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番外編
弟と淫魔とバスタイム
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綾人の急なお願いで一緒にお風呂に入る事になった。
流石に姉弟で一緒にお風呂に入るのは内心では憚られるが綾人の機嫌を損ねる事だけはしたくない。
綾人の不興を買うとめんどくさい事になる。先ほどの快楽責めで壊されそうになった私は学習していた。
さっきまでは綾人との激しいセックスで疲労した身体は倦怠感に包まれて指1本すら動かせない状態だった。
しかし綾人のキスでエナジーを無理やり注がれた私は何とか動けるまでには回復していた。
絶対キス以外でもエナジーを渡すことはできると思うがツッコムと面倒なのは見えているからそこはスルーする。
そして綾人のお願いという名の強制で、狭いお風呂に綾人と共に入る事になった。
綾人のアパートはユニットバスではなく、トイレとお風呂がしっかりと別れている。この辺りの家賃相場を考えるとかなり良い部屋だと思う。
私は激安の大学女子寮なのに綾人はこんないいアパートに住んでいるなんて兄弟格差もいい所だ。
綾人は帝北の医学部で首席合格だったからお父さんたちが贔屓したくなるのもわかる。
いつの間にか湯船には温かいお湯が張られていて、入浴剤が入っているのかいい香りがした。
こうしてお風呂に一緒に入るのは初めてかもしれない。
綾人は腰にタオルを巻いて局部を隠している。一方私は丸裸でかなり恥ずかしい。
綾人の身体は細身だけれど剣道で鍛えていたおかげなのかしっかりと筋肉がついて引き締まっている。
顔が小さい上に手足が長く、身長だって175cmと日本人にしては長身の部類でスタイルは抜群にいい。
いつの間にか羽根や角、尻尾といった悪魔のパーツは消えていて、緑色だった瞳も普通の茶色に戻っている。
綾人のインキュバス姿は好きじゃない。角や尻尾、翼といった人外のパーツは綾人が人間ではなくなったという事実を私に突きつけてくる。
血を分けたはずの弟がいつの間にか遠い存在になってしまったのだ。
そして私を見つめる緑の瞳も苦手だ。
今日だって私を女として見る暗い熱のこもった鮮やかで深い緑色に気圧されてしまうのだ。
手段を選ばない綾人はちょっと怖い。時が経つにつれて恐ろしい事に手を染めるのではと思ってしまう。
「すずの全身に俺のキスマークついてる♡♡」
そんな不安をよそに綾人は恍惚とした目で私の全身に舐めるような視線を向ける。
私の身体は綾人がつけた歯形とキスマークだらけでしばらくは温泉やプールには行けないだろう。
それどころか首筋が出るトップスや丈の短いボトムも履く事はできない。
「綾人のおバカ! これしばらく消えないじゃない!」
「俺としては一生消えなくてもいいと思ってるんだけど。すずは消えて欲しいの?」
「健康診断でもお医者さんびっくりするでしょ。4月入ったらすぐに大学の健康診断あるんだから」
「別にその医者とは一度きりなんだから別にいいじゃん」
恐ろしい事をさらりという。
綾人がシャワーを持ち、私の身体にかけていく。
私好みの少し熱めのお湯が汗やら体液やらを流していく。
「あぁ……気持ちいい」
「うん、じゃあ次は髪を洗うから。座って」
用意されていたプラスチック製の椅子に座る。
サロン専用の高級シャンプーセットが置いてあって驚く。一人暮らしの大学生が気軽に使えるようなものではない。
ボトルで5000円近くする超高級品だ。
「綾人これっ! あんたこんないいシャンプー使ってたの⁉︎」
「これはすずが来た時専用だよ。前にこのシリーズのヘアケアセット使ってみたいって言ってたじゃん」
そうだっけ? 友達に話した覚えはあるが綾人に喋った覚えはない。
綾人は実家にいた時はドラッグストアで安売りしているシャンプーを適当に使っていた。
そんな綾人がシャンプーに興味がないのなんてわかりきっているから話すこともない。
私が喋った覚えのない事を何故か綾人は知っていて少し怖くなる時がある。
「はい、目を閉じて」
