俺は、嫌われるために悪役になります

葉空

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驚くことに今回はたった3日で遠巻きに見られるようになった。もちろん史上最短記録の更新である。

嬉しいことだが、そんなに早く自分のことを嫌になったのかと考えると複雑である。望んでいた状況ではあるが、自分の性格を知って離れていくのは…まあ、うん、寂しいものである…

「どうしたんだ?」

自嘲するとそれに反応するように声を掛けられる。…ああ、例外がいたな。顔を振り向かせてじっとこちらを見る紅の瞳。

「いや、何でもない。」

ブラッドはふーんと興味のなさそうに返事をすると身体を後ろに向けてくる。

「おい、授業中だぞ!」

椅子に顎を乗せて上目遣いで見られても可愛くはない!か、可愛くないはずなのに…

「おい、バビントン!」

「痛っ!」

ブラッドが頭を押さえると、周囲からはクスクスと笑いの声が起きる。

「てめえ、何すんだよ?」

ブラッドは自分を叩いてきた隣の席の相手を睨むと、それに答えるようにイニスは鼻で笑う。

「お前こそ、アルフの言った通り今は授業中だぞ?馬鹿が。」

満面の笑顔で言うイニス。アルフはかつての可愛らしいイニスはどこにいったのかと最近は特に思うようになった。

「はあ?今は自主勉なんだから自由だろうが!」

「違う。」

思わず突っ込みを入れるとブラッドはえっと溢す。確かに先生はどっかに行ってはいるが自由なわけがない。

ブラッドは味方をしなかったせいかショボンと落む。そして、再び椅子に顎を乗せ捨てられた犬みたいに上目遣いで見てくるのだ。

え、俺悪くないよ?悪くないのに…

「ねぇ、アル。」

「う"っ…」

「俺、平民なのに貴族しかいないここで勉強頑張ってんだよ?アルを守るために必死に勉強してきたんだよ?」

そ、れは父親のせいであって俺のせいじゃ、ないもん…

「それとこれとは関係ないだろ。」

ズバッとイニスが言うがブラッドは聞く耳を持たない。

「だから、アル。たまにはご褒美くれ。」

「…何の?」

「んー、明後日が日曜日じゃん?久しぶりに買い物行こう。」

え、そんなことで良いの?

「いい「ダメだ!」え…?」

勝手に断ってきたイニスを無視するようにブラッドは喜ぶ。

「なら、後で詳細は決めようね!」

そう口にするとブラッドはイニスに笑みを浮かべて、身体を前に向けてしまった。まあ、俺としては真面目に取り組み出したから良いが…。でも、今思うと急に変な流れに話が変わってなかったか?…まあ、俺も出かけたかったし良いか。

それに相手が自由気ままなブラッドなのだから考えるだけ無駄だと判断した。



3人が帰宅した後の教室では、それぞれ気味の悪い笑みを浮かべた学生が集まっていた。

「やっぱり、人が集まらない方がアルフ様の顔がよく見えて良いわね。」

「ああ!しかもあの世界最年少で騎士になられたブラッド様の凛々しい姿も存分に拝めるしな!」

「それを言うなら世界最年少で博士号を取られたイニス様のギャップもよ!知的な姿だけでなく、嫉妬してる姿も素敵!」

このような経緯があって距離を置かれたことをブラッドとイニスは気付いていた。だが、アルフはこれまで通り鈍感なまま成長をしているため、ズレた考えをしていた。
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