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72. 夜⑥
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「ねえ、君に入れたい。自分からこんな気持ちになったのは初めてだよ。ちょっと橘先生の気持ちが分かったかも、ふふ。」
続けて耳元でこう囁やかれて、単純に嬉しかった。さっきはしくじってしまったけど、君の思うままに俺の体を使って欲しい、それならできるだろう。
「今すぐ入れたい。」
「洗ってないから、汚いよ。」
「大丈夫だよ。さあ、壁に手をついて、お尻をこっちに向けて。」
何が大丈夫なのだろうかとぼんやり思うけれど、俺は西田に任せてしまうのだろう。のろのろと、西田に言われるままに、尻を突き出した。
西田の手が俺の尻を揉みしだいた。どんどんとどろどろになっていく。尻の中心を触って欲しくてもどかしくなる。肛門がひくついてしまう。
「パクパクして、かわいいお口だね。」
西田の欲に濡れた声が聞こえ、肛門にぬるぬるしたものが触れた。西田の舌だ。
「きっ、汚いよっ!」
「汚くないよ、君のならなんでも美しいよ。あぁ、素敵。」
俺はいたたまれない気持ちと、悦びと、尊崇や愛が、ぐちゃぐちゃになって、ぷるぷると震えていた。すぐに舌による刺激は終わり、次は指らしきものが俺の秘部を押し開いた。
「リンスがローション代わりになるんだ。石鹸やシャンプーは洗浄力が強すぎるし滲みるからダメだよ。」
豆知識を披露する西田の口調は楽しそうだ。すぐ入れたいと言った割にちゃんと解してくれるのだから西田は優しい。でも、俺は……。
「もう解さなくても……早く入れて欲しい!」
西田にされるなら切れて血が出てもいい。むしろそうなったら嬉しい。痛ければ痛いほど、血がたくさん出れば出るほど、俺の気持ちが実体として確実なものになる。そんな気がした。
「そんなに煽って、後悔しても知らないよ。」
俺の肛門に待望のそれがあてがわれた。はやる気持ちを抑えきれず、尻をぐいと突き出すと、はずみで先端が入ってしまってびっくりした。
「佐藤君、君ってこんなにはしたない子だったの?」
優しく諭すような口調で語りかけながら、俺の背中にぴったりと密着し腕を俺の前に回して愛撫する。そして、西田の昂りがゆっくりと俺の中に分け入ってくる。たまらず、吐息が漏れた。
俺の肛門はすっかり弛んでいたみたいで、違和感はあるものの痛みはなく、もちろん血も出ていないだろう。それが少し残念だと心の片隅で思う。
根元まで収まると、西田はしばらくじっとして動かない。馴染むのを待っているのだろう。やはり、西田は優しいのだ。俺は存在をもっと感じたくて、肛門を引き締めた。すると今度は西田から吐息が漏れた。
何を思ったのか急に西田は一旦俺の中から出ていき、体の方向を変えるように促した。壁に向けていた体を四十五度回転させ、俺はハッとした。鏡だ、鏡がある。
「これじゃ、あんまり見えないね。」
西田はシャワーを手に取ると、湯気で曇った鏡をお湯で流した。すると、映った姿がはっきり見える。
鏡の中のそいつは、完全に勃起し、乳首が前より発達して大きいみたいだ。口が半開きで呆けたような顔は、しどけなく男を誘うようにも見える。体型は筋肉質で男そのものだが、男らしさの欠片もないその人物は、俺ではないみたいだが、確かに俺で、それを俺だと認識すると、異常な興奮に下腹部がぎゅうぎゅうして、鏡の中のそいつの下腹部も波打った。
「ねえ、自分で魅力的だと思わない?」
「分からない……恥ずかしいよ。」
俺はうつむいた。しかし西田の手があごを掴んで、顔を上げさせ、顔が下を向かないように首の部分を腕でロックした。鏡はもう曇りはじめて明瞭ではないが、さっきの残像がちらついた。あの姿を自分だと認めたくない、わずかに残ったつまらない矜持が、剥がれ落ちて消えていく。これで俺はどこまでも昇っていける。
