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「どうしたら良いんだろう…」
さっきからこの言葉しか出てこない。口元までお湯につけて、少し前かがみの状態で風呂に浸かりながら考える。
「ヒスイさんにもっと触れたい。」
せっかく神様が天へと戻って行ったのに、ヒスイさんはキスやハグをするだけで他には何もしてくれない。最初はそれだけで幸せだったが、最近は物足りなく感じてしまう。
「でも、俺も男だからな…」
チラリと下半身を見ると男子を象徴するモノが付いている。それが今では残念に感じてしまう。この場にヒスイさんがいないからつい独り言が多くなってしまう。
「何で女の子にしてくれなかったんだろう…」
神様は始めからヒスイさんに俺のことを預けるつもりだった。
あんな綺麗でカッコいい人と出会って、恋に落ちると考えなかったのかな…
もし、そのことを視野に入れてくれたなら自分は女の子で生まれて、ヒスイさんに好きなだけ甘えていた気がする。でも、中身は変わらないので変わらず小心者だったかもしれない。
「ゔー」
考えても仕方ないことばかり頭に浮かんでは、打ち消してと、毎日繰り返すばかりだ。
それからも暫く、風呂に浸かっていると扉が開く音がする。浴室に続く扉を叩く音がすると大好きな人が自分の名前を呼んでくれた。
「ルカ?」
「……何?」
「まだ入る?大丈夫そう?」
まだ?
働きにくくなった頭を横に向けると、電子時計は20:47と示していた。どうやら、1時間くらい浸かっているらしい。
「出る…」
浴槽の淵に片手を置いて立ち上がろうとすると、目眩がして反対の手を思いっきり叩きつけてしまう。鈍い音が響くと同時に、勢い良く扉が開く。
「ルカ?!」
「っ…」
気持ち悪くて何も返事をせずにいると、冷たい手が自分の身体を触れてくる。それが気持ち良くて、もっと触って欲しいって思った。でも、頭の片隅にはヒスイさんが濡れてしまうという思いも芽生える。
「のぼせたのか。」
身体が浮く。ヒスイさんに抱え上げられていることは分かるが、何も考えられなくてされるがままに目を瞑る。揺れないように歩いてくれるその優しさが嬉しい。
身体が柔らかい感触を感じて沈む。ヒスイさんが離れてしまうことを感じたけど、引き止めることが間に合わなくて行ってしまう。それが何だか悲しかった。
俺が男だから、触ってくれないのだろうか…。それなら俺はずっと服を着てるから、男だってはっきりと分かる所には触れなくていいから…だから、もっと自分のことを触れて欲しかった。
「ルカ、水飲める?」
ゆっくりと背中が回されて、上半身を少し浮かせられる。俺は頷いて口を開けるとそこにコップが当てられ傾けられる。冷たい水が流れ込んできて、生き返る気分になる。
「今日はもう寝な。」
頭を撫でられるのが気持ち良い。俺はそっと手を伸ばすとヒスイさんの手を掴んで、自分の頬に擦り寄せた。
「気持ちいい…」
冷たくて、ずっとこのままでいて欲しいと思ってしまう。でも、そんなこと言ったら引かれてしまうのだろうか…?
ずっと人と関わらずに生きてきたから、どれだけ甘えていいのか分からない。好きなだけ甘えてって言われても間に受けすぎてしまったら、ヒスイさんに嫌われるのではないかと思って怖い。だから、ヒスイさんが自分にやってくれたことしか、俺からはやることが出来ない。
さっきからこの言葉しか出てこない。口元までお湯につけて、少し前かがみの状態で風呂に浸かりながら考える。
「ヒスイさんにもっと触れたい。」
せっかく神様が天へと戻って行ったのに、ヒスイさんはキスやハグをするだけで他には何もしてくれない。最初はそれだけで幸せだったが、最近は物足りなく感じてしまう。
「でも、俺も男だからな…」
チラリと下半身を見ると男子を象徴するモノが付いている。それが今では残念に感じてしまう。この場にヒスイさんがいないからつい独り言が多くなってしまう。
「何で女の子にしてくれなかったんだろう…」
神様は始めからヒスイさんに俺のことを預けるつもりだった。
あんな綺麗でカッコいい人と出会って、恋に落ちると考えなかったのかな…
もし、そのことを視野に入れてくれたなら自分は女の子で生まれて、ヒスイさんに好きなだけ甘えていた気がする。でも、中身は変わらないので変わらず小心者だったかもしれない。
「ゔー」
考えても仕方ないことばかり頭に浮かんでは、打ち消してと、毎日繰り返すばかりだ。
それからも暫く、風呂に浸かっていると扉が開く音がする。浴室に続く扉を叩く音がすると大好きな人が自分の名前を呼んでくれた。
「ルカ?」
「……何?」
「まだ入る?大丈夫そう?」
まだ?
働きにくくなった頭を横に向けると、電子時計は20:47と示していた。どうやら、1時間くらい浸かっているらしい。
「出る…」
浴槽の淵に片手を置いて立ち上がろうとすると、目眩がして反対の手を思いっきり叩きつけてしまう。鈍い音が響くと同時に、勢い良く扉が開く。
「ルカ?!」
「っ…」
気持ち悪くて何も返事をせずにいると、冷たい手が自分の身体を触れてくる。それが気持ち良くて、もっと触って欲しいって思った。でも、頭の片隅にはヒスイさんが濡れてしまうという思いも芽生える。
「のぼせたのか。」
身体が浮く。ヒスイさんに抱え上げられていることは分かるが、何も考えられなくてされるがままに目を瞑る。揺れないように歩いてくれるその優しさが嬉しい。
身体が柔らかい感触を感じて沈む。ヒスイさんが離れてしまうことを感じたけど、引き止めることが間に合わなくて行ってしまう。それが何だか悲しかった。
俺が男だから、触ってくれないのだろうか…。それなら俺はずっと服を着てるから、男だってはっきりと分かる所には触れなくていいから…だから、もっと自分のことを触れて欲しかった。
「ルカ、水飲める?」
ゆっくりと背中が回されて、上半身を少し浮かせられる。俺は頷いて口を開けるとそこにコップが当てられ傾けられる。冷たい水が流れ込んできて、生き返る気分になる。
「今日はもう寝な。」
頭を撫でられるのが気持ち良い。俺はそっと手を伸ばすとヒスイさんの手を掴んで、自分の頬に擦り寄せた。
「気持ちいい…」
冷たくて、ずっとこのままでいて欲しいと思ってしまう。でも、そんなこと言ったら引かれてしまうのだろうか…?
ずっと人と関わらずに生きてきたから、どれだけ甘えていいのか分からない。好きなだけ甘えてって言われても間に受けすぎてしまったら、ヒスイさんに嫌われるのではないかと思って怖い。だから、ヒスイさんが自分にやってくれたことしか、俺からはやることが出来ない。
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