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23話(成果)
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半月ほどかけてようやく目的地、隣国の王妃様の祖国へと到着した。
こちらに着くといきなり気温が低くなった気がして、聞いていた以上に寒く感じた。
港では王妃様に指示されたのか多くの出迎えを受けた。
そして大きな馬車に乗り王宮へと着くと王妃様のお兄様である、この国の国王陛下が出迎えてくれた。
殿下は慣れた様子で難なく挨拶を終え、わたくしのことも紹介してくださった。
すると王妃様から聞いていた商品が気になるのか、急かすように仰った。
「早速だが、商品を見せてもらいたい」
わたくしは心の中で『なんて性急な方かしら』と思いながらアンに指示をして、持ってきた商品を並べてから、こちらの言葉で説明させていただいた。
すると色々と質問をされ、製造方法まで聞かれたが、それに関しては企業秘密とも、機密情報とも取れる言葉を使いやんわりとかわした。
すると殿下もこちらの言葉は難しかったと言っていたが、少し分かるようで
「その受け答えで正解だ」
と褒めて下さった。こちらの国王陛下はなかなか策士な方のようで、残念なお顔をなさっていた。
わたくしは早速陛下に持ってきたトリートメントと固形スープの素をお渡しした。
「まずは女性の方たちに使って頂き、その後、感想をお聞かせ願えればと存じます」
わたくしはアンに使い方の説明をお願いた。
アンには前もってこちらの言葉での説明の仕方を勉強してもらっていた。
そしてわたくしはその間、国王陛下に付箋(ふせん)の使い方を説明させていただいた。
「これは確かに便利な物だな。気に入ったぞ」
陛下は何度も付けたり剥がしたりを繰り返していた。
それから、しばらくすると陛下に言われてトリートメントと固形スープの素を使った女性たちが戻られた。
「これは本当にすごいです。まるで髪の毛に栄養が入ったようで触り心地がとてもいいです」
「このスープの素は本当に手軽なのにとても美味しく便利な物でした」
どの方も満足のいく言葉をくださった。
それをお聞きになられた陛下は笑顔で仰った。
「それでは全て、我が国に輸出して欲しい」
そこでわたくしはそのお礼として、ひとつのアイデアを披露させていただくことにした。
それは、こちらの国に来て気づいたことなのですが、外が寒いせいなのか部屋の中で読書をする方たちが多いように感じられた。
だからなのだろう、本棚がとても多く見受けられた。
わたくしたちの国では王宮内の本は全て図書室にあるが、こちらの国では休憩スペースには必ず本棚があり、たくさんの本が揃えられていた。
それを見てわたくしは前の世界では当たり前にあった棚の高さを自由に変えられる本棚を提案させていただいた。
本には色々なジャンルがあってそれにより本の厚さはもちろん、高さもそれぞれだ。だから本の種類に応じて高さが変えられれば便利ではないかと思った。
説明を聞かれた陛下は不思議そうなお顔で尋ねられた。
「自分で自由に高さを変えることなど出来るのか?」
「はい、これから、より詳しくご説明させていただきますので、どうか、本棚を作る職人さんたちをお呼びいただけないでしょうか」
すると陛下はすぐに側にいる従者に、職人たちを集めさせた。
そして揃ったところでわたくしは皆さんに説明を開始した。
「まずは左右の板の同じ場所に、穴をいくつか開けてそこにきちんとハマる大きさのピンのような物を作り差し込みます。
そして好きな高さの位置の穴にピンを四箇所指して、その上にピンより少し大きな穴を空けた棚を載せれば完成です」
わたくしは実際に穴を開ける位置と個数を示した。そして載せる棚のピンの位置に窪みをつければ安定します。それを聞いていた方たちは感心したように言いました。
「なるほどこれなら簡単に高さを変えることが出来る。これは名案だ」
それからわたくはもう一つ提案をした。
「これは本棚だけではなく食器棚でも同じです。是非試してみて下さい」
「なるほど、棚という棚に同じことが出来るというわけか」
みなさん、驚かれていた。
陛下も側でとても感心なさって聞いていらした。
すると殿下がわたくしの耳元にそっと声をかけてきた。
「こんな名案を易々と、勿体ないではないか」
