27 / 78
第二十六話 救援
しおりを挟む
「お疲れ、レオナ」
そう言って、詠唱を終えた彼女にもスパイスドリンクを渡す。
「ありがと……」
詠唱を終えてから小さく震え始めたレオナが、震える手でカップを受けとり、俺の横に腰掛けて肩をピッタリとくっつけてくる。詠唱中は集中しているようだったようで、この寒さにも気づかなかったのかもしれない。
未だに降り続く雹により視界が少し遮られるが、ジャックさんとフレディには魔力探知があるから、二人の移動にはそこまで支障はないだろう。
既に四百は確認できている前方のスケルトンたちには被害が出ていないものの、後ろのスケルトンたちの先鋒を努めていたスカルドラゴンとスカルライダーの姿はない。
さらには、後方の地面が氷漬けになっている関係で、スカルホースは動けなくなり、後続のスケルトンたちの足止めに成功していた。
──レオナは、背後の地形ごと凍土へと変え、北の国を彷彿させるような銀世界を作り上げていた。
それでも、前方から迫る四百以上のスケルトンの相手を真面目にしていたら、間違いなく後方のスケルトンたちに追いつかれるだろう。向こうの術士の中で風魔法の使える者には足場なんて関係ないからな。
「あ、あの……レオナさん、さっきのって──」
オリビアがレオナの顔色を不安そうに窺いながらそう尋ねる。
「……言わないと不味いよね」
「別に、無理して話さなくても良い」
俺が何かを言う前に、レオナの表情を見たニコが淡々とそう告げる。
ニコが先にそう言ってくれて助かった。レオナに無理強いをして聞くつもりは勿論なかったが、あの魔法は俺とも所縁があるものだったため、一瞬とはいえ聞くべきか迷ってしまっていたからな。
「──それにしても、用意が良いね」
「何のことだ?」
唐突にそう切り出してきたニコに、そう尋ね返す。
「さっきの飲み物のこと。普通なら、ここに来るのに耐寒なんて必要なかったでしょ?」
相変わらず、彼女は勘が良い。
「別に、備えは多い方がいいだろ」
正直なところ、レオナ程の大規模な殲滅魔法が使えるわけでもないが、俺もさっきの魔法に近い現象なら起こすことが出来た。スパイスドリンクは、そのための保険だ。
だが、レオナの事情がわからない手前、取り敢えずはそうはぐらかす事にする。
「まぁ、そうなんだけどね」
ニコも特に詮索はしてこなかったので、ここでこの話は打ち切りになる。
疎らに降っていた雹が降り止んだので、一度防御壁を解いた。
「そろそろ射程圏内に入ります。──撃っても良いですか⁉︎」
いつもの調子を取り戻した《戦慄の魔女》がそう叫ぶ。既にスケルトンの群れは彼女の射程圏内に入っているようで、俺の索敵にも七百を越えるスケルトンの反応があった。
何ていうか、この数になると数えるのも嫌になるな……。
状況を見るに、俺たちの知らない抜け道が使われた可能性も考慮する必要がありそうだ。地図を頼りに四層まで行ったが、それには載っていない抜け道を使って彼らは先回りをしてきた可能性がある。
「ブラウンさん?」
「あぁ、悪い。もう撃っても大丈夫だ」
今は目の前の敵に集中するべきか。
「──ん?」
オリビアが四重で唱えた【戦慄の光球体】を撃ち、俺も各人に【ロニゲスメイシュ】をかけたところで、索敵に高速で飛来する何かが映る。
それからすぐ、まるで彼らの時間が静止したかのように七百を越えるスケルトンの足が一斉に止まった。
高速で飛来する何かはすぐに視認できる距離まで近づき、それが竜種であることがわかり、それに乗る見知った顔の一行の姿が確認できた。
初めに二人が竜の背中からこちらへと飛び移ってきた。
「よぉ、兄ちゃん。モテモテじゃねぇか!」
エビ男を引き連れたカニ男が後方から追ってくるスケルトンの群れを見ながら、下衆な笑みを浮かべて楽しげに話しかけてくる。
「何でこんなところに……?」
レオナを庇うように前に出てそう伝える。オリビアは、熱い視線を送ってきていたエビ男から逃げるように俺の後ろに隠れてしまった。
