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◇第八話 チョコクッキー
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時は遡り、ルシェフ達がストルワルツから出ていった次の日の昼下がり、ギルド内は不穏な空気に包まれていた。
「何だと?」
貴族の集会で、二日ほどペルシャンから離れていたアリスと、その付き添いをしていた俺、アーヴィン・ハスラーがストルワルツに戻ると、俺たちと同じく《スピリッツ・サーヴァント》に所属している小柄な少女、マルヴィナ・ペインからある報告を受けた。
「だから、ちょっと色々あって、レオナは暫く戻ってこないから」
「どうせ、アイツ絡みだろ!?」
「……」
アリスがそう叫ぶと、マルヴィナがわかりやすく視線を逸らす。どうやら、隠すつもりもないらしい。
「……ルシェフ絡みだろ?」
「そんなことないよー」
いや、絶対嘘だろ。否定も棒読みだし、誤魔化すつもりもないようだ。
「何しに行ったんだ?」
「ルシェフの乗る馬車の御者をしてるだけだよ。それも途中までだから、一週間もしないで帰ってくるし」
隠すつもりがないからか、俺が問いただすとすぐに答えをくれた。
ん?待てよ……。“途中まで”の御者をやっている、のか……?
マルヴィナの言葉を聞き、背中に嫌な汗が一筋流れる。
「──それで、どこに向かったんだ?」
俺と同じ考えに至ったと思われるアリスが、急に平静を取り繕ってマルヴィナにそう尋ねた。
「……聞いてどうするつもり?」
アリスは、不信感を抱かれないように得てして声を落ち着かせたのだが、急に彼女の声が落ち着いたことに警戒してか、マルヴィナの目付きが鋭いものになった。
「追うに決まってるだろ⁉︎」
握り拳を机に叩きつけたアリスが叫ぶと、マルヴィナが言いたくないと言って唇を尖らせる。
──駄目だ、コイツは完全にルシェフに買収されてるな。
そもそも、レオナに途中までの御者を任せたとしても、先に聞いたルシェフのギルド脱退が本当なら、レオナはルシェフについて行きかねなかった。
それ自体は別に構わないが、アリスがレオナと離れると、彼女は夜淋しがったりとかしてないだろうかとか、帰りに夜盗に拐われたりしないかとか、ルシェフたちとはぐれて迷子になっていないかとか色々と心配しだすんだよな……。
「──落ち着け、アリス。いつものお前らしくない。一度全員の意見をまとめるべきだ」
アリスが少し取り乱し気味だったので、彼女の家の次期筆頭家宰候補として、彼女に落ち着くように窘める。
「……すまない、冷静さを欠いていたようだ。レオナを追いたいと思うが、皆はどう思う?」
「俺はアリスについていくよ」
まず始めに、俺がアリスに同行することを伝える。
「私は反対、レオナの考えを尊重するべきだから。それに、ルシェフとの約束があるから、行き先は言いたくない」
「──ヘレン、君はどうだ?」
アリスはここにきてから一言も発していない、茶髪のソフトモヒカンが印象的な大柄な男、ヘレン・ワイアットに意見を求めた。
「……俺としては、追うのは構わないが、それには先ず行き先を特定する必要があるだろう」
「そう、だな……」
アリスがマルヴィナを睨むが、マルヴィナはそんな視線には目もくれない。
「彼らなら、メクイーンに向かいました。そのままリティシュを経由して、最終的にはシャマに向かうのでしょう」
俺たちが話し合いをしていると、突然、俺の真後ろから声がかけられた。
アサシン顔負けの潜伏スキルで、気配も発さずに俺の背後をとったこの長身の金髪女性は、ギルドのサブマスターのアンナ・モルモッタだ。
どうして彼らの行き先を知っているのかは分からないが、彼女がそう言うからには、そうなんだろう。
そう信じざるを得ないだけの結果を、彼女は残していた。
「どういうつもりだ?」
アリスが、なるべく表情を殺したままアンナの真意を確認する。
特に意味もなく自身の持つ情報を俺たちに公開するなど、《中央の影》のメンバーを顎で動かせるアンナの性質上ありえないためだ。
「簡単なことですよ。話のまとまらない貴方たちに依頼があるんです。オリビアの追放について、“気になること”がいくつか出てきたので、三人が他国に行く前に連れ戻して貰いたいのですが、引き受けてくれませんか?」
