可愛かった弟は私への恋心を拗らせてインキュバスになってしまいました〜弟の甘い責めで快楽堕ち

べーこ

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弟の甘く重い愛情に溶かされてしまいました

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「やったー受かったよ! 綾人のおかげで受かったよ!」

 第一志望の大学に合格した事を弟の綾人に真っ先に報告をした。弟の綾人は地元では天才と言われていて実際にものすごく勉強ができる。1学年下の綾人に私は受験勉強を見てもらっていた。
 綾人は自宅のリビングにあるソファーに座ってスマートフォンをいじっていた。

「おめでとう」

 そう言った綾人は面白くなさそうな表情をしていた。綾人がこういった不機嫌な表情をするのは珍しい。

「せっかく合格したんだからもっと喜んでくれてもいいじゃん」
「はあ、姉ちゃんは何もわかってない! 大学に行くのはいいよ。なんで一人暮らしするのさ! うちから通えばいいじゃん!」

 綾人はそう言って頬を膨らませる。
 普通は高校2年生の男子がそんな仕草をしても可愛くはない。しかし家族の誰にも似ていない綾人の整った顔立ちのおかげで可愛らしい仕草に見える。

「旭川のうちから札幌の大学に通えるわけないでしょ!それに特急で通うよりも大学寮入ったらそっちの方が安いし。って綾人頭いいんだからそれくらいわかるでしょ!」

 綾人にしては珍しく頭の悪いことを言い出す。

「そりゃあそうだけどさ! それでも俺は反対! 姉ちゃんバカだからすすきので悪い男に引っ掛けられそう。それに騙されてヤリサーとかに入りそうだし。だから絶対実家から通った方がいいよ。首都圏だと通勤に2時間かける人もいるから平気だって」

 ちなみに綾人はもっといい高校に行けたのに家から近いという理由でランクを落として私と同じ高校に進学している。

 そんな綾人が私に遠距離通学を進めるのは矛盾もいいところだ。

「そんなわけないでしょ! 綾人アンタっ、仮にも姉に対してその言い草はどうなの?」
「本当の事だから仕方無いだろう! 大体俺と離れて寂しくないのかよ⁉︎」

 顔を赤くしながら必死に抗議する姿を見て笑ってしまった。普段は結構クールというかさっぱりしているからこうやって子供っぽくムキになる姿は珍しい。
 確かに綾人と生まれ育った町を離れるのは寂しい。だけれども決して会えない距離にいるわけでは無い。

「大丈夫だって綾人。会おうと思えばいつでも会えるでしょ」

 私の言葉を聞いた綾人は、しばらく黙った後、私を抱き寄せた。弟相手にここまで接近したことは無かったのでびっくりして鼓動が早くなる。
 綾人の身体は少しだけ冷たい。ちょっと心配になる体温の低さだ。

「できるだけ帰ってきてね。俺姉ちゃんと離れて寂しいよ」

 私の胸に頭を擦り付けて消え入りそうな声で言う。普段は生意気な弟なのに今はちょっとだけ可愛く見える。
 よしよしっと弟のサラサラとした髪の毛を撫でてあげてから身体を引き離そうとするけれど綾人の力が強くなかなか離れてくれなかった。

「姉ちゃんとあんまり会えなくなるからもう少しこうしてもいい?」
「仕方ないなあ」

 珍しくしおらしい姿で言われたら流石に強く反抗する事はできない。私も甘えてもらって嬉しかったからつい了承してしまった。
 私はその時綾人がどんな表情をしているのか知らなかった。そしてまた綾人がどんな想いを抱いているのかも知らなかったのだ。
 この関係は、いつか変わってしまう事を予想していなかった。

***

 大学に進学してから私の生活は充実していた。進学先の札幌は色々なお店や遊びに行くスポットがあって飽きない。大学では新しい友達もできたし授業も楽しい。サークルにも入って毎日刺激的な日々を送っている。何よりも家族と離れて暮らす1人での生活は気楽で新鮮だった。

