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41.礼拝堂
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今日は歴史の授業の一環で、街の礼拝堂に来ている。
この国は多神教で、宗教が人々の生活に蜜に関わっているわけではないのよね。信仰していない人もいれば、真面目に信仰している人もいる。前いた世界と同じような感覚に近いかも。
その中でも、今来ているこの場所は、この国の歴史に深く関わっている人物縁の場所で、みんながよく知っている。
信仰とまではいかなくても、一応、一度はお参りしておくか、の感覚が人々の気持ちのなかにある。
有名な神社仏閣をお参りするようなものに近いかも。
「ここには千年前、建国の礎となった聖女が祀られています」
歴史の先生が、一番奥に置かれた像を示しながら、クラスのみんなに説明する。
少女の形をした白い大理石像に視線が集まった。どうやらこれが聖女らしい。両の手のひらを上に向け、腕を少し広げた格好で立っている。祈っているようにも、何かを迎え入れているようにも見える。
「聖女が何故、祀られてるのか、知ってるわね?」
ひとりの生徒が手をあげる。
「はい。災いをもたらした魔王を倒したからです」
これは小さい子どもでも知っている話。今からずっと昔のことである。この世は悪しき存在の化身である魔王にずっと支配されていた。しかし、千年前ひとりの少女が現れ、魔王を討ち滅ぼす。人々はようやく混沌から抜け出し、自分たちの国の礎を築き始める。それがこの国の始まりと言われている。
まるで御伽話みたいな歴史。ゲームでもそんな成り立ちは説明されなかったし、そもそもゲームの流れが恋愛シュミレーションを中心に回っていたから、魔法とか魔王なんて言葉はかすりもしない、普通の学園恋愛ものだった。
まあ、ヒロインが非科学的な秘密のアイテムを使えたりしたけど、あれはゲームを進めるための特別免除みたいなものだと思う。
本当かどうかはわからないけど、カレンが悪魔と通じていたなんて話も、盛り上げるために制作陣が作った話だと思いたい。
だってこの世界に悪魔なんてものは存在しない。これはこの世界に来てからわかった事実。
もちろん、童話の世界や空想の世界にはいる。だけど現実世界で本気で悪魔が存在するなんて真剣に言おうものなら、頭のおかしい人間の烙印を押されてしまう。
この世界の人々は魔法もなかったあちらの世界の人々とほぼ同じ感覚で暮している。
だから、この国の成り立ちに聖女やら魔王やらが関わっていると当たり前のように云われているのが、不思議でたまらない。誰も存在を疑わないのかなと訝しく思う。
私みたいに半信半疑で聞いてたりしないかしらと、クラスのみんなを眺めるけど、みんな真面目に聞き入っていてそんな素振りは一切見えなかった。小さい頃からの刷り込みみたいなものかしら。途中からこの世界に来てしまったから、きっとこんなふうに疑ってしまうんだろう。
私がひとりもやもやしている中、先生と生徒の間で会話が続けられていく。
「その通りね。聖女は今は失われた神聖魔法を使って、魔王を倒したと言われているわ。そして、聖女と一緒に活躍したと言われているのが彼らよ。後ろを見て」
先生が聖女像の後ろを指し示す。そこには色彩豊かなステンドグラスが飾られていた。
静謐な雰囲気の白い像とは異なり、後ろの背景はとても賑やかだ。
剣を持った幾人もの人たちと虹が描かれている。
「彼らが誰だかわかるわね」
「はい。七剣士です」
「そうよ。有名な七剣士。聖女のそばにあって、彼女を守り、付き従い、魔王を倒したのよ。後ろの虹はわかる?」
「確か、魔王が滅んだ日に空に現れたんですよね」
「そうよ。魔王を倒した直後、空に虹がかかったの。これが我が国で虹がとても良い瑞兆とされている発端ね」
「へえ。虹が見れたらラッキーって言われてるのはここから来てるんですね。知らなかった」
「私も」
