34封印した恋心

出会い

子爵家で、孤立するようになると、私は笑わなくなった。毎日が、楽しくなく、子爵にいることが辛かった。

そんな時、次期侯爵であるサライズと出会った。
サライズは、私がわざと点数を低くしていることに気がついたのだ。

家の状況も把握していて、私に頑張れとは言わないから居心地が良かった。
自然と付き合うようになった。

お互いを尊重し、支え合った。
毎日が楽しかった。サライズのおかげで、私は生きる気力をもらった。


「パリアナを欲しい」
と言われたので、迷うことなく、
サライズに私の初めてをあげることにした。

二人は愛し合い、将来を約束した。
「俺に初めてをくれてありがとう」
5本の薔薇をプレゼントしてくれた。

5本の薔薇の花言葉は、
「あなたに出会えて本当に良かった」
である。嬉しかった。
その5本の薔薇は、押し花にし、額に入れて飾ってある。


サライズがくれたプレゼントは、残しておきたいから。


そんな幸せな生活が続くと思っていたのに

ある日彼の祖父に呼ばれた。

「君と孫息子とは、身分が合わない。別れてくれ。孫には、いい縁談があるんだ。君がいたら受けない。サライズは、次期侯爵なんだよ？わかっているか。」

私は、サライズから別れを言われていないから、
その申し出を断った。


私の家は、危機に陥った。
彼の祖父の力だった。

私は、孤立していても、母の思い出のある子爵家を守りたかった。
子爵家を守るために、彼と別れることを決意した。


サライズを呼び出して、


「好きな人ができた。あなたより権力があって、私を可愛がってくれる。」

誕生日にもらった指輪を返した

「私には必要ないわ」

「君の名前が掘ってある。君が持っていてくれ。」

「いらないわ。あなたに返すわ」

馬車の窓から彼は指輪を捨てた。

「必要ないなら捨てるしかない」

「そうね。ここで降ろして。さようなら」

彼はその後、他国に留学し、私の前から消えた。


彼と別れて、数ヶ月が経ち、家が再建できると思ったら、私は、政略婚約をさせられた。
どんなに断っても、父が勝手に婚約させた。

そう父に売られたのだった。
私を利用して、捨てたのだ。
もう一人娘がいるから、、、

サライズの祖父から伯爵家に政略婚約の依頼があったそうだ。

ウーズリは、遊び人で、誰かと婚約させたいと思った伯爵とサライズの祖父と思惑が一致し、父に1億円の援助の引き換えで、私の政略結婚が成り立ったことが後でわかった。

女にだらしがないウーズリは、
私の前で、堂々と浮気をする。

いや。私を婚約者と思っていない。
可愛がってくれるわけもなく、わたしを馬鹿にする。
幸い、わたしに魅力を感じないようで、
手を出してこない。

純潔を守るのではなく、あの人にあげたからそれを守りたいから、都合が良かった、

彼は、いろんな人と関係を持っていても子供を作らないようにしていた。

婚約破棄しないように、、、

そう。私との政略婚約に意味があったから、
私と婚約することで、彼は権力を得ることができたから。



私はこの政略婚約をいずれ破棄するつもりだ。

父に内緒で、、会社をつくり、私の名を伏せて経営していた。


なぜ、私はこの家族を守るために彼と別れたのか？後悔しかなかった。

でも、彼はいない。
それに、いたとしても、許してくれない。
だから、あの人への思いは、蓋をして、
仕事に打ち込むことにした。


子爵家の人々は私が何をしていても気にならないので、バレずに仕事ができた。

寂しさを隠して、より一層仕事に打ち込んだ。


5年が経ち、私一人で生きていけるだけの力はつけた。

世の中では、美女が、大儲けしていると噂をされていた。


そう。私は、仕事をしている時は、化粧をしている。
派手なメイクだ。
サライズも見たことがない姿だ。

かなり派手なので、普段は地味な私と同一人物とは思われない。もちろん名前も違うし、話し方も変えている。