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第五章「さすらい編」
竜の谷
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気が付いた時、俺は岩山の少し開けた場所に寝転んでいた。
何だ?ここは?
何で俺、こんなところにいるんだ?
記憶がはっきりしない。
体を起こし、広がる大空を見上げる。
空には無数の鳥が自由に飛び回っていた。
そう、鳥が。
そのうちの1羽がこちらに降りて来ている。
……鳥?
大空から降りてくるそれは、ずいぶん大きな鳥のようで……。
だんだんとはっきりしてくるそれを見上げて、俺は少しずつ青ざめていった。
鳥じゃない!!
竜だ!!
俺がそれを認識した時には、そいつは俺の目の前に降り立っていた。
絵本やおとぎ話でしか知らないそれが、まさに目の前にいた。
ヤバい。
食われるのか!?俺!?
そいつはのっしのっしと俺に近づき、キュルクルと喉を鳴らして、不思議そうに首をかしげた。
生まれて初めて見た竜に、俺は度肝を抜かれて動くこともできない。
そいつは俺に顔を近づけると、ふんふんと凄い鼻息をかけた後、ぱかっと大きな口を開いた。
あ、終わった……。
俺の上半身の殆どがそいつの口に収まった。
ベロンベロン舐め回される。
……ん!?
何だ?こいつ……食べないのか!?
竜は俺を口から出すと、今度は顔をぐいぐいと押し付けてきた。
あ、圧が凄い!
俺の体はどたんと押し倒されたが、竜は構わず、グリグリと頭を押し付けてくる。
待ってくれ!
圧死するから!!
どうやら竜は遊んでいるだけのようだが、そこはねずみと大型犬くらいの差があり、悪気なく殺されそうだ。
(サーク!サーク!)
(お兄ちゃん!そのままじっとしてて!)
囁くような声が聞こえ顔を向けると、リアナとラニが岩影から顔を出し、俺に落ち着くように訴えていた。
落ち着くもくそも、成す術無いんだが……。
リアナがゆっくりこちらに来て、竜に触れた。
「ほら、いい子。離してあげて?」
リアナが竜の気を引いているうちに、ラニが近くに来てくれた。
「大丈夫?お兄ちゃん?」
「いや、うん……大丈夫だ……。」
血の気が引きながらも、何とかそう答えた。
竜はリアナに鼻先を撫でてもらうと離れていき、翼をはためかせて飛んでいく。
飛ぶ時の風圧で巻き上がった砂や小石が、竜の唾液で濡れていた俺にこびりついた。
ぼんやりと、飛び去るそれを見送る。
「……なぁ?あの鳥みたいのって……全部竜?」
「全部竜だよ?」
ラニには当たり前の光景なのだろう。
きょとんとした様子でそう言った。
いやいやそんなあっさり言わないで……。
俺は信じがたいものを見ていた。
「全く!移転中にいきなり落ちるからびっくりしたじゃない!!」
そこにリアナがいつもの調子で言ってくる。
どうやら俺はポータルからここに移る際、途中で落ちたらしい。
全く記憶にございませんが……。
「落ちたのがここで良かったわ。町の真ん中とかだと、もう何の言い訳も出来ないもん。」
「でも危なかったね~。お兄ちゃん、じっとしててくれて良かったよ。」
「騒いだりましてや攻撃とかしてたらアウトだったわね。」
「……やっぱあれ、ヤバかったのか?」
「うん。騒いだら多分みんな降りてきた。」
「攻撃なんかしてたら総攻撃食らって、今頃肉片ね。」
しれっという二人。
俺はぞっとした。
あの時、腰が抜けてて良かった……。
「でも珍しいのよ?」
「何が?」
「初めて見る人間にあそこまで懐くなんて。村の人でもないのに……。」
「懐く?!あれが?!」
「でもあの子はまだ小さいから、村の人かとかは関係なかったのかもしれないよ。」
「え?ちょっと待って!?あれが小さい子なのか!?」
「そうよ?体はだいたい大人と同じになってきたけど、飛べるようになって1年くらいの赤ちゃんよ?」
………………。
竜の成長速度はわからないが、全てがインパクトがありすぎて、情報の処理が間に合わない。
俺はくたっとその場に寝転んだ。
「大丈夫!?お兄ちゃん!!」
「あ~~、何とか~~。」
「何よ、だらしないわね?」
だらしないって……俺、竜初めて見たんですけどね……。
リアナとラニにそう言われながら、俺は大空を竜が飛んでいるのをしばらく眺めた。
とうとう来たんだ……。
竜の谷に……。
ウィルのいる場所に……。
「何か、冗談じゃなくて、落ちたのが竜の巣で良かったわ。」
俺はあの後、ふたりに小さな小屋のような家に案内された。
「……ここは?」
「竜の世話役さんの家。今は誰も住んでなくて、私たちが世話をするのに使ってる。」
「だから、お兄ちゃんはここを拠点にするといいよ。」
「竜の世話役?」
「そう、前の人はここに住み込みでやってたらしいんだけど、僕たちは子供だから村に住んでて、お世話の時だけここを使うの。」
「水瓶の水も大丈夫ね。私たち以外に見つからないでよ?サーク。」
何か聞きたいことはたくさんあったが、ひとまずそれは置いておこう。
「村はどこに?」
俺が強ばった顔で聞くと、リアナが脛を蹴ってきた。
「痛っ!!」
「落ち着きなさいよ!急いては事を仕損じるって言うでしょ!?」
「だが……っ!!」
「落ち着いて、お兄ちゃん。とりあえず僕たちが村に行ってくるから、少し待ってて。」
「私たちもしばらく村を離れてたから、どういう状況かわからないのよ。」
確かにその通りだ。
リアナもラニも向こうで人攫いに捕まっていたのだ。
ウィルが戻された話を知らなかった事からも、まずは二人に村でどういう話になっているのか確認してもらうべきだろう。
せっかく心強い味方がいてくれるのだ。
闇雲に動くより情報が欲しい。
「……わかった。頼めるか?」
「うん。任せてよ、お兄ちゃん!」
「乗り掛かった船だしね。サークが見つかると私たちもヤバいかもしれないんだから、おとなしくしててよね。」
「ありがとう。リアナ、ラニ。」
知らない場所ではあるが、リアナとラニがいることは俺には大きかった。
それはそうと俺には気になっていた事があり、何の気なしにふたりにそれを聞いた。
「そう言えば、ふたりは何で村を出たんだ?」
迷子がどうとか言ってたな……。
家畜の羊とかヤギだろうか?
俺の言葉にリアナとラニは顔を見合わせると答えた。
「ある子が外に出ちゃったのよ。」
「普通は皆、出たがらないからびっくりしたの。それで探しに……。」
「……ある子って、まさか……。」
「だから竜よ。私たち、竜の世話役だし。後で戻ってきてるか確かめないと……。」
そう心配する二人。
俺は何も言えなかった。
多分、その子はもう……。
胸の中で繋がってほしくない考えが繋がっていく。
けれどそれを俺は話せなかった。
何だ?ここは?
何で俺、こんなところにいるんだ?
記憶がはっきりしない。
体を起こし、広がる大空を見上げる。
空には無数の鳥が自由に飛び回っていた。
そう、鳥が。
そのうちの1羽がこちらに降りて来ている。
……鳥?
大空から降りてくるそれは、ずいぶん大きな鳥のようで……。
だんだんとはっきりしてくるそれを見上げて、俺は少しずつ青ざめていった。
鳥じゃない!!
竜だ!!
俺がそれを認識した時には、そいつは俺の目の前に降り立っていた。
絵本やおとぎ話でしか知らないそれが、まさに目の前にいた。
ヤバい。
食われるのか!?俺!?
そいつはのっしのっしと俺に近づき、キュルクルと喉を鳴らして、不思議そうに首をかしげた。
生まれて初めて見た竜に、俺は度肝を抜かれて動くこともできない。
そいつは俺に顔を近づけると、ふんふんと凄い鼻息をかけた後、ぱかっと大きな口を開いた。
あ、終わった……。
俺の上半身の殆どがそいつの口に収まった。
ベロンベロン舐め回される。
……ん!?
何だ?こいつ……食べないのか!?
竜は俺を口から出すと、今度は顔をぐいぐいと押し付けてきた。
あ、圧が凄い!
俺の体はどたんと押し倒されたが、竜は構わず、グリグリと頭を押し付けてくる。
待ってくれ!
圧死するから!!
どうやら竜は遊んでいるだけのようだが、そこはねずみと大型犬くらいの差があり、悪気なく殺されそうだ。
(サーク!サーク!)
(お兄ちゃん!そのままじっとしてて!)
囁くような声が聞こえ顔を向けると、リアナとラニが岩影から顔を出し、俺に落ち着くように訴えていた。
落ち着くもくそも、成す術無いんだが……。
リアナがゆっくりこちらに来て、竜に触れた。
「ほら、いい子。離してあげて?」
リアナが竜の気を引いているうちに、ラニが近くに来てくれた。
「大丈夫?お兄ちゃん?」
「いや、うん……大丈夫だ……。」
血の気が引きながらも、何とかそう答えた。
竜はリアナに鼻先を撫でてもらうと離れていき、翼をはためかせて飛んでいく。
飛ぶ時の風圧で巻き上がった砂や小石が、竜の唾液で濡れていた俺にこびりついた。
ぼんやりと、飛び去るそれを見送る。
「……なぁ?あの鳥みたいのって……全部竜?」
「全部竜だよ?」
ラニには当たり前の光景なのだろう。
きょとんとした様子でそう言った。
いやいやそんなあっさり言わないで……。
俺は信じがたいものを見ていた。
「全く!移転中にいきなり落ちるからびっくりしたじゃない!!」
そこにリアナがいつもの調子で言ってくる。
どうやら俺はポータルからここに移る際、途中で落ちたらしい。
全く記憶にございませんが……。
「落ちたのがここで良かったわ。町の真ん中とかだと、もう何の言い訳も出来ないもん。」
「でも危なかったね~。お兄ちゃん、じっとしててくれて良かったよ。」
「騒いだりましてや攻撃とかしてたらアウトだったわね。」
「……やっぱあれ、ヤバかったのか?」
「うん。騒いだら多分みんな降りてきた。」
「攻撃なんかしてたら総攻撃食らって、今頃肉片ね。」
しれっという二人。
俺はぞっとした。
あの時、腰が抜けてて良かった……。
「でも珍しいのよ?」
「何が?」
「初めて見る人間にあそこまで懐くなんて。村の人でもないのに……。」
「懐く?!あれが?!」
「でもあの子はまだ小さいから、村の人かとかは関係なかったのかもしれないよ。」
「え?ちょっと待って!?あれが小さい子なのか!?」
「そうよ?体はだいたい大人と同じになってきたけど、飛べるようになって1年くらいの赤ちゃんよ?」
………………。
竜の成長速度はわからないが、全てがインパクトがありすぎて、情報の処理が間に合わない。
俺はくたっとその場に寝転んだ。
「大丈夫!?お兄ちゃん!!」
「あ~~、何とか~~。」
「何よ、だらしないわね?」
だらしないって……俺、竜初めて見たんですけどね……。
リアナとラニにそう言われながら、俺は大空を竜が飛んでいるのをしばらく眺めた。
とうとう来たんだ……。
竜の谷に……。
ウィルのいる場所に……。
「何か、冗談じゃなくて、落ちたのが竜の巣で良かったわ。」
俺はあの後、ふたりに小さな小屋のような家に案内された。
「……ここは?」
「竜の世話役さんの家。今は誰も住んでなくて、私たちが世話をするのに使ってる。」
「だから、お兄ちゃんはここを拠点にするといいよ。」
「竜の世話役?」
「そう、前の人はここに住み込みでやってたらしいんだけど、僕たちは子供だから村に住んでて、お世話の時だけここを使うの。」
「水瓶の水も大丈夫ね。私たち以外に見つからないでよ?サーク。」
何か聞きたいことはたくさんあったが、ひとまずそれは置いておこう。
「村はどこに?」
俺が強ばった顔で聞くと、リアナが脛を蹴ってきた。
「痛っ!!」
「落ち着きなさいよ!急いては事を仕損じるって言うでしょ!?」
「だが……っ!!」
「落ち着いて、お兄ちゃん。とりあえず僕たちが村に行ってくるから、少し待ってて。」
「私たちもしばらく村を離れてたから、どういう状況かわからないのよ。」
確かにその通りだ。
リアナもラニも向こうで人攫いに捕まっていたのだ。
ウィルが戻された話を知らなかった事からも、まずは二人に村でどういう話になっているのか確認してもらうべきだろう。
せっかく心強い味方がいてくれるのだ。
闇雲に動くより情報が欲しい。
「……わかった。頼めるか?」
「うん。任せてよ、お兄ちゃん!」
「乗り掛かった船だしね。サークが見つかると私たちもヤバいかもしれないんだから、おとなしくしててよね。」
「ありがとう。リアナ、ラニ。」
知らない場所ではあるが、リアナとラニがいることは俺には大きかった。
それはそうと俺には気になっていた事があり、何の気なしにふたりにそれを聞いた。
「そう言えば、ふたりは何で村を出たんだ?」
迷子がどうとか言ってたな……。
家畜の羊とかヤギだろうか?
俺の言葉にリアナとラニは顔を見合わせると答えた。
「ある子が外に出ちゃったのよ。」
「普通は皆、出たがらないからびっくりしたの。それで探しに……。」
「……ある子って、まさか……。」
「だから竜よ。私たち、竜の世話役だし。後で戻ってきてるか確かめないと……。」
そう心配する二人。
俺は何も言えなかった。
多分、その子はもう……。
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