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鏡月 八重の理想(4)
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やばい、今何時だ?
机の上に置いてある時計に目をやると、
時計の針は午前七時四十分を指している
。僕は慌てて身体を起こし、急いで制服
に着替える。いつもならすでに家を出て
いる時間だ。昨日の夜、疲れてあのまま
寝てしまったのか。
鞄に教科書を詰め込んで一階へ降りた。
「八重様、車を出しましょうか」
寝坊した僕を見て察した守屋が玄関先で
待機していた。
「ごめん!お願いしてもいい?」
「すぐに出しますね」
今から走ってもバスに間に合わない。
車で行って教室まで走ればなんとかなる
はず。
守屋が急いで出してくれた車に乗って学
校に向かった僕はチャイムが鳴ると同時
に教室に着き、ギリギリ間に合った。
まわりも息を切らして教室に入ってきた
僕を珍しそうに見ていた。
それはそうだ。毎日時間に余裕をもって
行動する僕が遅刻ギリギリなんてあり得
ない。ましてや寝坊なんて今まで一度も
なかったのに。寝るつもりは全くなかっ
たが、疲れとストレスが溜まっていたせ
いかいつの間にか眠ってしまっていた。
そのせいで勉強もあまり出来なかった。
あぁ、寝たのにまだ疲れているのは何故
だ?朝から急いで走ったからか?
「なぁ八重、今日の小テストの範囲わかるか?」
「小テスト……?」
「前回の授業終わりに言ってただろ?」
「……今日だったっけ」
「うん。え、珍しっ!もしかして忘れてた?」
「あぁ…範囲ならメモしてるから、見ていいよ」
「おっ、サンキュー」
まずい。
小テストがあることなんて頭の中になか
った。全く予習してない。復習もあまり
出来ていないし、完全に詰んだ。
いや、小テストだから数問しか出題され
ないし、一度習っているなら思い出せば
解けるはずだ。ノートもちゃんととって
あるから大丈夫、記憶が残っているから
いつも通り上手くいく。
心の中でそう思っていたが、自己採点を
した結果を見て顔が青ざめる。
満点が当たり前の小テストにミスが目立
っていた。
いつもの僕ならあり得ない結果だ。
まずい。
「よかった~っ半分取れてるわぁ。八重はどうだった?まぁ、八重は満点か」
友達の陽気な姿を直視出来ない。
そう、みんな僕を賢いと思っている。
満点が当たり前の僕を見るまわりの視線
。棘のように鋭く全身に刺さる。
「……いつも通りかな」
「やっぱすげぇな、お前」
「そんなことないよ」
笑う。
笑って必死に誤魔化す。
大丈夫、今回はたまたまだ。
今日はあまり良くない日なんだ。
きっと、そうだ。
そうに違いない。
そう思わないと。
そう思わないといけない。
僕は仮面をかぶった。
まわりの期待に応えるために。
自分自身に絶望しないように。
机の上に置いてある時計に目をやると、
時計の針は午前七時四十分を指している
。僕は慌てて身体を起こし、急いで制服
に着替える。いつもならすでに家を出て
いる時間だ。昨日の夜、疲れてあのまま
寝てしまったのか。
鞄に教科書を詰め込んで一階へ降りた。
「八重様、車を出しましょうか」
寝坊した僕を見て察した守屋が玄関先で
待機していた。
「ごめん!お願いしてもいい?」
「すぐに出しますね」
今から走ってもバスに間に合わない。
車で行って教室まで走ればなんとかなる
はず。
守屋が急いで出してくれた車に乗って学
校に向かった僕はチャイムが鳴ると同時
に教室に着き、ギリギリ間に合った。
まわりも息を切らして教室に入ってきた
僕を珍しそうに見ていた。
それはそうだ。毎日時間に余裕をもって
行動する僕が遅刻ギリギリなんてあり得
ない。ましてや寝坊なんて今まで一度も
なかったのに。寝るつもりは全くなかっ
たが、疲れとストレスが溜まっていたせ
いかいつの間にか眠ってしまっていた。
そのせいで勉強もあまり出来なかった。
あぁ、寝たのにまだ疲れているのは何故
だ?朝から急いで走ったからか?
「なぁ八重、今日の小テストの範囲わかるか?」
「小テスト……?」
「前回の授業終わりに言ってただろ?」
「……今日だったっけ」
「うん。え、珍しっ!もしかして忘れてた?」
「あぁ…範囲ならメモしてるから、見ていいよ」
「おっ、サンキュー」
まずい。
小テストがあることなんて頭の中になか
った。全く予習してない。復習もあまり
出来ていないし、完全に詰んだ。
いや、小テストだから数問しか出題され
ないし、一度習っているなら思い出せば
解けるはずだ。ノートもちゃんととって
あるから大丈夫、記憶が残っているから
いつも通り上手くいく。
心の中でそう思っていたが、自己採点を
した結果を見て顔が青ざめる。
満点が当たり前の小テストにミスが目立
っていた。
いつもの僕ならあり得ない結果だ。
まずい。
「よかった~っ半分取れてるわぁ。八重はどうだった?まぁ、八重は満点か」
友達の陽気な姿を直視出来ない。
そう、みんな僕を賢いと思っている。
満点が当たり前の僕を見るまわりの視線
。棘のように鋭く全身に刺さる。
「……いつも通りかな」
「やっぱすげぇな、お前」
「そんなことないよ」
笑う。
笑って必死に誤魔化す。
大丈夫、今回はたまたまだ。
今日はあまり良くない日なんだ。
きっと、そうだ。
そうに違いない。
そう思わないと。
そう思わないといけない。
僕は仮面をかぶった。
まわりの期待に応えるために。
自分自身に絶望しないように。
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