「今回は別に争うつもりはねぇよ。雇われて来ただけだしな」
カニ男が、後ろへと意味ありげな視線を向ける。その視線を辿ると、《スピリッツ・サーヴァント》のメンバーを乗せた小柄な竜が、ジャックさんの隣に並び、アリスがこちらへと飛び移ってくるのが見えた。
前回の一件があったからか、普段より険しい顔つきのアーヴィンがアリスに続く。
「アリス!」
「レオナ」
先程まですごい形相で俺を睨んできていたアリスが花の咲いたような満面の笑顔になり、彼女の元に駆け寄ってきたレオナを抱き止める。
隣の小さな竜に乗るマルヴィナが少しぐったりと横になっていることから、スケルトンには彼女が大規模な精霊魔法で足止めをしてくれたのだと気づいた。
彼女の努力を無駄にしないためにも、急ぎダンジョンを出た方がいいだろう。
「すまない、手紙に気づくのが遅れた」
「……やっぱり。見てたらリティシュで会えないもんね」
「……」
アリスとレオナが微笑ましげに会話をするなか、無言でアーヴィンと向き合う。
カニ男たちは俺たちの様子を見て、気まずそうに向こうの竜の方へ戻っていった。
「……」
ここにきて、いくつかの疑問が解決した。
あのときは何故ニコが真っ直ぐに追って来られたのか疑問だったが、それ以前に、カニ男たちが西の国で俺たちの前に出てきた時点でおかしかったんだ。
そもそも、ジャックさんでシャマまで移動した俺たちに、カニ男たちが追い付いたこと自体が異常だった。
そのことにすら気づかなかったことに少し自己嫌悪しながらも、まだ足りないピースがあることに気づく。
ニコについては、《スピリッツ・サーヴァント》と何らかの繋がりがあると仮定して、カニ男たちから事前に居場所を聞いていたとする。だが、奴等はどうやって居場所を特定したんだ?
奴等が何らかの手段で俺たちに追い付いたとしても、居場所がわからなければ意味がないはずだ。
ただ、今はそれよりも優先することがあるか……。
「マルヴィナ」
アーヴィンの横を通りすぎて隣の竜の方へ飛び移り、彼女の元へ向かう。
「どーしたの?」
ぐでっとしていたマルヴィナが、気怠げに起き上がった。
「ほら、カルパスの実だ」
「……ありがと」
カルパスの実を受け取ったマルヴィナが、それを食べる。カルパスの実には、多分な魔素が含まれているため、気休め程度にはなるだろう。
無事に第一層へと続く門を潜り、ダンジョンの入り口を目指していると、複数のスケルトンが突如出現した魔方陣から現れるが、ジャックさんたちが吐息で一掃する。
今の魔方陣を見る限りだと、七百近くいたスケルトンたちも抜け道使ったというよりかは、転移などの可能性を疑うべきか。
第一層に着いてからは、散発的な戦闘があっただけで、そのままカルレランを後にすることができた。
カルレランを出たところで、フレディとジャックさんには竜化を解いてもらって状況の確認をする。
そこで、レオナを追っていた《スピリッツ・サーヴァント》とオリビアを追っていたアンナが共謀していたことを聞かされた。俺たちの居場所については、アンナの“予想”を頼りに突き止めたそうだ。
ニコは《スピリッツ・サーヴァント》からの依頼という形でレオナの護衛もしていたようだった。
つまり、彼女は今回のダンジョンアタックで二重の報酬を得ていることになる。相変わらず、ニコはそういうところが抜け目ない。
その時にアンナからの伝言として、ニコとオリビアはともかく、俺の脱退処理が終わっていないことも伝えられた。
──どうやら、受理される前に差し押さえられたようだ。
《スピリッツ・サーヴァント》がカルレランに来た経緯としても、ギルドメンバーである俺の救援的な意味もあったようだ。実際助かってはいるが、アンナの珍しい行動に少し薄気味悪さも覚える。
ギルドの方には気持ちばかりの置き土産をしてきたので、それが効いただけだろうか……?
