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第六章「副隊長編」
天国と地獄
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軽めに事を済ませると、俺は体を起こした。
箱の上で脱力して余韻に浸るウィルは、何とも言えない色気があった。
「大丈夫?」
「ん……。でも、あんまり後ろは煽らないで欲しかった……。」
「何で?気持ち良くなかった?」
ちゃんと中イキさせられたと思ったんだけど、やっぱり太いの入れないと満足できなかったかな?
俺が困った顔をすると、火照った顔でウィルが笑った。
「馬鹿。気持ち良かったから困ってるんだ。」
「どういう事??」
「……。あのさ、俺、午後も馬に乗るんだよ?」
俺は意味がわかって赤面してしまった。
うわ~、つか、そんなウィルを人前にさらすとか、俺、嫌なんだけど……。
「ごめん!魔術で回復かけるわ。少しはマシになると思う。」
「もう少し待って……。このままでいたい……。」
そう言って汗ばんだ顔で微笑むウィルは、艶っぽくてとても綺麗だ。
神様、何でこんな悩ましい人をこの世に生み出したんですか!?
俺、性欲ないけど、ウィルの色気は本当、精神衛生上、良くないよ……。
俺は汗で張り付いているウィルの髪をすいた。
そのまま優しく顔を撫でる。
「今夜、そっちに行ってもいい?」
「……どうしようかな?」
「だって!寮に入ったらそうもいかなくなるんだから!いいだろ?」
「考えておく。」
ウィルは悪戯っぽく笑った。
何か手玉にとられてるよな、俺。
ウィルは俺に溺れそうで怖いって言ったけど、俺の方はすでに溺れて骨抜きなんじゃないかと思った。
「何か、機嫌いいな?」
机に向かっていると、ガスパーが気味悪そうにそう言った。
もう何とでも言ってくれ。
「昼に美味しいもの食べて、少し運動したからさ~。」
「ふ~ん。まぁ、脳筋は体動かさないとパンクするからな。」
「いや、だから俺、脳筋じゃないから。」
ライルさんは今日はお休みだ。
結婚式までもうあまりないし、ガスパーもいるから、気にせず有給を取ってもらった。
「そう言えばガスパーはライルさんの結婚式、来るのか?」
「あ~、声はかけられたけど、行かねぇ。後々、面倒になるとお互いやり辛れぇし。まだ表立った付き合いには早ええからな~。」
どうやら御家関係の問題らしい。
なんでもガスパーの本家の誰かが内定していた職種にライルさんのお父さんがついてから、本家の手前、表向きは一歩置いているんだとか。
本当、貴族って面倒くさいな。
「ふ~ん。何か渡すもんとかあれば、持ってくぞ?」
「ん、頼むわ。」
ガスパーはそう言いながら、眼鏡を外した。
目頭を揉んでいる。
「お前、昼休みちゃんととったのか?」
「とったよ。」
嘘だな、だって書類の整理が終わってる。
何でそんな無理するんだよ?
そんでもって、何でそれを隠そうとするんだよ?
だからと言って、それを指摘するのもガスパーには逆効果だろう。
「ちょっと、ここに座れ。」
「は?」
「いいから座れ。」
俺はデスクチェアーから立ち上がり、無理矢理ガスパーを座らせた。
「おいっ!!」
「いいからおとなしくしてろ。副隊長代理命令だ。」
俺はハンドタオルを二枚、手桶で濡らした。
そして一枚をガスパーの目に、一枚を首もとに当てた。
「おい!?」
「少しおとなしくしてろって。」
俺は魔術で目元のタオルを冷やし、首と肩に当てたタオルを温めた。
ガスパーは俺が何をしているのかわかったらしく、力を抜いておとなしくなった。
だいぶ気の流れも固まってる。
「なぁ、大きい木を思い浮かべろ。」
「は?」
「いいから。木は根から水を吸うだろ?」
「はあ。」
「その水は、葉から蒸発するんだ。」
「だな?それがなんだ?」
「自分が木になって、根から水を吸って、葉から蒸発させてるつもりになれ。」
「なんだそれ??」
「いいから!!」
ガスパーは訳がわからなそうだったが、目元を冷やされ、首もとを温められてリラックスしてきていたのか、おとなしくそれを考えたようだ。
想像力が足りないのか、気に対する鍛練が足りないのか、サムのようにうまくいかない。
だが一応それなりに気の滞りが流れ始める。
「あ~、何か気持ちいいかも。」
「だろうな。お前、めちゃくちゃ気の流れが悪い。お前こそ、もっと体を動かした方がいいぞ?鍛練しろ、鍛練。一応、警護部隊の騎士だろ?」
「どうせやったって、そんな強くなれねぇし。」
「別に剣が強くならなくても、お前はお前の武器があるんだから関係ないだろ?」
俺がそう言うと、ガスパーは黙ってしまった。
しばらく無言のまま、それを続けた。
だいぶ気の流れも良くなる。
全く、休憩を潰してまで仕事すんなっての。
「楽になったか?」
「……ああ。」
「次、休憩とらないで仕事したら、全身マッサージしてやるから、覚悟しろ。」
「何、その脅し、笑うんだけど?」
「あ!?なら全身マッサージしてやろうか!?」
「やめろよ!!馬鹿野郎っ!!」
ガスパーは慌てて俺の手を押し退け、立ち上がった。
顔が真っ赤だ。
思ったより脅しが効いたようだ。
俺は上司ぶって偉そうにガスパーに言った。
「いいな?ちゃんと休憩をとること。」
「わかったよ……。」
なんだかあのガスパーが、しおらしくておかしかった。
そんな事をしていたら、部屋のドアがノックされる。
誰かと思ったら、イヴァンだった。
何の用だろう?