女子生徒たちがちょっとざわめく。こういうジンクスみたいなの、女の子って好きだもんね。
先生がぱんと手のひらを打つ。
「はい。静かに。ほかに質問は?」
「はい!」
ひとりの男子生徒が勢い良く手をあげる。
「聖女は魔王を倒しましたが、その魔王が千年後に蘇ると言われていますが、本当ですか?」
「誰がそんなことを言ったの?」
「みんな噂してます。魔王は倒されたけど、まだ魂の欠片は残っていて、それが徐々に力を取り戻し、千年後復活するって」
「あ、俺もそれ聞いたことある。魔王が復活して、また再びこの世は闇に閉ざされるって話だろ。その封印が溶ける千年後が今ちょうどこの時なんだって」
「協会も密かに聖女を探してるんだろ? でも聖女が見つかったとしても、七剣士はどうすんだよ」
「ちょっとやめてよ、男子」
にかわに活気づく男子生徒たちを女子が嗜める。先生がまたぱんと手のひらを打った。
「はい。静かに。そういった根拠のない話はしないように」
私も実はその話を耳にしたことがあった。
ちらっと話題にのぼるけど、ほとんどの人は信じていないのが現実だった。いかにもそういった話が好きそうな人たちの間で面白可笑しく騒がれているだけで、実際真実味はないも同然。
この噂がのぼる原因は千年という区切りのいい年がたまたま近いせいだろう。
向こうの世界のノストラダムスの大予言みたいなものよね。区切りのいい年だから、根拠もないのに広まってしまう。誰もが知ってたけど、本気で信じていた人は極少数。だって科学が成立している世界で予知なんて、現実味がないもの。
こっちの世界においてもその感覚は同じ。永らく平和だし、魔王なんてとうの昔に滅んだ存在。今さら話に登ったところで、現実味がわかないのが普通の感覚。
ただ、魔王が蘇ると言われている時期と、ゲームのカレンが悪魔と取引した時期がちょうど被ってるのが気にかかるけど。
ただの偶然よね? ゲームで倒されたのはカレンだけで、取引した悪魔は結局最後まで出てこなかった。悪いのは全部、悪魔と契約したカレンだったから。カレンさえ倒せばめでたしめでたしっていう流れだった。だから結局悪魔の正体はわからず仕舞いなのよね。もし悪魔が魔王本人、もしくは何らかの形で関わっていたとしても、ヒロイン苛めなんて、そんなスケールの小さいことする? 本当に魔王が復活していたなら、もっととてつもない影響を人類に及ぼしているはずよね。だって千年前はこの地上は魔王の支配下にあったんだから。
だからやっぱり魔王復活なんてまやかしよ。ゲームに出てきた悪魔もただの偶然の一致。本当にいるかどうかもわからないし。
ゲームもカレンを倒したあとは攻略対象者と結ばれるハッピーエンドを迎えてたし。
その後もきっとみんな平和に暮らしたはず。そうよね?
私が考え事をしている間に、先生が話を続ける。
「それが本当なら、文献に残っている筈よ。専門家の話でもそういった話はでてないわ。だからむやみやたらにそう言った話はしないこと。わかったわね」
「「はーい」」
「他に質問は?」
「はい! 聖女はどうやって選ばれたんですか? 最初は普通の女の子だったんですよね」
「そうよ。文献では、ある日突然聖女の夢に神様が現れて、お告げをしたらしいの。あなたには特別な役目がある、人々を救いなさいって」
へー。同じ役目でも、私とはえらい違いね。
あのときも、役目みたいなことを言ってたけど、こっちは断罪される役割だもの。
それにしても、あの時夢に出てきた光って、結局なんだったのかしら。
「はい! 七剣士はどうやって選ばれたんですか?」
「心根が清く、正しく、強く、聖女と愛と信頼で結びついた者が選ばれたと言うわ」
「へー。ロマンチック」
女子がきゃあきゃあと騒ぐ。
「他に質問は? ――ないわね。じゃあ、次の場所に移動するわ」
先生が生徒をぞろぞろ引きつれ、建物内を移動する。
私も列のあとに続いていた時、ちょうど聖女像の横に来たので見上げる。
まだあどけない顔立ちの少女。ステンドグラスから注ぐ光を受けて、やんわりと七色の光を顔に受けている。
