上 下
12 / 98

出発

しおりを挟む
外交に行く日になった。
馬車はもちろん別々。

一緒に乗るべきみたいなことを言っていたが、長い道のり、王太子殿下といるなんて耐えれなかった。

ルイカとゆっくり過ごしたかったから、拒否した。

側妃からの言葉があるから、余計に乗りたくなかった。


「シリアル様。長い旅路ですので、ゆっくり眠ってください。久しぶりの私の膝を使ってください。」

「ありがと。メイカ。」
涙目になっていたけど、安心して寝てくれた。

子どもの頃を思い出し、メイカは、シリアルの髪をなぜた。
すぐに、すうっすうっと寝息が聞こえ、眠ってくれた。

今だけでも眠ってくれるといいけど、願っていたメイカだったけど、
それもすぐに壊された。

シリアル様がうなされ始めた。

「私を愛して、、、」と何度も、、

その姿を見て、メイカはびっくりした。

王宮になってから、夜、様子を見に行きたかったけど、禁止をされていた。

公爵家とは違いますから、王宮のルールに従ってもらいますって、、、


まさか、、このところずっとうなされているの?
うなされるほど、追い詰められてるのではないか?

公爵では、一応うなされることはなかった。
王宮にきてから?最近?
このところ、眠れてないとは言ってたけど、どんなに眠れていないの?



これは、5日の外交が終わったら、少し休みをもらった方がいい。
何も考えずゆっくり過ごさせてあげたい。とメイカは考えていた。



隣国の王宮に着き、晩餐会があった。
幸い食事は立食だったので、食べていなくてもいい。
それは良かった。と安心しているメイカだった。
でも、シリアル様が、食事をしないということは、体力がなくなる。
せめてこの外交の間、無事終わって欲しい。

外交が失敗しては、シリアル様の立場がない。
それはしてはいけない。
私は、この外交がうまく行くように、手助けするだけだ。

幸い、王太子と寝室は、別々なので、私が夜は待機することにした。

うなされたら、抱きしめてあげないと。
一人じゃないことをわかってもらわないと。。

眠れなければ、私の膝を、、子守唄を、
ハーブティーを
なんとかして眠ってくれないと、、、

少しでも食べてもらえれるように、なんとかしないと、、



シリアル様は、このままで、幸せになることができるのかしら?

好きな人と暮らすのが夢なのに、王太子殿下は、側妃様と、、、

このままで良いのかしら?

実家に言っても、なにも変わらないし。
私がなんとかしないといけないのに。
力ない。
ただの侍女にできることはしれている。

でもシリアル様には、幸せになってほしい。
あんなにいい人が、毎日笑って過ごせるようにしてあげたい。

その時、メイカは自分に力がないことを悔やんでいた、



しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

悪魔の甘美な罠

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:78pt お気に入り:760

片思いの相手に偽装彼女を頼まれまして

恋愛 / 完結 24h.ポイント:4,139pt お気に入り:19

冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,874pt お気に入り:178

【R18】はにかみ赤ずきんは意地悪狼にトロトロにとかされる

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,136pt お気に入り:162

15幼き頃からそばにいたお兄ちゃんは、溺愛社長でした。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:99pt お気に入り:159

私の婚約者は6人目の攻略対象者でした

恋愛 / 完結 24h.ポイント:731pt お気に入り:403

【R18】爆乳ママは息子の友達たちに堕とされる

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:788pt お気に入り:206

処理中です...