王宮での警護の打ち合わせって、今日じゃなかったよな?
「げっ!!」
何故かイヴァンを見たガスパーが、潰れたカエルみたいな声を上げた。
イヴァンの方はいつもの爽やかな笑顔だ。
「サークさん!お久しぶりです!ガスパーが補佐やってると聞いたので、からかいに来ました。」
おいおい、爽やかな笑顔で言う言葉じゃなくないか?
俺は苦笑した。
イヴァンは今日は別宮勤務らしい。
ギルが王宮の方に行っているから、久しぶりにこっちに来たようだ。
俺が副隊長代理になって、警護なんかの仕事の補佐はイヴァンがやってくれる事になっている。
だから今のところ、ギルかイヴァンのどちらかが王宮に勤務する形をとってる。
事務仕事の流れをやったので、来週辺りから王宮警護の仕事も始まるだろう。
イヴァンには色々と教えてもらう事になるな。
それにしても、だ。
なんだ?イヴァンとガスパーって、何か関係あるのか?
そう言えばいつかの飲み会の時、一緒にきてたよな??
「何?お前ら、知り合い??」
「ちげぇ!親同士が交流があっただけだ。」
「そうなんです。僕とガスパー、幼馴染みなんですよ。」
ほ~う。
幼馴染みとか、そう言うのぶっ込んでくるんだ。
俺は繁々とふたりを眺めた。
「あ、勘違いしないで下さい。ガスパーは僕の守備範囲外です。じゃなきゃこんな長々、幼馴染みじゃないですよ。」
「は!?俺だって、てめえみたいな張り子の偽善者面した奴は趣味じゃねえっ!!」
張り子の偽善者って、いい得て妙だな、ガスパー。
俺は少し笑ってしまった。
そう言われても、イヴァンはにこにこ笑っている。
そして意味ありげにガスパーに笑いかけた。
「でも、好きになる人は少し被る時あるよな?」
「は!?……お前!!まさかっ!!」
「大丈夫!大丈夫!ガスパーの意中の人、僕も多少いいなと思う所はあるけど、面白いから観察専門かな。」
ふ~ん。幼馴染みって何でも知ってるんだな。
つか、ガスパーってまともな友達もいたんだ。
変な仲間とつるんでるイメージが強かったから、何か意外だ。
それにしても……。
「え…!?ガスパーって好きな人、いんの!?」
「ええ。な?」
「お前!!黙れよっ!!」
「凄く無自覚な人で、多分、相手は気づいてないと思いますよ?」
「ええ?何だよそれ?可哀想じゃん?」
「黙れ!!イヴァンっ!!」
「ガスパー素直じゃないもんな?好きなヤツには素直になった方がいいぞ?」
俺の言葉にガスパーは真っ赤になって悔しそうに俯いた。
そしてイヴァンを睨み付けて、グーパンした。
イヴァンは軽く受け流して笑っていた。
ふたりとも、それまで見たことない感じでやりあってる。
何か幼馴染みって感じでいいな。
しみじみそんな事を思っていた俺に、イヴァンが意味ありげに言った。
「サークさんて、残酷ですよね~。」
「は!?何で俺が酷く言われるの!?」
「だって、シルクさんの事といい、他の人といい。僕はサークさんには惚れないようにします。」
「いや、惚れなくていいから。」
何だかよくわからない恋愛話?になってしまった。
ガスパーは可愛そうにソファーで項垂れてる。
こいつ、本当に爽やかな笑顔で、いい性格してるよな……。
「お前、それだけの為に来たのか?イヴァン?」
「あ、そうそう、忘れてました。僕、ウィルさんと同室になりそうなんで、お知らせに来たんですよ。」
そしてイヴァンの口から出た、爆弾発言。
俺は固まった。
は!?
ウィルの同室がイヴァン!?