綾人はシャンプーを手に取って私の髪に付けていく。
高いシャンプーだけあって香りもすごくいい。まるでフローラルの香水のような上品な香りだ。
「かゆいところはございませんか?」
美容院ごっこでもするつもりなのか綾人がふざけてくる。
「美容師にでもなったつもり?」
「冗談じゃん」
綾人は楽しそうに笑いながら私の髪を洗い始めた。
美容室よりも少し強めの力でシャンプーされる。頭皮マッサージもしてくれるのか絶妙な力加減で心地よい。
「はい、流すよ」
シャワーで泡を流してもらって終了だ。
「はい、終わり。トリートメント付けるからじっとしててね」
トリートメントを付けるのも丁寧にやってくれる。
先ほどまで嬉々として快楽拷問で私を犯していた男とは思えないくらい優しい手つきだ。
「すずの髪の毛、少し傷んでいるね。染める事多いからかな」
手櫛でトリートメントを塗りながら綾人が声をかけてくる。
「んーまぁそうかも。一応手入れはしてるけどどうしても傷むんだよね」
「でも俺はそんなすずの髪ですら愛おしいって思うよ」
そんな事を言う綾人の髪は男のくせに天使の輪ができている。
一切染めた事がないとはいえ傷みがなさすぎる。
正直羨ましい。私は大学に入ってから常に髪の毛を染めているせいか傷みやすいのだ
「はい、終わったよ。次は身体洗うね」
綾人はボディソープを手で泡立てる。
ボディソープも私が気になっていたちょっといいやつだ。
綾人はスポンジを使わず直接手で洗ってくる。
「ちょ、ちょっと綾人! 自分でやるから!」
慌てて止めようとするもすでに遅く綾人は私の背中に触れている。
「ほら暴れると危ないよ。大人しくしていて」
耳元で囁かれると背筋がゾクッとする。いつもより低めの声で言われると逆らえなくなる。
綾人の手が背中を滑る。優しく撫でるように洗ってくれるが、その刺激だけで身体がビクビクと震えてしまう。
「ん……ふぅ……あっ……」
綾人に身体を弄られて敏感になっているせいか、ただ触られているだけだというのに快感を感じてしまい思わず声が出てしまう。
そんな私を見て綾人はニヤリと笑みを浮かべ
「どうしたの? 変な声上げてるね。俺はすずの身体洗っているだけだよ? うなじもちゃんと洗わないとね」
綾人の手が背中からうなじへと移動する。そしてそのまま首筋をなぞる。
ただ洗われているだけなのにくすぐったくてゾクゾクするような感覚が襲ってきてしまう。
「あぁっ! やめてっ! もういいっ! 自分でできるからぁっ!子供みたいで恥ずかしい!」
綾人の手を掴んで抵抗するが力が入らない。
「ダメだよ。俺が隅々までキレイにしてあげるから。すべすべで柔らかい肌だね」
私の制止の声など聞こえていないかのように綾人は再び私の首筋に触れる。
首筋から鎖骨にかけてゆっくりと指先で触れるように洗われる。
「やっ! やぁっ! やめっ! ひゃあああ!」
綾人が触れたところはどこも熱を持ったみたいに熱くなり、まるで性器を直接触られたかのような快感に襲われてしまう。
「すずったらえっちだね。身体洗っているだけで悶えるなんて」
いつの間にか綾人の手は胸にきており、私の乳房の形を確かめるように揉んできた。
そして泡だらけの手で乳首をクルクルと捏ね回す。
「やぁぁぁぁぁぁっ!!!」
身体中に電流が流れたような強烈な快感が走り抜け、身体が跳ね上がる。
「身体洗っているだけなのにすごい感度だね。お股からえっちな蜜流れてるね♡そこは最後にしっかり洗ってあげるからね」
綾人はそう言って焦らすようにお腹、脚と秘部を避けるようにして洗っていく。普段触られない所を触られてくすぐったい。
「最後はココだね。まずはちゃんとびらびらを開いて汚れ落とさないとね。俺といっぱいえっちしたから念入りに洗うね」
泡だらけの手を下腹部へ持っていき陰唇を開かれる。そして優しいけれどねちっこい手つきで洗われる。
「洗っても洗っても愛液が溢れてるね。クリトリスもちゃんと洗わないとね。クリトリスと皮の間に恥垢が溜まると病気の元なんだよ」
「あぁっ!! だめぇっ!!! そんなところまで洗わなくていいのぉっ!」
泡まみれの手で包皮を剥かれて陰核を露出させられる。
