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九章おまけ
限界が来た ☆
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「ウィル~っ!!ウィル、ウィル~!!」
「ど、どうしたんだ?!サーク?!」
突然抱きついてきて頭をグリグリ擦りつけてくるサークにウィルは困惑した。
可愛いのだが、ちょっと様子が尋常ではない。
甘えん坊サークは大歓迎なのだが、今日はいつにも増して甘えん坊だし、情緒不安定な気がする。
ソファーの上、半ば押し倒されるように抱きつかれグリグリ甘えられる。
長期出張から帰ってきた時、自分をまだ子犬だと思いこんでる大型犬に容赦なく甘えられている様な気分だ。
困るんだけど……めちゃくちゃ可愛い……めちゃくちゃ愛おしい……。
ウィルは盛大に甘えてくるサークを抱きしめてよしよしと撫で続けた。
「ウィル~!!」
「何だ?サーク??」
「ううぅ~!大好き~っ!!」
「あはは!何だよそれ?!」
「好き好き好き好きっ!!愛してる!!」
「ありがとう。俺も愛してるよ?」
「ウィル~!!」
甘えん坊がすぎる。
一体どうしたのかわからないが、可愛いからいいやと思い、ウィルはサークをネコっかわいがりする。
「ん~、ウィルが足りない~。」
「足りないって何だよ?!」
「ウィル不足で死にそうなんだよ~っ!!」
よくわからないがサークが自分に夢中だと言う事がウィルには嬉しく、幸せな気持ちにさせてくれた。
グリグリ甘えるのが一段落すると、今度はクンクンと匂いを嗅がれる。
「ウィルの匂い~。落ち着く~。」
「あははっ!!くすぐったいって!!」
そう言われてみれば、自分もサークの匂いが久しぶりだ。
嗅がれながら相手の匂いをウィルも嗅いだ。
どんな匂いと聞かれても困るのだが、確かに安心する匂いだ。
「ウィル……。」
「ふふっ。甘えん坊さん……。」
グリグリして匂いを嗅いで落ち着いてきたサークは、もふんっと甘えながらウィルを見つめた。
ウィルは優しく頭を撫でながら、目尻にチュッとキスをした。
それを合図にしたように、サークはウィルの唇を塞いだ。
チュッチュッと啄み、角度を変えて何度もキスをする。
そうされてウィルは段々と悩ましい気分になってきた。
「サーク……。」
「ん~、もう少し……。」
「違う……もっとだ……。」
中々深く口付けて来ないので、ウィルは痺れを切らせてサークの首に腕を回した。
そして口を開いて誘い込む。
それまでのスキンシップとは違う妖艶な交わり。
濡れた音をさせ、互いの熱が混ざり合う。
「……ぁ……サーク……。」
「ウィル……。」
そのまま息苦しくなるまで貪り合う。
呼吸の苦しさからなのか涙が滲んできた。
「まだ……足らない……。もっと欲しい……。」
「ん……いいよ…サーク……。俺ももっと欲しい……。」
情熱は口の中で溶け合っても足りず、欲望に火が灯る。
口だけでは足りないのだと、お互いわかっていた。
「……ん……サーク……ベッド行こう……?」
「うん……。」
ソファーで絡み合うには、お互いの欲望が大きすぎた。
サークはウィルを抱き上げた。
それに思わずウィルが笑う。
「何回抱き上げられても何か変な感じがする。」
「えぇ?!俺、お姫様抱っこ下手なの?!」
「違うよ、サークが俺を抱き上げてると思うと、絵的に何か面白いなぁって思って。」
「……面白いの?!」
「うん。何か面白い。」
確かに王子様タイプのウィルを、たいして背丈も変わらない平凡なサークが抱き上げてるのはちょっと面白い構図かもしれない。
そう言われてぬぬぬっ?と考え込んだサークを、ウィルはクスッと笑った。
そして首筋に腕を絡め、頬を指で撫でてキスをした。
「……でも、サーク以外に抱き上げられるのは考えられないよ。王子様って感じじゃなくても、俺の夫はサークただ一人だから……。」
熱を帯びた眼差しをまともに受け、サークは腹の底でゾクッと欲望が蠢くのを感じた。
思わず足が動かなくなって、腕に力を込めた。
欲情したウィルは、サークの理性を壊す事など造作もないほど美しかったのだ。
「……何か、いまだにウィルが俺のものなんだって事が奇跡みたいで信じられなくなる……。夢だったらどうしよう……。」
「夢ではないけど、夢なら覚めるまで楽しめばいいんじゃないか??」
「ん~、そうする。夢なら覚めるまで余すとこなくウィルを味わいたい……。」
