金ぴか!スピリット

千田 陽斗(せんだ はると)

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騙された気分はどうだい? 二

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「ヒルコ?」
「ヒルコは日本神話の国産みの神さまの間に生まれた不具の子なんだよね」
「そうなんだ」
「ヒルコは不具の子であったために葦の舟に乗せられて流されちゃうんだね」
「かわいそう」
「ヒルコは通常は日本の神さまに数えられない。ヒルコが流れ着いたとされる土地ではヒルコ信仰もあるみたいだぜ。えびすさまと別の名で呼ばれたりしてな」
「え」
「そう。あんたのバッグのキーホルダーのえびすさまだよ。捨てる神あれば拾う神ありってな。よーわからん世界観だがな」
 奥さんが付け加えました。
「ヒルコ、そしてあはしま。神さまの子じゃのに日本神話神さまということになっとらんのじゃ。じゃけん日本はどこか弱いもんに冷たい国のなったんじゃろうか」
「流された不具の子ヒルコ。安孫子先輩にも似てるな。先輩の魂はそのキーホルダーに……」
「ダイチ!縁起でもないこといわないの」
「ちょっと言い過ぎたな」 
 そして修理が終わるまで、私は三冊の絵本を読むことに。
 
「いやっほう。チェーンまで直してもらったから乗り心地最高!」
「ダイチ。ちょっとまってよ」
「ん?なんならニケツするかい?」
「しません」 

 どうせなら完全にサボろうということで、二人でラーメンを食べることに。
 そこでふと思いだしました。ダイチがトモカのことを聞いてきたことを。
「ダイチくん。トモカのこと気になる?」
「げほげほ。急になんや」
「だってこないだ聞いてきたじゃない」
「ま、待ってくれ。麺が伸びる」
「そりゃトモカはかわいいよね。いつもニコニコしてるし。服のセンスも趣味もいいし。スタイルだってトモカのほうがいいし」
 ダイチの目が一瞬泳いだ気がしました。
 そのときです。テレビからニュースが流れて来ました。
「GDPマイナス」
 ダイチは慌ててテレビのリモコンをとり勝手にお店のテレビのボリュームを上げました。
「やはりか。ジャパノミクスとかいう経済政策なんて見せかけだったか」
「え、日本景気悪くなるの?」
「もともと悪かっただろう。政府のジャパノミクス政策なんて無意味だったんだな。金持ちだけに儲けさせておしまい」
「でもオリンピックが控えているから、そこに向かっていくみたいな話があったと思うけど」
「オリンピック?最近はオリンピック不況もあるんだぜ。あとはほら、震災だよ。避難者のことは置いてけぼり。ヒルコの話じゃないがホント冷たい国だぜ」
 わたしはいろんな意味で絶句しました。
 そんなわたしの顔を見てダイチは言うのです。
「騙された気分はどうだい?」
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