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春
二宮先輩の回し蹴り
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なんと、安孫子先輩が旅に出るというのです。
きっかけは例のインフルエンサーのバイトのあっせん疑惑。
あれはまさに修羅場。
奨学金研究会のメンバーが全員集まるなか、追求される先輩。
奨学金の返済に四苦八苦する現実があるということに、わたしたちもなんとなく目を反らしていました。
せっかく就職できても返済のため貯金に回せなかったりとか、そんなことを知るようになると、なんのために勉強するのかわからなくらりそう。
卒業後のことが不安でたまらなくなった安孫子先輩は、在学中からおカネを貯めようとネットで稼げそうな話を検索しまくったそうです。
そしてインフルエンサーのバイトに行き詰まった先輩はトモカははじめ複数の人にバイトをあっせんしていったのでした。
二宮アキコ先輩は、辛辣でした。
「安孫子が、くだらない金儲けに他人を巻き込んだってのが、よくないね。第一やつは真面目に研究会に参加しないじゃないか。やれ七福神だなんだ。ここでやるな」
「話し合いもわかるが、いま助かることをせにゃならんと思ってだな、おれは……」
なんとも歯切れが悪い安孫子先輩。
そこで二宮先輩は、もっと先の戦略があることを示唆しました。
「わたしとて、この研究会をただのサークル活動でおわらせようとは思ってない。みんな奨学金の返済に苦しむ運命だ。孫子を読んだか?クラウセヴィッツは?状況を打開していくには戦略が必要だ。この活動を本格化させる段階に
おいて、ついていけないものは切り捨てる心づもりもある。安孫子、わたしと話し合うつもりがないなら、身の振り方を考えたほうがいいぜ」
安孫子先輩は、青ざめました。青ざめたままミネラルウォーターのペットボトルをぎゅっと握りしめています。
「安孫子、水でも飲みたいか?そこに立ってペットボトルをこう掲げてみろ」
おずおずと、言われた通りにする安孫子先輩。
二宮先輩もすっと立ち上がると、そのカモシカのような脚が弧を描きます。
先輩の回し蹴りは、ペットボトルのキャップにジャストヒット。見事に開封されました。
一同は呆然としています。
トモカなどは、この時の二宮先輩の迫力を鎌倉時代の金剛力士像に例えました(なんだそのセンス)。
安孫子先輩は顔を真っ赤にして絶叫しました。
「そんなことされたらもう、まともに二宮の顔見れないじゃないか!」
ん?
そのまま安孫子先輩は私たちの前から姿を消してしまいました。
わたしとトモカは安孫子先輩の七福神のキーホルダーは案外気に入ってたりしたので、淋しい気持ちもあるし、なんか残念だなと思いました。
さてさて、さいきんなんだかダイチとトモカが急接近しているみたい。
こないだなんかトモカがダイチだけにお菓子をあげていました。
う~ん、なんかもやもやするな~。あの泥んこダイチのどこがいいのか……。
きっかけは例のインフルエンサーのバイトのあっせん疑惑。
あれはまさに修羅場。
奨学金研究会のメンバーが全員集まるなか、追求される先輩。
奨学金の返済に四苦八苦する現実があるということに、わたしたちもなんとなく目を反らしていました。
せっかく就職できても返済のため貯金に回せなかったりとか、そんなことを知るようになると、なんのために勉強するのかわからなくらりそう。
卒業後のことが不安でたまらなくなった安孫子先輩は、在学中からおカネを貯めようとネットで稼げそうな話を検索しまくったそうです。
そしてインフルエンサーのバイトに行き詰まった先輩はトモカははじめ複数の人にバイトをあっせんしていったのでした。
二宮アキコ先輩は、辛辣でした。
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「話し合いもわかるが、いま助かることをせにゃならんと思ってだな、おれは……」
なんとも歯切れが悪い安孫子先輩。
そこで二宮先輩は、もっと先の戦略があることを示唆しました。
「わたしとて、この研究会をただのサークル活動でおわらせようとは思ってない。みんな奨学金の返済に苦しむ運命だ。孫子を読んだか?クラウセヴィッツは?状況を打開していくには戦略が必要だ。この活動を本格化させる段階に
おいて、ついていけないものは切り捨てる心づもりもある。安孫子、わたしと話し合うつもりがないなら、身の振り方を考えたほうがいいぜ」
安孫子先輩は、青ざめました。青ざめたままミネラルウォーターのペットボトルをぎゅっと握りしめています。
「安孫子、水でも飲みたいか?そこに立ってペットボトルをこう掲げてみろ」
おずおずと、言われた通りにする安孫子先輩。
二宮先輩もすっと立ち上がると、そのカモシカのような脚が弧を描きます。
先輩の回し蹴りは、ペットボトルのキャップにジャストヒット。見事に開封されました。
一同は呆然としています。
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ん?
そのまま安孫子先輩は私たちの前から姿を消してしまいました。
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さてさて、さいきんなんだかダイチとトモカが急接近しているみたい。
こないだなんかトモカがダイチだけにお菓子をあげていました。
う~ん、なんかもやもやするな~。あの泥んこダイチのどこがいいのか……。
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