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29. 夏休み〜倒錯の扉〜③
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それから奇妙な“智彦”と“智子”の二重生活が始まった。私は智子に変身しては京子さんの家に通った。
女装の次に京子さんが私に教えたことは、清純だった私にはあまりにも衝撃的だった。
「智子ちゃん、女の子として愛し合うためには女性器が必要よね。」
「えっ?」
彼女が言いたいことが分からず、私はきょとんとした顔をしていたに違いない。
「鈍いわね、もっとはっきり言うわ。貴女におまんこが必要なのよ。」
「京子さん、そんなの無理に決まってるじゃないですか。」
「ふん、貴女だって、男同士でするときの女役がどこを使うかぐらい知ってるでしょ。」
やっと彼女の意図が分かって青ざめた。そんな私を見る彼女はとても愉快そうにころころと笑った。
私はどうして抵抗しなかったのか。相手は女性なのだ、腕力では優っている。結局のところ、私に素質があったのだろう。屈辱の中にまで悦びを見つける、快楽に流されやすい性質。
イチヂク浣腸を手渡され使用したときの気持ち、他人に己の尻穴を見られ、それどころか指を入れられたときの、あの複雑な胸の内を言葉にするのは難しい。恥辱に震えた。しかし、それだけではなかった……。最初は拒否感しかなかった行為も、だんだんと快楽を得られるように変化していき、それにつれて心まで女の子に変わっていった。精神がいかに肉体に支配されているかを思い知らされた。
京子さんは恋人と言ったが、世間はこの関係をそう思わないだろう。それでも私は満足だった。私が智子でいる間は彼女を独り占めできた。二人だけの秘密が嬉しかった。次第に打ち解け、女の子になるための調教の後には、会話も増えた。
すると京子さんへのイメージは次第に変わっていった。彼女の衝動に秘められた懊悩が、少しだけ分かったから。
ある時、こんな話をしたのを覚えている。
「智子ちゃん、私、自分の未来を考えるとちっとも楽しくないんだ……。」
「どうして?」
「だって、うちは両親が保守的だから、25歳までにはお見合いでもさせられて、結婚して、奥さんとして生きるだけの人生が待ってるのよ。大学のうちは自由にさせてもらう約束なんだ。自宅から通える学校にしろと言われたけど、名門なら文句は言われないだろうと思って、今の大学に入るためになかなかガリ勉したよ。」
壁際で体育座りをする京子さんは、膝に顔を埋めて話を続けた。
「私、ずっと女の子が好きだった……それで同性愛の記事を見るために『マニアの楽園』を読んでた。そのうち、同性愛だけじゃなくて自分の中の嗜虐的な部分に気がついたの。それで、貴女が女の子になると言ったとき、閃いちゃった。自由な今のうちに欲望を叶えちゃおうと思った。すごく自分勝手なの。巻き込んじゃってごめんなさい。」
「気にしないでよ。私、京子さんと仲良くなれて幸せなんだもの。」
「ふふ、智子ちゃんは優しいよね。結局、私って、親に真っ向から歯向かう勇気も、家出する勇気もない臆病者なのね。仕方ないよね。」
「そんなにお見合い結婚が嫌なら、私と結婚しちゃったら?私、男だし結婚できるよ。」
「ふふ、それがいいかもね。でもさ、私、貴女とずっといたら駄目になっちゃいそうな気がする……貴女に甘えて依存して。だから、やっぱりこの遊びは夏休みで終わり。」
「一夏の恋か……ロマンチックだね。」
「うん。」
力なく揺らめく彼女の瞳を見て、私は以前よりも強く彼女を愛していると思った。
女装の次に京子さんが私に教えたことは、清純だった私にはあまりにも衝撃的だった。
「智子ちゃん、女の子として愛し合うためには女性器が必要よね。」
「えっ?」
彼女が言いたいことが分からず、私はきょとんとした顔をしていたに違いない。
「鈍いわね、もっとはっきり言うわ。貴女におまんこが必要なのよ。」
「京子さん、そんなの無理に決まってるじゃないですか。」
「ふん、貴女だって、男同士でするときの女役がどこを使うかぐらい知ってるでしょ。」
やっと彼女の意図が分かって青ざめた。そんな私を見る彼女はとても愉快そうにころころと笑った。
私はどうして抵抗しなかったのか。相手は女性なのだ、腕力では優っている。結局のところ、私に素質があったのだろう。屈辱の中にまで悦びを見つける、快楽に流されやすい性質。
イチヂク浣腸を手渡され使用したときの気持ち、他人に己の尻穴を見られ、それどころか指を入れられたときの、あの複雑な胸の内を言葉にするのは難しい。恥辱に震えた。しかし、それだけではなかった……。最初は拒否感しかなかった行為も、だんだんと快楽を得られるように変化していき、それにつれて心まで女の子に変わっていった。精神がいかに肉体に支配されているかを思い知らされた。
京子さんは恋人と言ったが、世間はこの関係をそう思わないだろう。それでも私は満足だった。私が智子でいる間は彼女を独り占めできた。二人だけの秘密が嬉しかった。次第に打ち解け、女の子になるための調教の後には、会話も増えた。
すると京子さんへのイメージは次第に変わっていった。彼女の衝動に秘められた懊悩が、少しだけ分かったから。
ある時、こんな話をしたのを覚えている。
「智子ちゃん、私、自分の未来を考えるとちっとも楽しくないんだ……。」
「どうして?」
「だって、うちは両親が保守的だから、25歳までにはお見合いでもさせられて、結婚して、奥さんとして生きるだけの人生が待ってるのよ。大学のうちは自由にさせてもらう約束なんだ。自宅から通える学校にしろと言われたけど、名門なら文句は言われないだろうと思って、今の大学に入るためになかなかガリ勉したよ。」
壁際で体育座りをする京子さんは、膝に顔を埋めて話を続けた。
「私、ずっと女の子が好きだった……それで同性愛の記事を見るために『マニアの楽園』を読んでた。そのうち、同性愛だけじゃなくて自分の中の嗜虐的な部分に気がついたの。それで、貴女が女の子になると言ったとき、閃いちゃった。自由な今のうちに欲望を叶えちゃおうと思った。すごく自分勝手なの。巻き込んじゃってごめんなさい。」
「気にしないでよ。私、京子さんと仲良くなれて幸せなんだもの。」
「ふふ、智子ちゃんは優しいよね。結局、私って、親に真っ向から歯向かう勇気も、家出する勇気もない臆病者なのね。仕方ないよね。」
「そんなにお見合い結婚が嫌なら、私と結婚しちゃったら?私、男だし結婚できるよ。」
「ふふ、それがいいかもね。でもさ、私、貴女とずっといたら駄目になっちゃいそうな気がする……貴女に甘えて依存して。だから、やっぱりこの遊びは夏休みで終わり。」
「一夏の恋か……ロマンチックだね。」
「うん。」
力なく揺らめく彼女の瞳を見て、私は以前よりも強く彼女を愛していると思った。
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