「そうしてくれ……。だから……早く……。」
ウィルが抱き上げられたままサークの首に絡みつき、首筋に甘い息を吹きかける。
そんなふうに甘えて来られたサークは我慢の限界だった。
これはもう抑えが効かなくなるパターンだが、ウィルの方もそれは承知しているだろう。
ならば!とサークは鼻息荒く意気込んだ。
その後のめくるめく展開を期待してベッドに向かおうとしたのだが……。
ドンドンドンドンっと言うけたたましい音で我に返った。
瞬間的に何が起きているのかわからず混乱する。
「サーク!いつまで寝てんのよ!!」
「お兄ちゃ~ん!朝だよ~!!」
「さっさとしなさいよ!!ドアぶち破るわよ?!」
寝室の向こう、リアナとラニが騒いでいる。
その声を聞いて現実に引き戻された。
「……マジか……。」
あまりの事に呆然とするが、ドンドン叩かれるドアをまずはどうにかしないとならない。
「起きた!起きたから騒ぐな!!」
「早くしなさいよ!!」
「ご飯食べたら、隊長さんが打ち合わせしたいって~!!」
「……あ~、わかった。」
返事をした事で、小さな嵐はやっと収まり、パタパタと去っていく。
時計を見れば、確かに良い時間だった。
昨夜はノルの手伝いをしたりして遅くなったのだ。
寝坊は致し方ない。
寝坊は致し方ないのだけれども……。
「…………マジかぁ~っ!!」
抱きかかえていた枕に顔を埋める。
もう、自分の感情に表現のしようがなかった。
いくらウィル不足だからといって、これはまずいだろう……。
いや、夢なのだから、せめて最後まで満足するまで見ていたかった……。
そのまましばらく動けずにいたが、早くしないとまた小さな嵐が戻ってくるだろう。
サークは仕方なく、のそのそと起き上がった。
「……勃たないんだな……こんなんでも……。」
腹の奥に燻るものは感じるが、相変わらずな自分の体質に苦笑いする。
まぁ、正常な体質だったらエラい事になっていただろうから、これでいいのかもしれないのだが……。
「は~。せめてもう少し満喫したかった……。」
夢に見た婚約者のぬくもりが恋しい。
あの肌を堪能したい。
思うがまま乱れさせて辱めたい。
「……俺……いつからこんなに性欲が強くなった訳……?!かなりキツイんだけど……?!」
収まりきらない欲望に困惑しながら、サークは仕方なく朝の支度を整え始めたのだった。
「ど、どうしたんだ?!サーク?!」
突然抱きついてきて頭をグリグリ擦りつけてくるサークにウィルは困惑した。
可愛いのだが、ちょっと様子が尋常ではない。
甘えん坊サークは大歓迎なのだが、今日はいつにも増して甘えん坊だし、情緒不安定な気がする。
ソファーの上、半ば押し倒されるように抱きつかれグリグリ甘えられる。
長期出張から帰ってきた時、自分をまだ子犬だと思いこんでる大型犬に容赦なく甘えられている様な気分だ。
困るんだけど……めちゃくちゃ可愛い……めちゃくちゃ愛おしい……。
ウィルは盛大に甘えてくるサークを抱きしめてよしよしと撫で続けた。
「ウィル~!!」
「何だ?サーク??」
「ううぅ~!大好き~っ!!」
「あはは!何だよそれ?!」
「好き好き好き好きっ!!愛してる!!」
「ありがとう。俺も愛してるよ?」
「ウィル~!!」
甘えん坊がすぎる。
一体どうしたのかわからないが、可愛いからいいやと思い、ウィルはサークをネコっかわいがりする。
「ん~、ウィルが足りない~。」
「足りないって何だよ?!」
「ウィル不足で死にそうなんだよ~っ!!」
よくわからないがサークが自分に夢中だと言う事がウィルには嬉しく、幸せな気持ちにさせてくれた。
グリグリ甘えるのが一段落すると、今度はクンクンと匂いを嗅がれる。
「ウィルの匂い~。落ち着く~。」
「あははっ!!くすぐったいって!!」
そう言われてみれば、自分もサークの匂いが久しぶりだ。
嗅がれながら相手の匂いをウィルも嗅いだ。
どんな匂いと聞かれても困るのだが、確かに安心する匂いだ。
「ウィル……。」
「ふふっ。甘えん坊さん……。」
グリグリして匂いを嗅いで落ち着いてきたサークは、もふんっと甘えながらウィルを見つめた。
ウィルは優しく頭を撫でながら、目尻にチュッとキスをした。
それを合図にしたように、サークはウィルの唇を塞いだ。
チュッチュッと啄み、角度を変えて何度もキスをする。
そうされてウィルは段々と悩ましい気分になってきた。
「サーク……。」
「ん~、もう少し……。」
「違う……もっとだ……。」