 大学の女子寮は色々なルールはあるけれど個室は与えられているし、寮の友達とワイワイするのはとても充実した日々だった。

 毎日がジェットコースターのように楽しい日々は私の脳内から家族の存在を薄れさせていった。

 最初は綾人には毎日のようにラインを送っていたけれどそれは2日に1回、3日に1回とだんだん頻度が下がっていた。それだけ私は新しい世界に夢中だったのだ。

 私と綾人のラインのやり取りが減り始めた頃、不思議な夢を見ることが増えた。
 綾人とえっちなことをする淫夢だ。

 今日も綾人が夢の中に現れた。

「すず、寂しいから会いに来ちゃった。最近ライン送ってくれないし、俺からライン送ってもなかなか既読つかなくて寂しいよ。そんなに大学は楽しい? 俺のおかげで大学に受かったのに俺を蔑ろにするのってどうなの?」

 夢の中の綾人は私の事を姉ちゃんではなくすずと呼ぶ。
 不思議な事に夢の綾人が問いかけてくる事は現実と連動している。

 綾人が言うように私は最近綾人への連絡はほとんどしていない。それどころか既読スルーや未読スルーする事も増えた。それだけ今の生活が楽しかったのだ。でも確かに綾人には悪いことをしている自覚はあった。

 しっかりものの綾人はきっと私を心配してくれているのだ。そんな綾人の気持ちを蔑ろにしたのは確かによく無いだろう。

「綾人ごめんね。そうだよね、綾人も無視されたら気分悪いもんね」
「そうだよ。わかってくれればいいんだ」

 綾人は私を優しく抱き寄せる。
 夢の綾人は普段の生意気な表情とは打って変わって優しく甘い表情で私を見つめる。

 そんな綾人に私は照れてしまう。私をこんな風に見つめてくれた異性は今までいない。少女漫画のヒロインがヒーローに見つめられてドキッとする気持ちがよくわかった。
 恋人のように愛おしいものを見るかのような視線を向けられて、恥ずかしくなる。顔を腕で隠すと腕を退けられて何故か口づけをしてくる。

「すず、顔を隠さないで。キスしよう。顔真っ赤。可愛い」

 綾人は私の唇をゆっくりて舌で舐める。ゆっくりと舐め上げると唇の中に侵入してくる。

 突然の事に驚いて抵抗をする。だけど綾人の身体を引き剥がすことは出来ず為されるがままだった。
 綾人のキスはゆっくりで深い。熱く濡れた舌に口腔内を可愛がられると腰から砕け落ちそうになる。綾人の濃厚なキスはずっと止まらない。そのせいで呼吸が出来なくて綾人の胸を叩く。それを見た綾人が嬉しそうにする。

 夢の中の綾人は随分とませていて私は慣れないキスで狼狽えているのに綾人は慣れたような手つきで私を可愛がってくれる。

 彼氏いない歴=年齢の私は綾人のマセたテクニックに翻弄されるがままだ。綾人は昔からバカみたいにモテるからこういう事に慣れていてもなんら不思議ではない。私は目が覚めるまで綾人に唇を吸われ続けた。

 そして数日おきに私は綾人とエッチな事をする淫夢を見るようになった。

***

 ある夜の日の事だった。そろそろ寝ようかと思った時にコンコンと窓をノックする音が聞こえた。

 ありえない現象に体がビクッとする。だって私の住んでいる部屋は寮の建物でも最上階の4階なのだ。そんな私の部屋をノックできるはずがない。
 気のせいだと思って無視していると再びコンコンと窓がノックされる。
 怖くなって震えていると窓の向こうからは聞き覚えのある声がする。

「姉ちゃん、無視しないでよ。俺だよ、綾人だよ」

 なぜ窓の向こうから綾人の声が聞こえるのだろうか。恐怖に震えながら窓に近寄りカーテンに手をかける。
 カーテンを開けると窓の向こう側にはよく知った人物がいた。

「綾人っ、あんたその格好どうしたの? そもそもなんでアンタ空飛んでるの⁉︎」

 窓に向こう側にいる綾人は蝙蝠のような黒い翼に頭にも黒い角が生えている。臀部には長い黒い尻尾が生えていて先端がスペードのような形をしている。艶のあるそれは明らかに作り物とはいえない質感だ。そして黒かった瞳は鮮やかなエメラルドグリーンになっている。
 明らかに悪魔といえる格好をした綾人に困惑してしまう。