こんな年端もいかない少女が世界を救う役目を背負った時、一体どんな気持ちだったんだろう。
まあ、悪女の私には絶対わかりっこない気持ちねと、さして気にせずその場をあとにしたのだった。
この国は多神教で、宗教が人々の生活に蜜に関わっているわけではないのよね。信仰していない人もいれば、真面目に信仰している人もいる。前いた世界と同じような感覚に近いかも。
その中でも、今来ているこの場所は、この国の歴史に深く関わっている人物縁の場所で、みんながよく知っている。
信仰とまではいかなくても、一応、一度はお参りしておくか、の感覚が人々の気持ちのなかにある。
有名な神社仏閣をお参りするようなものに近いかも。
「ここには千年前、建国の礎となった聖女が祀られています」
歴史の先生が、一番奥に置かれた像を示しながら、クラスのみんなに説明する。
少女の形をした白い大理石像に視線が集まった。どうやらこれが聖女らしい。両の手のひらを上に向け、腕を少し広げた格好で立っている。祈っているようにも、何かを迎え入れているようにも見える。
「聖女が何故、祀られてるのか、知ってるわね?」
ひとりの生徒が手をあげる。
「はい。災いをもたらした魔王を倒したからです」
これは小さい子どもでも知っている話。今からずっと昔のことである。この世は悪しき存在の化身である魔王にずっと支配されていた。しかし、千年前ひとりの少女が現れ、魔王を討ち滅ぼす。人々はようやく混沌から抜け出し、自分たちの国の礎を築き始める。それがこの国の始まりと言われている。
まるで御伽話みたいな歴史。ゲームでもそんな成り立ちは説明されなかったし、そもそもゲームの流れが恋愛シュミレーションを中心に回っていたから、魔法とか魔王なんて言葉はかすりもしない、普通の学園恋愛ものだった。
まあ、ヒロインが非科学的な秘密のアイテムを使えたりしたけど、あれはゲームを進めるための特別免除みたいなものだと思う。
本当かどうかはわからないけど、カレンが悪魔と通じていたなんて話も、盛り上げるために制作陣が作った話だと思いたい。
だってこの世界に悪魔なんてものは存在しない。これはこの世界に来てからわかった事実。
もちろん、童話の世界や空想の世界にはいる。だけど現実世界で本気で悪魔が存在するなんて真剣に言おうものなら、頭のおかしい人間の烙印を押されてしまう。
この世界の人々は魔法もなかったあちらの世界の人々とほぼ同じ感覚で暮している。
だから、この国の成り立ちに聖女やら魔王やらが関わっていると当たり前のように云われているのが、不思議でたまらない。誰も存在を疑わないのかなと訝しく思う。
私みたいに半信半疑で聞いてたりしないかしらと、クラスのみんなを眺めるけど、みんな真面目に聞き入っていてそんな素振りは一切見えなかった。小さい頃からの刷り込みみたいなものかしら。途中からこの世界に来てしまったから、きっとこんなふうに疑ってしまうんだろう。
私がひとりもやもやしている中、先生と生徒の間で会話が続けられていく。
「その通りね。聖女は今は失われた神聖魔法を使って、魔王を倒したと言われているわ。そして、聖女と一緒に活躍したと言われているのが彼らよ。後ろを見て」
先生が聖女像の後ろを指し示す。そこには色彩豊かなステンドグラスが飾られていた。
静謐な雰囲気の白い像とは異なり、後ろの背景はとても賑やかだ。
剣を持った幾人もの人たちと虹が描かれている。
「彼らが誰だかわかるわね」
「はい。七剣士です」
「そうよ。有名な七剣士。聖女のそばにあって、彼女を守り、付き従い、魔王を倒したのよ。後ろの虹はわかる?」
「確か、魔王が滅んだ日に空に現れたんですよね」
「そうよ。魔王を倒した直後、空に虹がかかったの。これが我が国で虹がとても良い瑞兆とされている発端ね」
「へえ。虹が見れたらラッキーって言われてるのはここから来てるんですね。知らなかった」
「私も」
女子生徒たちがちょっとざわめく。こういうジンクスみたいなの、女の子って好きだもんね。
先生がぱんと手のひらを打つ。