中々深く口付けて来ないので、ウィルは痺れを切らせてサークの首に腕を回した。
そして口を開いて誘い込む。
それまでのスキンシップとは違う妖艶な交わり。
濡れた音をさせ、互いの熱が混ざり合う。
「……ぁ……サーク……。」
「ウィル……。」
そのまま息苦しくなるまで貪り合う。
呼吸の苦しさからなのか涙が滲んできた。
「まだ……足らない……。もっと欲しい……。」
「ん……いいよ…サーク……。俺ももっと欲しい……。」
情熱は口の中で溶け合っても足りず、欲望に火が灯る。
口だけでは足りないのだと、お互いわかっていた。
「……ん……サーク……ベッド行こう……?」
「うん……。」
ソファーで絡み合うには、お互いの欲望が大きすぎた。
サークはウィルを抱き上げた。
それに思わずウィルが笑う。
「何回抱き上げられても何か変な感じがする。」
「えぇ?!俺、お姫様抱っこ下手なの?!」
「違うよ、サークが俺を抱き上げてると思うと、絵的に何か面白いなぁって思って。」
「……面白いの?!」
「うん。何か面白い。」
確かに王子様タイプのウィルを、たいして背丈も変わらない平凡なサークが抱き上げてるのはちょっと面白い構図かもしれない。
そう言われてぬぬぬっ?と考え込んだサークを、ウィルはクスッと笑った。
そして首筋に腕を絡め、頬を指で撫でてキスをした。
「……でも、サーク以外に抱き上げられるのは考えられないよ。王子様って感じじゃなくても、俺の夫はサークただ一人だから……。」
熱を帯びた眼差しをまともに受け、サークは腹の底でゾクッと欲望が蠢くのを感じた。
思わず足が動かなくなって、腕に力を込めた。
欲情したウィルは、サークの理性を壊す事など造作もないほど美しかったのだ。
「……何か、いまだにウィルが俺のものなんだって事が奇跡みたいで信じられなくなる……。夢だったらどうしよう……。」
「夢ではないけど、夢なら覚めるまで楽しめばいいんじゃないか??」
「ん~、そうする。夢なら覚めるまで余すとこなくウィルを味わいたい……。」
「そうしてくれ……。だから……早く……。」
ウィルが抱き上げられたままサークの首に絡みつき、首筋に甘い息を吹きかける。
そんなふうに甘えて来られたサークは我慢の限界だった。
これはもう抑えが効かなくなるパターンだが、ウィルの方もそれは承知しているだろう。
ならば!とサークは鼻息荒く意気込んだ。
その後のめくるめく展開を期待してベッドに向かおうとしたのだが……。
ドンドンドンドンっと言うけたたましい音で我に返った。
瞬間的に何が起きているのかわからず混乱する。
「サーク!いつまで寝てんのよ!!」
「お兄ちゃ~ん!朝だよ~!!」
「さっさとしなさいよ!!ドアぶち破るわよ?!」
寝室の向こう、リアナとラニが騒いでいる。
その声を聞いて現実に引き戻された。
「……マジか……。」
あまりの事に呆然とするが、ドンドン叩かれるドアをまずはどうにかしないとならない。
「起きた!起きたから騒ぐな!!」
「早くしなさいよ!!」
「ご飯食べたら、隊長さんが打ち合わせしたいって~!!」
「……あ~、わかった。」
返事をした事で、小さな嵐はやっと収まり、パタパタと去っていく。
時計を見れば、確かに良い時間だった。
昨夜はノルの手伝いをしたりして遅くなったのだ。
寝坊は致し方ない。
寝坊は致し方ないのだけれども……。
「…………マジかぁ~っ!!」
抱きかかえていた枕に顔を埋める。
もう、自分の感情に表現のしようがなかった。
いくらウィル不足だからといって、これはまずいだろう……。
いや、夢なのだから、せめて最後まで満足するまで見ていたかった……。
そのまましばらく動けずにいたが、早くしないとまた小さな嵐が戻ってくるだろう。
サークは仕方なく、のそのそと起き上がった。
「……勃たないんだな……こんなんでも……。」
腹の奥に燻るものは感じるが、相変わらずな自分の体質に苦笑いする。
まぁ、正常な体質だったらエラい事になっていただろうから、これでいいのかもしれないのだが……。
「は~。せめてもう少し満喫したかった……。」
夢に見た婚約者のぬくもりが恋しい。
あの肌を堪能したい。
思うがまま乱れさせて辱めたい。
「……俺……いつからこんなに性欲が強くなった訳……?!かなりキツイんだけど……?!」
収まりきらない欲望に困惑しながら、サークは仕方なく朝の支度を整え始めたのだった。
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