「少し考えさせてくれ」
「──分かりました」
アリスが彼女の了承を得てからマルヴィナの方を向く。
「マルヴィナ。君は何も話していないし、私たちは“依頼として”三人を追う。もし嫌なら私たち三人で向かうが、どうする?」
「……ついてく」
少し、いや、かなり不貞腐れ気味ではあったが、マルヴィナの了承も得られたので、アリスがアンナに四人で依頼を受けることを伝えた。
アンナの言っている“気になること”はさっぱりわからないが、俺としても、他のメンバーと同様にレオナの事が心配だったから、この依頼は願ったり叶ったりだった。
依頼を受けたところで、俺たちが帰ってくるのに使った馬車がまだ近くにいたので、それを捕まえる。
「待って!」
俺たちが支度をするために散開しようとしたところで、赤と紫の虹彩異色が印象的な、狼人族の小柄な少女がギルドから飛び出してきた。
彼女は《八尺の勾玉》というパーティーに所属している少女、田村乃愛だ。
「私も同行してノアを連れ戻してこいって言われたから、一緒に連れてって!」
「了解した集合は三十分後だ。それまでに支度を済ませて此処に来い」
「分かった!」
アリスが無の表情で乃愛に伝えると、乃愛は朗らかにそう叫び、準備のために走り去っていった。
アリスの乃愛に対する対応は、一見無愛想な対応に見えなくもないが、今のアリスにはそれが限界だったのだろう。
アリスは、無類の動物好きだった。
本人は隠せているつもりであるようだが、小さいものや可愛いものも好む彼女の好意の対象には、狼人族の少女である乃愛も含まれる。
これは予想でしかないが、アリスが無理して表情を殺していなければ、彼女の頬は緩みっぱなしになっていたはずだ。
彼女が無の表情で対応していたのは、俺や乃愛を含む他の人間にそれを悟らせないようにしたためだと思われた。
──まぁ、そのことは周知の事実となっているが。
それからは全員急いで支度にかかり、三十分と経たずに俺たちを乗せた馬車が走り出した。
「いやぁ、思ってたより速いねぇ」
初めて龍馬に乗ったと思われる乃愛がそう漏らす。
「あぁ、アルセルはうちの自慢の龍馬だからな。普通の馬車の二倍以上の速度が出ているはずだ」
「そうなんだ!」
今も、アリスが乃愛の頭を撫でようとしてか、手を少し出しては引っ込めたりしており、アリスが明らかに挙動不審だが、乃愛はアリスからの好意に何となく気づいているのか、無警戒に彼女の隣に腰かけ、楽しげに足をバタつかせている。
端に座るアリスの隣を乃愛に盗られ、仕方なくその隣に座った俺の隣にはヘレンが座っており、当たり前のように向かいに座るマルヴィナの隣席に座る者は誰もいなかった。
勿論、全員でマルヴィナを仲間はずれにしてる訳でも避けているでもなく、精霊の姿を視認し、彼らと会話まですることの出来る彼女に気を使っての行動だ。
少なくても、俺たちのパーティーの中には、精霊が座っているかもしれない席を彼らから横取りできるような反精霊的な人間はいないからな。
「そうだ!後で皆で食べようと思って持ってきたものがあるんだけど」
通行人のほぼ全員が振り向いて二度見する勢いで街道を馬車が駆け抜けるなか、乃愛が今思い出したかのように声をあげ、自身の鞄の中身を漁る。
「それは?」
乃愛の取り出した黒いクッキーを見たアリスが、軽く微笑みながらそう尋ねる。
それにしても、黒いクッキーなんて珍しいな……。少し原材料が気になるところだ。
「パーティーの皆で食べようと思って、朝作っておいたんだ。良かったら、食べる?」
「頂こう」
これはヘレン経由の話だが、彼の知り合いから乃愛は趣味で料理をすることがよくあると聞いたことがあった。
正直、見た目はアレだが、きっと味は良いのだろうと推測される。
今日の夕食も、彼女が作ると張り切っていたしな。
「……」
アリスが一口クッキーを齧ると、普段のポーカーフェイスも忘れてこの世の終わりのような顔をしている。
「どうぞ」
「ありがとう」
アリスの貴重な表情を脳内フィルターに収めていると、乃愛が屈託のない笑顔で俺の元にもクッキーを差し出してきたので、それを一口齧る。
「っ⁉︎」
ど、毒を盛られた!
