婚約破棄されて森に捨てられたら、フェンリルの長に一目惚れされたよ

ミクリ21 (新)

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番外編1

さよならとただいま【3】バジル視点

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「「バジル、起きなさい」」

「はへ?」

さっき僕はおじいちゃんになって寿命で死んだはずなのに、何故か起こされて目を覚ました。

………どゆこと?

え、僕死んだよね。

不思議に思って周りをみると、そこは豪華な広い部屋で、豪華な大きいベッドで僕は寝ていたようだ。

僕を起こした知らない二人の男に笑顔を向けられて、なんだか居心地が悪いよ。

二人は、王族よりも立派な服を着ているとなんとなくだけど僕は思う。たぶんだよ?

そして、視線を僕自身の身体に向けると若い身体になっていた。

たぶん20代ぐらいじゃないかな?

詳しくは鏡をみないとわからないよ。

「私の可愛いバジル!パパですよ」

「僕がママだよ」

「………いや、誰ですか?」

自称パパと自称ママの二人に、胡散臭いと言わんばかりの眼差しを向けるのは仕方ないよね。

ほら、僕はもう気にしてないけど僕の両親って……あれでしょ?

あの、姉だけ可愛がる僕を捨てた人達。

もう僕は、元婚約者やら姉やら両親やらをなんとも思ってないどころか、長年思い出さなかったから忘れかけてたよ。

僕はルディガーさんや息子達やクロムさんや村の皆と楽しく幸せにしてたから、もうあの人達のことはどうでもいい。

まぁ、何が言いたいかと言うと、自称パパと自称ママが何故僕の両親を名乗るのかわからないということだ。

「初対面みたいなものですからね。バジル、説明しますから聞いてください」

「あ、紅茶とケーキあるから食べようね。バジル、起きれる?」

「………はい」

とりあえず僕は、返事をしてベッドから下りた。



僕は二人に促されて、ソファに向かい合って座って、いい香りの紅茶をさっそく飲んだ。

ふあぁ、紅茶何年ぶりかな?美味しいね。

村では、フェンリル特製のお茶だったからね。

ちなみにフェンリルのお茶の材料は、森にある草花らしいよ。

「私の名前はソロモン。ノーアの夫で、私はこの世界の守護神をしています。ちなみに、お酒を飲んだら豹変するのは私の遺伝ですよ」

え、あれ遺伝なの!?

酔った時の恥ずかしい上に覚えてないエピソードが山のようにある僕は、ソロモンを二度見した。

「僕はノーア。ソロモンの妻で、この世界の魔神をしているよ。………お酒を飲んだ時の記憶ないのは、僕の遺伝だよ」

それも遺伝なの!?

………僕の口元がひくついたのは仕方ないよね。



二人の説明を聞いてまとめた感じだと、僕は守護神と魔神の子供で、僕は神子という存在だったそうだ。

僕は普通の人間じゃなかったんだとちょっとビックリしたよ。

神の子供は、最初は人間として生まれる。

それから、死ぬまで自分が神子だと知らないまま生きて、人間として死ぬ。

神子が【自分が神子】だと知ってしまうと、神子は死んでしまうというものがあったから、僕は自分が神子だと知らなかったそうだ。

人間として死んだ神子はその後、適性によって何の神になるかが決まるみたい。

そして、今の僕は何の神になるかを決める段階らしい。

………え、僕神になるの!?

僕は驚きつつケーキを食べた。

はうぅ!美味しい!!

あまりの美味しさにも驚いてしまったよ。



それはともかく。

「僕は神になるよりも、ルディガーさんやシモンやカミルやエリックともっと一緒に生きていたかった」

思わず涙が出た。

愛する僕の大切な家族。

生きる寿命が違ったばかりに、悲しい思いをさせてしまった。

息子達はまだまだ幼いから、きっと泣いているだろうね………ルディガーさんも泣いているだろうな。

帰りたい……皆のところに帰りたいよ………!!

泣いている僕の隣に移動したノーアが、頭をよしよしと撫でてくれた。

「じゃあ、フェンリルの神になりますか?バジルはフェンリルと長年連れ添って適性があります。それに、身体もフェンリルになりますよ」

「!?」

ニッコリ笑顔のソロモンの言葉にビックリした。

「僕がフェンリルに?でも、フェンリルになれてもルディガーさん達のところには戻れないんでしょう?」

………だって、僕は死んでいるからね。

「いいえ。神はどこにいても神の自由ですから。ほら、教会とかで聞いたことないですか?『神の御心のままに』って言葉を」

ソロモンの言葉が僕に希望を与える。

神になっても、ルディガーさん達のところに帰っていいのかって………。

僕はソロモンをじっとみつめた。



「バジル、貴方も今日から神の一柱になります。さぁ、バジルはどうなりたくて、どうしたいですか?守護神でありパパである私に聞かせてください」

ソロモンが穏やかに笑って、部屋の空気が変わるのを肌で感じる。

「バジル、一緒に住んでなくてもママとパパはバジルを愛しているからね。そのことを忘れないでほしい。天界から見守っているからね」

ノーアは僕を抱きしめて、慈愛の眼差しで僕をみつめている。

「ありがとう。二人の優しさが嬉しいです。………ソロモンパパ、ノーアママ。二人のことを僕は忘れません」

少し照れてしまったけれど、ちゃんとママパパと言えたよ。

………ママ呼びパパ呼びをなんか主張されてる感じがしたからね。

でも、二人の優しさが嬉しいのは本当だ。

そして僕は、ソロモンに僕の気持ちを伝えた。

「僕は、フェンリルの神になりたいです。ルディガーさん達と同じフェンリルになりたい。そして、ルディガーさん達のところに戻りたいです」



ソロモンとノーアが微笑んだ。

「「バジル、どうか貴方に幸あらんことを」」

その言葉を聞いた直後、身体が変化をして僕は衝撃に意識を失った。
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