わたくしは周りに聞こえないように静かな声で返した。
「これは一度見たら、いくらでも真似できますから」
「確かに、それはそうだな」
殿下は納得してくれた。
それよりもこちらの陛下に感謝いただければ、これからの親善に役立つのではと進言させていただいた。
こうしてわたくしたちはこちらに来た目的を果たすことができて束の間ホッとしていた。
そして最後に陛下が仰った。
「本日は色々と興味深い品々を感謝する。今夜は宮殿で歓迎として、晩餐会を用意させたので楽しんで欲しい」
その後、わたくしは晩餐会に参加するためアンに支度を整えてもらい殿下にエスコートしていただきながら会場に入った。
わたくしたちが会場に入ると大勢の人たちが歓迎の拍手で迎えてくださり、彼方此方で感嘆の声が聞こえる。そんな中、殿下はわたくしの手を取り、いきなりダンスを踊り出したのでわたくしは内心焦ったが、顔には出さずになんとか乗り切れた。
そんなわたくしたちに陛下は笑顔で仰った。
「とてもお似合いですな。私も妻と一緒につられて踊ってしまいました。今度は是非、私たちのダンスを其方の国でも披露したいものですな。前回は時間もなくゆっくりできませんでしたから」
「それは光栄なことでございます。是非、またお越し下さい。心より歓迎させていただきます」
その夜、従者やアンも一緒に皆で晩餐会に参加させていただき夜遅くまで楽しんだ。
そして次の日はこちらの国を色々と案内してもらいながら親善を深めた。
こうして一通りの日程をこなしてわたくしたちはまた長い帰路につくことになった。帰り際、陛下は寂しそうに仰った。
「名残惜しいですな」
わたくしはそのお言葉が今回の目的の成功を意味しているようで嬉しく感じた。
最後に殿下は陛下と固い握手を交わしてまたの再会を約束してこちらの国を後にした。
帰りの船で殿下はわたくしを労るように言われた。
「今回は本当によくやってくれた」
わたくしはそんな殿下に微笑みながら返した。
「殿下がいたからこそ、なんの不安も感じることなく乗り切れたのです」
すると殿下は何故かわたくしのことを抱きしめてきた。
「そう言ってもらえて嬉しい限りだ」
わたくしはこの行動は前の世界でいうところの挨拶のハグと同じ意味合いよね、と思い黙って応じていた。
そして長い長い旅は終わりを告げた。
こちらに着くといきなり気温が低くなった気がして、聞いていた以上に寒く感じた。
港では王妃様に指示されたのか多くの出迎えを受けた。
そして大きな馬車に乗り王宮へと着くと王妃様のお兄様である、この国の国王陛下が出迎えてくれた。
殿下は慣れた様子で難なく挨拶を終え、わたくしのことも紹介してくださった。
すると王妃様から聞いていた商品が気になるのか、急かすように仰った。
「早速だが、商品を見せてもらいたい」
わたくしは心の中で『なんて性急な方かしら』と思いながらアンに指示をして、持ってきた商品を並べてから、こちらの言葉で説明させていただいた。
すると色々と質問をされ、製造方法まで聞かれたが、それに関しては企業秘密とも、機密情報とも取れる言葉を使いやんわりとかわした。
すると殿下もこちらの言葉は難しかったと言っていたが、少し分かるようで
「その受け答えで正解だ」
と褒めて下さった。こちらの国王陛下はなかなか策士な方のようで、残念なお顔をなさっていた。
わたくしは早速陛下に持ってきたトリートメントと固形スープの素をお渡しした。
「まずは女性の方たちに使って頂き、その後、感想をお聞かせ願えればと存じます」
わたくしはアンに使い方の説明をお願いた。
アンには前もってこちらの言葉での説明の仕方を勉強してもらっていた。
そしてわたくしはその間、国王陛下に付箋(ふせん)の使い方を説明させていただいた。
「これは確かに便利な物だな。気に入ったぞ」
陛下は何度も付けたり剥がしたりを繰り返していた。
それから、しばらくすると陛下に言われてトリートメントと固形スープの素を使った女性たちが戻られた。
「これは本当にすごいです。まるで髪の毛に栄養が入ったようで触り心地がとてもいいです」
「このスープの素は本当に手軽なのにとても美味しく便利な物でした」
どの方も満足のいく言葉をくださった。
それをお聞きになられた陛下は笑顔で仰った。
「それでは全て、我が国に輸出して欲しい」
そこでわたくしはそのお礼として、ひとつのアイデアを披露させていただくことにした。
