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リゼ視点
とある国には神様がいた。
その国にいた神様は、若い青年の姿だったそうだ。
神様は繁栄と希望を司っていたらしいよ。
神様がいたから、その国は長年繁栄と希望の加護を得ていた。
……けれど、そこに神様の同意などはなかった。
なんと神様は、その国の王族によって特殊な部屋に監禁されていたのだ。
その部屋の扉は、王族の血を引く者しか触れないから、神様は逃げることができなかった。
外部に神様監禁という大罪とも呼べる行為がバレないように、その国の王族はそのことを王族のみの極秘事項としていたよ。
……監禁されている神様は、いるだけで価値があったから同意は必要なく、監禁のみが重要とされていたのだ。
最初の頃はまだ良かったらしい。
その王族に、神様を崇め敬う気持ちがあったから……。
神様に感謝をしながら、末の王子もしくは王女が神様のお世話をしていた。
外部にバレないようにするため、王族の一番王位継承権が低い者が世話係をする決まりになっていたのだ。
……まぁ、末の子ならいくらでも代えがきくからね。
しかし、時は流れて崇め敬う気持ちは薄まり、神様のお世話はただの義務に変わる。
そして、平和な世の中が過ぎるほどに、神様の価値に疑問を持つ王族は増えて、神様のお世話を不満に思うようになっていった。
それは別に珍しいことではない。
例えば、伝説を過去の出来事ではなく空想の物語と信じたり、寝ている間にお菓子を食べる妖精がいると信じたり、邪神の眠る祠を壊したら邪神が復活すると信じたり……。
その逆もまた然りで、信じない人だっている。
真実か偽りかなんて関係なく、信じるか信じないかの問題……気持ちの問題とも言えるね。
つまり、平和な世の中が続いて王族に、神様の価値を【信じない人】が増えてしまったというだけのことだ。
その王族は、神様にしている非道を忘れて、感謝も忘れて、ついには神様のお世話もされなくなってしまった。
……ただただ静かに、人間を恨み恨んで、穢れに染まった神様は、人知れず邪神になってしまった。
繁栄と希望を司る神様だったのに、終焉と絶望を司る邪神になってしまった。
白い髪は黒に染まり、青かった瞳は紫に染まる。
……邪神は、変わり果てた自身の姿に、鏡をみるのが嫌いになってしまったよ。
恨み、怒り、憎しみ、悲しみ、孤独。
負の感情を溜め込み、長年深い恨みを溜め込んでいた。
しかし、それでも邪神はその部屋から自力で出ることは叶わない。
そんな邪神は、ついに出会ったのだ。
同じような苦しみを背負う少年に。
愛を求める愛されない可哀想な少年に。
少年の名前はルイ。
みるからに奴隷のように扱われてるのがわかるボロボロの服を着たボサボサ頭の汚れている子供。
この部屋に入れるなら王族の血を引いているはずなのに、こんな扱いを受けて可哀想に……。
……だから、邪神は悪魔のように美しく微笑んで甘く優しく囁いたのだ。
「私だけが君を愛しているよ」
優しさと愛に飢えた瞳が邪神を映した。
邪神の嘘に簡単に騙されたルイは、邪神を外に連れ出して、共に国から逃げ出した。
その国は、邪神からの長年の恨みで、一夜にして生きとし生けるもの全てが呪われて滅びたらしい。
そして、今その邪神は人間のふりをして、ルイと一緒に冒険者をしている。
邪神はルイのことを、利用するだけして後は捨てるつもりだったのに、ルイがあまりに一途に愛してくれるから、嘘の愛が本当に変わったのだ。
邪神は当時まだ8歳だったルイを愛しく想い、大人になったルイを深く愛している。
……え、なんでそんなことを知っているのかって?
