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分子生物学?分子調理学?分子調理法?3Dプリンターで作る料理とは?

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分子生物学?分子調理学、分子調理法?3Dプリンターで作る料理とは?

私の経験からざっくりと分子生物学を説明すると大体こんな感じになります。

分子生物学が1938年に提唱、ワトソン・クリックのDNA2重らせん構造の発見、メッセンジャーRNAが発見され、分子レベルで生物学をとらえようとする研究は高等生物にまで及んできた。その後遺伝子組み換えが可能になって分子生物学は基礎的な学問として医療をはじめ様々な分野で学ばれている。


ところで、ある日SNSで分子調理学という言葉を見た時、私はとにかくびっくりです。

生物学から分子生物学という分野が派生してきたのは2重らせん構造の発見と技術的な進歩の経緯があるからです。

では調理学から分子調理学という分野が派生するきっかけは今のところ決定打となる発見はなさそうです。分子調理学が今後成立するなら、今は分子生物学が1938年提唱されたときと同じ状況かなと思います。

先輩や同級生の名前を思い出してググってみると遺伝子解析から疾病の予防につながるテイラーメイドの食事を考える分子栄養学、分子食品学という分野も提唱され始めています。

調理学を分子レベルで考える分子調理学、分子調理法についていえば、日本家政学会誌70-10に掲載された宮城大学石川伸一氏の論文の一部を見させていただきました。生物学に分子生物学の分野ができたことを考えるとき、調理学や調理方法に分子をつけて新しい分野、分子調理学、分子調理法とするのにやや抵抗がありました。

石川先生は、最終的に3Ⅾプリンターで食事を作るようになる世界まで書いています。NASAの研究とか。

食材から原料を作りカートリッジに入れ3Ⅾプリンターで作り出す。可能になるかは別としてそれを食べて満足できるのか、幸せな気持ちになるのかと言われれば疑問です。中田さんの動画で「NASAが開発、推奨ってNASAという言葉に弱いんですよね」と言った事が印象に残っています。いえ、男の人はNASAっていう言葉に弱いって思っているわけではありませんが。ともかく、今後の学問の成果に期待します。プリンターで食事ができるってSF映画の世界が近づいているのかもしれません。

なんだか、難しい感じのお話はここまでです。

分子レベルで調理を考えることはもうずっと昔から行われてきました。

食感を数字で表すテクスチュロメーター、香を分析するガスクロマトグラフィーも古典的な分析機器です。

私が学生の頃に比べると、成分の解析が詳しく早く、膨大なデータの整理が簡単になっている点は大きく違うかな?

あと、電子顕微鏡で原子量70くらいの確か原子の姿が捉えられたってニュースで見ました。水素が原子量1、水素が見れるようになるのはもうすぐでしょうか。電子の動きが観察されるまではだいぶ長そうです。

ここで調理を物理的、化学的に解析した科学的学問分野、分子ガストロノミー調理のお話です。こちらは瞬間スモークや真空調理など、まるで科学実験のような最新テクニックを含むさまざまな料理法で作るお料理方法のお話です。

ググると詳細が分かります。でも百聞は一見に如かず、ジャン レノの

シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ

をご覧あれ。

三ツ星シェフの重みに耐えかねるジャンレノは今も伝統的な料理で審査員を虜にします。

で、審査委員たちはこっそり、今年の審査員の好みを教えてくれます。

分子料理です。

「彼らはなんだか透明にしたりしたものが好き。」

ライバル店ではわけのわからない食慾をそそらない分子料理がでてくるのです。

ジャンレノとその弟子が作った美味しい分子料理とは?

フランスのドタバタコメディ映画です。

最先端のお料理、液体窒素で作られたアイスとか、多分私は口にすることはなさそうです。

液体窒素はコストがかかりそうです。安くて、おいしくて、季節を感じられる、健康的な料理が私の理想です。

最近三国シェフの動画を見させていただくのですけれど、最新のフランス料理、どんな感じかお話してくださらないかと思うこの頃です。

分子調理学というワードを重視して?作られた動画はあまりバズっていないようです。それより見られているのは伝統的な調理法、またはそれに少し新しいテイストを加えたレシピを紹介した動画です。

確かに科学的に説明することでより簡単で正確な味の再現が可能になるかもしれませんが、物理学や化学を調理に無理やり持ち込む必要はありません。

分子調理学という言葉を聞いて、手軽でどこか懐かしいそんな料理を作っていきたいと思うのでした。
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