❲完結❳乙女ゲームの世界に憑依しました! ~死ぬ運命の悪女はゲーム開始前から逆ハールートに突入しました~

四つ葉菫

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76.最後の攻略対象者

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私は放課後、裏通りに来ていた。
理由は占いの館に行くため。
イリアスからも告白されるに至って、今のこの状況が異常事態だと認識し頭がいよいよ混乱をきたすようになったせいだ。ゲームの本筋から大きくはずれてきてしまった今、この先ヒロインが現れた時どうなってしまうのか、占い師の人に相談、もしくは占ってもらおうと思ったのだ。
本当だったら、アンナやジュリアやヴェロニカに、「私は悪女なのにみんな好きだって言って寄ってくるのよ。どうしたらいいと思う。断罪回避できたかな?」と、相談できたらいいが、そんなことを言ったところで、きっとちんぷんかんぷんで頭を捻る彼女たちの姿しか想像できない。
ということで、今頼りになるべき人間は、占い師ひとりだけだ。
彼女なら、私の良くない未来を読み取ったこともあるだろうし、他の人が理解できないことも、多少は想像で補って、アドバイスしてくれるだろう。
ああ、それにしても、イリアスからも告白されるなんて思ってもみなかったわ。他の攻略対象者ならともかく、彼とは婚約しているのだ。今までは斬り殺される未来だけはないようにしようとばかり考えていたから、イリアスとの婚約を本気で考えることはなかった。
今後ヒロインが現れて、もしイリアスが彼女に振り向くことなく、変わらず私を思い続けるんだとしたら――。
私たち結婚するの!? 
私は自分の考えにカウンターパンチをくらって、思わず後ろにふらついてしまった。そこで――

「きゃっ!」

「うおっ!」

ひとにぶつかってしまった。

「ご、ごめんなさい!!」

後ろを振り向いて、急いで謝る。

「どこ見て歩いてやがる!」

「いってえな、クソっ」

「すみません!!」

乱暴な言葉遣いに戦々恐々としながらも、とりあえず悪いのはこっちだから、頭を懸命に下げた。

「本当にごめんなさい。お怪我はありませんか?」

頭を恐る恐るあげて尋ねる。ぶつかったのは男の二人組。見た格好、チンピラに近いかもしれない。柄が悪そうだ。ふたりは私の顔を確認した途端、何故かいやらしく笑い始めた。

「ああ、痛えなあ。こりゃ、ヒビが入っちまったかもな」

「え?」

私は驚いて目を丸くする。驚きのあまり頭がとっさに回らないところに、もう片方の男が私の肩に手を回してきた。

「こりゃ責任とって、姉ちゃんに面倒見てもらわないとな」

「ちょ、ちょっと」

男の腕を引き剥がそうとしたけど、女の細腕ではびくともしない。

「この近くに俺の家があんだよ。ちょうどいい。そこで看病してくれよ」

「離してっ。やめてっ」

こっちの嫌がる素振りを無視して引きずっていこうとする。
なすがままの状況に恐怖で身が竦みそうになった時だった。

――ドカッ!!

「がはっ!」

男のひとりが突然吹っ飛んだ。突然のことに目が点になる。私の肩を掴んでいた男も同じように一瞬目を丸くしたが、すぐに立ち直って、振り返った。

「何しやがる、テメエ!!」

「ああ? テメエみてえな蛆虫、殴ったら手が汚れるから、足で蹴っただけだぜ」

「なんだと――」

「本気で怪我する前に失せろ」

青筋を浮かべ怒りを顕にするチンピラに対し、新たに現れた男は冷たい眼差しで、でも特に感情を込めるわけでもなく平坦に告げる。
私は呆然と顔を見上げた。
――このひと。

「この野郎っ!!」

私の肩に腕を回していた男が、男に飛びかかっていった。同時に蹴られた男も態勢を立て直すと、反対側から襲いかかる。
第三の男は上半身を反らして、すっと拳をかわす。流れるような動作。ふたりめの攻撃は宙を切った。男が間髪いれずにしゃがみこんだからだ。そして伸び上がりざま、勢いを活かして、チンピラの腹に膝が決まる。
続いて、蹴り上げた足が地面に着くと、今度はその足を軸に後ろからの回し蹴りでふたり目を倒した。今度は高さがあったため、男の首に命中した。
男ふたりを倒して、男の足が再び地面に着くまでの間、まるでスローモーションのように時がゆっくり流れた。
男の後ろ姿。少し長めの銀髪がはらりと頬に落ちる。耳を飾るピアスにイヤーカフ。浅黒い肌。腰に差した剣。腰に布を巻いた異国風な出で立ち。
彼は――そう。
男が振り向いた。
私を射抜くその眼差し。金色に近い黄色の瞳。
まるで、一匹のしなやかな野生動物のように優美でいて、危険な存在。
隠れキャラにして攻略対象者の最後のひとり。