それは、こちらの国に来て気づいたことなのですが、外が寒いせいなのか部屋の中で読書をする方たちが多いように感じられた。
だからなのだろう、本棚がとても多く見受けられた。
わたくしたちの国では王宮内の本は全て図書室にあるが、こちらの国では休憩スペースには必ず本棚があり、たくさんの本が揃えられていた。
それを見てわたくしは前の世界では当たり前にあった棚の高さを自由に変えられる本棚を提案させていただいた。
本には色々なジャンルがあってそれにより本の厚さはもちろん、高さもそれぞれだ。だから本の種類に応じて高さが変えられれば便利ではないかと思った。
説明を聞かれた陛下は不思議そうなお顔で尋ねられた。
「自分で自由に高さを変えることなど出来るのか?」
「はい、これから、より詳しくご説明させていただきますので、どうか、本棚を作る職人さんたちをお呼びいただけないでしょうか」
すると陛下はすぐに側にいる従者に、職人たちを集めさせた。
そして揃ったところでわたくしは皆さんに説明を開始した。
「まずは左右の板の同じ場所に、穴をいくつか開けてそこにきちんとハマる大きさのピンのような物を作り差し込みます。
そして好きな高さの位置の穴にピンを四箇所指して、その上にピンより少し大きな穴を空けた棚を載せれば完成です」
わたくしは実際に穴を開ける位置と個数を示した。そして載せる棚のピンの位置に窪みをつければ安定します。それを聞いていた方たちは感心したように言いました。
「なるほどこれなら簡単に高さを変えることが出来る。これは名案だ」
それからわたくはもう一つ提案をした。
「これは本棚だけではなく食器棚でも同じです。是非試してみて下さい」
「なるほど、棚という棚に同じことが出来るというわけか」
みなさん、驚かれていた。
陛下も側でとても感心なさって聞いていらした。
すると殿下がわたくしの耳元にそっと声をかけてきた。
「こんな名案を易々と、勿体ないではないか」
わたくしは周りに聞こえないように静かな声で返した。
「これは一度見たら、いくらでも真似できますから」
「確かに、それはそうだな」
殿下は納得してくれた。
それよりもこちらの陛下に感謝いただければ、これからの親善に役立つのではと進言させていただいた。
こうしてわたくしたちはこちらに来た目的を果たすことができて束の間ホッとしていた。
そして最後に陛下が仰った。
「本日は色々と興味深い品々を感謝する。今夜は宮殿で歓迎として、晩餐会を用意させたので楽しんで欲しい」
その後、わたくしは晩餐会に参加するためアンに支度を整えてもらい殿下にエスコートしていただきながら会場に入った。
わたくしたちが会場に入ると大勢の人たちが歓迎の拍手で迎えてくださり、彼方此方で感嘆の声が聞こえる。そんな中、殿下はわたくしの手を取り、いきなりダンスを踊り出したのでわたくしは内心焦ったが、顔には出さずになんとか乗り切れた。
そんなわたくしたちに陛下は笑顔で仰った。
「とてもお似合いですな。私も妻と一緒につられて踊ってしまいました。今度は是非、私たちのダンスを其方の国でも披露したいものですな。前回は時間もなくゆっくりできませんでしたから」
「それは光栄なことでございます。是非、またお越し下さい。心より歓迎させていただきます」
その夜、従者やアンも一緒に皆で晩餐会に参加させていただき夜遅くまで楽しんだ。
そして次の日はこちらの国を色々と案内してもらいながら親善を深めた。
こうして一通りの日程をこなしてわたくしたちはまた長い帰路につくことになった。帰り際、陛下は寂しそうに仰った。
「名残惜しいですな」
わたくしはそのお言葉が今回の目的の成功を意味しているようで嬉しく感じた。
最後に殿下は陛下と固い握手を交わしてまたの再会を約束してこちらの国を後にした。
帰りの船で殿下はわたくしを労るように言われた。
「今回は本当によくやってくれた」
わたくしはそんな殿下に微笑みながら返した。
「殿下がいたからこそ、なんの不安も感じることなく乗り切れたのです」
すると殿下は何故かわたくしのことを抱きしめてきた。
「そう言ってもらえて嬉しい限りだ」
わたくしはこの行動は前の世界でいうところの挨拶のハグと同じ意味合いよね、と思い黙って応じていた。
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