその恋人に陥れられて婚約破棄されたミラ。冤罪で全て捨てたはずのミラ。意外なところからいつのまにか… ミラ編の方がアンジェラ編より過去から始まります。登場人物はリンクしています。 小説家になろうに投稿していたミラ編の分岐部分を改稿したものを投稿します。

最難関の婚約破棄

灯倉日鈴(合歓鈴)
恋愛
婚約破棄を言い渡した伯爵令息の詰んでる未来。

処理中です...