――『バルタザール・アムラン』

チンピラを地面にのして、バルタザールが私に近づく。
息もできずにいる私の眼の前までくると、バルタザールが口を開けた。

「怪我は?」

若干冷たさが混じっているような気がしないでもない切れ長の瞳。加え黄色という珍しい色合いの相乗効果で、射竦められたような気分に襲われた。
でもそれも一瞬。すぐに気分を立て直した。
はっ。私、助けられた分際で、なに失礼なこと思ってるの。まずはお礼を言うのが先よね。
私は口を開いた。

「あ、はい、大丈夫です。ありがとうござ――」

「あんた、馬鹿なのか?」

けれど、言葉は途中で遮られてしまった。

「へ?」

「貴族の令嬢がこんなとこ歩いてんじゃねえよ。少し考えれば、危険なことくらいわかんだろ?」

バルタザールが私の制服姿を一瞥し呆れたような、それでいて少し馬鹿にした感じで言ってくる。最初、射竦められたと思ったのは、勘違いじゃなかったらしい。

「俺が偶然通りかかったからいいようなものの――」

呆れたようにため息を吐いて、遠目になって髪をかきあげる。その横顔を見上げた私の耳元は、どこか遠くから彼の言葉を聞いていた。
まるでゲームがそのままそっくり再現されたみたい。
ゲームでも裏通りを歩いていたヒロインがゴロツキに絡まれていたところをバルタザールが助けてくれるのだ。
彼の一番初めのスチルも、さっきの回し蹴りの瞬間とそっくり。
それからそのあとの辛辣な言葉も――。
黙ってしまった私に目を向けて、バルタザールが見下ろしてくる。
彼を正面から間近で見つめることになり、私は思わず見入ってしまう。
ます切れ長の目元に目が引き寄せられる。続いて日にあたると眩しいほどの銀髪に――。  
少し長い髪から覗く耳に嵌められたイヤーカフとピアス。褐色の肌。片腕の手首にも腕輪が二重に嵌められている。異国情緒あふれる独特な服装。そして、只人とは思えない腰に差してある剣。
それらひとつひとつから、醸し出される危険な香りといかにも秘密がありそうな独特な雰囲気。
攻略対象者をそれぞれ、優等生キャラ、俺様キャラ、元気系キャラ、遊び人キャラ、内気系キャラと仕分けするならば、目の前の彼は所謂不良系キャラだ!
まあ、見た目が不良なだけで、中身は違うけど。
ユーリウスやフェリクスは制服を着崩しているから、不良系にちょっと近い感じはするけれど、耳に穴を開ける行為、つまり自分の体に傷をつけるような真似は決してしない。高貴なる血を引く貴族の子息はその体自体が尊く、貴重なものだから。
そのため、バルタザールは由緒正しい貴族が通う学園にはいないタイプ。
攻略対象者の中では唯一の平民設定だ。ヒロインが元庶民だから、特に違和感もなく受け入れられた。バルタザールと結ばれても、またただの平民に戻るだけだからだ。ちなみに、ゲームのエンドロールの最後には結ばれたあとの様子がスチルとして浮かびあがってくる。バルタザールの場合は平民っぽい家の中で、料理を載せた皿をヒロインに向かって笑いながら運んでいるという図だった。その何気ない日常の一角を切り取った姿から、ヒロインとの平和な日常を連想させ、「ああ、彼も普通のひとと変わらない穏やかな暮らしを人生に取り戻せたのだ」とジーンと来たものだ。
関係ないけど、イリアスの時は教会風の建物で結婚式をあげてる場面で、彼の白い正礼装姿が目に眩しかったのを記憶している。

「あんた、大丈夫?」

黙ってしまった私を訝しんで、バルタザール眉根を寄せて覗き込んでくる。 
背が高いため、首を傾げるその様子は少し窮屈そうだ。
彼はヒロインより二歳年上の十九歳という設定。今はそれより一年前だから、今、目の前にいる彼は十八歳ということ。成長期が過ぎているため、他の攻略対象者より若干背が高い。それが念頭にくると、顔つきも、イリアスやユーリウスたちよりも大人びて見えた。