「チョコクッキーにしてみたんだけど、どう?」
「…ぅ、旨いぞ」
乃愛が無垢な瞳で俺の顔を覗き込んでいたので、あくまでも平静を装ってそう伝えた。
「なら良かったよ!最近、うちのギルドでもダイエットが流行ってるみたいで、皆あんまり食べてくれないんだよね……」
俺が一枚目の“絶望を体現した”味のクッキーを修行僧の如く無心で食べきろうとするなか、アリスは二枚目のクッキーに手をつけていた。どうやら、乃愛を傷つけないように気を使っているようだ。
ならば、俺のやることは一つだろう。そう覚悟を決め、俺も二枚目のクッキーに震える手を伸ばした。
──この一連の行動が、俺たちに更なる試練を与えるとも知らずに。
「いやぁ、こんなに好評なんて作った甲斐があったよ!まだたくさんあるから、一杯食べてね」
「……」
機嫌の良さそうな乃愛が取り出した、今のものと同じクッキーの入った袋を目の当たりにした俺たちには、ただただ神を恨むことしかできなかった。
「何だと?」
貴族の集会で、二日ほどペルシャンから離れていたアリスと、その付き添いをしていた俺、アーヴィン・ハスラーがストルワルツに戻ると、俺たちと同じく《スピリッツ・サーヴァント》に所属している小柄な少女、マルヴィナ・ペインからある報告を受けた。
「だから、ちょっと色々あって、レオナは暫く戻ってこないから」
「どうせ、アイツ絡みだろ!?」
「……」
アリスがそう叫ぶと、マルヴィナがわかりやすく視線を逸らす。どうやら、隠すつもりもないらしい。
「……ルシェフ絡みだろ?」
「そんなことないよー」
いや、絶対嘘だろ。否定も棒読みだし、誤魔化すつもりもないようだ。
「何しに行ったんだ?」
「ルシェフの乗る馬車の御者をしてるだけだよ。それも途中までだから、一週間もしないで帰ってくるし」
隠すつもりがないからか、俺が問いただすとすぐに答えをくれた。
ん?待てよ……。“途中まで”の御者をやっている、のか……?