「ちゃんと話すから。まずは入れてよ」

 宙に浮いた綾人はまた窓を軽くノックして私に窓を開けるようにいう。現実離れした光景に戸惑っていると綾人の眉が不快そうに歪む。

「可愛い弟が入れてって言ってるのに入れてくれないなんてハクジョーな姉ちゃんだなあ。いいもん!姉ちゃんが入れてくれないなら俺から入っちゃうもんね」

 綾人が窓へ手を伸ばすと綾人の手は窓をすり抜けて部屋に侵入してくる。そして手だけではなく頭や胴も擦り抜けて綾人は私の部屋へ侵入してきた。綾人の身体は重力に逆らって未だにふわふわと宙に浮かんでいる。

「綾人、あんたそれ何のマジック?」

 現実離れした光景に私は呆然とする。口をポカンと開けて目を丸くしているだろう私を見て綾人は満足げな表情を浮かべる。そして綾人は呆然としている私を上から見下ろした。

「これはマジックでもなんでも無いよ。俺、すずと結ばれたくてインキュバスになったんだよ」

 そう言ってにっこりと妖しい笑顔を作る美少年は間違いなく弟だけど前とは何処と無く違う雰囲気を感じる。やたら色っぽく妖艶な雰囲気を纏っている。目の前の少年は子供じみた表情を見せる綾人とは違いやたら大人びた笑みを見せる。

「アンタなに巫山戯たこといってんの?インキュバス?」
「そう。インキュバス。姉ちゃんと結ばれたくて俺エッチな悪魔になっちゃった♡ すず、責任とってね♡」
「は? アンタ流石にふざけた事言うと怒るよ」

 思わずきつい物言いになる。でも綾人が阿呆なことを言うのだから仕方がない。

「姉ちゃんこそ俺がおふざけで人間やめると思ってるの? 本当にすずは何もわかってないな。その前に防音処理しないと。この寮ボロいから隣の部屋に物音が聞こえそうだし」

 いつもよりも低い声で綾人は私に向かって言い放つ。そして綾人の手のひらに目の色と同じエメラルド色の光が集まる。そしてその光は綾人の手のひらから部屋全体を包みこむように広がる。
 人間ではない不思議な力を操る綾人の姿をした男は一体何者なんだろう。

「綾人、本当にアンタなの? それで今何したの?
「そうだよ。本物の綾人だよ。さっき言ったじゃん。防音処理♡後、誰もこの部屋に入ってこれない。すず2人きりの時間過ごそうね♡」

 そして一瞬で目の前に現れた綾人によってベッドに押し倒されてしまう。寮の備え付けの安いベッドは大きな音を立てて軋む。私の上に馬乗りになった綾人は酷く扇情的な目を向けてくる。そして尻尾で私の体を撫で回す。

「ねえすず、俺はずっとすずとこういうことをしたかった。すずに嫌われたくなくて普通の弟を必死で演じてた。でもそれも今日でおしまい。だってただの弟じゃすずの唯一にはなれない」

 私はなんて言葉を紡げばいいかわからなくて困惑していると視界一杯に綾人の端正な顔が現れて口付けられる。

 抵抗するために胸板を押しても全く歯が立たない。綾人になされるがままに口づけされる。唇を啄まれて舌で口内を蹂躙される。私はただ綾人のキスを受け入れることしかできなかった。綾人のキスは甘くてしつこい。たっぷりの唾液を流し込まれ舌を絡められる。夢の中の綾人と全く同じキスだった。

 
 何度も唇を重ねている内に息ができなくなって口づけが終わると私が苦しんでいるにも関わらず、綾人は私の身体に夢中だ。首筋に顔を埋めたかと思えばゆっくりと鎖骨まで下がる。舌が這った部分にぴりっと痛みが生まれる。きっとそこには紅い痕があるんだろう。

「あんたおかしいよ! こんな事姉弟でしていいはずないじゃ無い」
「姉弟か……俺は一度たりともすずのことを姉として見たことはないよ。ずっと女として見てた。諦めようと思った事もある。でも諦める事は出来なかった。だからね俺は諦める事を諦めたんだ。そして俺はインキュバスになった」

 そう言った綾人は私に熱のこもった視線を向ける。私の服を脱がそうとした綾人の手を私は勢いよく振り払う。綾人の動きがピタリと止まった。

「ちょっと!どういうつもりか説明しなさい!そもそもどうやってアンタ人間やめたのよ!」

 混乱する私とは対照的に冷静な様子で私を見る彼はどこかいつもと違っていて怖くなる。

「どうもこうも言葉のままだよ。俺はすずと姉弟の関係じゃなくて男と女の関係になりたいって言ってるの。それに好きって気持ちはどうして姉弟だとダメなの? たまたま好きになった相手が姉だけなのにね。そして俺がインキュバスになった理由なんて今はどうでもいいじゃん。それはいつか気が向いたら教えてあげる」

 私はその言葉を必死に拒絶するのに何故か声にならない。だってそう言葉を紡ぐ綾人の表情は切なそうだ。クールで文武両道の自慢の弟のこんな姿は見たことがなかった。
 でも姉弟で結ばれるなんてあり得ない事だ。私は必死で綾人を拒絶する言葉を紡ぐ

「恋人ならほか探してよ。綾人なら引くて数多でしょ? それに姉弟で結ばれるのはやっぱりおかしいと思う。それに私同じサークルの栗川先輩が好きなの」

 どうにかして言うべき事を言って遠ざけようと頑張る。最後のは口から出まかせだ。だけどこうでも言わなければ綾人は諦めないだろう。

「それが出来ないからこんな姿になったんじゃないか! あははははは! いいよ。すずが受け入れてくれないなら実力行使だ。快楽でいっぱいいっぱい嬲ってあげる。あーあこんな事ならすずの受験に協力しなきゃ良かったなあ。すずの喜ぶ顔が見たくて受験に協力したのに。なのにすずは俺に冷たくするんだから」

 綾人は声をあげて可笑しそうに笑う。笑っているけれど目だけはギラギラとした鋭い光を放っていて獲物を狙う肉食獣のようだ。そして綾人が腕を抑え込み無理矢理引き寄せるように抱きついて来る。もうパニックだった。

 私の身体は綾人の身体にすっぽりと包まれる。可愛かった弟はちゃんと男だったのだ。
 体の大きさだけでなく力や体の厚さ全て弟の方が上だった。昔の小さくて可愛かった綾人ではないのだ。
 綾人に耳元で「すずじゃないと意味がないんだ。だから堕ちて」と呟かれる。
その言葉は静かだけど強烈な感情が込められている。

「ああダメ……怖い。綾人やめて……」

 得体が知れない恐怖から目に涙の膜が出来る。きっと綾人は本気だ。
 怖くなって私は綾人を全力で引き剥がした。火事場の馬鹿力というやつだ。勢いよく押したせいで綾人はベッドから転がり落ちてしまった。

「綾人大丈夫!」
「いったあ」

 綾人はゆっくりと体を起こし私を睨みつけた。鮮やかなエメラルドグリーンの瞳は怒りの炎を灯しこちらを見据える。

「ははっ。そっか。すずはどうあっても俺を受け入れてくれはないんだ。でも俺はすずを諦めたくない。すずと結ばれるならなんだってする。俺はずっと何年もすずを愛している。どうして俺たちは姉弟なんだろう?姉弟じゃなかったらと願わない日はなかった。万が一義理の兄弟だったらいいなって思って戸籍も調べた。実は個人用の遺伝子検査キットも買って調べた。でも調べれば調べるほど俺とすずは本当の姉弟だって事実が突きつけられた。この胸が潰れそうなくらいにすずが好きなのに姉弟だからって理由だけで許されないんだよ! もし俺とすずが血の繋がってない他人だったらすずは俺を好きになってくれたのかな? ねえどうして俺たちは姉弟に生まれちゃったんだろう? 兄弟じゃなかったら栗川なんかじゃなくて俺の事見てくれた?」

 綾人は泣き出しそうな表情で私に捲し立てるように詰め寄る。エメラルドグリーンの瞳は今にも涙が溢れそうだ。
 普段飄々として現代っ子らしいドライな綾人とは思えない言葉と表情だった。
 それでも私は綾人を受け入れることができない。私は綾人の事を弟としか見れない。綾人とキスをしたりセックスしたりするのは全くもって想像できない。

「綾人ごめん、私綾人とそういう関係になるのは想像できない。綾人の事はどうしても弟にしか見えないよ」

 私の言葉に綾人は俯く。長い沈黙が重苦しい空気を生み出す。しばらくすると綾人は顔をあげる。綾人は口元を歪める。

「ここまで言ってもすずは俺を受け入れてくれないのか。だったらどんな手を使ってでも俺のものにしてあげる」

 綾人が地を這う声でボソリと呟くと尻尾がシュルシュルと音を立てて勢いよく私の体に巻きつく。

 蛇のようにぐるぐると縛られた私の体はベッドに押し倒された。息苦しさに苛まれる私の胸に顔を寄せるとべっとりとしたざらついた舌先で肌の上を舐められ、そのまま大きく噛みつかれる。

 鈍い痛みと共に血液をすすられたのだと直感で理解した。今まで体感したことのない未知の感覚に思考が掻き乱される。痛いのに気持ちいい。血を啜られているのに性的快感を感じている私がいた。

 私の血をちゅうちゅうと吸う綾人はすごく妖艶な表情を浮かべている。美味しそうに血を吸う姿はあまりにも美しくも不気味だった。
 綾人が顔を上げると唇が私の血で真っ赤に色づいている。口紅を塗ったかのようだ。そして綾人は舌でベロリと唇についた血を舐めとる。

「すずの血甘くて美味しい♡俺吸血鬼じゃないけどすずの血ならいくらでも飲める♡♡」

 私の体から血が止まる気配のないことを確認するとその唇が再び私の皮膚に吸い付く。先程噛まれた部位を中心にねっとりした口付けが続く。痛いのに変な気分だ。綾人が私の傷口を舐め続けていると傷は塞がり赤いアザが残るだけになった。

「マーキング♡♡俺、もっとすずが欲しい」

 綾人は情欲の熱がこもった目を私に向ける。そして尻尾からトロトロとした蜂蜜のような液体が分泌され始めた。その蜜は甘い花の香りがし、私のパジャマを溶かしていく。札幌に進学してから友達と一緒に選んだお揃いのパジャマだ。

「何これっ⁉︎ やめて!」
「だってこれからする事にパジャマは邪魔でしょ? すずが素直ないい子になった時は着衣プレイもしたいけどね♡♡」

 ふざけた事をいう綾人だけど綾人の尻尾の蜜によって私の洋服は下着も含めて全て溶けてしまった。そして肌に触れたそれはぬるぬるとしているけどちょうどいい温かさで私の発情を誘う。

「いやああ! 何これ! どうなってるの?」
「すずの裸とっても綺麗♡パジャマは今度一緒に買いに行こうね♡♡すずに似合うやつ選んであげる♡♡」

 弟の前で何も身につけていない状態を晒されていることに今更羞恥心を感じる。しかし綾人は私の恥ずかしがる顔を面白そうに見下ろしているだけだ。

「あれ? 弟相手にすっかり発情しちゃってるね。可愛い乳首は勃起しているし、おまんこは真っ赤に充血して美味しそうな愛液が溢れてる♡♡」

 綾人の口から卑猥な言葉がぽんぽん出てきて呆然とする。その間にも尻尾から直接とろりとまた温かい粘液をかけられ秘裂の周りを覆われる。そして尻尾は弄ぶように秘裂のまわりを撫でる。

 快楽に耐えながら身を縮こまらせていると綾人によって脚を思い切り広げられる。
 その事に声を上げた次の瞬間秘処に圧迫感を覚えた。

 綾人が顔を埋めそこに舌を差し入れていたのだ。初めて異性の誰かに触れられる刺激に慣れていない花弁はすぐに歓喜の涙をこぼし始める。
 自分の股間に弟が顔を埋めてぺちゃぺちゃと下品な水音を立てて舐め回している光景は悪夢のようだった。夢なら覚めてほしいって願う。だけれどこの強烈な快感が夢ではなく現実だと痛いほどに突きつけてくる。

「すずの愛液甘くて美味しい♡♡」

 綾人はじゅるると音を立てて愛液を啜る。

 さらに尻尾の先端が伸びて乳首を刺激し始めた。突然増えた2箇所からの鮮烈な快楽によって私は体をビクビクって痙攣させる。私の反応に気がついた綾人の舌の動きが激しくなる。舌を膣に入れてじゅぽじゅぽと音を立てながら刺激する。そして尻尾は先端の尖った部分が乳首をカリカリと引っ掻くように動く。

 上からも下からも与えられる甘くも激しい快楽に私は限界を迎えそうになる。
 それに気がつかない訳もない綾人がとどめとばかりにクリトリスを思い切り吸うと私は呆気なくイってしまった。

 足を思い切りばたつかせて、頭を振り乱して快感を逃したかった。それを許さないかのように脚まで捕まえられた私はその体勢のままひたすらにイかせ続けられてしまう。

 長い時間だった気がしたが恐らくほんの数分程度だったとは思う。ようやく体が弛緩してくれたことを感じられた。呼吸を整えようと体を必死に落ち着けようとしても大きく吐き出した吐息はまだ荒れている。
 絶頂後特有のぼんやりとした頭は上手く働かない。
 目の前の世界が二重にも三重にブレ始め自分が自分ではないような不思議な気分でぼやっとした世界をただ見つめ続けるしかなかった。

 ただぼんやりとその光景を認識しつつも自分には関係がない気がしていた。
 しかし乳首に生温かい何かが這いずり回った事で私は現実へと戻される。綾人は私の胸に顔を埋めて乳首を舌で転がしていた。さらに尻尾の先っぽは口のような形状をしていて私のクリトリスに吸い付き内部にある触手で嬲っていた。

 私の絶頂後の敏感な部位に与えられるあまりにも強烈かつ暴力的な甘さをもった振動という新たな刺激が加えられたことに意識が完全に覚醒していく。

「だめっ! だめぇー!」
「ダメって言ってるけど尻尾愛撫気持ち良さそうにしてるね。もっともっとしてあげる。乳首もいっぱい吸って大きくしてあげる」

 そんな声出しても弟は私の言うことなど聞いてくれない。楽しそうに舌で乳首や胸の周辺を舐めまわし、尻尾で私のクリトリスをちゅーちゅーと甚振る。

 ビリリと電撃のようなものが駆け抜ける。その瞬間頭の中がスパークしてしまうほどの絶頂感に襲われる。その快楽を逃したいのに綾人に身体をがっちりと押さえられていて逃げる事はできない。

 全身が雷に打たれたと錯覚させてくるくらいの圧倒的な衝動に流される。それをどうすることもできない自分は快楽の奔流の中に呑み込まれてしまったのではないかという恐怖。

「すず、前戯でこんなにイッてたら本番どうするの? 弟の手で絶頂するなんてダメなお姉ちゃん♡♡」

 綾人が嘲笑する様に耳元で囁く。綾人の吐息が耳元にかかるだけで気持ち良くなって愛液をごぽりと垂らしてしまう。
 綾人の強烈な責めが連続で行われたら自分はどうにかなってしまうかもしれないと思った矢先にそれが解放された。綾人の尻尾からクリトリスが解放される。そして綾人の口から乳首も解放された。
 
「じゃあ次はおまんこ解そうね。すずのアソコは処女だから痛くないようにいっぱい解してトロトロにしてあげるね」

 怖くなって逃げようとするけれど尻尾が再び私の身体に巻きついてベッドに拘束されてしまう。綾人の尻尾は伸縮自在で体を捩っても尻尾がゴムのように伸びるだけだった。
 綾人によって足を広げられる。綾人は私の秘部をマジマジと眺めている。実の弟に秘部を見られて羞恥心で顔が熱くなる。

「すずのおまんこ、ピンクで可愛い。ヒクヒクって愛液垂らしている」

 そして綾人の指がゆっくりと私のアソコに入り込んだ。慣れない異物が入ってきた事で私の膣はぎゅっと締め付けてしまう。

「初めてだからキツいし硬いね。嬉しいな、すずの初めてが貰えるなんて♡」

 綾人は嬉しそうにゆっくりと指を奥へと入れていく。そして楽しそうに「いいとこみーっけった」と呟きお腹の裏側を撫で上げる。ざらりとしたそこを撫で上げられた瞬間強烈な快感が全身を襲う。そして綾人の指を勝手にしゃぶりだしてしまう。

「あっ、あああああ、なにこれええええ!」
「すずのGスポットだよ♡♡この調子なら指増やしても大丈夫だね」

 それから綾人は2本めの指を挿入する。そして柔らかくなったのを判断すると挿入される指が増えていった。綾人の手マンは壮絶なテクニックで私はそれはもうトロトロになっていた。

「あっ♡んっ♡きもちいぃ」
「気持ちいいでしょう? こんな事サークルの先輩はしてくれないよ。俺の事好きになって。そしたら何でも叶えてあげるし毎日気持ちよくしてあげる」

 奥まで指を突っ込まれてナカを掻き回される。私のアソコは既に綾人の指を4本も咥え込んでいた。

「イクっ! イッチャううううう」
「お疲れ様♡」

 綾人は膣から指をゆっくりと抜く。私のはしたないそこは抜かないでというかのように綾人の指を名残惜しそうに締め付けた。
 綾人の指は白く泡立った私の愛液でベトベトに濡れていた。指についた愛液をべろっと嘗め上げる綾人の行動を見てると本当に頭が溶けてしまうじゃないかと疑ってしまうほど私の体は熱くてクラクラしてきた。

「すずの本気汁すっごい♡♡そろそろいいかな?」

 綾人はベルトを外しズボンと下着を下ろす。そこから出てきた綾人の綾人は可愛らしいとは言い難いものだった。赤く太いそれは血管が浮き出ていてグロテスクだった。

「こんなのムリ! 挿入るわけないじゃない!」
「怖がらないで。すずのおマンコいっぱい解したから大丈夫だよ」

 腰を再び掴まれ私は身動き一つ出来ない。正常位の姿勢で綾人のそれが近づいてくる。そして綾人のものが膣に触れる。

 私の気持ちとは裏腹に身体は綾人のものを飲み込んでいく。ゆっくりと入ってくるそれは圧迫感はあるけれど痛くはなかった。それどころか挿入られただけでイッてしまう。まだ一番奥まで入ったところではないがこれだけでもおなかの裏側のイイトコロを思いっきり触られて頭まで突き抜けるような快感を得た。

「っ! ~!!」

 声にならない声で思い切り仰け反って喘ぐ。意味もない音の固まりが喉から出てくる。
 綾人から与えられる壮絶な快楽によって体がビクビクと震え脚をピーンと伸ばして絶頂を迎えてしまう。

「あれだけ嫌がってた弟とのセックスでイッちゃったね♡♡」

 そして綾人の陰茎が奥に当たると再び押し寄せる大きな快感に襲われる。

 ビクッと背筋が伸びるように無意識に体が上がるとお腹の底にじーんとした疼きを感じる。

 そして私のナカは綾人を感じたくて私の意思に反してぎゅうぎゅうに締め付けてしまう。もう何がなんだかわからなくて私はいつの間にか涙を流していた。恥ずかしさと綾人が変わってしまった悲しさといったいろんな感情で私はボロボロと情けないくらい大粒の涙を零す。

 そんな状況の中でも綾人の動きは激しくなっていく。ばちゅ、ぱちちゅ、と言う肉を打ち付ける音とそれと一緒に子宮の入り口と鈴口が激しくキスをしている音が響く。

 最奥を強く突き上げられそのままグリグリとされて押し潰される様に刺激されている。自分の頭は次第にこの快感に酔ってきてもっともっとほしいと貪欲にも更なる絶頂を求めたくなる自分がいた。 
 私の理性は既に綾人によって跡形もなくドロドロに溶かされ快楽の海へと沈んでいた。
 次第に激しさを増す快楽と綾人に突かれる度に揺さぶられる。

「すずの赤ちゃんの部屋が下りてきてきたね♡ここに直接ザーメン注いであげるからね。すっごい締め付けてる♡すずと1つになれて嬉しい。あっ♡気持ちいい♡出すよ!」

 ピストンに合わせて腰を持ち上げるかのように大きく上げてより深い所で射精させられる。
 精液が出終わっても綾人が出て行く様子はない。それどころか私がまだイッているにもかかわらずグリグリと奥を攻め立てる。
 容赦のない責めに悲鳴に近い喘ぎが出る。
 
「ちょっと休ませて・・」
「何言ってるの?これからが本番じゃない?」

 それから綾人は私がやめてと言っても弱いところをずっと突き続けてくる。今まで経験のない位の快感の連続でまともに息もつげない。

「あやどおぉ、もうやだっ!気持ちいいのいやああああ!!」
「でもすずのおまんこきゅんきゅんって俺のちんぽ締め付けてるよ。すずの身体は正直だね。ほら俺のちんぽ離したくないってすっごい締め付けてくる」

 耳元で甘く囁かれた私の下腹部はさらにキュンとしまって綾人のおちんぽのことしか考えられなくなる。
 その快感から逃れようとして思わず膣をギュっと締めてしまうと後ろから綾人の低い喘ぎと共に綾人のペニスが肥大する。そして再び熱い白濁が私のナカを満たす。

「すずにナカだししちゃった♡♡でも今日は安全日だから大丈夫だよ♡淫魔になると排卵日とかもわかるようになるんだ♡♡」

 ぬぷりと抜かれた時また絶頂を迎える。私の思考回路はもはやドロドロになってまともに物事を考えられない状態だった。

「今日は寝かさないよ♡」

 綾人が自身を軽く扱くと再びそれは透明な汁を流しながら天を向き始める。

「もう休ませて……」
「すずが俺のお願い聞いてくれたらいいよ♡」

 そういうと、綾人はもう一度勃起したものをあてがい直してきた。このままだと本当に死んでしまう!私はついに綾人の快楽責めに屈した。

「何でもするから休ませてぇ」
「じゃあ俺の恋人になって、病める時も健やかな時もどんな時もずーっと俺といるって約束して。たった一言ずっと俺といるって言って」
「なる! 綾人の恋人になる! ずっと一緒にいる」

 地獄のような快楽から逃れられるのならなんでもよかった。意識が朦朧とした状態で綾人の望む言葉を伝える。
 今の私は綾人の言っている事の意味を半分すら理解していなかった。

「わかった!じゃあこれで休ませてあげるね」

 そう言って綾人は最奥まで陰茎を擦りつけて勢いよく射精した。綾人の射精と共に私はまた絶頂し,このまま意識を失った。

***

 猛烈な倦怠感と共に目が覚める。腰は痛み、全身が筋肉痛になったようだ。私は温かい何か抱きしめられていた。目を向けるとそこにはすやすやと寝息を立てる綾人がいた。

 そして昨日の激しい情事が夢でなかったと気がついてしまう。そして翼や尻尾といった人外の象徴ともいえるパーツを身につけている綾人が本物の悪魔へと変化した現実を私に突きつけた。

「あ、すずおはよう。昨日はいい夜だったね♡すずもずっと俺と一緒にいてくれるって言ったし幸せだなあ。俺インキュバスになってよかったよ」

 無邪気に笑う綾人は私の下腹部をゆっくりと撫でる。全裸だった私は綾人の骨張った手にお腹を撫でられてくすぐったい気分になる。そして下腹部に目を向けるとピンク色のハートに似た形のアザがあった。

「あっ、これね俺との約束の証。昨日すずはずっと俺と一緒にいてくれるって言っただろ? これはその契約の証なんだ。この約束破ったら地獄のような快楽がすずを苛むんだ」

 そう言って綾人は私のアザを愛おしそうに撫で回す。そしてちゅっとリップ音を立ててそのアザに口付けた。

「もちろんそれは俺も同じ。ほら見て♡」
「うそっ!」

 綾人は私から離れて自分のお腹を見せる。腹筋がついて引き締まった綾人の下腹部にも同じアザがあった。

「俺たち一蓮托生だね。すず、これからはずっとずっと一緒だよ♡♡絶対に離さないからね♡♡子供は欲しい? 俺はしばらくすずと2人きりがいいなあ♡♡でもすずが欲しいならいつか作ろう♡俺やっぱり淫魔になってよかった♡」

 幸せそうに笑う綾人を見て私は静かに涙を流した。どうしてこうなってしまったのか。可愛い弟の秘めた想いにに気が付いていれば別の道はあったのか。
 だけどやり直しはもうできない。私の身体は弟のものになってしまったという事だけが現実だった。
 綾人の淫靡な笑顔が私の目にずっと焼き付いていた。
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