「声が出せなくなるほど、そんな怖かったか?」

私が黙ってしまったのを恐怖からだと勘違いしたらしい。
バルタザールが困ったようにガシガシと頭をかいた。

「ほら、付いてこいよ」

くるりと背を向けて、首だけ振り返る。

「え?」

「安全なとこまで送ってやるよ。ぼうっと突っ立ってるとおいてくぞ」

そのまま返事も聞かず、ふいと顔を背けると歩き出した。
その歩き方さえ、野生の獣のように優美で隙がない。まるで野生動物の頂点に立つ王者が間違って、薄汚れた路地裏に来てしまったよう。
この国では見ない異国風の出で立ちをしているせいか、彼の周りだけ別の空気が漂っているように感じた。

「あっ! 待って下さい!」

一瞬見惚れてしまった私は慌てて彼のあとを追いかける。
本当は占いの館に行くつもりだったけど、彼にまだここに留まると伝えれば、怒られそうだったから。
愛想の欠片もない言葉に素っ気ない態度。他人のことなんて興味がないように見えるけど、実際は――。
彼が裏で何をしてるか知っている私は、もしここで断ったら無理矢理引きずられるだろうと確信できた。
大人しくついていくことにする。
人通りが多い大通りまで来たところで、彼が振り返った。

「じゃあな。もう二度とこっちに来たりすんなよ」

私に釘を刺して、すっと身を翻す。そんな何気ない動作さえ、流れるように軽い。
本当に野生の獣みたい。ゲームで呼ばれてた二つ名に納得する。

「ありがとうございます!!」

去っていくその後ろ姿に言うも、聞こえていたかどうか。とくに振り返りもせず、彼の姿が遠くなっていく。

「最後のひとりに会っちゃった……」

その姿を呆然と見送りながら、思わず口にせずにはいられなかった。
ゲームではこの後、ヒロインは再び裏通りへと赴く。またヒロインを目にすることになったバルタザールは、懲りないヒロインに辛辣な言葉を浴びせるのだが、その途中でヒロインが「違う! 今回はあなたに会いに来たの!」と言い、「俺に?」と眉を寄せるバルタザール。そして「あのときのお礼がしたいと思って……。あの、あの時は本当に助けて頂いてありがとうございました!」と、お土産を手に頭を下げるヒロイン。「……」ちょっと驚いたような顔のバルタザール。
と、こんな感じといった具合で、二度目の遭遇を果たすのだ。
わざわざ足を運んでお礼をいいにくる律儀さと平民相手なのに驕り高ぶったところを感じさせない殊勝さ。貴族に対して偏見を持っていた彼は、そんなヒロインを改めて見るようになり、態度を軟化させる。バルタザールがヒロインに言う。「こっちに用があんなら、俺がいるときにしろ。この時間なら大概いるから」と、その正義感から嬉しい申し出までしてくれるのだ。それからは度々会うようになる。
会話を重ね、一緒に時を過ごすようになり、仲を深めていくふたり。そんな順調とも言える穏やかな日々を過ごす中で突然、それを壊すかのように、ある事件が起きるのだ。それをきっかけに、ヒロインはバルタザールの正体を知ることになる。
そこまで思い出して、まさか私、同じ轍を踏まないわよね?と不安になる。
フェリクスとエーリックのイベントに関しては自分の性格上黙って見過ごすことができず、自ら進んで入っていったけど、イリアスの場合はどういうわけか勝手に事件に巻き込まれてしまった。
これまでの流れから、また裏通りに来たら、確実にバルタザールに会う気がする。そして私が関わると何故か攻略対象者たちは私に告白しにくるのよね。バルタザールもそうならないとは限らない。五人から告白されて既に頭はパンク状態だというのに、これ以上、頭痛の種を増やしたくないわ。
それにこれ以上、ヒロインのイベントを盗ることは気が咎める。
ヒロインが現れたとき、恨まれちゃう。
占いの館に行けないのは残念だけど、仕方ないわね。
今後裏通りを訪れることがなければ、もう二度とバルタザールとは会わないはず!!
微塵も疑わず確信するも、まさかその二週間後に再び彼と会うことになろうとは、夢にも思っていなかった私なのだった。







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ちなみに攻略対象者の身長は、ラインハルトが一番高く185㎝(成長期を過ぎ去った大人なので。)バルタザールは180前半(もう、1、2㎝伸びるかも?)他の十六歳組はユーリウスが一番高く180cm。他は170後半。
最終的にユーリウスは185まで伸びて、イリアスとフェリクスは184。エーリックは183。レコは181になります。
『0、解説書』書くときに、彼らの歳と身長も書こうかなと思ったんですが、面倒くさくてやめてしまいました(^_^;)

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