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とあるところに、白雪姫という二つ名を持つ皆に愛されている美少年のラグナーがいた。
しかし、その美しさに実の父親が興奮してしまい、継母はラグナーの貞操を守るためラグナーを森に逃がすことにしたのだ。
ちなみに、継母は元軍人の男である。
ラグナーの母親は少し前に謎の事故で亡くなってしまったのだ。
そして父親はすぐに継母と再婚をしたが、これに関しては前国王……つまりラグナーのお爺ちゃんの決定による政略結婚なのだ。
「ラグナー、あのカス野郎にケツ掘られないように逃げろ」
「お母様、お父様があんな腐れ野郎ですみません」
「気にするな。俺は平気だ。もしもの時は、プロレス技キメてでも止めるから安心して逃げろ」
「お母様……いつかお母様にだけはまた会いにきますから!だから別れの言葉は言いません!」
「あぁ、また会えることを願っているよ」
継母は、本当の母親のようにラグナーに優しい男である。
だからラグナーは、実の父親より継母によく懐いていた。
そのせいかよく継母は暗殺者に命を狙われていたが、継母は自慢の拳で暗殺者を倒してきた猛者だ。
ラグナーは、大好きな継母と離れるのは嫌だったけど、継母の好意を無にするわけにはいかない。
涙を流しながら、ラグナーは暗い森に走る。
父親に対する激しい恨みを胸に、継母に対する深い愛情を胸に、ひたすら走った。
どれぐらい走っただろうか?
疲れ切ったラグナーは、暗い森で座り込み一人でないていた。
すると、どこからともなく七人の子供がやってきて、ラグナーのことを心配して慰めてくれた。
「大丈夫?」
「怪我したの?」
「お腹空いた?」
「喉が乾いたのかな」
「お菓子食べる?」
「迷子かな」
「よしよし、いい子いい子」
「ふえぇ……皆ありがとうございます」
見知らぬ子供達の暖かい気持ちに、涙は余計に溢れ出る。
ラグナーは事情を子供達に話すと、子供達はラグナーに同情してくれた。
子供達は相談しあった結果、ラグナーを自分達のお家に案内することに決めた。
そして、その日からラグナーは子供達と一緒に暮らすことになったのだ。
ここ最近、森の中には不審者がウロチョロしている。
その不審者とは、隣国の第二王子ユリアスだ。
この森に美少年で有名なラグナーがいると聞いて、ラグナー目当てに数日間徘徊しているのである。
ラグナーが見つからないからウロチョロウロチョロ………その姿はどうみても不審者だった。
ラグナーが森にいるという情報は、裏社会の情報屋に聞いたのだ。
余程のことがなければ、情報屋に知らないことはない。
金さえ払えば、情報屋はどんな情報も売ってくれる。
………その情報網は謎に包まれている。
ちなみに、ラグナーの位置情報は森とはわかっても、細かい位置は謎の力でわからなかったから、地道にウロチョロしているのだ。
ある日、怪しいお婆さんがやってきた。
その日は子供達が森に行っていて、ラグナーは一人でお留守番中だったのだ。
お婆さんは、売り物だという美味しそうなリンゴを、試食としてラグナーにプレゼントしてくれる。
「まぁ!本当にいいんですか?」
「味の感想を聞きたいからいいんだよ」
「ありがとうございます!じゃあ、頂きます」
ラグナーは、怪しいとは思っていたけど、人を見た目で差別するのは良くないよねとリンゴを有り難く受け取った。
早速ラグナーはリンゴを食べてみる。
「モグモグ……うっ!?」
突然倒れて悶えるラグナー。
「ヒャッハー!罠に引っかかったなラグナー!」
「お父様!?」
お婆さんから野太い聞き覚えのある声がする。
なんと、お婆さんは父親が変装した姿だったのだ!