マルヴィナの言葉を聞き、背中に嫌な汗が一筋流れる。
「──それで、どこに向かったんだ?」
俺と同じ考えに至ったと思われるアリスが、急に平静を取り繕ってマルヴィナにそう尋ねた。
「……聞いてどうするつもり?」
アリスは、不信感を抱かれないように得てして声を落ち着かせたのだが、急に彼女の声が落ち着いたことに警戒してか、マルヴィナの目付きが鋭いものになった。
「追うに決まってるだろ⁉︎」
握り拳を机に叩きつけたアリスが叫ぶと、マルヴィナが言いたくないと言って唇を尖らせる。
──駄目だ、コイツは完全にルシェフに買収されてるな。
そもそも、レオナに途中までの御者を任せたとしても、先に聞いたルシェフのギルド脱退が本当なら、レオナはルシェフについて行きかねなかった。
それ自体は別に構わないが、アリスがレオナと離れると、彼女は夜淋しがったりとかしてないだろうかとか、帰りに夜盗に拐われたりしないかとか、ルシェフたちとはぐれて迷子になっていないかとか色々と心配しだすんだよな……。
「──落ち着け、アリス。いつものお前らしくない。一度全員の意見をまとめるべきだ」
アリスが少し取り乱し気味だったので、彼女の家の次期筆頭家宰候補として、彼女に落ち着くように窘める。
「……すまない、冷静さを欠いていたようだ。レオナを追いたいと思うが、皆はどう思う?」
「俺はアリスについていくよ」
まず始めに、俺がアリスに同行することを伝える。
「私は反対、レオナの考えを尊重するべきだから。それに、ルシェフとの約束があるから、行き先は言いたくない」
「──ヘレン、君はどうだ?」
アリスはここにきてから一言も発していない、茶髪のソフトモヒカンが印象的な大柄な男、ヘレン・ワイアットに意見を求めた。
「……俺としては、追うのは構わないが、それには先ず行き先を特定する必要があるだろう」
「そう、だな……」
アリスがマルヴィナを睨むが、マルヴィナはそんな視線には目もくれない。
「彼らなら、メクイーンに向かいました。そのままリティシュを経由して、最終的にはシャマに向かうのでしょう」
俺たちが話し合いをしていると、突然、俺の真後ろから声がかけられた。
アサシン顔負けの潜伏スキルで、気配も発さずに俺の背後をとったこの長身の金髪女性は、ギルドのサブマスターのアンナ・モルモッタだ。
どうして彼らの行き先を知っているのかは分からないが、彼女がそう言うからには、そうなんだろう。
そう信じざるを得ないだけの結果を、彼女は残していた。
「どういうつもりだ?」
アリスが、なるべく表情を殺したままアンナの真意を確認する。
特に意味もなく自身の持つ情報を俺たちに公開するなど、《中央の影》のメンバーを顎で動かせるアンナの性質上ありえないためだ。
「簡単なことですよ。話のまとまらない貴方たちに依頼があるんです。オリビアの追放について、“気になること”がいくつか出てきたので、三人が他国に行く前に連れ戻して貰いたいのですが、引き受けてくれませんか?」
「少し考えさせてくれ」
「──分かりました」
アリスが彼女の了承を得てからマルヴィナの方を向く。
「マルヴィナ。君は何も話していないし、私たちは“依頼として”三人を追う。もし嫌なら私たち三人で向かうが、どうする?」
「……ついてく」
少し、いや、かなり不貞腐れ気味ではあったが、マルヴィナの了承も得られたので、アリスがアンナに四人で依頼を受けることを伝えた。
アンナの言っている“気になること”はさっぱりわからないが、俺としても、他のメンバーと同様にレオナの事が心配だったから、この依頼は願ったり叶ったりだった。
依頼を受けたところで、俺たちが帰ってくるのに使った馬車がまだ近くにいたので、それを捕まえる。
「待って!」
俺たちが支度をするために散開しようとしたところで、赤と紫の虹彩異色が印象的な、狼人族の小柄な少女がギルドから飛び出してきた。
彼女は《八尺の勾玉》というパーティーに所属している少女、田村乃愛だ。
「私も同行してノアを連れ戻してこいって言われたから、一緒に連れてって!」
「了解した集合は三十分後だ。それまでに支度を済ませて此処に来い」
「分かった!」
アリスが無の表情で乃愛に伝えると、乃愛は朗らかにそう叫び、準備のために走り去っていった。
アリスの乃愛に対する対応は、一見無愛想な対応に見えなくもないが、今のアリスにはそれが限界だったのだろう。
アリスは、無類の動物好きだった。
本人は隠せているつもりであるようだが、小さいものや可愛いものも好む彼女の好意の対象には、狼人族の少女である乃愛も含まれる。
これは予想でしかないが、アリスが無理して表情を殺していなければ、彼女の頬は緩みっぱなしになっていたはずだ。
彼女が無の表情で対応していたのは、俺や乃愛を含む他の人間にそれを悟らせないようにしたためだと思われた。
──まぁ、そのことは周知の事実となっているが。
それからは全員急いで支度にかかり、三十分と経たずに俺たちを乗せた馬車が走り出した。
「いやぁ、思ってたより速いねぇ」
初めて龍馬に乗ったと思われる乃愛がそう漏らす。
「あぁ、アルセルはうちの自慢の龍馬だからな。普通の馬車の二倍以上の速度が出ているはずだ」
「そうなんだ!」
今も、アリスが乃愛の頭を撫でようとしてか、手を少し出しては引っ込めたりしており、アリスが明らかに挙動不審だが、乃愛はアリスからの好意に何となく気づいているのか、無警戒に彼女の隣に腰かけ、楽しげに足をバタつかせている。
端に座るアリスの隣を乃愛に盗られ、仕方なくその隣に座った俺の隣にはヘレンが座っており、当たり前のように向かいに座るマルヴィナの隣席に座る者は誰もいなかった。
勿論、全員でマルヴィナを仲間はずれにしてる訳でも避けているでもなく、精霊の姿を視認し、彼らと会話まですることの出来る彼女に気を使っての行動だ。
少なくても、俺たちのパーティーの中には、精霊が座っているかもしれない席を彼らから横取りできるような反精霊的な人間はいないからな。
「そうだ!後で皆で食べようと思って持ってきたものがあるんだけど」
通行人のほぼ全員が振り向いて二度見する勢いで街道を馬車が駆け抜けるなか、乃愛が今思い出したかのように声をあげ、自身の鞄の中身を漁る。
「それは?」
乃愛の取り出した黒いクッキーを見たアリスが、軽く微笑みながらそう尋ねる。
それにしても、黒いクッキーなんて珍しいな……。少し原材料が気になるところだ。
「パーティーの皆で食べようと思って、朝作っておいたんだ。良かったら、食べる?」
「頂こう」
これはヘレン経由の話だが、彼の知り合いから乃愛は趣味で料理をすることがよくあると聞いたことがあった。
正直、見た目はアレだが、きっと味は良いのだろうと推測される。
今日の夕食も、彼女が作ると張り切っていたしな。
「……」
アリスが一口クッキーを齧ると、普段のポーカーフェイスも忘れてこの世の終わりのような顔をしている。
「どうぞ」
「ありがとう」
アリスの貴重な表情を脳内フィルターに収めていると、乃愛が屈託のない笑顔で俺の元にもクッキーを差し出してきたので、それを一口齧る。
「っ⁉︎」
ど、毒を盛られた!
「チョコクッキーにしてみたんだけど、どう?」
「…ぅ、旨いぞ」
乃愛が無垢な瞳で俺の顔を覗き込んでいたので、あくまでも平静を装ってそう伝えた。
「なら良かったよ!最近、うちのギルドでもダイエットが流行ってるみたいで、皆あんまり食べてくれないんだよね……」
俺が一枚目の“絶望を体現した”味のクッキーを修行僧の如く無心で食べきろうとするなか、アリスは二枚目のクッキーに手をつけていた。どうやら、乃愛を傷つけないように気を使っているようだ。
ならば、俺のやることは一つだろう。そう覚悟を決め、俺も二枚目のクッキーに震える手を伸ばした。
──この一連の行動が、俺たちに更なる試練を与えるとも知らずに。
「いやぁ、こんなに好評なんて作った甲斐があったよ!まだたくさんあるから、一杯食べてね」
「……」
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