政略結婚を命じられた王女は、唯一の護衛と禁断の恋に落ちる

むつらら

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運命の決断

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あれから15年の月日が経った。

ストレリチア王国と呼ばれていたこの土地は、カルミヤ王国と呼ばれるようになり、

父を殺したソンジェが王となり、国を治めている。

あの日からジェヒョンは、王の下で静かに仕えている。

今日も王に呼び出され、王が待つ宮殿へ向かう。

宮殿の中に足を踏み入れると、

そこは、重く荘厳な空気が漂っていた。

 中央の玉座には、威厳に満ちたカルミヤ王国の国王が腰掛け、
その周囲を取り囲むように、左大臣・右大臣をはじめとする大臣たちが整然と座していた。

 「陛下、農民の中で一揆の動きがあるようです。年貢値上げの件、お考えくださいませ」

 右大臣が口を開くと、他の大臣たちも声を揃えて進言した。

 「お考えくださいませ」

 王は眉をひそめ、重々しい声で応じた。

 「何を言っておる。皆のもの、前王朝・ストレリチアが年貢を減らしてどうなったか、覚えておらぬのか?」

 左大臣がすぐさま応じる。

 「左様でございます。あの時、王朝の資金は尽きかけ、存続の危機に瀕しました。それを救ったのが、陛下でございます。ストレリチアを倒し、新たにカルミヤ王国を築かれた陛下が、年貢を引き上げ、国をここまで安定させたのです」

 右大臣は一歩も引かず、やや声を強めた。

 「ですが、農民の怒りを軽んじてはなりません。彼らの怒りが積もれば、いずれ我が王国が……民によって滅びる日が来るやもしれませぬ」

 「ハハハ……ハハハハハ!」
 王は豪快に笑った。だが、その笑みの奥にはわずかな緊張も見て取れる。
 「お主、おもしろいことを言うのう。農民の一揆など、しれておる。今、真に警戒すべきはトリカブト王国。やつらが我らの土地を狙っておる。早くに手を打たねばならん」

 左大臣が一歩前に出た。
 「陛下、私に良い策がございます」
 「申してみよ」
 「トリカブト王国の皇太子が、へヨン様にご執心との噂がございます。いっそ、領土を狙わぬことを条件に、へヨン様を嫁がせてはいかがでしょうか」

 国王は頷き、満足げに言った。
 「それは良い考えじゃ」

 その時、重々しい扉が開いた。
 ジェヒョンが宮殿に入ってくる。静かに膝をつき、頭を垂れた。

 「失礼します。陛下。そろそろご準備を」

 「ジェヒョン、良いところに来たな」
 王が顔をほころばせる。「へヨンをトリカブト王国へ嫁がせようと思っておる。お主はどう思う? いつも近くで彼女を見ておるお主の意見が聞きたいのだ」

 ジェヒョンは一瞬、視線を逸らした。
 心の内で大きく波が立つ。
 だが、その動揺を悟らせぬよう、表情を整え、静かに答える。
 「……良い考えだと思います」

 「そうか。お主ならそう申してくれると思っておった」
 王は満足げに笑い、言葉を続けた。
 「お主は、へヨンと共にトリカブト王国に行くのだ。もしもの時は命を賭して彼女を守れ。分かったな?」

 「……はっ」
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