全裸になって変装を脱ぎ捨てた変態……いや、父親は興奮しすぎて、まるで世紀末の悪役のようにゲヘヘと笑い舌舐めずりをする。
もはや国王というよりゴロツキといったほうが皆納得するレベルだ。
「身体が熱くて苦しい……はぁはぁ」
「媚薬を塗ったリンゴだったからな!」
なんと、父親はリンゴに媚薬を塗ってラグナーに盛ったのである。
とても父親が実の息子にするようなことではない。
「お前の貞操は俺のものだヒャッハー!」
下衆の極みのような高笑いが部屋に響く。
「イヤーーー!誰かーーーっ!」
ラグナーは、せめてもの足掻きにと悲鳴をあげるのだった。
しかし、その美しさに実の父親が興奮してしまい、継母はラグナーの貞操を守るためラグナーを森に逃がすことにしたのだ。
ちなみに、継母は元軍人の男である。
ラグナーの母親は少し前に謎の事故で亡くなってしまったのだ。
そして父親はすぐに継母と再婚をしたが、これに関しては前国王……つまりラグナーのお爺ちゃんの決定による政略結婚なのだ。
「ラグナー、あのカス野郎にケツ掘られないように逃げろ」
「お母様、お父様があんな腐れ野郎ですみません」
「気にするな。俺は平気だ。もしもの時は、プロレス技キメてでも止めるから安心して逃げろ」
「お母様……いつかお母様にだけはまた会いにきますから!だから別れの言葉は言いません!」
「あぁ、また会えることを願っているよ」
継母は、本当の母親のようにラグナーに優しい男である。
だからラグナーは、実の父親より継母によく懐いていた。
そのせいかよく継母は暗殺者に命を狙われていたが、継母は自慢の拳で暗殺者を倒してきた猛者だ。
ラグナーは、大好きな継母と離れるのは嫌だったけど、継母の好意を無にするわけにはいかない。
涙を流しながら、ラグナーは暗い森に走る。
父親に対する激しい恨みを胸に、継母に対する深い愛情を胸に、ひたすら走った。
どれぐらい走っただろうか?
疲れ切ったラグナーは、暗い森で座り込み一人でないていた。
すると、どこからともなく七人の子供がやってきて、ラグナーのことを心配して慰めてくれた。
「大丈夫?」
「怪我したの?」
「お腹空いた?」
「喉が乾いたのかな」
「お菓子食べる?」
「迷子かな」
「よしよし、いい子いい子」
「ふえぇ……皆ありがとうございます」
見知らぬ子供達の暖かい気持ちに、涙は余計に溢れ出る。
ラグナーは事情を子供達に話すと、子供達はラグナーに同情してくれた。
子供達は相談しあった結果、ラグナーを自分達のお家に案内することに決めた。
そして、その日からラグナーは子供達と一緒に暮らすことになったのだ。
ここ最近、森の中には不審者がウロチョロしている。
その不審者とは、隣国の第二王子ユリアスだ。
この森に美少年で有名なラグナーがいると聞いて、ラグナー目当てに数日間徘徊しているのである。
ラグナーが見つからないからウロチョロウロチョロ………その姿はどうみても不審者だった。
ラグナーが森にいるという情報は、裏社会の情報屋に聞いたのだ。
余程のことがなければ、情報屋に知らないことはない。
金さえ払えば、情報屋はどんな情報も売ってくれる。
………その情報網は謎に包まれている。
ちなみに、ラグナーの位置情報は森とはわかっても、細かい位置は謎の力でわからなかったから、地道にウロチョロしているのだ。
ある日、怪しいお婆さんがやってきた。
その日は子供達が森に行っていて、ラグナーは一人でお留守番中だったのだ。
お婆さんは、売り物だという美味しそうなリンゴを、試食としてラグナーにプレゼントしてくれる。
「まぁ!本当にいいんですか?」
「味の感想を聞きたいからいいんだよ」
「ありがとうございます!じゃあ、頂きます」
ラグナーは、怪しいとは思っていたけど、人を見た目で差別するのは良くないよねとリンゴを有り難く受け取った。
早速ラグナーはリンゴを食べてみる。
「モグモグ……うっ!?」
突然倒れて悶えるラグナー。
「ヒャッハー!罠に引っかかったなラグナー!」
「お父様!?」
お婆さんから野太い聞き覚えのある声がする。
なんと、お婆さんは父親が変装した姿だったのだ!
全裸になって変装を脱ぎ捨てた変態……いや、父親は興奮しすぎて、まるで世紀末の悪役のようにゲヘヘと笑い舌舐めずりをする。
もはや国王というよりゴロツキといったほうが皆納得するレベルだ。
「身体が熱くて苦しい……はぁはぁ」
「媚薬を塗ったリンゴだったからな!」
なんと、父親はリンゴに媚薬を塗ってラグナーに盛ったのである。
とても父親が実の息子にするようなことではない。
「お前の貞操は俺のものだヒャッハー!」
下衆の極みのような高笑いが部屋に響く。
「イヤーーー!誰かーーーっ!」
ラグナーは、せめてもの足掻きにと悲鳴をあげるのだった。
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