レオナはレオナで《スピリッツ・サーヴァント》のメンバーと話をつけたようで、暫くは俺たちと一緒にいられるようだった。
《スピリッツ・サーヴァント》の面々も暫くは西の国で活動するそうだが、ニコがいればレオナの方は大丈夫だろうということで、俺たちと行動を共にするつもりはないそうだ。
俺たちはこの後、オリビア追放の原因となった魔石が売られると思われる、闇市の開催されるセンタリーに向かう予定だが、その前にスケルトン・ナイトの魔石の換金などもあるので、一度アリオンのギルドへと向かうことにした。
そう言って、詠唱を終えた彼女にもスパイスドリンクを渡す。
「ありがと……」
詠唱を終えてから小さく震え始めたレオナが、震える手でカップを受けとり、俺の横に腰掛けて肩をピッタリとくっつけてくる。詠唱中は集中しているようだったようで、この寒さにも気づかなかったのかもしれない。
未だに降り続く雹により視界が少し遮られるが、ジャックさんとフレディには魔力探知があるから、二人の移動にはそこまで支障はないだろう。
既に四百は確認できている前方のスケルトンたちには被害が出ていないものの、後ろのスケルトンたちの先鋒を努めていたスカルドラゴンとスカルライダーの姿はない。
さらには、後方の地面が氷漬けになっている関係で、スカルホースは動けなくなり、後続のスケルトンたちの足止めに成功していた。
──レオナは、背後の地形ごと凍土へと変え、北の国を彷彿させるような銀世界を作り上げていた。
それでも、前方から迫る四百以上のスケルトンの相手を真面目にしていたら、間違いなく後方のスケルトンたちに追いつかれるだろう。向こうの術士の中で風魔法の使える者には足場なんて関係ないからな。
「あ、あの……レオナさん、さっきのって──」
オリビアがレオナの顔色を不安そうに窺いながらそう尋ねる。
「……言わないと不味いよね」
「別に、無理して話さなくても良い」
俺が何かを言う前に、レオナの表情を見たニコが淡々とそう告げる。
ニコが先にそう言ってくれて助かった。レオナに無理強いをして聞くつもりは勿論なかったが、あの魔法は俺とも所縁があるものだったため、一瞬とはいえ聞くべきか迷ってしまっていたからな。
「──それにしても、用意が良いね」
「何のことだ?」
唐突にそう切り出してきたニコに、そう尋ね返す。
「さっきの飲み物のこと。普通なら、ここに来るのに耐寒なんて必要なかったでしょ?」
相変わらず、彼女は勘が良い。
「別に、備えは多い方がいいだろ」
正直なところ、レオナ程の大規模な殲滅魔法が使えるわけでもないが、俺もさっきの魔法に近い現象なら起こすことが出来た。スパイスドリンクは、そのための保険だ。
だが、レオナの事情がわからない手前、取り敢えずはそうはぐらかす事にする。
「まぁ、そうなんだけどね」
ニコも特に詮索はしてこなかったので、ここでこの話は打ち切りになる。
疎らに降っていた雹が降り止んだので、一度防御壁を解いた。
「そろそろ射程圏内に入ります。──撃っても良いですか⁉︎」
いつもの調子を取り戻した《戦慄の魔女》がそう叫ぶ。既にスケルトンの群れは彼女の射程圏内に入っているようで、俺の索敵にも七百を越えるスケルトンの反応があった。
何ていうか、この数になると数えるのも嫌になるな……。
状況を見るに、俺たちの知らない抜け道が使われた可能性も考慮する必要がありそうだ。地図を頼りに四層まで行ったが、それには載っていない抜け道を使って彼らは先回りをしてきた可能性がある。
「ブラウンさん?」
「あぁ、悪い。もう撃っても大丈夫だ」
今は目の前の敵に集中するべきか。
「──ん?」
オリビアが四重で唱えた【戦慄の光球体】を撃ち、俺も各人に【ロニゲスメイシュ】をかけたところで、索敵に高速で飛来する何かが映る。
それからすぐ、まるで彼らの時間が静止したかのように七百を越えるスケルトンの足が一斉に止まった。
高速で飛来する何かはすぐに視認できる距離まで近づき、それが竜種であることがわかり、それに乗る見知った顔の一行の姿が確認できた。
初めに二人が竜の背中からこちらへと飛び移ってきた。
「よぉ、兄ちゃん。モテモテじゃねぇか!」
エビ男を引き連れたカニ男が後方から追ってくるスケルトンの群れを見ながら、下衆な笑みを浮かべて楽しげに話しかけてくる。
「何でこんなところに……?」
レオナを庇うように前に出てそう伝える。オリビアは、熱い視線を送ってきていたエビ男から逃げるように俺の後ろに隠れてしまった。
「今回は別に争うつもりはねぇよ。雇われて来ただけだしな」
カニ男が、後ろへと意味ありげな視線を向ける。その視線を辿ると、《スピリッツ・サーヴァント》のメンバーを乗せた小柄な竜が、ジャックさんの隣に並び、アリスがこちらへと飛び移ってくるのが見えた。
前回の一件があったからか、普段より険しい顔つきのアーヴィンがアリスに続く。
「アリス!」
「レオナ」
先程まですごい形相で俺を睨んできていたアリスが花の咲いたような満面の笑顔になり、彼女の元に駆け寄ってきたレオナを抱き止める。