皮とクリトリスの間を綾人は念入りに洗浄していく。
普段は意識する事もない箇所を触れられて、しかも洗われてるという羞恥心で顔が真っ赤になる。
「綺麗になったよ。じゃあ泡を洗い流そうか」
「お願いだから早くしてよ。恥ずかしいから」
綾人はシャワーで私の身体についた泡を流していく。
「最後におまんこの部分も泡流すから脚を開いて」
「自分でやるからいいっ!」
「遠慮しなくてもいいのに」
綾人はシャワーを床に置いて、私の両膝に手を当ててグイッと大きく開かせる。そしてすぐにシャワーヘッドを拾い、私の陰核をめがけシャワーを浴びせる。
弱い水圧だけどその刺激はクリトリスには十分すぎるくらいで私は悲鳴のような喘ぎ声を上げてしまった。
身体を洗うという名目で綾人に身体を散々弄られたせいで甘イキしてしまう。
「ああぁぁっ!!!」
「シャワーで軽く洗っただけなのにイったんだね。すずは淫乱で変態さんだね」
綾人は楽しそうな表情で私を見下ろしている。
間違いなくこいつはサディストだ。
「はぁ……はぁ……綾人がこんな風にしたんじゃない……」
こうなったのは淫魔になった綾人が私の身体を快楽調教したせいだ。
「そうだね。俺がすずをこうしたんだ。すずは俺の手で気持ちよくなって可愛い顔を見せてくれればいい」
綾人は一切悪びれる様子なく私の頭を撫でながら耳元で囁いた。
熱のこもったねっとりとした声が頭の中で反響する。
それから綾人に促される形で一緒に湯船に浸かった。
綾人が盛って風呂場セックスになりかけたが私の身体が持たないので、何とか綾人を言いくるめた。
狭い湯船に2人で入っているせいで窮屈だ。
綾人の身体の上に抱っこされる形で湯船に浸かっている。
そのせいで綾人の綾人がお尻にくっついている上に、固くなっている。
「ねぇ……当たってるんだけど……」
「ごめん。ちょっと興奮しちゃった」
綾人の腕が私の身体を包み込むように抱きしめてくる。
「今日はちょっとやり過ぎたかなと思って反省してる。ごめん」
綾人がぼそりと謝罪の言葉を口にする。その言葉を聞いて私は思わず笑ってしまった。
「なにそれ。あんなに激しく私を犯していたのに今更謝るの?」
綾人は基本的に俺様タイプだ。
自分の思い通りに事を進めたがるし、明確な非がない限り中々謝ろうとしない。
それどころか口の上手さで逆に相手に謝罪させて自分のやりたい事をやり遂げるという厄介な奴だ。
だからこうして綾人から謝罪の言葉が出てくるのは珍しい。
「それは……その、いつもより調子に乗りすぎたというか……。俺のプレゼント探してくれてるの知らなかったし……。でも成り行きとはいえ栗川と2人きりでいたのはやっぱ許せない!」
「あんた嫉妬深すぎでしょ」
「それだけ愛してるって事だよ! それよりプレゼントって何?」
「システム手帳。後それに入れるリフィル。医学生で授業多いくせにバイトとかサークルとか予定入れまくってるじゃない。だからスケジュール管理できるものあったら便利かなって思ったの」
「嬉しい! プレゼント楽しみにしてる!」
綾人は私を抱き締める力を強める。
綾人が恋人のような振る舞いを見せる度に不安になる。
だって私と綾人は正真正銘血の繋がった姉弟だ。いくら綾人が私を好きであっても私は綾人の事を恋愛対象としては見れない。
綾人の淫魔の力に流されて何度もセックスをしているけど決して綾人の想いを受け入れる事は出来ないのだ。
だけどそれをはっきりと伝えるときっと取り返しのつかない事になる。
綾人は淫魔としての力を振るい、何が何でも私を繋ぎ止めようとするだろう。
可愛い弟はこうと決めたら絶対に曲げないし、自分の目的のためなら冷徹になれるという一面があるのを私は知っている。
だから私は面倒な事を先延ばしにするかのように曖昧な態度を取ってしまう。
私は綾人の事を嫌いになり切れずに突き放すことができない臆病者なのだ。
本当はわかっている。今の私たちのこの曖昧な関係は絶対に破綻する。
だけど私は現実から目を逸らすように綾人にもたれかかって身体を預けた。
流石に姉弟で一緒にお風呂に入るのは内心では憚られるが綾人の機嫌を損ねる事だけはしたくない。