鏡の中、肌色の二つの影がもぞもぞうごめいている。俺は激しく求め、深い快楽に没入した。
続けて耳元でこう囁やかれて、単純に嬉しかった。さっきはしくじってしまったけど、君の思うままに俺の体を使って欲しい、それならできるだろう。
「今すぐ入れたい。」
「洗ってないから、汚いよ。」
「大丈夫だよ。さあ、壁に手をついて、お尻をこっちに向けて。」
何が大丈夫なのだろうかとぼんやり思うけれど、俺は西田に任せてしまうのだろう。のろのろと、西田に言われるままに、尻を突き出した。
西田の手が俺の尻を揉みしだいた。どんどんとどろどろになっていく。尻の中心を触って欲しくてもどかしくなる。肛門がひくついてしまう。
「パクパクして、かわいいお口だね。」
西田の欲に濡れた声が聞こえ、肛門にぬるぬるしたものが触れた。西田の舌だ。
「きっ、汚いよっ!」
「汚くないよ、君のならなんでも美しいよ。あぁ、素敵。」
俺はいたたまれない気持ちと、悦びと、尊崇や愛が、ぐちゃぐちゃになって、ぷるぷると震えていた。すぐに舌による刺激は終わり、次は指らしきものが俺の秘部を押し開いた。
「リンスがローション代わりになるんだ。石鹸やシャンプーは洗浄力が強すぎるし滲みるからダメだよ。」
豆知識を披露する西田の口調は楽しそうだ。すぐ入れたいと言った割にちゃんと解してくれるのだから西田は優しい。でも、俺は……。
「もう解さなくても……早く入れて欲しい!」
西田にされるなら切れて血が出てもいい。むしろそうなったら嬉しい。痛ければ痛いほど、血がたくさん出れば出るほど、俺の気持ちが実体として確実なものになる。そんな気がした。
「そんなに煽って、後悔しても知らないよ。」
俺の肛門に待望のそれがあてがわれた。はやる気持ちを抑えきれず、尻をぐいと突き出すと、はずみで先端が入ってしまってびっくりした。
「佐藤君、君ってこんなにはしたない子だったの?」
優しく諭すような口調で語りかけながら、俺の背中にぴったりと密着し腕を俺の前に回して愛撫する。そして、西田の昂りがゆっくりと俺の中に分け入ってくる。たまらず、吐息が漏れた。
俺の肛門はすっかり弛んでいたみたいで、違和感はあるものの痛みはなく、もちろん血も出ていないだろう。それが少し残念だと心の片隅で思う。
根元まで収まると、西田はしばらくじっとして動かない。馴染むのを待っているのだろう。やはり、西田は優しいのだ。俺は存在をもっと感じたくて、肛門を引き締めた。すると今度は西田から吐息が漏れた。
何を思ったのか急に西田は一旦俺の中から出ていき、体の方向を変えるように促した。壁に向けていた体を四十五度回転させ、俺はハッとした。鏡だ、鏡がある。
「これじゃ、あんまり見えないね。」
西田はシャワーを手に取ると、湯気で曇った鏡をお湯で流した。すると、映った姿がはっきり見える。
鏡の中のそいつは、完全に勃起し、乳首が前より発達して大きいみたいだ。口が半開きで呆けたような顔は、しどけなく男を誘うようにも見える。体型は筋肉質で男そのものだが、男らしさの欠片もないその人物は、俺ではないみたいだが、確かに俺で、それを俺だと認識すると、異常な興奮に下腹部がぎゅうぎゅうして、鏡の中のそいつの下腹部も波打った。
「ねえ、自分で魅力的だと思わない?」
「分からない……恥ずかしいよ。」
俺はうつむいた。しかし西田の手があごを掴んで、顔を上げさせ、顔が下を向かないように首の部分を腕でロックした。鏡はもう曇りはじめて明瞭ではないが、さっきの残像がちらついた。あの姿を自分だと認めたくない、わずかに残ったつまらない矜持が、剥がれ落ちて消えていく。これで俺はどこまでも昇っていける。
鏡の中、肌色の二つの影がもぞもぞうごめいている。俺は激しく求め、深い快楽に没入した。
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