ははっ、知っていて当然だよ。
だって私は、私の名前は……。
元・繁栄と希望の神リゼラローズで、現・終焉と絶望の邪神で、ルイの恋人である冒険者リゼだからね。
その国にいた神様は、若い青年の姿だったそうだ。
神様は繁栄と希望を司っていたらしいよ。
神様がいたから、その国は長年繁栄と希望の加護を得ていた。
……けれど、そこに神様の同意などはなかった。
なんと神様は、その国の王族によって特殊な部屋に監禁されていたのだ。
その部屋の扉は、王族の血を引く者しか触れないから、神様は逃げることができなかった。
外部に神様監禁という大罪とも呼べる行為がバレないように、その国の王族はそのことを王族のみの極秘事項としていたよ。
……監禁されている神様は、いるだけで価値があったから同意は必要なく、監禁のみが重要とされていたのだ。
最初の頃はまだ良かったらしい。
その王族に、神様を崇め敬う気持ちがあったから……。
神様に感謝をしながら、末の王子もしくは王女が神様のお世話をしていた。
外部にバレないようにするため、王族の一番王位継承権が低い者が世話係をする決まりになっていたのだ。
……まぁ、末の子ならいくらでも代えがきくからね。
しかし、時は流れて崇め敬う気持ちは薄まり、神様のお世話はただの義務に変わる。
そして、平和な世の中が過ぎるほどに、神様の価値に疑問を持つ王族は増えて、神様のお世話を不満に思うようになっていった。
それは別に珍しいことではない。
例えば、伝説を過去の出来事ではなく空想の物語と信じたり、寝ている間にお菓子を食べる妖精がいると信じたり、邪神の眠る祠を壊したら邪神が復活すると信じたり……。
その逆もまた然りで、信じない人だっている。
真実か偽りかなんて関係なく、信じるか信じないかの問題……気持ちの問題とも言えるね。
つまり、平和な世の中が続いて王族に、神様の価値を【信じない人】が増えてしまったというだけのことだ。
その王族は、神様にしている非道を忘れて、感謝も忘れて、ついには神様のお世話もされなくなってしまった。
……ただただ静かに、人間を恨み恨んで、穢れに染まった神様は、人知れず邪神になってしまった。
繁栄と希望を司る神様だったのに、終焉と絶望を司る邪神になってしまった。
白い髪は黒に染まり、青かった瞳は紫に染まる。
……邪神は、変わり果てた自身の姿に、鏡をみるのが嫌いになってしまったよ。
恨み、怒り、憎しみ、悲しみ、孤独。
負の感情を溜め込み、長年深い恨みを溜め込んでいた。
しかし、それでも邪神はその部屋から自力で出ることは叶わない。
そんな邪神は、ついに出会ったのだ。
同じような苦しみを背負う少年に。
愛を求める愛されない可哀想な少年に。
少年の名前はルイ。
みるからに奴隷のように扱われてるのがわかるボロボロの服を着たボサボサ頭の汚れている子供。
この部屋に入れるなら王族の血を引いているはずなのに、こんな扱いを受けて可哀想に……。
……だから、邪神は悪魔のように美しく微笑んで甘く優しく囁いたのだ。
「私だけが君を愛しているよ」
優しさと愛に飢えた瞳が邪神を映した。
邪神の嘘に簡単に騙されたルイは、邪神を外に連れ出して、共に国から逃げ出した。
その国は、邪神からの長年の恨みで、一夜にして生きとし生けるもの全てが呪われて滅びたらしい。
そして、今その邪神は人間のふりをして、ルイと一緒に冒険者をしている。
邪神はルイのことを、利用するだけして後は捨てるつもりだったのに、ルイがあまりに一途に愛してくれるから、嘘の愛が本当に変わったのだ。
邪神は当時まだ8歳だったルイを愛しく想い、大人になったルイを深く愛している。
……え、なんでそんなことを知っているのかって?
ははっ、知っていて当然だよ。
だって私は、私の名前は……。
元・繁栄と希望の神リゼラローズで、現・終焉と絶望の邪神で、ルイの恋人である冒険者リゼだからね。
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