レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第二章 美少女とはじめる、むっつりスケベの冒険

第34話 クエスト達成!

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帰りの馬車内。

別の大陸へ旅をする予定の2人は、ゴルドを質問攻めにしていた。


Bランク冒険者には、魔族と戦うための出兵要請がある。

基本的には行かなければならない。

ゴルドも当時4人いたパーティメンバーといろんな場所に遠征したのだ。


「フォーレン王国も行ったことあるんですか?」

「んにゃ。
 あそごはまだねえな。
 A級、S級となると数が少ねえから世界中散らばっていくが、B級はどの国もある程度いるからな。
 そんなに遠くまで行くことはねえ。」

「世界中どこでも出兵要請はあるんですか?」

「南の大陸だけはねえ。
 あそごは海を渡れねえがらな。」

「…ゴルドさんのパーティメンバーは…、今どこに?」

ゴルドがピクッと反応し、そして答えた。

「…死んじまっだ。
 
 魔族と戦ってな。」

想像していたものの、聞きたくなかった答えだった。

「…すみません。」

「んにゃ、おめえらも知っとがないといげねえ。
 2人ども必ずB級以上になる。
 魔王を倒さないどいう選択をしでも、魔族とは戦うこどになる。

 知っておいでぐれ。
 …甘い戦いではねえというこどを。」

「はい。」


「死んじまうだけじゃねえべ。


 本当に怖いのは…、魔族にされちまうこどだ。」

「魔族に…?」

「魔族との戦いで、殺されずに攫われる冒険者がいる。

 …その冒険者が魔族となっで攻めてぐるんだ。」
 
「…なんてことなの…。」

「それも、出兵しだ中で強い冒険者が連れで行かれるこども多くでな。
 
 モンスターを扇動しで襲っできて、連れ去る冒険者を確保できだら魔族は撤退する。

 魔族を倒せるこどもあるが、連れ去られる人数の方が多いらしいべ…。」

「それって、相手の戦力が増え続けてる、ってことですか!?」

「んだ。
 魔王に戦力を読まれないよう、お互いの国が冒険者を派遣しで襲撃に備えでるんだが、ながなが劣勢を覆せでねえ。
 ただ、帝国の皇帝がギルドの仕組みを作らながったら、強い冒険者が少ない小さな国なんかは潰されでただろうな。」

「ギルドができる前はどうしてたんですか?」

「でぎる前は魔王がいなかっだから魔族はこなかっだな。」

「ギルドができて、どう変わったんですか?」

「1つはさっぎ言っだ、出兵だべ。
 帝国はもっとも大ぎな国なんだが、他の国へ積極的に戦力を送っでる。
 小さな国は助かるわな。」

「帝国、世界に対してかなり貢献してますね。」

「ああ。
 今の皇帝は若ぐして偉業を成し遂げでるから、歴史上でもっとも偉大な賢帝とすでに言われてるべ。」

「他の変化はどんなことですか?」

「1番大ぎいのは情報共有だな。
 レベルやステータス、モンスター、ランクについでの情報を習っだろ?
 ギルドがでぎる前は、そんなこど習えなかっだ。
 それぞれの冒険者が自分の経験を自分だけが知っでる状態だったんだべな。
 その世界中の冒険者の情報をギルドが集めで分析したこどは大きいべな。」

「なるほど…。」

「それど、このブレスレットだべな。
 これで強さがわかるこどで、生息域に行って死ぬ冒険者が減っただ。
 無茶な戦いをしなくで済むからな。
 世界中から得た情報でランク分けをしで、ギルドが依頼の難易度を決める。
 それに適しだランクの冒険者が依頼を受ける。
 普通の依頼で冒険者が死ぬこどはかなり減ったべ。」

「一体どんな技術で作ったんでしょうね?
 しかもすごくたくさん。」

「噂じゃ、これも皇帝のおかげらしいぞ。
 ユニークスキルじゃねえかっで。」

「皇帝、すごいですね。
 冒険者だったら何ランクなんだろ…。」

「Sランクに間違いねえだろな。
 帝国に攻めできた魔王を撃退した功績が認められで皇帝に就任したぐれえだから。」

「え!!
 魔王を撃退したんですか!?」

「おめえ、ちょくちょく大事なこど知らねえな?
 ちゃんど勉強したが?」

「えーと、首都から出ることになって、途中までしか習えなかったんです。」

「私も。」

「あ~、そうか。
 …すまん!」

「気にしないでください!
 そのおかげで、と言ったら変ですが、こうやっていろんな人と出会えましたし。」

「…強えな。
 おらが答えられるこどなら、なんでも答えるがら、遠慮なぐ聞けよ。」

「「ありがとうございます!」」

「お子さんも冒険者なんですか?」

「息子はおらと違って、才能のある冒険者だべ。
 A級に手が届くぐれえのな。」

「A級!
 すごいですね!」

「まあな…。」

(…?あんまり話したくなさそうだな…。)

「お、もうすぐ着ぐな。
 レイカの驚ぐ顔が楽しみだべ。」





「…え? え?え?」

期待通りの顔を見られて、ゴルドは満足げだ。

「ツイストコブラの特殊個体!?
 Cランクレベルの難易度よ…?
 ていうか2人ともランクが上がってるじゃない…。
 …いや、2人ともEランクだとしても、倒せる相手じゃ…。」

信じられないものを見てしまったレイカは、ゴルドに視線を向ける。

「間違いねえぞ。
 このモンスターを2人だけで狩っだのを、ちゃんど見届けたべ。」

「才能ある冒険者だとしても、聞いたことない…。

 …それだけのスキルを持ってるということです…、ね。」


おもむろに頭を下げるレイカ。

これ以上は無理というくらい、深々と。

「疑ってしまい、すみませんでした!!」

ロックとティナは顔を見合わせた。

「頭を上げてください。
 ギルドとして、当然の対応だったのでしょうから。

 ただ、こういったことは別の町でも起こるのでしょうか?」

(これから別の大陸まで冒険するのに、毎回同じことがあったら、さすがに…。)

「いえ!
 この実績は他のギルドにも共有されます。
 ここで認められたことがわかっているので、もう同じことは起きません。

 本当に申し訳ございませんでした!」

「本当に気にしないでください!
 対応してくれたのがレイカさんとゴルドさんでよかったです。

 ゴルドさん、本当にありがとうございました!」

「うんうん。
 ただ、おらから1つ、おめえたぢにお願いがあるんだが?」

「なんでしょう?」

「今日もおらんちに泊まっでけ。
 ダニスが喜ぶからな。」

「…それがお願いですか?
 ゴルドさん、優しすぎません?」

「それがおらの唯一の欠点だな。
 優しすぎる、という…。」

「ゴルドさん、ダニスさんに叩かれますよ。」

「ハハハっ!」

「ふふっ。」

ゴルドさんの冗談のおかげで、レイカとのギクシャクも解消された。

素材の買取価格は、

 ワニダイル・・45,000ゴル(解体の状態が悪く一部分のみだったため、相場の半分以下)
 ツイストコブラ・・163,350ゴル(特殊個体で相場の1,5倍)


2人の初クエストの報奨金は、しめて208,350ゴルとなった。
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