レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第二章 美少女とはじめる、むっつりスケベの冒険

第32話 避け続けた、あの敵からスキルを奪う

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「ねえ、ロック?」

「なに?ティナ。」

「村の人たちにもらったこの武器と防具、強くなってるわよね?」


数日前死闘を繰り広げたDランクのモンスター、ディラン。

その素材で村の人が装備を作って、2人に贈ってくれたのだ。

その装備が、もらった時より明らかに強くなっている。


「うん…。
 最初は気のせいかと思ったけど、間違いないよね。」

武器や防具を装備するにはクリアしなければいけない条件がある。

---------------------

装備できる基準は以下の通り
 武器・・・攻撃力が自分の「器用さ」以下であること
            攻撃力が自分の「力」×2 以下であること
 防具・・・防御力が自分の「体力」以下であること

---------------------


当時の2人が使うには、ディランの装備はオーバースペック。

成長に合わせてその力を調整できるような装備だったのだ。


「あの村の鍛治師さん、物凄い人だったんだね。」

「そうね…。
 ただのおじさんだと思ってたわ…。」


ロックのレベルはやっとEランクになったばかり。

しかし、【成長促進】スキルにより、その能力はDランク並み。

この装備の能力をめいいっぱい引き出せるようになった。

ティナの装備はまだまだ余力を残している。

2人は改めて感謝した。


「よし!
 期待に応えられるように、がんばろう!」

「そうね!」


2人はがんばった。

日中はせっせとレベル上げ。

夜はもんもんとするのを我慢。(ロックだけ)

そんな2人の数日間を振り返ってみる。




2日目。

あのディランと同じ、Dランクの将軍ガエルを倒した。

Eランクなら2~3匹でも対応できるようになってきた。



3日目。

3匹のリザードマンに遭遇。

それぞれ剣・弓・魔法を使っていた。

リザードマンはそれぞれの特徴に合ったスキルを持っている。

剣か魔法のどちらかのスキルで迷ったが、剣を持つリザードマンからスキルを奪った。


『【剣士】スキルを奪いました。どのスキルと入れ替えますか?』


「…【寝技専門】。」


『【寝技専門】スキルは完全に消滅しますが、よろしいですか?』


(なんとなく、とっておきたかったけど…。)
「はい…。」

「ロック?
 なんだか元気ないわね?」

「そ、そんなことないよ?」


『【寝技専門】スキルと【剣士】スキルを入れ替えました。』




魔法の攻撃には "基準値" があって、下級・中級・上級となるにつれ上がっていく。

自分のランクに釣り合わない等級だと火力が物足りなくなる。

今のロックであれば中級がちょうどいいくらい。

このペースでレベル上げしていたら、明日には中級でも物足りなくなりそうだ。


成長促進を持つロックの成長速度は異常なのだ。

ロックといると霞んでしまうが、ティナも十分異常な部類に入る。

【全能力50%UP】によって、格上のモンスターにダメージを与えることができ、通常得ることができる経験値の数倍~数十倍を獲得している。


だが、全てロックの【隠密】【麻痺針】で急所攻撃できることが前提ではある。

この世界におけるスキルの存在は、果てしなく大きい。



4日目。

ロックの新しいスキル【剣士】スキルが大活躍だった。



++++++++++++

【剣士  ★★】・・剣術が下級レベルになる。

++++++++++++


単純な剣の技術は、鍛錬や経験で上手くなる。

ティナの弓術はスキルがなくても達人レベルだ。


じゃあなんのためにスキルがあるかというと、[武技] というものがあるのだ。



////////////////////////

[下級剣術 武技]・・攻撃力の1.2倍の単体攻撃(消費MP10)ができる。また、0.7倍の範囲攻撃(消費MP15)ができる。

////////////////////////



能力UP系統の消費MPは3分の1とか、6分の1、といった具合に割合なので、ここぞというときにしか使えない。

ただ、武技は消費MPが固定なので、レベルが上がれば上がるほどMPの負担が少なくなる。


具体的な技の名前や型はなく、自分の培ってきた技術や経験、好みからそれぞれの技をつくる。

これは魔法も同じである。

名前はなくても良いが、イメージと身体の動きがシンクロすることが大事で、特に魔法は名前をつけることも大事なのだ。


近いレベルのモンスターを数匹倒すより、ある程度レベル差のあるモンスター1匹の方が経験値は多い。

特に麻痺させられる2人とっては高レベルモンスターを倒す方が効率が良い。


なので、剣術武技の範囲攻撃よりも、単体攻撃を多用した。

これにより、将軍ガエルをロックとティナの1撃ずつで倒せるようになった。


将軍ガエルが非常に効率が良く、午前中だけで、前日1日分の経験値を軽く超えた。

そして…。




「お~い。
 ロック、ティナ~!」

ゴルドさんがやってきて、3人は合流した。
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