借金まみれの【予知者】、レアアイテムを集めて返済してたら救世主になってました

玉ねぎサーモン

文字の大きさ
27 / 33
第二章 ダンジョン攻略編

第27話 借金 5374万3490ゴル

しおりを挟む
久しぶりの首都。

ニクラスは前回同様、身バレしないようにフードを被っている。

テレージアと道具屋を見て回るが、”シーカーズマップ” は見当たらない。

そもそも、ほとんど出回らないアイテムなのだ。


「やっぱり、見つからないか…。」

がっくりと首をうなだれるニクラス。

分かっていても、なんとしても手に入れたかった…。


「この調子だと、また騙されてしまいそうだな…。」

ボソッと呟いたテレージアの言葉は、ニクラスには聞こえなかった。

「テレージアさん?
 今何か言った?」

「いや…。」

「何か悩んでるの?」

「ん?
 ん~、いや…、なんでもないよ…。」

「なんでもなくないよね?
 ……もしかして、何か心当たりがあるの!?!?」

「いや、そんなんじゃ…ないんだけど…。」

「テレージアさん!
 何かあるんでしょ!?
 お願い!
 教えて!?」

「う……い、いや………。」

「お願いだよ……。
 手がかりになるならなんでもいいんだ……。」


結局いつもの通り押し切られて、白状することになった。


「はあ……。
 本当に気が進まないのよね…。」

「なに??
 どんなことなの!?」

「…1人、顔の広い商人に心当たりがあってね……。」

「ほんと!?」

「うん…。
 ただ…、性格に問題があってね……。」

「手に入るなら、僕一生懸命その人にお願いするよ!」

「お願いというか…、私が耐えられるかどうか……。」

「え?
 ど、どういうこと……??」

「まあしょうがない…。
 行けばわかるわ……。
 
 …ニクラス。」

「な、なに?」

「心を強く持つのよ?」

「わ、分かった…。」

テレージアの様子を見て、さすがにちょっと怖くなってきたニクラスだが、アイテムのためには引くわけにはいかない。


「ここよ。」

テレージアに連れられて行った先には、一軒の小さな店があった。

裏路地にあり、知らなければ営業しているかもわからない、なんの店かもわからない佇まいだ。

「こ、ここ、お店なの?」

「そうよ。
 …入りましょう…。」

「うん…。」


店に入ると、薄暗い店内に1人の男が座っていた。

「あん?
 誰だ??」

(客に対して「誰だ?」って…。
 本当にお店なの?)

一言目から不安を駆り立てる店主の言葉。

「久しぶりだな、フリーダー。
 …テレージアだ。
 ……ハーゼンバイン家の。」

「ハーゼンバイン…?
 ハーゼンバインっていうと…、あの汚職貴族のハーゼンバインか!!」

「…くっ。」

「汚職貴族……?」

「…気にしないで、ニクラス。」

「ハハハハ!!
 久しぶりだな!
 テレージアっていうと、あそこの娘か!
 確か親父と何回か来てたな!」

「…ああ。」

「お前今なにしてんだ!?
 家族はもうみんないないんだろ??」

「…冒険者だ…。」

「冒険者?!
 貴族だったのに、落ちぶれたもんだなぁ。
 まあ、剣術は習ってたし、確かジョブ持ちだったから、やれねえことはねえか。」

「ちょ、ちょっ……」

あまりに無礼なフリーダーの物言いにニクラスが言い返そうとするが、テレージアが制する。

「私が使う剣を父がここで買ってくれたからな。
 人柄は最悪だが、商人としては誰よりも信頼できる、ってな。」

「ガハハハ!!
 人柄は最悪ってか!」

「成長して強くなったらまたここで自分に見合った武器を買うといいと、父が連れてきてくれたのよ。
 まあ、色々あって買いには来なかったけどね。」

「なんだその喋り方?
 気持ち悪いな。
 …その坊主は誰だ?
 まさか、お前のガキじゃあねえよな?」

「そんな歳に見えるか?」

「見えねえな。
 …ん?
 どこかで見たことあるような……?
 坊主、フード取ってみろ。」

「ニクラス、取らなくていいわ。」

「フードも取らねえような無礼な奴に、物は売らねえぞ?」

「嘘つくんじゃないよ。
 ここにくる客に無礼じゃないやつなんていないだろう?」

「ハハッ!
 まあ、お前も含めてな!
 だが、俺は気に入らねえ奴には売らねえ。
 どうする?
 坊主。」

ニクラスは一瞬ためらったが、フードをパサリととる。

「……ん~。
 どこかで見たような…。

 ニクラス…、ニクラス……。」


「僕は【予知者】のニクラスです。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~ Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜

夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。 絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。 一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。 無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!

処理中です...