神様(?)に選ばれて勝ち確のデスゲームに参加することになった。

篠本

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森川 千秋

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    「千秋ー!起きなさーい!」
    あー、うるさい。もう朝かー。
    のそのそとベッドから出て洗面所にいき、歯を磨き、顔を洗う。パジャマを脱ぎ、制服を着て朝食をとり、自転車に乗り、家をでる。ここまではいつもと変わらない朝。ただ少し違ったのはこの後。自転車を漕いでいたときに後ろから声をかけられた。友達かな、と思い自転車を止めて振り返る。その時ちょうど居眠り運転のトラックが歩道に突っ込んできて私は轢かれた。









辺りが急に真っ白になった。と思ったら、目の前の白に割れ目のようなものが縦にスッとできてスッと横に割れた。そこから黒い帽子をかぶった猿が出てきた。
「どうも」
猿はいった。
「私はこの世界の神です。あなたは選ばれました。私が考えたゲームのプレイヤーに」
    え?なに言ってんのこの猿。てか私死んじゃったの?ココどこ?死後の世界?!これからどうなっちゃうの?!
「ハハハ、まあまあ、そんないっきに質問しないでください。いや、思わないでください、か」
「えっ、心が読めるの?!」
「ええ」
うわー、本物の神様だ。
「あ、あの私死んじゃったの?」
「まだ死んでませんよ。死ぬかどうかはゲームに参加するかどうかで決まります」
「参加しないと死んじゃう系ですか?」
「ええ」
まじでー。
「あぇー、ゲ、ゲームってどんな内容ですか?」
「プレイヤー同士で殺しあってもらうゲームです」
「こっ、殺しあい?!」
「はい。プレイヤーは各々に特殊能力を持つことができ、その能力を使って他のプレイヤーを殺します。最後に残った一人にはなんでも願いを叶えてあげます」
「な、なんでも?」
「はい。なんでも」
    まじかー。参加しないと死んじゃうしどっちにしろ参加することになるしなー。願いを叶えてもらえるって・・・まじかー。
「では、参加ってことでよろしいですね?」
「あ、あー、うーん、はい・・・」
「ありがとうございます。ではあなたにわたしの能力を貸してあげます。あなたが死ぬとその能力は私のもとに戻りますので」
    あー、神様に能力借りるんだ。
「では、この中から選んでください」
そう言うと猿は口の中に手を突っ込んでカードを吐き出した。
    きたなっ。
「はい、この中から選んでください。うぇッ」
    カードの数は50枚ほどで、表の方に能力の名前が、裏の方にその能力の説明が書いてあった。
    『移動』『透明』『真似』『消滅』『破壊』『透視』『予言』『再生』『寄生』『反射』『高速』『保管』『追跡』etc…
    パッと見で強そうだと思ったのは『破壊』と『消滅』かな?
    カードの裏を見て説明を見る。

『破壊』
        一度触れたことがあるものならどんな物でも破壊することができる。ただし破壊する対象が自分の視界に入っていないと破壊することはできない。

『消滅』
        一度触れたことがあるものならどんな物でも消滅することができる。ただし消滅する対象が自分の視界に入っていないと消滅することはできない。

    どっちも同じに見えるな・・・。よし!ここは「神様の言うとおり」で!
「ど・ち・ら・さ・ま・に・し・よ・う・か・な・て・ん・の・か・み・さ・の・い・う・と・お・り!ーーー ・・・ 『消滅』かー」
「決まりましたね。しかしそんな方法でいいんですか?生きるか死ぬかはこの能力で決まるかもしれないのに」
「え、でもどっちも同じ感じでしょ」
「そうですかね・・・。ま、いいでしょう。あなたの能力は『消滅』になりました。では、さようならー」
「さ、さようなら・・・」





    












    「千秋ー!起きなさーい!」
母の声が聞こえる。
「え?・・・戻ってきた?あ、夢?あぇー?あ、そうだ能力で確認・・・」
机の中にあったシャーペンに触れ、消滅しろ!と念じてみる。ーーーーーが、消滅しなかった。
「夢か・・・。なーんだ、よかったー」
ふと、蚊が前を飛んでいる。
「よっ(パチン)」
手で叩く。
「あ、逃がした。ん?あぇー!」
蚊は殺せなかったが代わりに視界からシャーペンが消えていた。
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