「そんなの駄目に決まってるだろ~っ!!」
機嫌よく始まった午後は一転、最悪な午後に変わっていった。
箱の上で脱力して余韻に浸るウィルは、何とも言えない色気があった。
「大丈夫?」
「ん……。でも、あんまり後ろは煽らないで欲しかった……。」
「何で?気持ち良くなかった?」
ちゃんと中イキさせられたと思ったんだけど、やっぱり太いの入れないと満足できなかったかな?
俺が困った顔をすると、火照った顔でウィルが笑った。
「馬鹿。気持ち良かったから困ってるんだ。」
「どういう事??」
「……。あのさ、俺、午後も馬に乗るんだよ?」
俺は意味がわかって赤面してしまった。
うわ~、つか、そんなウィルを人前にさらすとか、俺、嫌なんだけど……。
「ごめん!魔術で回復かけるわ。少しはマシになると思う。」
「もう少し待って……。このままでいたい……。」
そう言って汗ばんだ顔で微笑むウィルは、艶っぽくてとても綺麗だ。
神様、何でこんな悩ましい人をこの世に生み出したんですか!?
俺、性欲ないけど、ウィルの色気は本当、精神衛生上、良くないよ……。
俺は汗で張り付いているウィルの髪をすいた。
そのまま優しく顔を撫でる。
「今夜、そっちに行ってもいい?」
「……どうしようかな?」
「だって!寮に入ったらそうもいかなくなるんだから!いいだろ?」
「考えておく。」
ウィルは悪戯っぽく笑った。
何か手玉にとられてるよな、俺。
ウィルは俺に溺れそうで怖いって言ったけど、俺の方はすでに溺れて骨抜きなんじゃないかと思った。
「何か、機嫌いいな?」
机に向かっていると、ガスパーが気味悪そうにそう言った。
もう何とでも言ってくれ。
「昼に美味しいもの食べて、少し運動したからさ~。」
「ふ~ん。まぁ、脳筋は体動かさないとパンクするからな。」
「いや、だから俺、脳筋じゃないから。」
ライルさんは今日はお休みだ。
結婚式までもうあまりないし、ガスパーもいるから、気にせず有給を取ってもらった。
「そう言えばガスパーはライルさんの結婚式、来るのか?」
「あ~、声はかけられたけど、行かねぇ。後々、面倒になるとお互いやり辛れぇし。まだ表立った付き合いには早ええからな~。」
どうやら御家関係の問題らしい。
なんでもガスパーの本家の誰かが内定していた職種にライルさんのお父さんがついてから、本家の手前、表向きは一歩置いているんだとか。
本当、貴族って面倒くさいな。
「ふ~ん。何か渡すもんとかあれば、持ってくぞ?」
「ん、頼むわ。」
ガスパーはそう言いながら、眼鏡を外した。
目頭を揉んでいる。
「お前、昼休みちゃんととったのか?」
「とったよ。」
嘘だな、だって書類の整理が終わってる。
何でそんな無理するんだよ?
そんでもって、何でそれを隠そうとするんだよ?
だからと言って、それを指摘するのもガスパーには逆効果だろう。
「ちょっと、ここに座れ。」
「は?」
「いいから座れ。」
俺はデスクチェアーから立ち上がり、無理矢理ガスパーを座らせた。
「おいっ!!」
「いいからおとなしくしてろ。副隊長代理命令だ。」
俺はハンドタオルを二枚、手桶で濡らした。
そして一枚をガスパーの目に、一枚を首もとに当てた。
「おい!?」
「少しおとなしくしてろって。」
俺は魔術で目元のタオルを冷やし、首と肩に当てたタオルを温めた。
ガスパーは俺が何をしているのかわかったらしく、力を抜いておとなしくなった。
だいぶ気の流れも固まってる。
「なぁ、大きい木を思い浮かべろ。」
「は?」
「いいから。木は根から水を吸うだろ?」
「はあ。」
「その水は、葉から蒸発するんだ。」
「だな?それがなんだ?」
「自分が木になって、根から水を吸って、葉から蒸発させてるつもりになれ。」
「なんだそれ??」
「いいから!!」
ガスパーは訳がわからなそうだったが、目元を冷やされ、首もとを温められてリラックスしてきていたのか、おとなしくそれを考えたようだ。
想像力が足りないのか、気に対する鍛練が足りないのか、サムのようにうまくいかない。
だが一応それなりに気の滞りが流れ始める。
「あ~、何か気持ちいいかも。」
「だろうな。お前、めちゃくちゃ気の流れが悪い。お前こそ、もっと体を動かした方がいいぞ?鍛練しろ、鍛練。一応、警護部隊の騎士だろ?」
「どうせやったって、そんな強くなれねぇし。」
「別に剣が強くならなくても、お前はお前の武器があるんだから関係ないだろ?」
俺がそう言うと、ガスパーは黙ってしまった。
しばらく無言のまま、それを続けた。
だいぶ気の流れも良くなる。
全く、休憩を潰してまで仕事すんなっての。
「楽になったか?」
「……ああ。」
「次、休憩とらないで仕事したら、全身マッサージしてやるから、覚悟しろ。」
「何、その脅し、笑うんだけど?」
「あ!?なら全身マッサージしてやろうか!?」
「やめろよ!!馬鹿野郎っ!!」
ガスパーは慌てて俺の手を押し退け、立ち上がった。
顔が真っ赤だ。
思ったより脅しが効いたようだ。
俺は上司ぶって偉そうにガスパーに言った。
「いいな?ちゃんと休憩をとること。」
「わかったよ……。」
なんだかあのガスパーが、しおらしくておかしかった。
そんな事をしていたら、部屋のドアがノックされる。
誰かと思ったら、イヴァンだった。
何の用だろう?
