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コンビニ転生はあるのか?
コンビニにGO
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明くる日、アメとハレは空き家の研究所に集合した。
店長が異世界のコンビニに転生したという噂の例のコンビニについて調査するための有力な情報が飛び込んできた。
アメとハレが通う高校に、そのコンビニでバイトしている男子学生がいるというのだ。
これはラッキーである。内部事情を聞き出したり、潜入調査をするのに役に立つ。
それにしてもコンビニで人間が異世界に転生してしまうとは珍しい。
古き昭和の時代には、異世界転生に似た「神隠し」と言う現象がたびたびあったが、これは神社の境内や天狗の森など、神聖な場所で人がこつぜんと姿を消すものだった。
はたして、コンビニのように日常的で神聖な要素のない場所でそのようなことが起こりうるのか?
昭和から平成を経て、なにかが変わったのかもしれない。
「さーて、今日は、コンビニでバイトしてる同じ高校の男子にコンビニ転生の調査の協力者なってもらうためお願いしに行く日ね」
アメはちゃっかりスマホにコンビニ専用のアプリをインストールして、使えるクーポンがないかチェックしながら言った。
「その前にー、異世界コンビニに転生した店長さんについておさらいしておきましょう」
ハレはタブレット端末をしなやかにタップして、転生したコンビニ店長についての資料を呼び出した。
あるインターネットサイトに上がった報告によると、ある日店長はコンビニの事務室にいたところ、心臓発作により亡くなった。
亡くなった店長が目を覚ますとそこは中世ヨーロッパ風の世界で、彼はその世界でレンガ造りの異世界コンビニの店長に生まれ変わっていたと言う。
中世ヨーロッパ風の世界観は、もはや国産のファンタジー作品でも定番な世界観だが、黄泉の世界も大きく欧化路線でも歩んだのだろうか?
ちなみに異世界コンビニでは、冒険者のために傷薬や武器を売っていると言う。
異世界コンビニの営業時間は現世とちがい夕暮れまでで、品物を仕入れるために店長自ら冒険に出ることさえあるらしい。
昭和の時代は、冒険と言えば困難がつきものだが、現代の異世界にはチートという概念があり、困難さをスキップして目的を達成できるらしい。
おかげで店長の異世界コンビニは商売繁盛で極楽天国。
二四時間年中無休で人手不足、常時競争の現世のコンビニ業界より異世界コンビニのほうが、たしかにゆるくて楽しそうである。
天国みたいな異世界!どうやら店長は現世でそうとう徳を積んだらしい。
それにしてもチートとは。チートはもともとコンピュータ・ゲームにおけるずるをするシステムのことだ。
店長はゲームの世界に行ってしまったのか?
アメとハレは自転車を走らせ、例のコンビニに到着。
まずは外から様子をうかがった。
バイト学生の名前は草津イナゴ。
進学を目指してお金を貯めている。
「イナゴくん?別に雰囲気はフツーね」
アメがオペラグラスでイナゴの顔を覗き込む。
「それにしても、このコンビニで異世界転生だなんて。どこかに次元の歪みでもあるのカナ?」
ハレは得意のダウジングで使用する宝石の振り子を試しに取り出したが、案の定なにも反応はなかった。
店長が異世界のコンビニに転生したという噂の例のコンビニについて調査するための有力な情報が飛び込んできた。
アメとハレが通う高校に、そのコンビニでバイトしている男子学生がいるというのだ。
これはラッキーである。内部事情を聞き出したり、潜入調査をするのに役に立つ。
それにしてもコンビニで人間が異世界に転生してしまうとは珍しい。
古き昭和の時代には、異世界転生に似た「神隠し」と言う現象がたびたびあったが、これは神社の境内や天狗の森など、神聖な場所で人がこつぜんと姿を消すものだった。
はたして、コンビニのように日常的で神聖な要素のない場所でそのようなことが起こりうるのか?
昭和から平成を経て、なにかが変わったのかもしれない。
「さーて、今日は、コンビニでバイトしてる同じ高校の男子にコンビニ転生の調査の協力者なってもらうためお願いしに行く日ね」
アメはちゃっかりスマホにコンビニ専用のアプリをインストールして、使えるクーポンがないかチェックしながら言った。
「その前にー、異世界コンビニに転生した店長さんについておさらいしておきましょう」
ハレはタブレット端末をしなやかにタップして、転生したコンビニ店長についての資料を呼び出した。
あるインターネットサイトに上がった報告によると、ある日店長はコンビニの事務室にいたところ、心臓発作により亡くなった。
亡くなった店長が目を覚ますとそこは中世ヨーロッパ風の世界で、彼はその世界でレンガ造りの異世界コンビニの店長に生まれ変わっていたと言う。
中世ヨーロッパ風の世界観は、もはや国産のファンタジー作品でも定番な世界観だが、黄泉の世界も大きく欧化路線でも歩んだのだろうか?
ちなみに異世界コンビニでは、冒険者のために傷薬や武器を売っていると言う。
異世界コンビニの営業時間は現世とちがい夕暮れまでで、品物を仕入れるために店長自ら冒険に出ることさえあるらしい。
昭和の時代は、冒険と言えば困難がつきものだが、現代の異世界にはチートという概念があり、困難さをスキップして目的を達成できるらしい。
おかげで店長の異世界コンビニは商売繁盛で極楽天国。
二四時間年中無休で人手不足、常時競争の現世のコンビニ業界より異世界コンビニのほうが、たしかにゆるくて楽しそうである。
天国みたいな異世界!どうやら店長は現世でそうとう徳を積んだらしい。
それにしてもチートとは。チートはもともとコンピュータ・ゲームにおけるずるをするシステムのことだ。
店長はゲームの世界に行ってしまったのか?
アメとハレは自転車を走らせ、例のコンビニに到着。
まずは外から様子をうかがった。
バイト学生の名前は草津イナゴ。
進学を目指してお金を貯めている。
「イナゴくん?別に雰囲気はフツーね」
アメがオペラグラスでイナゴの顔を覗き込む。
「それにしても、このコンビニで異世界転生だなんて。どこかに次元の歪みでもあるのカナ?」
ハレは得意のダウジングで使用する宝石の振り子を試しに取り出したが、案の定なにも反応はなかった。
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