綾人の不興を買うとめんどくさい事になる。先ほどの快楽責めで壊されそうになった私は学習していた。
さっきまでは綾人との激しいセックスで疲労した身体は倦怠感に包まれて指1本すら動かせない状態だった。
しかし綾人のキスでエナジーを無理やり注がれた私は何とか動けるまでには回復していた。
絶対キス以外でもエナジーを渡すことはできると思うがツッコムと面倒なのは見えているからそこはスルーする。
そして綾人のお願いという名の強制で、狭いお風呂に綾人と共に入る事になった。
綾人のアパートはユニットバスではなく、トイレとお風呂がしっかりと別れている。この辺りの家賃相場を考えるとかなり良い部屋だと思う。
私は激安の大学女子寮なのに綾人はこんないいアパートに住んでいるなんて兄弟格差もいい所だ。
綾人は帝北の医学部で首席合格だったからお父さんたちが贔屓したくなるのもわかる。
いつの間にか湯船には温かいお湯が張られていて、入浴剤が入っているのかいい香りがした。
こうしてお風呂に一緒に入るのは初めてかもしれない。
綾人は腰にタオルを巻いて局部を隠している。一方私は丸裸でかなり恥ずかしい。
綾人の身体は細身だけれど剣道で鍛えていたおかげなのかしっかりと筋肉がついて引き締まっている。
顔が小さい上に手足が長く、身長だって175cmと日本人にしては長身の部類でスタイルは抜群にいい。
いつの間にか羽根や角、尻尾といった悪魔のパーツは消えていて、緑色だった瞳も普通の茶色に戻っている。
綾人のインキュバス姿は好きじゃない。角や尻尾、翼といった人外のパーツは綾人が人間ではなくなったという事実を私に突きつけてくる。
血を分けたはずの弟がいつの間にか遠い存在になってしまったのだ。
そして私を見つめる緑の瞳も苦手だ。
今日だって私を女として見る暗い熱のこもった鮮やかで深い緑色に気圧されてしまうのだ。
手段を選ばない綾人はちょっと怖い。時が経つにつれて恐ろしい事に手を染めるのではと思ってしまう。
「すずの全身に俺のキスマークついてる♡♡」
そんな不安をよそに綾人は恍惚とした目で私の全身に舐めるような視線を向ける。
私の身体は綾人がつけた歯形とキスマークだらけでしばらくは温泉やプールには行けないだろう。
それどころか首筋が出るトップスや丈の短いボトムも履く事はできない。
「綾人のおバカ! これしばらく消えないじゃない!」
「俺としては一生消えなくてもいいと思ってるんだけど。すずは消えて欲しいの?」
「健康診断でもお医者さんびっくりするでしょ。4月入ったらすぐに大学の健康診断あるんだから」
「別にその医者とは一度きりなんだから別にいいじゃん」
恐ろしい事をさらりという。
綾人がシャワーを持ち、私の身体にかけていく。
私好みの少し熱めのお湯が汗やら体液やらを流していく。
「あぁ……気持ちいい」
「うん、じゃあ次は髪を洗うから。座って」
用意されていたプラスチック製の椅子に座る。
サロン専用の高級シャンプーセットが置いてあって驚く。一人暮らしの大学生が気軽に使えるようなものではない。
ボトルで5000円近くする超高級品だ。
「綾人これっ! あんたこんないいシャンプー使ってたの⁉︎」
「これはすずが来た時専用だよ。前にこのシリーズのヘアケアセット使ってみたいって言ってたじゃん」
そうだっけ? 友達に話した覚えはあるが綾人に喋った覚えはない。
綾人は実家にいた時はドラッグストアで安売りしているシャンプーを適当に使っていた。
そんな綾人がシャンプーに興味がないのなんてわかりきっているから話すこともない。
私が喋った覚えのない事を何故か綾人は知っていて少し怖くなる時がある。
「はい、目を閉じて」
綾人はシャンプーを手に取って私の髪に付けていく。
高いシャンプーだけあって香りもすごくいい。まるでフローラルの香水のような上品な香りだ。
「かゆいところはございませんか?」
美容院ごっこでもするつもりなのか綾人がふざけてくる。
「美容師にでもなったつもり?」
「冗談じゃん」
綾人は楽しそうに笑いながら私の髪を洗い始めた。
美容室よりも少し強めの力でシャンプーされる。頭皮マッサージもしてくれるのか絶妙な力加減で心地よい。
「はい、流すよ」
シャワーで泡を流してもらって終了だ。
「はい、終わり。トリートメント付けるからじっとしててね」
トリートメントを付けるのも丁寧にやってくれる。
先ほどまで嬉々として快楽拷問で私を犯していた男とは思えないくらい優しい手つきだ。
「すずの髪の毛、少し傷んでいるね。染める事多いからかな」
手櫛でトリートメントを塗りながら綾人が声をかけてくる。
「んーまぁそうかも。一応手入れはしてるけどどうしても傷むんだよね」
「でも俺はそんなすずの髪ですら愛おしいって思うよ」
そんな事を言う綾人の髪は男のくせに天使の輪ができている。
一切染めた事がないとはいえ傷みがなさすぎる。
正直羨ましい。私は大学に入ってから常に髪の毛を染めているせいか傷みやすいのだ
「はい、終わったよ。次は身体洗うね」
綾人はボディソープを手で泡立てる。
ボディソープも私が気になっていたちょっといいやつだ。
綾人はスポンジを使わず直接手で洗ってくる。
「ちょ、ちょっと綾人! 自分でやるから!」
慌てて止めようとするもすでに遅く綾人は私の背中に触れている。
「ほら暴れると危ないよ。大人しくしていて」
耳元で囁かれると背筋がゾクッとする。いつもより低めの声で言われると逆らえなくなる。
綾人の手が背中を滑る。優しく撫でるように洗ってくれるが、その刺激だけで身体がビクビクと震えてしまう。
「ん……ふぅ……あっ……」
綾人に身体を弄られて敏感になっているせいか、ただ触られているだけだというのに快感を感じてしまい思わず声が出てしまう。
そんな私を見て綾人はニヤリと笑みを浮かべ
「どうしたの? 変な声上げてるね。俺はすずの身体洗っているだけだよ? うなじもちゃんと洗わないとね」
綾人の手が背中からうなじへと移動する。そしてそのまま首筋をなぞる。
ただ洗われているだけなのにくすぐったくてゾクゾクするような感覚が襲ってきてしまう。
「あぁっ! やめてっ! もういいっ! 自分でできるからぁっ!子供みたいで恥ずかしい!」
綾人の手を掴んで抵抗するが力が入らない。
「ダメだよ。俺が隅々までキレイにしてあげるから。すべすべで柔らかい肌だね」
私の制止の声など聞こえていないかのように綾人は再び私の首筋に触れる。
首筋から鎖骨にかけてゆっくりと指先で触れるように洗われる。
「やっ! やぁっ! やめっ! ひゃあああ!」
綾人が触れたところはどこも熱を持ったみたいに熱くなり、まるで性器を直接触られたかのような快感に襲われてしまう。
「すずったらえっちだね。身体洗っているだけで悶えるなんて」
いつの間にか綾人の手は胸にきており、私の乳房の形を確かめるように揉んできた。
そして泡だらけの手で乳首をクルクルと捏ね回す。
「やぁぁぁぁぁぁっ!!!」
身体中に電流が流れたような強烈な快感が走り抜け、身体が跳ね上がる。
「身体洗っているだけなのにすごい感度だね。お股からえっちな蜜流れてるね♡そこは最後にしっかり洗ってあげるからね」
綾人はそう言って焦らすようにお腹、脚と秘部を避けるようにして洗っていく。普段触られない所を触られてくすぐったい。
「最後はココだね。まずはちゃんとびらびらを開いて汚れ落とさないとね。俺といっぱいえっちしたから念入りに洗うね」
泡だらけの手を下腹部へ持っていき陰唇を開かれる。そして優しいけれどねちっこい手つきで洗われる。
「洗っても洗っても愛液が溢れてるね。クリトリスもちゃんと洗わないとね。クリトリスと皮の間に恥垢が溜まると病気の元なんだよ」
「あぁっ!! だめぇっ!!! そんなところまで洗わなくていいのぉっ!」
泡まみれの手で包皮を剥かれて陰核を露出させられる。
皮とクリトリスの間を綾人は念入りに洗浄していく。
普段は意識する事もない箇所を触れられて、しかも洗われてるという羞恥心で顔が真っ赤になる。
「綺麗になったよ。じゃあ泡を洗い流そうか」
「お願いだから早くしてよ。恥ずかしいから」
綾人はシャワーで私の身体についた泡を流していく。
「最後におまんこの部分も泡流すから脚を開いて」
「自分でやるからいいっ!」
「遠慮しなくてもいいのに」
綾人はシャワーを床に置いて、私の両膝に手を当ててグイッと大きく開かせる。そしてすぐにシャワーヘッドを拾い、私の陰核をめがけシャワーを浴びせる。
弱い水圧だけどその刺激はクリトリスには十分すぎるくらいで私は悲鳴のような喘ぎ声を上げてしまった。
身体を洗うという名目で綾人に身体を散々弄られたせいで甘イキしてしまう。
「ああぁぁっ!!!」
「シャワーで軽く洗っただけなのにイったんだね。すずは淫乱で変態さんだね」
綾人は楽しそうな表情で私を見下ろしている。
間違いなくこいつはサディストだ。
「はぁ……はぁ……綾人がこんな風にしたんじゃない……」
こうなったのは淫魔になった綾人が私の身体を快楽調教したせいだ。
「そうだね。俺がすずをこうしたんだ。すずは俺の手で気持ちよくなって可愛い顔を見せてくれればいい」
綾人は一切悪びれる様子なく私の頭を撫でながら耳元で囁いた。
熱のこもったねっとりとした声が頭の中で反響する。
それから綾人に促される形で一緒に湯船に浸かった。
綾人が盛って風呂場セックスになりかけたが私の身体が持たないので、何とか綾人を言いくるめた。
狭い湯船に2人で入っているせいで窮屈だ。
綾人の身体の上に抱っこされる形で湯船に浸かっている。
そのせいで綾人の綾人がお尻にくっついている上に、固くなっている。
「ねぇ……当たってるんだけど……」
「ごめん。ちょっと興奮しちゃった」
綾人の腕が私の身体を包み込むように抱きしめてくる。
「今日はちょっとやり過ぎたかなと思って反省してる。ごめん」
綾人がぼそりと謝罪の言葉を口にする。その言葉を聞いて私は思わず笑ってしまった。
「なにそれ。あんなに激しく私を犯していたのに今更謝るの?」
綾人は基本的に俺様タイプだ。
自分の思い通りに事を進めたがるし、明確な非がない限り中々謝ろうとしない。
それどころか口の上手さで逆に相手に謝罪させて自分のやりたい事をやり遂げるという厄介な奴だ。
だからこうして綾人から謝罪の言葉が出てくるのは珍しい。
「それは……その、いつもより調子に乗りすぎたというか……。俺のプレゼント探してくれてるの知らなかったし……。でも成り行きとはいえ栗川と2人きりでいたのはやっぱ許せない!」
「あんた嫉妬深すぎでしょ」
「それだけ愛してるって事だよ! それよりプレゼントって何?」
「システム手帳。後それに入れるリフィル。医学生で授業多いくせにバイトとかサークルとか予定入れまくってるじゃない。だからスケジュール管理できるものあったら便利かなって思ったの」
「嬉しい! プレゼント楽しみにしてる!」
綾人は私を抱き締める力を強める。
綾人が恋人のような振る舞いを見せる度に不安になる。
だって私と綾人は正真正銘血の繋がった姉弟だ。いくら綾人が私を好きであっても私は綾人の事を恋愛対象としては見れない。
綾人の淫魔の力に流されて何度もセックスをしているけど決して綾人の想いを受け入れる事は出来ないのだ。
だけどそれをはっきりと伝えるときっと取り返しのつかない事になる。
綾人は淫魔としての力を振るい、何が何でも私を繋ぎ止めようとするだろう。
可愛い弟はこうと決めたら絶対に曲げないし、自分の目的のためなら冷徹になれるという一面があるのを私は知っている。
だから私は面倒な事を先延ばしにするかのように曖昧な態度を取ってしまう。
私は綾人の事を嫌いになり切れずに突き放すことができない臆病者なのだ。
本当はわかっている。今の私たちのこの曖昧な関係は絶対に破綻する。
だけど私は現実から目を逸らすように綾人にもたれかかって身体を預けた。
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超好みドンピシャです!私もこんな作品が書きたかった!つよつよヤンデレ、最高ですよね。女の子が全く歯が立たない感じ。どストライク作品を見つけてしまいました。
プリオネさんはじめまして。
まずは作品を読んで貰えて嬉しいです!
好みにドンピシャで私も嬉しいです!つよつよヤンデレいいですよね。
嬉しいお言葉ありがとうございます。