王宮での警護の打ち合わせって、今日じゃなかったよな?
「げっ!!」
何故かイヴァンを見たガスパーが、潰れたカエルみたいな声を上げた。
イヴァンの方はいつもの爽やかな笑顔だ。
「サークさん!お久しぶりです!ガスパーが補佐やってると聞いたので、からかいに来ました。」
おいおい、爽やかな笑顔で言う言葉じゃなくないか?
俺は苦笑した。
イヴァンは今日は別宮勤務らしい。
ギルが王宮の方に行っているから、久しぶりにこっちに来たようだ。
俺が副隊長代理になって、警護なんかの仕事の補佐はイヴァンがやってくれる事になっている。
だから今のところ、ギルかイヴァンのどちらかが王宮に勤務する形をとってる。
事務仕事の流れをやったので、来週辺りから王宮警護の仕事も始まるだろう。
イヴァンには色々と教えてもらう事になるな。
それにしても、だ。
なんだ?イヴァンとガスパーって、何か関係あるのか?
そう言えばいつかの飲み会の時、一緒にきてたよな??
「何?お前ら、知り合い??」
「ちげぇ!親同士が交流があっただけだ。」
「そうなんです。僕とガスパー、幼馴染みなんですよ。」
ほ~う。
幼馴染みとか、そう言うのぶっ込んでくるんだ。
俺は繁々とふたりを眺めた。
「あ、勘違いしないで下さい。ガスパーは僕の守備範囲外です。じゃなきゃこんな長々、幼馴染みじゃないですよ。」
「は!?俺だって、てめえみたいな張り子の偽善者面した奴は趣味じゃねえっ!!」
張り子の偽善者って、いい得て妙だな、ガスパー。
俺は少し笑ってしまった。
そう言われても、イヴァンはにこにこ笑っている。
そして意味ありげにガスパーに笑いかけた。
「でも、好きになる人は少し被る時あるよな?」
「は!?……お前!!まさかっ!!」
「大丈夫!大丈夫!ガスパーの意中の人、僕も多少いいなと思う所はあるけど、面白いから観察専門かな。」
ふ~ん。幼馴染みって何でも知ってるんだな。
つか、ガスパーってまともな友達もいたんだ。
変な仲間とつるんでるイメージが強かったから、何か意外だ。
それにしても……。
「え…!?ガスパーって好きな人、いんの!?」
「ええ。な?」
「お前!!黙れよっ!!」
「凄く無自覚な人で、多分、相手は気づいてないと思いますよ?」
「ええ?何だよそれ?可哀想じゃん?」
「黙れ!!イヴァンっ!!」
「ガスパー素直じゃないもんな?好きなヤツには素直になった方がいいぞ?」
俺の言葉にガスパーは真っ赤になって悔しそうに俯いた。
そしてイヴァンを睨み付けて、グーパンした。
イヴァンは軽く受け流して笑っていた。
ふたりとも、それまで見たことない感じでやりあってる。
何か幼馴染みって感じでいいな。
しみじみそんな事を思っていた俺に、イヴァンが意味ありげに言った。
「サークさんて、残酷ですよね~。」
「は!?何で俺が酷く言われるの!?」
「だって、シルクさんの事といい、他の人といい。僕はサークさんには惚れないようにします。」
「いや、惚れなくていいから。」
何だかよくわからない恋愛話?になってしまった。
ガスパーは可愛そうにソファーで項垂れてる。
こいつ、本当に爽やかな笑顔で、いい性格してるよな……。
「お前、それだけの為に来たのか?イヴァン?」
「あ、そうそう、忘れてました。僕、ウィルさんと同室になりそうなんで、お知らせに来たんですよ。」
そしてイヴァンの口から出た、爆弾発言。
俺は固まった。
は!?
ウィルの同室がイヴァン!?
「そんなの駄目に決まってるだろ~っ!!」
機嫌よく始まった午後は一転、最悪な午後に変わっていった。
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