「はい。静かに。ほかに質問は?」
「はい!」
ひとりの男子生徒が勢い良く手をあげる。
「聖女は魔王を倒しましたが、その魔王が千年後に蘇ると言われていますが、本当ですか?」
「誰がそんなことを言ったの?」
「みんな噂してます。魔王は倒されたけど、まだ魂の欠片は残っていて、それが徐々に力を取り戻し、千年後復活するって」
「あ、俺もそれ聞いたことある。魔王が復活して、また再びこの世は闇に閉ざされるって話だろ。その封印が溶ける千年後が今ちょうどこの時なんだって」
「協会も密かに聖女を探してるんだろ? でも聖女が見つかったとしても、七剣士はどうすんだよ」
「ちょっとやめてよ、男子」
にかわに活気づく男子生徒たちを女子が嗜める。先生がまたぱんと手のひらを打った。
「はい。静かに。そういった根拠のない話はしないように」
私も実はその話を耳にしたことがあった。
ちらっと話題にのぼるけど、ほとんどの人は信じていないのが現実だった。いかにもそういった話が好きそうな人たちの間で面白可笑しく騒がれているだけで、実際真実味はないも同然。
この噂がのぼる原因は千年という区切りのいい年がたまたま近いせいだろう。
向こうの世界のノストラダムスの大予言みたいなものよね。区切りのいい年だから、根拠もないのに広まってしまう。誰もが知ってたけど、本気で信じていた人は極少数。だって科学が成立している世界で予知なんて、現実味がないもの。
こっちの世界においてもその感覚は同じ。永らく平和だし、魔王なんてとうの昔に滅んだ存在。今さら話に登ったところで、現実味がわかないのが普通の感覚。
ただ、魔王が蘇ると言われている時期と、ゲームのカレンが悪魔と取引した時期がちょうど被ってるのが気にかかるけど。
ただの偶然よね? ゲームで倒されたのはカレンだけで、取引した悪魔は結局最後まで出てこなかった。悪いのは全部、悪魔と契約したカレンだったから。カレンさえ倒せばめでたしめでたしっていう流れだった。だから結局悪魔の正体はわからず仕舞いなのよね。もし悪魔が魔王本人、もしくは何らかの形で関わっていたとしても、ヒロイン苛めなんて、そんなスケールの小さいことする? 本当に魔王が復活していたなら、もっととてつもない影響を人類に及ぼしているはずよね。だって千年前はこの地上は魔王の支配下にあったんだから。
だからやっぱり魔王復活なんてまやかしよ。ゲームに出てきた悪魔もただの偶然の一致。本当にいるかどうかもわからないし。
ゲームもカレンを倒したあとは攻略対象者と結ばれるハッピーエンドを迎えてたし。
その後もきっとみんな平和に暮らしたはず。そうよね?
私が考え事をしている間に、先生が話を続ける。
「それが本当なら、文献に残っている筈よ。専門家の話でもそういった話はでてないわ。だからむやみやたらにそう言った話はしないこと。わかったわね」
「「はーい」」
「他に質問は?」
「はい! 聖女はどうやって選ばれたんですか? 最初は普通の女の子だったんですよね」
「そうよ。文献では、ある日突然聖女の夢に神様が現れて、お告げをしたらしいの。あなたには特別な役目がある、人々を救いなさいって」
へー。同じ役目でも、私とはえらい違いね。
あのときも、役目みたいなことを言ってたけど、こっちは断罪される役割だもの。
それにしても、あの時夢に出てきた光って、結局なんだったのかしら。
「はい! 七剣士はどうやって選ばれたんですか?」
「心根が清く、正しく、強く、聖女と愛と信頼で結びついた者が選ばれたと言うわ」
「へー。ロマンチック」
女子がきゃあきゃあと騒ぐ。
「他に質問は? ――ないわね。じゃあ、次の場所に移動するわ」
先生が生徒をぞろぞろ引きつれ、建物内を移動する。
私も列のあとに続いていた時、ちょうど聖女像の横に来たので見上げる。
まだあどけない顔立ちの少女。ステンドグラスから注ぐ光を受けて、やんわりと七色の光を顔に受けている。
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