隣の小さな竜に乗るマルヴィナが少しぐったりと横になっていることから、スケルトンには彼女が大規模な精霊魔法で足止めをしてくれたのだと気づいた。
彼女の努力を無駄にしないためにも、急ぎダンジョンを出た方がいいだろう。
「すまない、手紙に気づくのが遅れた」
「……やっぱり。見てたらリティシュで会えないもんね」
「……」
アリスとレオナが微笑ましげに会話をするなか、無言でアーヴィンと向き合う。
カニ男たちは俺たちの様子を見て、気まずそうに向こうの竜の方へ戻っていった。
「……」
ここにきて、いくつかの疑問が解決した。
あのときは何故ニコが真っ直ぐに追って来られたのか疑問だったが、それ以前に、カニ男たちが西の国で俺たちの前に出てきた時点でおかしかったんだ。
そもそも、ジャックさんでシャマまで移動した俺たちに、カニ男たちが追い付いたこと自体が異常だった。
そのことにすら気づかなかったことに少し自己嫌悪しながらも、まだ足りないピースがあることに気づく。
ニコについては、《スピリッツ・サーヴァント》と何らかの繋がりがあると仮定して、カニ男たちから事前に居場所を聞いていたとする。だが、奴等はどうやって居場所を特定したんだ?
奴等が何らかの手段で俺たちに追い付いたとしても、居場所がわからなければ意味がないはずだ。
ただ、今はそれよりも優先することがあるか……。
「マルヴィナ」
アーヴィンの横を通りすぎて隣の竜の方へ飛び移り、彼女の元へ向かう。
「どーしたの?」
ぐでっとしていたマルヴィナが、気怠げに起き上がった。
「ほら、カルパスの実だ」
「……ありがと」
カルパスの実を受け取ったマルヴィナが、それを食べる。カルパスの実には、多分な魔素が含まれているため、気休め程度にはなるだろう。
無事に第一層へと続く門を潜り、ダンジョンの入り口を目指していると、複数のスケルトンが突如出現した魔方陣から現れるが、ジャックさんたちが吐息で一掃する。
今の魔方陣を見る限りだと、七百近くいたスケルトンたちも抜け道使ったというよりかは、転移などの可能性を疑うべきか。
第一層に着いてからは、散発的な戦闘があっただけで、そのままカルレランを後にすることができた。
カルレランを出たところで、フレディとジャックさんには竜化を解いてもらって状況の確認をする。
そこで、レオナを追っていた《スピリッツ・サーヴァント》とオリビアを追っていたアンナが共謀していたことを聞かされた。俺たちの居場所については、アンナの“予想”を頼りに突き止めたそうだ。
ニコは《スピリッツ・サーヴァント》からの依頼という形でレオナの護衛もしていたようだった。
つまり、彼女は今回のダンジョンアタックで二重の報酬を得ていることになる。相変わらず、ニコはそういうところが抜け目ない。
その時にアンナからの伝言として、ニコとオリビアはともかく、俺の脱退処理が終わっていないことも伝えられた。
──どうやら、受理される前に差し押さえられたようだ。
《スピリッツ・サーヴァント》がカルレランに来た経緯としても、ギルドメンバーである俺の救援的な意味もあったようだ。実際助かってはいるが、アンナの珍しい行動に少し薄気味悪さも覚える。
ギルドの方には気持ちばかりの置き土産をしてきたので、それが効いただけだろうか……?
レオナはレオナで《スピリッツ・サーヴァント》のメンバーと話をつけたようで、暫くは俺たちと一緒にいられるようだった。
《スピリッツ・サーヴァント》の面々も暫くは西の国で活動するそうだが、ニコがいればレオナの方は大丈夫だろうということで、俺たちと行動を共にするつもりはないそうだ。
俺たちはこの後、オリビア追放の原因となった魔石が売られると思われる、闇市の開催されるセンタリーに向かう予定だが、その前にスケルトン・ナイトの魔石の換金などもあるので、一度アリオンのギルドへと向かうことにした。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜
西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」
主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。
生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。
その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。
だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。
しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。
そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。
これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。
※かなり冗長です。
説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる